先陣を切ったのは,USA TodayとWashington Post。専用ページを用意し,本格的なWidget配信に乗り出した。The Wall Street Journalも準備を進めている。New York Timesも簡単なWidget配信を既に試みている。
近く,ブログやSNS(プロフィールページ),パーソナライズドページ,個人ホームページなどの個人ページで,各社の最新ニュースの見出しなどをWidgetの形で見ることができることになりそう。
USA TodayとWashington Postの例を見てみよう。
USA Todayでは,とりあえず次の3種類のWidgetを用意した。
・Travel Deals and Destinations
・Today in the Sky with Ben Mutzabaugh
・Top Travel Stories
代表的なパーソナライズドページ(Netvibesなど),SNS(MySpaceなど),ブログ(TypePadなど),ホームページ(Freewebs)には,ワンクリックで所望のWidgetを貼り付けることができるようにした。
washintonpost.comは,次の9種類のWidgetを用意した。
・Celebritology
・D.C. Sports Bog
・The Fix
・Lean Plate Club
・On Balance
・Post I.T.
・PostGlobal
・White House Watch
・Iraq Strategy
実際のWidget2種を,以下に貼り付けておく。
*Post I.T.
*Iraq Strategy
ここでも,以下のように,Googleなどのパーソナライズドページにワンクリックで貼り付けることができる。
米国の新聞社サイトでは,カテゴリー別のニュースをRSSフィードできめ細かく配信しているので,Widget配信についても特に障壁はなさそう。RSS配信と同様,ニュースカテゴリー別のWidgetを揃えていくことになろう。既に現在でも,iGoogleやNetvibesなどのパーソナライズドページでは,RSSフィードから抽出した見出しなどを,Widgetのごとく貼り付けることができる。ただ,スタティックな形ではあるが。また,Nokiaのケータイ向けに,欧米の多くのメディアサイトはRSSフィード対応のWidgetを用意している。
ここにきて,米国の新聞社や雑誌社などのメディア企業が本格的にWidgetに取り組もうとしているのは,Widgetを利用したサービス提供やバイラルマーケティングが盛り上がってきているからだ。
本格的なWidgetを制作し配信していくには,Widget制作/配信の専門業者に頼ることになりそう。代表的なブログ,SNS,個人ホームページ,パーソナライズページに対応させたり,インタラクティブ(タブやスクロールなど)機能やマルチメディア機能,バイラル機能などを備える必要があるからだ。またホスティング機能やアクセスログやトラフィック測定も必要になろう。そこで,USA TodayはNewsGator Technologiesに,またWashington PostはMuseStormに依頼している。
◇参考
・Widget Goes Arlington: Paper Adopts Hot New Web Tool (AP)
・Free Webinar: Widgets and the Future of Advertising(NewsGator Technologies)
・最新ニュースリリースもウィジェットでチェック(メディア・パブ)
・経済誌ForbesサイトのWidgets採用,バイラルマーケティングに注目(メディア・パブ)
・新聞社NYTが手掛けるWidget利用の有料サービスとは(メディア・パブ)
・欧米のメディア企業,ノキアのWidSets対応のニュース配信に相次ぎ参加(メディア・パブ)
GoogleやYahooで報道の「全体像」が見渡せるのに、わざわざ「部分」に過ぎない特定新聞社のニュースにコミットするわけがない。
もちろん、そのinternetの性格ゆえに、GoogleやYahooも安泰ではない。
より「全体性」「効率性」「利便性」を提供する存在が出てくれば、即座に沈む。
「際限無き「全体性」「効率性」「利便性」追求game」、不安定な世界ですねぇ。