New York Postのスクープである。同記事によると,同紙サイトの有料サービス“Timeselect”で提供していた有名コラムニスト記事(Op-Ed)の無料化を,NYTの経営陣が決めたという。
アーカイブの過去記事を別にすれば,現在も最新記事を有料提供している新聞社サイトは数少ない。有力サイトとしては,WSJ,FT(Financial Times)それにNYTくらいである。だが,FT.comの記事は配信先の他ニュースサイトなどで無料閲読できることが多くなってきた。NYTimes.comでもこれまで通常のニュース記事は無料で閲読できていた。売り物であるOp-Edなどのコラム記事だけが有料であったが,それも無料化になるということだ。
となると,WSJ.comが有料サイトの最後の砦となるのかもしれない。だが,DJ(ダウジョーンズ)がNews Corpに買収されることになったため,マードックがWSJ.comの無料化を仕掛けるのではとの噂が絶えない。
米国の大手新聞社は最近,Webと心中する覚悟で,オンラインシフトを加速化させている。いかにオンライン広告売上高を伸ばしていけるかが鍵となる。米国の有力新聞社サイトは,英語コンテンツなのでグローバル展開できるのが強みである。中でも,インドや中国市場の急成長が楽しみである。ちまちました有料サービスで販売売上を伸ばすよりも,無料にして世界からの読者をより多く呼び込み,広告売上を増やすことの方が賢明なのかもしれない。
◇参考
・TIMESSELECT CONTENT FREED(New York Post)
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