英国のSNS状況をGuardian(guardian.co.uk)を次のように伝えている。MySpaceもFacebookも,2007年12月から08年1月にかけて5%もトラフィックが減った。英国で人気の高いBeboも前月比2%減である。月間ユニークユーザー数も陰りが見える。17ヶ月間連続して増え続けてきた絶好調のFacebookですら,先月は英国で40万人ものユニークユーザーを失った。
米国市場でもこれまでの急成長にブレーキが掛かり始めているようだ。Techcrunchは,“Facebook Fatigue?”が米国で始まったのではとの懸念を示している。comScoreの統計データによると,Facebookの月間ユニークユーザー数は,08年1月が3390万人と07年12月の3470万人から2ポイント減った。去年の夏ころから既に踊り場に入っており,ユニークユーザー数はほとんど増えていなかった。トップのMySpaceも07年12月の6890万人から08年1月の6860万人とわずかだがやはり訪問者数を減らしている。
日本でもパソコンSNSに同じような傾向が見受けられる。以下は,ミクシィの月間ページビューの推移である。
パソコン利用の月間ページビュー数は去年の秋をピークに下降線をたどっている。特に,昨年後半以降は一段と減り始めている。“ミクシィ疲れ”をあちこちで聞かされた。SNS先進国ユーザーは,確かにパソコンからのSNS利用にお疲れのようである。
だが日本では,米英と違った大きな異変が始まっている。モバイル(ケータイ)SNSが一昨年当たりから爆発的な勢いで利用され始めている。ミクシィでは昨年夏にページビューでケータイSNSがパソコンSNSを追い抜いた。モバゲータウンやグリーのケータイSNSは,一昨年からページビューを驚異的に伸ばしている。
この結果,有力SNSサイトにおける総ページビュー数の8割近くはケータイ利用からとなっている。1年後には,SNSアクセスの9割近くがケータイからになりそう。SNS疲れはパソコンの世界の話であって,ケータイSNSは元気一杯なのだ。
◇参考
・Facebook sees first dip in UK users(Guardian)
・Facebook Fatigue? Visitors Level Off In the U.S.(TechCrunch)
・Is Facebook finally losing its glow?(Times Online)
・Facebook - back to the kids?(BBC NEWS | dot.life)
・mixi2008年3月期第3四半期決算説明会資料