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2005年10月01日

テレビの視聴時間が減っている,というのはウソだったのか

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 テレビの視聴時間が減っている。インターネットの台頭でテレビ離れが進んでいる。それを前提にして,メディアのビジネスモデルを見直す動きがあちこちで展開中だ。

 ところがどっこい。米国のテレビ視聴時間は減るどころか増えており,今や過去最高のレベルに達している。Nielsen Media Researchの調査は,ネット業界の通説を覆す結果だ。レポートによると,家庭でのTV視聴時間は9年間,一本調子で増え続け,この1年間( 2004年9月〜2005年9月)では1日当たり平均8時間11分にもなった。1年前に比べ2.7%,10年前に比べ12.5%も増えている。個人の視聴時間は4時間32分で,これも過去最高に達している。プライムタイムの視聴者数も1年前に比べ増えており,決して低迷していない。

 先日のPew Internet Project のレポートでは,米国のブロードバンド世帯普及率は53%に達したが,早くも踊り場にさしかかっていることを伝えていた。インターネットの普及と同様,ブロードバンドも使いそうな人はほとんど利用しており,今後は,ほとんど伸びないとの分析だった。

 両方のレポートを見て感じることは,市場の2極分化がさらに進むことだ。確かにTVのカウチポテト族は減らないし,半数近くの人はブロードバンドと縁のない生活をおくるかもしれない。だが,富裕層や若年層はTVの視聴を減らし,ブロードバンドインターネットに接する時間を増やしている。ビジネスの観点からは,すでにブロードバンドを利用している富裕層や若年層を相手に商売をしていけば良いのだ。これ以上ブロードバンドを普及させても,つまり貧困層にブロードバンドを使わせても,ビジネス的には旨みがないと踏んでいるのだろう。やっぱりインターネットは貧富の格差をますます拡大させていくのだろうか。

 10年少し前の話を思い出した。某大学の某大先生が,その当時の米副大統領ゴアが提唱する世界情報基盤(GII:Global Information)をしきりに持ち上げ,日本も支援すべきと主張していた。地球のすみずみまでインターネット環境を整備する必要性を,声高らかに訴えていたのだ。GII構想は米産業の世界戦略であることは明白なのに。そこで,その先生に「世界の半分近い人が電話すらかけたことがない現状では,開発途上国の生活レベルアップにはGIIよりも電話環境の整備のほうを優先すべきでは」と質問したことがあるが,無視された。

 米国だけではなくて,これからの日本でも,もちろん地球レベルでも,インターネットは勝ち組と負け組を色分けしていきそうだ。このままだと,インターネットは貧富の格差を拡大させていく寂しいインフラとなる。

◇参考
・Nielsen Reports Americans Watch TV at Record Levels
・米国のブロードバンドの普及,踊り場に

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posted by 田中善一郎 at 10:45 | Comment(4) | TrackBack(0) | TV  ビデオ ラジオ
この記事へのコメント
電話もインターネットも、必要もない人に普及させることもないように思いますが。電気がなくともガスがなくとも(私たちから見て不便に思えても)普通に暮らしている人は世界中に多いわけですし。車の普及論議と似ている気がします。
Posted by うーん at 2005年10月01日 21:13
>インターネットは貧富の格差を拡大させていく寂しいインフラとなる
私もこのご意見に共感を覚えます。
先進の技術発展はよりよい世界への一歩であるかと思います。
しかし、それを活用して世界規模でのインフラ整備が可能になれば、埋もれ消えてゆく発想と技術の発掘、そして地球レベルでの情報共有からは今失われかけている「豊かな地球」への希望が見えてきそうです。
確かに様々な弊害はあるでしょうが、発展途上国で、国の発展の為、人命の為、インターネット・インフラ整備を望んでいる方々がに多くいらっしゃるのも現実です。
Posted by reimeikei at 2005年10月03日 10:48
ネットとテレビという二項対立のモデルで考えると間違えるような気がします。相互補完するモデル、ながら視聴そういうことも考える必要がありそうです。それと、日本と米国を比べるのはまた、キー局、系列局、広告代理店の影響力など様々、仕組みの違いがあって難しいのではないかと感じます。
Posted by kwmr at 2005年11月06日 16:18
ネット利用時間とテレビ視聴時間について自主調査レポートをリリースいたしました。ご参考にしてください。

http://www.interscope.co.jp/company/pdf/060629.pdf
Posted by 佐藤俊雄 at 2006年07月04日 00:16
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