以下に示す同社の統計データからも,この1年間の驚異的な成長ぶりが読みとれる。
Facebookの統計データ
・アクティブユーザー数:6000万人以上
・1日当たりの新規登録者数(2007年1月以降):25万人
・週間成長率(2007年1月以降):3%
・半年ごとにアクティブユーザー数が倍増
・会員の半数以上は非大学生
・25歳以上の会員が急増
・4年制大学生の85%がFacebook会員
・トラフィックのランキング(comScore調査):米国サイトの6位
・月間ページビュー数:650億PV以上
・アクティブユーザーの半数以上が毎日利用
・写真共有アプリケーション市場のトップ
・1日当たりの投稿写真数:1400万点
・Facebookプラットフォーム向けに開発されたアプリケーション数:7000
・毎日加わる新規アプリケーション数:100本
これまでのSNS市場ではMySpaceが圧倒的に強く,2位以下を大きく引き離して完全に独走していた。2位のFacebookはまったく相手にされていなかったと言える。それが,この1年で急変。Facebookのアクティブユーザー数とページビュー数が,MySpaceの約半分にまで一気に迫ってきたのだ。
MySpaceの月間アクティブユーザー数は1億1000万人(全世界)に対し,Facebookは6000万人である。またMySpaceの1日当たりページビュー数が今月に45億PVを突破したのだが,これは月間に直すと1350億PV相当となる。Facebookが650億PV/月なので,これも約半分になってきた。さらに注目すべきは,1日当たりの新規登録者数である。MySpaceの30万人に対し,Facebookは25万人とほぼ肩を並べている。成長性では勢いのあるFacebookに軍配が上がりそう。
確かに規模の点では,まだまだMySpaceには及ばない。でも,この1年間を振り返ってみると,新しいSNSの世界を切り開いてきたのはFacebookである。オープン・アプリケーション・プラットフォームやソーシャル広告のような革新的なシステムを,Facebookが仕掛けてきた。
現在のFacebookを見ていると,IPO(新規株式公開)前のGoogleの姿を彷彿させる。2003年頃にGoogleがYahooなどから買収話を持ちかけられたように,2007年にFacebookも同じような買収の誘いを受けた。今年も話が持ちかけられるかもしれない。2004年にGoogleはIPOを実施したが,その当時はまだAdWordsやAdSenseが今のような打出の小槌にはなっていなかった。でもIPO後,AdWords/AdSenceの広告事業が完全に軌道に乗ったのだ。一方Facebookは,ソーシャルグラフのAdWords/AdSenceに相当するソーシャル広告をマネタイズの武器として仕掛けている。ソーシャル広告はプライバシー問題で出鼻をくじかれたが,いずれソーシャル広告は開花するとの声が多い。ソーシャル広告が打出の小槌になると信じて,2009年にIPO実施というシナリオが描けそう。その前に,Googleが行ったように,FacebookもプロのCEOやCFOを外部から迎えないと。
さて,これからどうなるやら。いつまでもWeb2.0とGoogleではなくて,Web3.0とFacebookも悪くはない。最近話題のデータポータビリティーも絡んできて,面白くなりそうだ。
◇参考
・Statistics of Facebook(Facebook)
・Social Network Stats: Facebook, MySpace, Reunion (Web Strategy by Jeremiah)
・グーグル vs フェースブックの対決が鮮明に,逆風のFacebookに一転追い風が(メディア・パブ)
・絶頂のフェースブック,画期的広告手法が落とし穴に(メディア・パブ)
・Facebook、DataPortability Work Groupに招待される(TechCrunch Japanese アーカイブ)
・Facebookとグーグル、PlaxoがDataPortability作業グループに参加(TechCrunch Japanese アーカイブ)
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× 7000万本
○ 7000本
ですね.