USCのDigital Future Report2008年版は,全米の2000人の個人(非インターネットユーザーも含む)を対象に,オンラインの利用状況を調査したレポートである。7年間に渡って,毎年刊行している。2008年版では以下のカテゴリーについて,総計で約100項目のアンケート結果をまとめた。今回は特に,子供のインターネット利用についても言及している。
・America on the Internet
・Internet Non-Users
・Media Use and Trust
・Consumer Behavior
・Communication Patterns
・Online Communities
・Children And The Internet
この中で,“Media Use and Trust”を取り上げて,調査結果を簡単に紹介する。2007年実施の調査結果から見たトレンドは次のようになる。
・Television And The Internet: Importance As Sources Of Information And Entertainment --
ユーザーはインターネットを,TVやラジオ,新聞,書籍よりも重要な情報源と見なしている。
・Information Online: Is It Reliable? --
オンライン情報の大半を信用しているインターネットユーザーは46%で,非インターネットユーザーは43%であった。
・Online Information: Reliability And Accuracy Of Frequently-Visited Web Sites--
インターネットユーザーの83%は,頻繁にアクセスするWebサイトの情報を信用している。2005年は81%であった。
・Media Web Pages: Reliability And Accuracy --
既存メディアのWebサイトに対する信頼度は高い。80%のユーザーは信頼を置いていた。2006年は77%であったので,メディアサイトを信頼する人の割合が高まっている。
・Search Engines: Reliability And Accuracy--
検索エンジンから得られる情報を信頼しているユーザーは51%であった。2006年の62%から大幅に低下している。つまり,検索エンジンに対するユーザーの信頼性が急落している。
・Time-Shifting Of TV Viewing --
回答者の29%が,録画したTV番組をタイムシフトで視聴している。
・Media Online: New Users And Very Experienced Users --
インターネットの新規ユーザーはオンラインゲームに熱心な者が多い。一方のベテランユーザーは,オンライン新聞/ブック/雑誌/ラジオを新規ユーザーよりも頻繁に利用している。
・Would You Miss The Print Edition Of Your Newspaper? --
新聞紙を購読している回答者の52%は読み損じることがあり得ると答え,そんなことはあり得ないと答えたのは27%である。
・Does Online Content Lead To Cancelled Print Subscriptions? --
インターネットユーザーの21%は新聞や雑誌の購読を止めた。理由は同じようなコンテンツがオンラインで得られるから。
・Posting Information Online --
UGC(ユーザー生成コンテンツ)は増え続ける。インターネットユーザーの41%は,オンラインに写真をポストしている。4年間で4倍も増えた。また個人のWebサイトやブログを持つ人はまだ少ないが,着実に増えている。
2008 Digital Future Reportのフルレポート(143ページ)は次のように有料である。
Individual Use - $500
Corporate Use - $1,500
ただし,ハイライト編は無料で閲覧できる。
◇参考
・2008 Annual Internet Survey by the Center for the Digital Future(University of Southern California,Center for the Digital Future)
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