オンラインシフトに賭けたNYTだが,救世主との期待がかかるオンライン事業がもたつき始めている。2008年1月のインターネット広告売上が前年同月比でわずか8.6%しか増えなかった(About.comを除く)。プリント(新聞紙)部門の減益分をオンライン(Webサイト)部門の増益分で補っていこうとすれば,インターネット広告売上を前年比で少なくとも20%台増としたい。
インターネット広告は不況に対する免疫性が高いと期待されていたし,さらに広告のオンラインシフトが加速化している時期だけに,8.6%増は悪すぎる。またNYTimes.comは昨年秋に有料サービスTimeSelectsを中止して,アクセス増によろインターネット広告売上の増収を狙っていた。実際に,今年1月の月間ユニークユーザー数は2046万人と前年同月比で45.1%も増えている(Nielsen Onlineのデータより)。それなのに,1月のインターネット広告売上が同8.6%増とは大きく期待を裏切った。
この結果,以下の表のように,新聞紙を含めたNew York Times Media Groupの1月の広告売上は,同10.1%減の9664万ドルとなった。同社全体の1月総売上高は同5.5%減の2億7233万ドルである。
米新聞社のエースで最もオンラインサイトが充実しているNYTですら,インターネット広告売上が期待はずれに陥ってきた。前のエントリーで触れたGoogleの広告事業の動きも微妙だ。ここ数年,前年比30%増が当たり前であったインターネット広告も,今年は不況による下振れが起こりそう。
◇参考
・The New York Times Company Reports January Revenues(NYTimes.com,プレスリリース)
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