昨日のGoogleの2007年第4四半期決算の発表に合わせて,SNS広告事業の苦戦が明らかになった。07年同期売上は前年同期比51%増の48億ドルとやや成長が鈍化したものの,同社としてはまずまずの成績であった。だがこれからの広告事業ではSNSの果たす役割が増すだけに,SNS事業が壁にぶつかっているとの動きは気になる。
米国のメディアやブログによると,同社のSNS広告事業が期待外れに陥っているようだ。CFO のGeorge Reyes が「SNS広告が期待したようにマネタイズできていない」と話したと,ZDNet(Between the Lines)も伝えている。どうも,広告事業でパートナー提携しているMySpaceとの関係がギクシャクしているようである。Googleは2010年まで毎年少なくとも9億ドルの広告売上をMySpaceに保証することになっている。だが,「現実には信じられないほどの広告在庫を抱えている」とSergey Brin(Google創立者)も告白している。さらにBrinは「SNSをマネタイズするキラー手法がまだ見つかっていない。多くの試行錯誤が必要」とも語っている。
確かに,AdWordsのような打ち出の小槌がSNSでは見つかっていない。SNS広告の有望なキラー手法として注目されていたFacebookのBeacon広告も,プライバシー問題のため本格離陸が先送りになりそうである。
また,SNSのようなUGC(user-generated content)への広告出稿を敬遠する広告主は,米国でもいまでに少なくないとか。コンテンツをコントロールできないため,ふさわしくないページに広告が掲載されてしまい,ブランドイメージを傷つける恐れがあるからだ。
◇参考
・Google Announces Fourth Quarter And Fiscal Year 2007 Results(Google,Financial Release)
・Google: Social Networking Inventory Not Monetizing As Well As Expected; Trouble At MySpace?(Barron)
・Google’s quarter falls short of expectations; Social networking not monetizing well(ZDNet)
・フェースブック,画期的広告手法の件でついに謝罪(メディア・パブ)
・Fresh from New York: Trends in online advertising(VentureBeat)