"We are studying it and we expect to make that free, and instead of having 1 million (subscribers), having at least 10 million to 15 million in every corner of the earth,"100万人のオンラインサブスクライバー(購読者)を失っても,無料化にすれば少なくても1000万〜1500万人の新規ユーザーを獲得できると主張している。もちろん,その分の広告売上の大幅増収を期待しているのだ。
TechCrunchの試算によると,6000万ドルの広告売上高を新たに生むと予想している。WSJ.comの広告料金を $25 CPM (cost per thousand)として, 1000万ユーザーに向けて20本の広告を掲載していくとする。すると,年間の広告売上高は次のようにはじかれる。
$60,000,000=$25/1,000ビジター X 20 広告/月 X 12 月 X 10,000,000 ビジター
先日,米IAB(the Interactive Advertising Bureau)は2007年第3四半期のインターネット広告費を,前年同期比25.3%増の52億ドルと発表した。今年の年間では200億ドルを超えるのは確実であろう。こうした背景が,マードックのWSJ.com無料化を後押ししているのか。
◇参考
・Murdoch Says WSJ Web Site to Drop Fees (AP)
・Murdoch Serious About Tearing Down WSJ.com’s Subscription Wall(TechCrunch)
・INTERNET ADVERTISING REVENUES IN Q3 ’07 SURPASS $5.2 BILLION, SETTING NEW HIGH(IAB)
・「WSJサイトを無料化にすべきだ」とマードックが繰り返し主張(メディア・パブ)
・英ファイナンシャルタイムズも「課金の壁」撤廃へ一歩(メディア・パブ)
・NYTが有料化サービスを中止,1987年以降の記事も無料に(メディア・パブ)