ところが、前回の四半期決算発表時あたりから、このような高度成長も厳しくなってきていると語り始めている。ニュースフォード(タイムライン)に流していく広告が打ち出の小槌となっているが、満杯になってきており割り込ませる広告にも限界に達してきているのだ。
同社売上高のほとんどが広告売上に頼っており、その四半期単位の売上高の成長率も確かに鈍り始めている。2015年第2四半期から売上高成長率が、図1に示すように、
59.23%→55.77%→50.81%→49.24%→45%
と、四半期ごとに成長率が減り続けているのだ。
でも、成長率が鈍っているといっても、2015年第2四半期の売上高は前年同期比45%増の93.2億ドルとなっている。アナリストの予想の92億ドルをも上回っている。贅沢な心配にも思えるのだが・・。
(ソース:Facebook)
図1 四半期単位の売上高成長率の推移
売上高や利益を順調に伸ばしているだけではなくて、旗艦のFacebookを核に、MessengerとWhatsAppそれにInstagramといった各ソーシャルサービスのユーザー数を着実に増やし続けている。MAU(月間アクティブユーザー)で見ても、先月20億人を突破させたFacebook(FB)を先頭に、それぞれ12億人を超えたMessengerとWhatsApp、また急成長で7億人に達したInstagramと、勢いが止まらない。こうしたユーザーの行動から膨大な個人情報(ビッグデータ)を収集し、それが同社のサービスの強力な武器となっている。
FBのMAU(月間アクティブユーザー)とDAU(デイリーアクティブユーザー)の推移は、図2と図3に掲げる。MANが20億人、DAUが13億人を超え、いずれも前年比で17%増となった。
(ソース:Facebook)
図2 MAUの推移。前年比17%増で、20億人を突破した。
(ソース:Facebook)
図3 DAUの推移。前年比17%増で、13.2億人が毎日利用している。ユーザー数を増やす一方で、DAU/MAUが66%を維持
ここで注目すべきは、世界中でとてつもない規模のユーザーを相手にサービスを提供しながら、月間アクティブユーザーのうち日々のアクティブユーザーの割合を示すDAU/MAUがグローバルで66%を維持していることだ。また完全に天井を打った見られている北米(US&Canada)市場でも、この1年間でMAUを1000万人増やす一方で、DAU/MAUを前年より1%増の77.5%とエンゲージメントをアップさせている。
最近のインターネットユーザーは、複数のSNSを使い分けしている。だから、たまにしか使っていないユーザーも多く含まれやすい。そこでDAU/MAUのような指標が意味がある。いかに習慣化して使っているかを知る上でも重要だ。昨年、Pew Research Centerが米国の成人が代表的なSNSがどれくらい頻繁に利用されているかを調査していたので、その結果を図4に掲げる。FBが最も頻繁に利用されている。ユーザー数そのものが圧倒的に多い上に、一人当たりの利用頻度も高いのである。いかにFBが日常的に頻繁に利用されているかが読み取れる。
(ソース:Pew Research Center)
図4 毎日のように利用されるSNSとたまにしか利用されないSNS
◇参考
・Facebook Reports Second Quarter 2017 Results(Facebook)
・Quarterly Earning Slides:Second Quarter 2017(Facebook)
・Social Media Update 2016(Pew Research Center)