旧来メディアが安住できなくなった
インターネットの出現で,新聞や雑誌などのマスメディアは大きな岐路に立たされている。1次情報にアクセスできる特権や,編集・制作し情報発信(流通)できる環境が,誰もが簡単にしかも安価に手にいれられるようになった。
ネット上でのコンテンツプロバイダを,主に自前でコンテンツを作り出している1次プロバイダと,多くの1次プロバイダのコンテンツをかき集めて(アグリゲートして)独自に編成して情報提供する2次プロバイダに分けて,考えてみよう。
1次プロバイダとしては,雑誌社や新聞社,放送局,通信社などの旧来マスメディアのサイトが集客力を発揮してきたのは確かだ。だが一方で,企業サイトや個人サイト(ブログが台頭),大学,公共組織なども,すごい勢いで情報発信を拡大しており,質的にも旧来マスメディアを凌ぐコンテンツが増えてきた。
さらに最近の台風の目となっているのが,2次コンテンツプロバイダだ。目覚ましい進歩を見せるサーチエンジンの出現やXMLのサブセットとも言えるRSSの浸透が,付加価値の高い情報提供を可能にした。Google newsやYahoo!が代表選手だ。さらに特定分野に特化したサーチエンジンをベースに,ネットならではの情報提供を仕掛ける2次プロバイダが相次いで登場し始めている。
最近の見逃せない動きとしては,1次プロバイダの2次プロバイダ化と,2次プロバイダの1次プロバイダ化である。特に米国の出版社サイトでは,2次プロバイダを買収する企業も出てきた。2次プロバイダが自前コンテンツ作りに手を伸ばす動きは,国内でも現れ,ライブドアが報道部門設置もその一例だ。
さらにRSSの普及の影響もメディアのあり方を大きく変えそうだ。現在は,RSSの採用はブログや一部のニュースサイトに限られており,RSSリーダーを使いこなしているのも少数の先端ユーザーだけである。しかし,1〜2年後には様変わりするのは間違いない。パソコンのOSにRSSリーダー機能が組み込まれ,使い勝手が良くなるはずだから。その前に企業サイトなどの1次プロバイダは,競ってRSS配信に乗り出すのではなかろうか。RSSで配信していけば,2次コンテンツプロバイダやRSSサーチエンジン経由でユーザーに届く機会が増えるからだ。
コンテンツがどのように伝搬していくのか
ニュースなどのコンテンツ発信サイトへのアクセス数を増やすには,直接の来訪だけに頼るのではなくて,多様なチャンネル(ルート)から訪問させる配慮が必要だ。その有効な手段がRSS配信である。一旦,ブログの世界で伝搬し始めると,面白いコンテンツだと,信じられないほどのアクセスが殺到する。ニュースの伝搬する仕組みを図解している以下の記事は興味深い。
How News Travel on the Intenet(Hammer of Truth)
2004年09月01日
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