そのモバイルウェブ市場を牽引するのがモバイルSNS/UGC 。現在の18億ドル規模から2013年には112億ドルと爆発的に急拡大すると,Juniperは予測している。これからのインターネット市場の主戦場が,PCからモバイルに移行していくのは間違いなさそう。
そこで早くも,グローバルなモバイル広告市場の主導権争いが始まってきているのだ。ここでも,Google,Yahoo,AOL,それにMicrosoftが乗り込んでいる。これら巨人に先行してグローバルモバイル広告で頭角を現している独立系ベンチャー企業が注目を浴びている。AdMobである。
そのAdMob事業開発担当副社長のNiren Hiro(ニレン・ヒロ)氏から,4月中旬にAdMobのシステムについて聞く機会があった。日本法人設立の準備を進めている彼は神戸生まれで日本語がペラペラであったので助かった。その時に聞いたAdMobのシステムについては,すでに国内のニュースサイトやブログで今年1月に詳しく解説されていたので,そちらを参照してもらいたい。たとえば,湯川さんのブログ「湯川鶴章のIT潮流」や小林雅さんのブログである。また日本法人設立についても今年1月のCNET Japanの記事で紹介されている。AdMobの日本語版ページも立ち上がっているので,最新の状況がつかめる。
このAdMobからAdMob Mobile Metricsレポートが発行されているが,4月レポートが出ていたので、続きのページにそのウィジェットを貼り付けておいた。そのレポートによると,今年4月の一ヶ月間で,世界160カ国のモバイル端末に向けて25億以上も広告を配信している。国別の広告リクエストのランキングが次のようになる。
広告配信の様子を実感できるのがAdMob AdMonitorである。配信する端末(メーカーと機種)に加えて、国や通信キャリアも表示されるので,結構楽しめる。毎秒のページビュー数もメーター表示されるのだが,2000ページビューを超えていることが多い。
今回のレポートでもっとも面白かったのが,AppleのiPhone向けの広告配信の結果である。現在、iPhoneが公式に利用できる国は,米国,ドイツ,フランス,英国の4カ国。それなのに、カナダ,メキシコ,香港,ブラジルなどにも広告は配信されている。これはアンロックしたiPhoneが出回っているからだ。ひょっとしたら、ウクライナ首相のiPhoneにも広告が配信されるかもしれない。
このように世界中をカバーするAdMobのネットワークは,日本でも本格展開する。Niren氏は月間広告インプレッション数が,年内にも世界で80億,日本で10億に達すると意気込む。
◇参考
・Mobile Web 2.0 revenues to reach $22.4bn by 2013, driven by User Generated Content and Social Networking, according to Juniper Research(Juniper Research)
・Study reveals iPhone still minority on web(Electronista)
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