そこで、スマホをはじめPCなどに組み込まれている「音声アシスタント」機能が、世界のネットユーザーの間でどれくらい利用されているのかの調査を、アクセンチュアが実施した。調査は世界26か国(Australia, Brazil, Canada, China, Czech Republic, France, Germany, Hungary, India, Ireland, Italy, Japan, Mexico, the Netherlands, Poland, Romania, Saudi Arabia, Singapore, Slovakia, South Africa, Spain, Sweden, Turkey, the United Arab Emirates, the United Kingdom and the United States)の2万5996人を対象に、2016年10月から11月までの間にオンラインで行った。回答者の年齢層も14歳から55歳以上までと、各国のオンラインユーザー数の分布に合わせた。
結果例を図1に示す。世代別の利用状況を見ても明らかのように、若い世代ほど多くの人が利用しているが、中高年層になると音声アシスタントに抵抗を示す人が多い。
図1 音声アシスタントの利用率
14歳から17歳までの10代では、
逆にX世代(35〜55歳)とか、ベビーブーマ世代(55歳以降)となると、スマホなどに向かって音声で問いかけることに抵抗を感じるのか、あるいは問い合わせるたびに個人情報が吸い上げられていくことに危機感を抱くのか、使いたくないという割合が高い。
今回の調査で興味深かったのは、国別で利用率が大きく異なっていたことだ。中国とインドがそれぞれ55%と高く、米国も46%と高かった。逆に、カナダは27%、ドイツは28%と低かった。日本の結果は出ていなかったが、おそらく低いのではなかろうか。確かに中国では、スマホに向かって話しかけている姿をよく見かける。
今回の調査でも、スマホユーザーの間で次のようなパーソナライズ・サービスのニーズが高まっていると指摘していた。
My health assistant
Smart trip assistant
My personal assistant
Home mood-atmosphere assistant
Entertainment advisor
Event advisor
My fashion assistant
そのニーズに応えて、質の高いAI音声アシスタントの出番が増えるのだろう。
またこうした音声アシスタントの流れに乗って、米アマゾンが売り出した据え置きタイプの音声アシスタントデバイス「エコー」が品切れになるほど爆発的な人気を博し、さらにエコーに搭載された音声アシスタント機能「Alexa」を搭載した製品群が今年1月のCES(Consumer Electronics Show)の最大の目玉になった。これからは、機械に向かって声を出してやり取りしないとダメなんだろうか・・・。
◇参考
・Dynamic Digital Consumers(Accenture)
・Half of Connected Teens Globally Say They’re Using Voice-Enabled Digital Assistants(Marketing Charts)