全米新聞紙の2007年広告売上高は,前年比9.4%減の422億ドルと大幅に落ち込んだ。米新聞協会がデータを取りはじめてからの57年間で,最大の下落率となった。1年を通してはまずまずの景気であった2007年なのに,過去最大の下落に陥ったのだ。本格的な不況に突入しようとしている前にこうだと,これからどうなることやら。
米国の新聞紙は,日本と比較にならないほど広告売上に大きく依存している。ちょっと古い2004年のデータであるが,広告売上は482億ドルで,販売売上(Circulation Expenditures)は110億ドルであった。広告売上が販売売上の4.38倍もあるのだ。
傾向として今後,新聞紙(プリント)の広告売上が下降線を辿っていくのは避けがたい。そこでオンライン広告に頼ることになる。米新聞協会の統計データでは,2003年からプリント広告とは別にオンライン広告売上高も取るようになった(下表を参考)。2004年から2006年までのオンライン広告売上は,前年比で26.7%,31.5%,31.5%と快調に飛ばしてきた。ところが2007年は各社がオンラインシフトを加速化させたにもかかわらず,18.8%と減速してしまった。ある意味で,プリント広告の下落以上にオンライン広告の減速の方が,ショックだったかもしれない。オンライン広告は全体の広告売上(プリント+オンライン)のまだ7%に過ぎない。できるだけ早く牽引役を担ってもらいたいのに,今からオンライン広告の伸びが減速してもらっては困るのだ。
参考までに,過去57年間の新聞紙広告売上の推移グラフを以下に掲げておく。2007年の新聞紙広告売上で目に付くのは,クラシファイド広告売上が前年比16.5%減と急落したことである。
*米新聞紙広告売上高の推移(単位:100万ドル),ソース:NAA
◇参考
・ONLINE NEWSPAPER ADVERTISING JUMPS 19 PERCENT IN 2007
・Advertising Expenditures
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