2005年09月27日

新聞社がブロガーに謝るとき

  既存メディアとブログとの共存が進んでいる。新聞社,出版社,それにTV局のオンラインサイトも,今やブログコーナーを設けるのは当たり前。外部の個人ブログとの連係も盛んになってきた。

  ニュースサイトにとって,ブログは集客マシーンとしても貴重な存在になっている。RSSで新着ニュースを通知すれば,ブログが集客の手伝いをしてくれる。ブロガーがニュース記事を引用し,サイトへのリンクを張ってくれるからだ。

 一方で,ブログがオリジナルニュースを発信する場合も珍しくなくなってきた。ブログ出版社も次々と生まれている。ブロガーの中にはジャーナリストやコラムニストのようにプロのライターも少なくない。米国のメインストリームメディアのジャーナリストにとっても,取材過程でブログを参考にする場合も増えているという。
 
  ブログがニュースサイトの記事を引用するように,今やニュースサイトがブログを引用しても不思議ではないのだ。実際に目立つようになってきた。暗黙のルールとして,引用ソースを明示すべきである。ところが,Wall Street Journalがきっちりと対応してなかったようで,ブロガーに謝る醜態をさらけ出したのだ。

 事の経緯はこうだ。ジャーナリスト兼ブロガーであるRafat Ali氏が,Viacom関連のスクープを彼のブログ“paidContent.org”(スクープ記事はこちら)で伝えた。その後を追うようにWSJ onlineが同様の記事を掲載した。そこで問題が起きた。Ali氏が「WSJ onlineの記事はpaidContent.orgのスクープを引用しているのに,クレジットを入れていない」と主張したのだ。「恥知らず」と猛烈に抗議した背景には,つい最近にもクレジットを入れないで,WSJ onlineがpaidContent.orgの記事を引用していたからと言う。この抗議を受けて,WSJはようやく前の記事も含め,クレジットを入れてニュース記事を更新した。また“Corrections & Amplifications”にも掲載し,事実上,謝ることになった。

 ブログではニュースをベースに議論したり主張する場合が多い。お互いに引用していくうちに,一種の伝言ゲームのようになり,オリジナルソースがあいまいになりやすい。時間的制約から引用先がオリジナルソースでない場合も出てくる。発表モノのニュースなら問題にならないが,今回のようにスクープの場合,クレジットが入っていないと,オリジナルソース側から噛みつかれる。多くの人に,後追いしたメインストリームメディアがスクープしたと見られるからだ。


◇参考
Exclusive: Viacom Close To Buying iFilm(paidContent.org)
:paidContent.orgのViacom関連記事

Viacom Holds Talks to Buy Web Movie Network(WSJ online)
:最初のWSJのViacom関連記事にはクレジットが入っていなかった。現在はアップデートされて,クレジットが入っている。

WSJ Steals our Story, Again: Update(paidContent.org)
:paidContent.orgがWSJ onlineに抗議したブログエントリー

WSJ Correction Acknowledges paidContent.Org's Report(paidContent.org)
:WSJのViacom関連記事にクレジットが追加されたことを報告したpaidContent.Orgのブログ

Corrections & Amplifications(September 22, 2005)(WSJ online)
:WSJ online訂正のお知らせ欄で通知

ジャーナリストの半分以上,仕事でブログを活用
Credit Where Credit Is Due: Updated(paidContent.org)
Amazon Appears to Be Moving Toward Offering Digital Music(WSJ online)


posted by Kilimanjaro at 08:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
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