GoogleはIBMと“クラウドコンピューティング(Cloud Computing)”のインフラ開発で結束を固めることになった。先週のIBMのBusiness Partnership Leadership Conferenceで明らかにした。両社は,昨年の10月から大学向けのクラウドコンピューティングの推進で手を組んでおり,今回は提携をさらに強化することにしたようだ。
クラウドコンピューティング”は,Googleを始めMicrosoft,Amazonなどの有力ネット企業がこぞって傾斜しているテーマである。Google CEOの Eric Schmidtも,"Eventually all devices will be on the network,"とクラウドコンピューティングに入れ込んでいる。もともとGoogleはコンシューマー向けのサービスをWeb側で提供しており,また最近ではGoogle Docsのようなオフィスアプリケーションやデータ保管までもオンラインで提供している。"consumer cloud"に加えて"enterprise cloud" にも力を入れ始めているのである。見方を変えれば,consumer cloudとenterprise cloudの境界が急速にあいまいになってきている。
こうした状況において,Googleにしてみればエンタープライズカスタマーとのチャンネルを確保するためにも,IBMと密な関係を構築したいのだろう。エンタープライズ分野のクラウドコンピューティングでは,やはりMicrosoftが立ちはだかるだけになおさらである。
◇参考
・Google, IBM Join Forces To Dominate 'Cloud Computing' (InformationWeek)
・IBM, Google Will Collaborate on Cloud Computing(CIO TODAY)
・Microsoft Withdraws Proposal to Acquire Yahoo!(プレスリリース)
・Microsoft Withdraws Its Bid for Yahoo(NYTimes.com)