昨日の敵は今日の友。NBC Universal と News Corporationのジョイントベンチャーが,10月29日(米時間)にプライベートベーター版の“Hulu”を立ち上げた。
10月末までにスタートするとの発表があったので,3週間ほど前に事前登録しておいた。昨日,次のようなメールが届いたのだが,まだ招待状を入手できない。このため,実際のサイトの中を覗けていない。海外からは視聴ができないのかもしれない。
“You have successfully submitted *******@gmail.com for inclusion on the Hulu private beta invite list.
We will send an invitation as soon as we are ready for you!
Thank you,
Team Hulu”
そこで,米国のブログやメディアサイトでHuluの評価をみることにした。以下のように意外なほど高く評価されていた。
・“Hulu Hands-On Review in One Word: Brilliant” (GigaOM)
・“Hulu Launches Private Beta, Makes Very Good First Impressions”(TechCrunch)
・“A review of Hulu.com(the first thing you’ll notice is the clean, theater-like design. Very sharp)”(Lost Remote TV Blog)
Huluに対する前評判は,どちらかと言えば厳しかった。競合する有力メディアが組むジョイントプロジェクトなんか,上手くいくはずがないとの声が多かった。多くのTV局や映画会社から供給を受けた動画コンテンツを,ノーカットでしかも無料で配信すると大風呂敷を広げていたが,サービス開始がズルズルの延びたこともあって,ブロガーの間ではあまり期待されていなかった。
もともとHuluは,YouTube(Google)対抗で生まれたプロジェクトである。このままでは動画配信サービス事業の制空権をGoogleに握られてしまう。さらに,動画配信でも力を付けてきたAppleからは,iTunes StoreでのTV番組の料金値下げを突きつけられていた。TV局のような伝統メディアとしては,何とか巻き返しを図りたかったのだ。
このような背景下で,GoogleやAppleに対する敵愾心がバネになったのかもしれない。Huluの出来映えが意外なほど良かったようだ。上で紹介したように,概ね歓迎されている。もちろん,まだプライベートベーターのテスト段階で,期待を込めた反応だろう。魅力あるコンテンツを,どれくらい多く集めるかにかかっている。
Hulu Blogによると,The Office, Prison Break, The Simpsons, Heroesのような最新の人気TV番組やArrested Development, Miami Vice, Buffy the Vampire Slayer, The A-Teamなどの過去のTV番組,それにConan the Barbarian, Sideways , The Blues Brothersといった映画が,オンデマンドで無料で楽しめるようになる。もちろん,広告付きのストリーム視聴である。
AOL, Comcast, MSN, MySpace,Yahooの大手サイトとは配信パートナーとして提携し,動画コンテンツを配信する。例えば,MSNのサイトでは以下のようになる(Huluサイトで掲載されていたスクリーンショットより)
(ソース;Hulu)
◇参考
・Beta testing begins for Hulu(Hulu Blog)
・NBC Confirms Pulling YouTube Content for Hulu(NewTeeVee)
・Big Media vs. YouTube & Google: Smart or Not?(GigaOM)
・Making Sense of Hulu (NYTimes.com)