ポータルの雲行きが怪しくなってきているのは,自慢のページビューの伸びが鈍化してきたからだ。それとは対照的に,SNSに代表されるソーシャル系サイトのページビューが爆発的に急増している。また検索エンジンでは,特に欧米市場において,完全にGoogleに主導権を握られてしまった。
それでも昨年までは,絶好調であったインターネット広告市場の追い風に助けられて凌いでこれた。だがその反動もあってか,今年に入ってディスプレイ広告の成長鈍化が目立つようになっている。
特に最近,AOLやYahooのような米大手ポータルで,広告売上高の伸びにブレーキが掛かってきた。昨年の反動だけではなさそうだ。New York Postが報じるように,ディスプレイ広告枠の単価が落ち始めていることが大きいという。New York Times, Washington Post,Cnetのような 大手パブリシャー(メディア)サイトで同じ傾向が見られる。
単価を押し下げている要因の一つは,ディスプレイ広告枠(スペース)が溢れてきているためという。MySpace,Facebook,YouTubeのようなソーシャルネットワーク系サイトの台頭で,単価の低い広告枠在庫が一気に増えてきたのは確かである。
それに合わせて,広告取引所(ad exchanges:国内では広告マーケットプレースとも呼ばれている)が離陸してきたのも無視できない。急増する広告枠を効率よくさばくことが期待される。広告主にすれば, 選択できるディスプレイ広告枠が増え,適した広告枠を安価に利用できるようになってきたのだ。広告取引所は広告主とパブリッシャーとの間で,広告枠を売買するマーケットプレースである。誰もが参加できるオープンな中立的な運用を売り物にする。広告市場でもポータルの優位性が崩れていくのかもしれない。もちろんポータル系サイトも広告取引市場で主導権を握ろうと必死だ。MicrosoftはaQuantiveを買収し、YahooはRightMediaの一部株式を取得して,Google(DoubleClick買収)と同様,動き始めている。
ともかく,インターネット上には,コンテンツも広告枠も氾濫し溢れかえってきている。ユーザーにとって,所望のコンテンツや広告枠をシステマティックに探し出すツールも揃ってきた。傾向として,コンテンツがタダになり,広告単価が安くなるのも仕方ないのか・・・。
◇参考
・ONLINE AD WAR(New York Post)
・A Portal in Crisis? (OMMA)
・Ad Exchanges are Changing Everything(Search Engine Roundtable)
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