英国の経済紙Financial Timesのサイト(FT.com)も,有料サービス終了への一歩を踏み出すことになりそうだ。
FT.comではこれまで,一部の記事を無料で閲覧できてはいたが,全記事を閲覧するには,年間 £98.99 ($110 in the US) か月間 £8.25 ($9.20 to the US) を払わなければならなかった。
その課金システムを,10月中旬から一部変更する。1ヶ月間で30本の記事を無料で閲覧できるようにするのだ。新たな有料サービス会員を増やすための対応かもしれないが,中途半端に思えてならない。いずれ,「課金の壁(pay wall)」を撤廃して,全記事を無料で開放するのではなかろうか。
FT.com自身も記事の中で,NYTやWSJの例を挙げて,有料サービス終焉のトレンドを次のように紹介している。
The move comes as growing online advertising revenues prompted the New York Times to end online subscriptions, and as Rupert Murdoch is considering abandoning subscriptions to increase traffic to the Wall Street Journal’s website after News Corp’s purchase of Dow Jones.また同記事では,一般のユーザーがアクセスできなかった有料記事を,本数の制約があるにしろ,無料で閲覧させることにより,ブロガーやニュースアグリゲーターがFT.comの記事にリンクを張ってくれるようになると述べている。それなら,30本とケチらずに全記事を無料で閲覧させたほうが,もっとソーシャルメディア経由のトラフィックを増やせるようになるのでは・・。
◇参考
・FT.com pioneers change to charging(FT.com)
・FT.com Drops Pay Wall For Casual Readers; Subs Remain For Others(paidContent:UK)
・Interview: Ien Cheng, FT.com Publisher: A Pay Wall ‘Third Way’(paidContent:UK)
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