同じような草の根WiFi(無線LAN)サービス“FON”が,2006年の年初に話題になった状況と似ている。MerakiもFONと同じく,Googleから資金調達を受けている。
Merakiは,ユーザー設置の無線LAN装置をメッシュ状につなげたネットワークで,ブロードバンドアクセスを実現させるサービスである。つまり草の根WiFiネットワークで,ブロードバンドのラストワンマイルを安価に提供できることを狙う。ブロードバンド・アクセス・コストを,一家庭あたり月間1〜2ドルで済ませたいという。
ユーザーが設置する無線LAN装置(リピーター付き)は,室内用が49ドルで,屋外用が99ドルである。屋外用は全天候型で,外壁などに貼り付けて利用する。屋外用の出荷は今夏の予定。また屋外用にはソーラー発電装置が付けられる。ソーラーキットの価格は500ドルと高価だが,今後,安くなるという。
Merakiはテスト段階から口コミで広まり,5月上旬の正式サービス以前から,世界中で多くのマニアがテストに参加していた。現在,既に,35ケ国4万人のユーザーが加わっている。インターネットのアクセス網となるメッシュネットワークが1000個存在している。以下は,利用マップである。初期のFONの時と同様,日本からの利用者はほとんどいないようだ。
このMerakiで注目されるのは,サンフランシスコでパブリックな無料WiFi(無線LAN)サービスが進められていることだ。3ヶ月前からボランティアによるメッシュ網が稼働しており,住民3000人が利用している。1万5000人の住民が無料利用できるように,同社は住民コミュニティーに働きかけていくという。
◇参考
・DIGITAL DOMAIN; Wireless Internet for All, Without the Towers (NYTimes.com)
・Meraki Introduces First Solar Powered Outdoor WiFi Access Kit(プレスリリース)
・Meraki to Build Free Community WiFi Network in San Francisco(プレスリリース)
・Meraki Introduces Solar-Powered WiFi(The Next Net)
・Free S.F. Wi-Fi Debate Heats Up(ABC30.com)
・世界規模の無線LANネットワークに向けて,GoogleとSkypeがFONに出資
・世界規模の「草の根無線LAN」を目指す"FON",日本でもチラホラ


