そうしたネット上の口コミが,企業の商品売上を左右する時代になってきた。オンラインメディアも同じだ。オンラインメディアの記事が,ブログの世界で頻繁に話のネタとして取り上げられれば,サイトのページビュー数も増え,そして広告売上のアップにもつながる。
米Technorati CEOであるDavid Sifry氏のブログでは,定期的に,世界中のブログから各メディアサイトや各ブログへのインバウンドソース数を公表している。このほど,最近のデーターを彼のブログエントリー“State of the Blogosphere, August 2005, Part 5: The A-List and the Long Tail”の中で発表した。リンクランキングのグラフで,ブログから引用されるメディアサイトやブログがランキング順位で一覧できる。上位20は次の通り。
New York Times
Washington Post
Yahoo News
BBC
Gurdian
MSNBC
Wired News
Boing Boing(ブログ)
USA Today
Fox News
News.com
Reuter
SF Gate
Salon
MTV
Daily Kos(ブログ)
Instapundit(ブログ)
La Times
Gizmode(ブログ)
FARK(ブログ)
トップ3に入っているはずのCNNがグラフでは抜けていたり,またBusinessWeekの記者ブログでBusinessWeekが外れているのは変だと文句を付けれれているように,正確さの点で問題があるかもしれない。だが,おおまかなトレンドは読みとれる。
さすがに,New York Times,Washington Post,BBCなどの有力なMM(mainstream media)のサイトは,ブログの世界でも頻繁に引用されている。注目したいのは,Boing BoingやDaily Kos,Instapunditといった人気ブログが主要MMのサイトと競い始めていることだ。主要MMのサイトとなれば多くが,専任のスタッフ数十人を抱えているはず。一方ブログでは,せいぜい数人(時には一人)で,それも副業的にやっていることが多い。ガリバーMMの領域にちっぽけなブログが浸食してきたのだ。こうしたデータを見せつけられると,広告主もブログ広告を一丁やってみようと思うのかも。
またSifry氏が述べているように,MMさいとがWeb登録(無料)を採用しても,ブロガーには障壁になっていないようだ。New York TimesやWashington Postがトップを競っていることから分かるように。逆に,有料化しているWSJ.comの引用件数は少ないとのこと。そのためか,最近ではWSJ.comは毎日,複数の記事を無料で公開し始めている。