こうした流れをサービスの向上と受けとめる人もいるだろうが,一方でいつもネット上の行動を監視されることに対して反発する人も少なくないはず。そこで,Harris Interactiveが米国のインターネットユーザーを対象に,アンケート調査を実施した(18歳以上の2513人の大人を対象に,2008年3月11日/18日に実施)。
その調査によると,個人の行動履歴にもとづくコンテンツや広告表示に対して,多くのユーザー(59%)は不快と感じている。ただし,プライバシーやセキュリティーのポリシーを明確に打ち出している場合は,容認するユーザーがかなり増える。
Google, Yahoo!, Microsoft (MSN) などは無料サービスを提供する一方で,ユーザーの行動を収集している。最初のアンケートは,
"How comfortable are you when those websites use information about your online activity to tailor advertisements or content to your hobbies and interests?"である。
つまり,あなたの趣味,嗜好に沿ったコンテンツや広告を表示するWebサイトについて,どう思うかを聞いている。その結果は,以下の通りである。
*ユーザーの容認度(個人の趣味に沿ってコンテンツをカスタマイズするWebサイトについて)
(ソース:Harris Interactive)
“Not Comfortable”と答えた割合は59%である。世代別に見ると,当然の結果だが,中高年層は2/3以上の人が不快と受けとめている。
次のアンケートでは,FTC(Federal Trade Commission)が定めるようなプライバシーポリシーやセキュリティーポリシーを適用しているWebサイトが,個人向けにカスタマイズしたコンテンツや広告を表示することに対して,どう思うかを聞いている。
*ユーザーの容認度(プライバシーやセキュリティーポリシーを明らかにしているWebサイトの場合)
(ソース:Harris Interactive)
ポリシーとは次のようなことを指す。ユーザーに対しては前もって,個人行動履歴に合わせたコンテンツや広告を表示することを説明する。また,カスタマイスするタイプをユーザーが選択できるようにする。真っ当なセキュリティー対応をとる。そして,ユーザーの同意なしに,ユーザーの行動履歴情報を他社に共有させない。
“Not Comfortable”と答えた割合が,プライバシー/セキュリティーポリシーを明示することにより,59%から41%に減っている。18-31歳の若い人たちの間では62%の人が“Comfortable”と,容認が多数派である。
◇参考
・Majority Uncomfortable with Websites Customizing Content Based Visitors Personal Profiles(
Harris Interactive)
・Online Behavioral Advertising:Moving the Discussion Forward to Possible Self-Regulatory Principles(Federal Trade Commission)
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