NYTimes.comによると,先週末ニューヨーク市で開かれた年次 BookExpo会議で,Googleは電子書籍市場に参入する意向をほのめかした。パブリッシャー(出版社)がデジタル版書籍を,Googleを介して消費者に直接販売できるようにしたいという。
電子書籍市場は,Amazonが電子書籍端末Kindleを武器に主導権を握りつつある。そこでGoogleが待ったをかけたいのだろう。Amazonは攻撃的な価格戦略で,Kindle対応の電子書籍の普及を図ろうとしている。書店で26ドルで販売されているようなハードカバーの書籍を,AmazonはKindle版を9.99ドル近辺で売るようなことをしている。これに対して,Goggleはデジタル版書籍の販売価格を,出版社が自由に設定できるようにする。このため,Amazonの価格戦略に不安を抱いている出版社は,Googleの動きを歓迎しているという。
コンテンツビジネスでは,誰がコンテンツ価格を決めていくかが重要である。コンテンツホルダーとしてはできる限り,自分たちのコントロールで販売価格を決めていきたい。だが,流通の主導権を握った特定の企業が,価格決定権を持つようになる。オンライン音楽ビジネスでは,iTunesを抱えたAppleが音楽コンテンツの価格をコントロールしているように。同じように,Amazonがデジタル書籍の価格をコントロールしようとしているのに対して,幾つかの出版社が懸念を抱いているのである。
Googleはブック検索で,多くの書籍をデジタル化しており,それらの書籍を販売していきたいのだろう。またGoogleの狙いとしては,Kindleのような専用の電子書籍端末だけではなくて,ケータイを含めてどのインターネット端末でも,デジタル化した書籍を読めるようにしていきたいようだ。
すでにGoogleは今年の3月にソニーと提携し,電子書籍端末「ソニー・リーダー」向けに著作権が消滅している書籍50万冊を無料で提供している。いずれ,Googleを介して売られる有料の新刊書なども,読めるようになるはずだ。
最後に,Amazon.comで今日(6月2日)から販売される新刊書を例に,ハードカバー版とKindle版の価格を示しておく。この例では,リスト価格24.95ドルの書籍が,ハードカバー版のAmazon価格が16.47ドル,Kindle版が9.99ドルとなっている。
◇参考
・Preparing to Sell E-Books, Google Takes on Amazon(NYTimes.com)
・Sony: Take That, Amazon!(BusinessWeek.com)















