だからこそ,米SNS企業に,巨大なポータル企業やメディア企業からの買収提案が舞い込んでくるのだ。先週あたりからしきりに,大手のFacebookやBeboが買収されるのではとの観測記事が飛び交っている。
中でも注目がFacebookの動向だ。独走気味のMySpaceに対抗できるとなると,やはりFacebookである。前日のWSJ.comにも,かねてから噂されていた開放路線について,Facebookが今日にも宣言するのではとの記事が出ていた。以下に,同記事の一部を引用する。
On Thursday, the Palo Alto, Calif., company will announce a new strategy to let other companies provide their services on special pages within its popular Web site. These companies will be able to link into Facebook users' networks of online friends, according to people familiar with the matter.Facebook上で外部企業もいろんなビジネスができるようになる。まさに,SNSがOSのような存在になり,その上でかなり自由に外部企業もサービスを展開できそうだ。
一方のMySpaceは,写真・動画共有サイトPhotobucketに続いて,ユーザーWidget作成サービス会社のFlextorを獲得した。SNS上でのアプリケーション(サービス)も囲い込もうとしている。SNS市場を事実上独占しているMySpaceが垂直統合化の動きを見せ始めているのに対し,Facebookが水平分散ビジネスに向かおうとしているのは興味深い。
Nielsen/NetRatingsによると,4月における米国からのユニーク訪問者数は,MySpaceが5700万人に対し,Facebookが1440万人である。差が大きい。でも,Facebookは以前,学生(学校のe-mailアドレス保有者)しか加入できなかったが,今は誰もが自由に参加できるように開放した(紹介は不必要)。こうしたオープン路線が功を奏して,この1年間ではFacebookの伸び率はMySpaceの約3倍となっている。
創立者のZuckerbergは3年前の19歳の時に,Facebookを立ち上げた。現在23歳である。そのせいか,考え方も壮大である。大金持ちになれる機会も蹴ってきた。WSJ.comによると,彼のモットーは'Make the world more open.' オープンSNSには夢がある。
◇参考
・Facebook Opens Its Pages As a Way to Fuel Growth (WSJ.com)
・巨人MySpaceに挑むFacebook,大逆転のために打つ手とは?(メディア・パブ)
・MSの手ごわい敵、GoogleではなくてMySpaceである(メディア・パブ)
・MySpace,揺さぶった末に動画・写真共有サイトPhotBucketを買収へ(メディア・パブ)