2008年07月18日

2024年のメディア市場は5.7兆ドル

 Future of Media Summit 2008 と称する会議が,シリコンバレー(7月14日)とシドニー(7月15日)の2ヶ所で,ビデオ回線を介して開催された。Future Exploration Networkが催すこの会議に合わせて公開されたのが,Future of Media Report 2008 と題するレポートである。

 そのレポートの中から,最初の部分をちょっとだけ紹介する。まず,2024年のメディア産業の市場規模を占っていた。16年後のメディア産業(エンターテイメントも含む)は世界で5.7兆ドル(5.7 trillion )の市場規模になると予測している。現在(2008年)はPricewaterhouseCoopersによると1.7兆ドル規模とのこと。そのうちメディア広告売上はZenith Optimediaによると,以下の図のように今年は5000億ドル程度と見ている。

GlobalAds.JPG

 地殻変動真っ最中のメディア産業について,2024年の遠い将来までを見通すことは難しい。ここでは,次の7つのメガトレンドの延長上で将来を眺望している。

1. Increasing media consumption
2. Fragmentation
3. Participation
4. Personalization
5. New revenue models
6. Generational change
7. Increasing bandwidth

 特に目新しさがあるわけではないが,外部会社の予測データを使って解説していた。

 たとえば,1. Increasing media consumptionでは,メディア接触時間の推移をCaratのデータで示している。ケータイなどの浸透でユビキタス化が進み,朝から晩までメディア漬けになりそうだ。

MediaConsumtion.JPG

残りは原文をどうぞ。


◇参考
Launch of the Future of Media Report 2008! We predict the media industry will be worth US$5.7 trillion in 2024(Trends in the Living Networks)
posted by Kilimanjaro at 07:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2008年03月18日

米国のニュースメディアを俯瞰できる報告書,今年も公開

 米国のニュースメディアのトレンドを俯瞰できる年次報告書“The State of the News Media” が,今年もPEJ(Project for Excellence in Journalism)から公開された。2004年から毎年発行されている報告書である。

 Newspapers,Online,Network TV,Cable TV,Local TV,Magazines,Radioのニュースメディア別に,2007年までのデータを基に現況やトレンドを解説している。使っているデータは調査会社や協会などがネット上で公開しているものが中心であるが,ここまで広範に収集し整理してくれていると,とても便利である。メディアのトレンドを定性的に把握していても,それを立証する定量データがすぐに見つからない場合が多い。でもこの報告書をみれば,なんとかなりそう。

 200ページを超えるボリュームたっぷりの報告書だが,無料で閲覧できる。目次は次の通り。

・Overview
・A Year in the News
・Journalist Survey
・Newspapers
・Online
・Network TV
・Cable TV
・Local TV
・Magazines
・Radio
・Ethnic
・Special Reports

 メディア別に,次のような章が設けられている。
Intro | Content Analysis | Audience | Economics | Ownership | News Investment | Alternative Weeklies | Charts & Tables

 各章の最後のCharts & Tablesが参考になる。例として,新聞,オンライン,ネットワークTVのそれぞれの図表ページへのリンクを付けておく。
Newspapers
Online
Network TV

 図のサンプルを幾つか貼り付けておく。最初の2点の図は,米国のニュースメディアがどのようなトッピクスをどれくらい取り上げているかを示している。最初の図は全ニュースメディアを対象に,次の図はメディア別に比べている。どうしても選挙の季節なので大統領選挙関係ニュースが増えているが,米国のニュースメディアの特徴としては海外ニュースが多いことだ。特に新聞やオンラインが顕著である。ケーブルTVは国内ニュースを充実させている。

MostCoveredTopics2007a.JPG

TopicsbyMediaSector2007.JPG

 次は,オンラインニュースサイトのユニークユーザー数ランキングである。Nielsen調査とcomScore調査を掲げておく。2007年にユニークユーザー数を増やしたサイトは,上位5〜6サイトに集中していた。

OnlineNewsSites2007.JPG

OnlineNewsSites2007comScore.JPG

 米国の有力ニュースメディアは,英語であることもあってグローバル市場を前提に展開している。最初のグラフで示したように海外ニュースに力を入れているのもそのためであろう。

 過去のデータも組み込んでトレンドを示すグラフも多い。例として,新聞の購読者数と年齢層別の購読率の推移を示すグラフを以下に掲げておく。

NewspaperCirculation2007.JPG

NewspaperReadershipAge2007.JPG




◇参考
The State of the News Media 2008(Journalism.org)
米ニュースメディアのトレンドを把握できる報告書,2006年版が公開(メディア・パブ)
米ニュースメディアの全貌をまとめた報告書,今年も公表(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 13:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2008年03月10日

次期ロシア大統領が会長の「ガスプロム」,ロシア版YouTubeの“RuTube”を買収

GazpromMedia.JPG

 「プーチン」,「メドべージェフ」,「ガスプロム」とくると,おどおどしい鉄のトライアングルをイメージしてしまうのだが・・・。その一角を占める政府系天然ガス企業「ガスブロム」が,ロシアの動画共有サイト“RuTube”を買収することになったそうな。こっちの組み合わせは,何をイメージすればいいのやら・・・。

 ガスプロム(英語版サイトロシア語版サイト)は,プーチン政権下で世界有数のエネルギー企業に成長。そこの会長を務めるメドベージェフ第1副首相が,プーチンの強い指名を受けて次期大統領に当選。そしてメドベージェフはプーチンを首相に逆指名。筋書き通り進み,プーチンを頂点とする鉄のトライアングルはより強固になってきた。

 RIA Novosti (ロシア通信社ノーボスチ)によると,その天然ガス企業「ガスプロム」傘下のメディア会社Gazprom Mediaが,ロシアの動画共有サイトRuTubeを1500万ドルで買収する。RuTubeは,以下のトップ画面のように,YouTubeとよく似た作りになっている。アマチュアが制作した思われるビデオも投稿されていたが,メドベージェフやプーチンが登場しているビデオも少なくなかった。

RuTube.JPG


 Gazprom Mediaの会社案内も覗いてみた。1998年に設立された会社で,TV,ラジオ,新聞,雑誌,映画制作,広告などのメディア事業を展開している。具体的な事業内容を以下に掲げておく。

・TV companies NTV and TNT , satellite TV company NTV-PLUS
・Radio stations Echo of Moscow, First Popular Radio (Popsa), Radio NEXT, CITY-FM, Relax-FM and Detskoe radio
・Publishing house Seven Days: magazines Itogy, 7 Days TV-・Program, Caravan of Stories’ Collection, Caravan of Stories. Newspapers Izvestia, Tribuna, St. Petersburg’s Chas Pik and a TV guide Panorama TV Strana.
・Film- production company NTV-Kino
・Cinema-theaters Oktyabr and Crystal Palace
・Gazprom-Media (advertising)
・Telebasis, Komstek engineering company and Advertising company SMS (real estate management and ownership).

 プロパガンダのために利用されるのかな。



◇参考
Gazprom's media wing finalizes deal to buy RuTube - Kommersant(RIA Novosti)
Russia’s RuTube Video Site Sells To Gazprom; Valued At $15 Million: Report(paidContent.org)
posted by Kilimanjaro at 08:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2007年05月31日

伝統メディアが新興Web2.0企業を買収して上手くいくのか?

 米CBSが,音楽SNSの英Last.fmを2.8億ドルで買収することになった。

 Last.fmは最も人気の高い音楽SNSで,世界200ヶ国以上に1500万人以上のユーザーを抱えている。日本でもエキサイトと提携して日本語版サイトを運営している。

 米国では,こうした伝統的なメディア企業によるネットメディア企業の大型買収は珍しくない。New York TimesがAbout.comを,Dow JonesがMerketWatchを,NBCがiVillageを,そしてNews CorpがMySpaceを買収してきた。

 古い体質のメディア企業が,異質文化の新興メディア企業を買収して上手くいくのだろうか。これまでの買収事例を見る限りは,順調に推移しているように思える。

 新興ネットサイトのブランドを維持させ,独立して運用させているのが特徴的である。新旧企業間のシナージー効果を無理矢理仕掛けて,伝統的なメディア事業を後押しさせるいった戦略を必ずしも採っていない。買収したネット企業のサイトを独立した形で更に発展させて,そこからの売上と利益を最大限に伸ばすことにより,伝統的企業に貢献させている。

 たとえば,About.comを買収したNew York Times Co(NYT)もそうだ。今や同社において,売上と利益の成長率が最も高い部門がAbout.comである。About.comのサイトを見れば分かるのだが,NYTの臭いを全く嗅ぎ取ることができない。トップページの右隅に,小さく“©2007 About, Inc., A part of The New York Times Company”とあるだけである。一方,NYTimes.comのトップページには,About.comの面影が全くない。

 About.comはNYTに買収されたのだが,ユーザーからはAbout.comがNYTimes.comの傘下に収まったとは見えないのである。

 また,NYTimes.comが1年前にサイトのリニューアルを実施したときに,その陣頭指揮をAbouto.comの者に執らせたことを思い出す。外様のスタッフがNYTimesの記者に対しネット記事の作法を指導したのである。つまり,伝統的企業の価値観を買収先企業に押しつけるのではなくて,買収先企業の新しい価値観を重視し採り入れていく。

 でも,日本で伝統的なメディア企業が新興ネット企業を買収した場合,どうなるのだろうか。伝統的メディア企業の本業を活性化するためだけに,ネット企業を利用することにならなければ良いのだが・・・。


◇参考
米新聞のエースNYTも4月は業績悪化(メディア・パブ)
NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 10:19 | Comment(0) | TrackBack(2) | メディア
2007年05月07日

米メディア業界にレイオフの嵐が

 米Challenger, Gray and Christmasのレポートによると,メディア企業において2007年第1四半期に4,391人がレイオフされたという。昨年同期は2,271人だったので,93%も増えたことになる(Media Bizの記事より)。

 つい最近も, The Chicago Tribune と Los Angeles Timesで,250人の人員カットが発表されたばかりである。 今年には,新聞業界で12%,雑誌業界で6%,TV業界で12%,映画/ビデオ業界で28%のスタッフが,職を追い出されるという。


◇参考
Media layoffs nearly double in first quarter(Media Biz)
米新聞社,今年は一段と厳しくなりそう(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 08:01 | Comment(0) | TrackBack(3) | メディア
2007年03月02日

“シリコン”バレーが“メディア”バレーに

ハイテクの中心地がシリコンバレーなら,メディアの中心地はニューヨークであった。

 ところが最近では,新興のメディア企業がシリコンバレーで誕生している。またYahooやGoogleなどの大手ネット企業も今や,ビジネスモデルとしては,ハイテク企業というよりもメディア企業となってきている。

 そこで,Silicon Valley WatcherのTom Foremski氏のように,シリコンバレーを「メディアバレー」と呼ぶ人も出てきた。 

 シリコンバレーのGoogle, Yahoo, EBayやカリフォルニア北部を拠点にするYoutube, Facebookは,コンテンツを提供し広告ビジネスを展開しているから,メディア企業といってもおかしくない。Business2.0誌が今年有望な新興ネット企業25社を選出していたが,そのうちの18社が広告売上に依存するソーシャルメディア企業であった(このエントリーの表を参考)。それらの新興企業のほとんどはシリコンバレーを中心としたベイエリアで活動している。

 伝統的なメディア企業が多いニューヨークに対し,急成長するネット系メディア企業が続々と生まれているシリコンバレー周辺。確かに“シリコン”バレーは,“メディア”バレーと呼ぶほうがふさわしいのかもしれない。


◇参考
Silicon Valley has become Media Valley - someone should tell NYC (Silicon Valley Watcher )
注目したいWeb2.0の新興企業,Business2.0誌が選出(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 12:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2007年02月15日

ソーシャルサイト,一部インフルエンサーが牛耳る心配も

digg.JPG

 ユーザー参加型のソーシャル・ニュース・サイトやソーシャル・ブックマーキング・サイトを介して,鮮度が高くて人気の高いニュースと接している人は多い。特定のニュースサイトではなくて,こうしたソーシャル系サイトをハブにして,日々のニュースを追いかけているのだ。

 Digg,Reddit, Del.icio.us,Newsvine,それに日本では「はてなブックマーク」などが代表的なサイトである。最近では,こうしたソーシャルサイトが,ネット上のニュース記事やブログエントリー,ビデオクリップを価値付けし始めているいえる。その結果として,有力なソーシャルサイトに掲載されると,ソース元サイトにアクセスが殺到することになる。

 ソーシャル・ブックマーキング・サイトやソーシャル・ニュース・サイトでは,登録ユーザーの投稿(通知)や投票/ブックマーキングを通して,掲載する記事などを決めていく。誰もが参加できるので,多くの参加者の集合知が掲載記事や掲載順序を決めているはずだが・・・・。

 ところが,実際はそうとは言えないようだ。ソーシャル・ニュース・サイトのDiggでは,90万人の登録者を抱えているのにもかかわらず,掲載される記事やビデオクリップなどの3分の1は,わずか30人の登録者による投稿であるという(WSJ.comより)。Publishing2.0でも,以下のようなグラフ(Diggトップユーザー vs 掲載記事数)を示し,掲載されている記事の多くが特定のユーザーによる投稿であることを示している。

digg070206.JPG

 典型的なロングテールである。フラット化していないのだ。いわゆるスター的存在のインフルエンサーが生まれてきているのである。彼らが,素早く嗅ぎ分け投稿したコンテンツに多くの投票が集まっていることになる。つまり限られた特定のインフルエンサーが“良し”とするコンテンツが,多くの人に読まれたり視聴されたりしているのである。

 そこで当然のように,インフルエンサーに歩み寄る輩が現れる。Netscapeはかつて,同サイトのソーシャル・ニュース・サイトのために,Diggの人気投稿者を月1000ドルの報酬で引き抜いたりしたことがあった。また企業がソーシャルメディア対策の一環として,特定テーマのコンテンツを投稿してもらうために,有力投稿者と契約したりする動きも出てきている。

 ソーシャルサイトとしては,質を高めるために優れたインフルエンサーを多く囲い込みたい。だが一方で,掲載されるコンテンツが,ごく限られたインフルエンサーの嗜好に偏るおそれも生じる。また,企業からワイロを受け取って,企業にとって都合の良い記事を投稿するインフルエンサーが増えるのも心配だ。

 そこで,Diggがトップユーザー(上グラフのヘッド部分の登録者)一覧表の掲載を今月上旬に,突然,止めてしまったのだ。インフルエンサーの存在を見せなくしたのである。トップ100に選ばれることは,彼らはおそらく誇りに思っていたはず。それを外したのだから,驚きだった。だが,直ぐに外部サイトが,Top 100 Diggersを作り,公表してしまった。確かに,Diggページのコンテンツから,一覧表は作れてしまう。

 ネット時代は世界をフラット化するはず。だが実際は,特定の極に集中する現象が現れる。ソーシャルサイトも,一部のギークやマニアに左右されかねないし,下手すれば恣意的に操作されるかもしれない。

追記:
WSJ.comには,ソーシャルメディアで活躍している,知られざるインフルエンサー20人を紹介している。

◇参考
A couple updates…(Digg the Blog)
Digg Tries To Flatten The Head Of Its Long Tail Participation Curve(Publishing 2.0)
Digg、トップユーザーのリスト公表を中止(TechCrunch Japanese)
Diggトップユーザーリスト復活(TechCrunch Japanese)
The Wizards of Buzz((WSJ.com)
posted by Kilimanjaro at 08:03 | Comment(1) | TrackBack(2) | メディア
2007年01月27日

米メディアがレイオフの嵐,昨年は1万7809人も

  米メディア業界のレイオフの嵐が止まらない。2006年は1万7809人で,2005年の9453人に比べ88%も増えた( Challenger, Gray & Christmasの調査より)。今年に入っても, Time Inc や the New York Times Companyがレイオフを発表しており,この傾向は続きそう。

   プリントメディアからオンラインメディアへのシフトに伴う調整で,‘old media’ のリストラは避けられない。

◇参考
US: Media job cuts surged, to continue(Editors Weblog)
posted by Kilimanjaro at 21:23 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2007年01月15日

メディア分野のM&A,2006年は151件と過去最大,2007年も多発か

  メディア分野のM&A(企業の合併及び買収)に関するレポートを,メディア投資銀行のDeSilva & Phillipsが発表した。DeSilva&Phillips M&AReport_2007と称するレポートをPDFファイル(8ページ)でダウンロードできる。

  このレポートによると,2006年のメディア分野のM&Aは,件数が151件と過去最大であった。金額も205億ドルでバブル時の2000年に次ぐ規模になった。2006年には,ベンチャーキャピタリストValconによるオランダの出版/リサーチ企業VNUの大型買収が成立し,買収額は111億ドルであった。1998年から2006年までのM&A件数と金額の推移を示したグラフは次の通り。2000年のAOL-Time Warnerの超大型M&Aは桁違いの金額のためグラフでは外している。また,GoogleのYouTube買収も入っていない。

MediaM&A200701.JPG
(クリックで拡大表示)

  このレポートには,2006年に発生したM&Aのトップ15(金額ベース)が一覧表で掲載されている。

  また,同レポートでは,2007年もメディア企業のM&Aは活発で,件数や金額ともに少なくとも2006年のレベルを上回ると推測している。昨年NBC UniversalがiVillageを獲得したように,今年も米国ではOld MediaとNew Mediaとの間でのM&Aが数多く起こりそうだ。また,マードックがWSJを買収するといったうわさ話が出ているが,今年はアッと驚くような買収劇が演じられるかも。


◇参考
Media M&A In 2007: Pace to Increase (paidContent.org)
Murdoch buys the WSJ? Why not?(Reuters Blogs)
posted by Kilimanjaro at 07:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2007年01月09日

米デジタルメディア産業の動向を解説したレポート(92ページ),Oppenheimerが無料公開

 Oppenheimer & Co.,が 米デジタルメディアの動向を解説したレポート“The Digital Consumer: Examining Trends in Digital Media”を発行した。92ページのレポートで,pdfファイルの全文を無料でダウンロードできる。TV(動画),ラジオ,音楽,ゲームの各産業の動きが把握できる。

  米国のデジタルメディアについて,コンテンツから伝送メディアまでに渡って,2006年の動きや将来動向を解説している。データやグラフが豊富である。データそのものは公開されたものが大半だが,これだけ整理してまとまめてくれると役に立つ。

目次は次の通り。
・Introduction:The Digital Consumer:Unplugged
・Recap:What Happened in 2006
・Top 10 Ideas in 2007
・Subscription Media
・Content Creation in Digital Media
・E-Commerce & Interctive Enterment Outlook
・Media Infrastructure :The Next Spending Cycle(finally) Begins
・Wireless Device and Technology
・Semiconductors:Digital Media Enables-The Silicon Trail
・Appendex: Top Mergers and Acquitions in 2006
・Important Disclosures

  最初のIntroductionに,コンシューマ向けデジタルメディアのvalue chain operationが,これまでの流れとこれからの流れを対比させて,掲載されている。

〓〓〓〓??????.JPG
(ソース:Oppenheimer & Co.)

  これからは,Aggrigator(アグリゲーター)がメディア産業の主導的役割を果たすことになろう。そのアグリゲーターの覇権を巡って,ネット企業のGoogleやYahoo,それに伝統的なメディア企業との間で激しいつばぜり合いが演じられている最中なのだ。

 3章の“Top 10 Ideas in 2007”では,次の10点をあげて,今年のデジタルメディアの方向を示している。
・ Consolidation, Deconsolidation, and Swapping continue.
・ Mobile Media: Large and Growing
・ HDTV makes an Impact
・ Cable Plant Upgrades
・ Music transitions from offline to online to wireless
・ Advertising: New Media gains enable a pushback
・ Cable sub growth continues as satellite TV pullback persists and   Telcos disappoint
・ Gaming: re-start your engines
・ Flash - Hybrid flash hard disk drives start to pick up
・ 3G WCDMA mobile devices will replace 2G GSM devices
Then it goes into granular details and sub-sectors in digital media

 他の章では,アプリケーション(Eコマース,広告)やコンテンツ(TV,ラジオ,音楽,ゲーム)から伝送メディア(ブロードバンド,ケータイなど)まで,市場データを用いたりして動向を紹介している。またケータイ端末やTV受像機,ゲーム機のタイプ別市場予測なども掲載されていた。

 Appendexでは,メディア関連企業において2006年に実施されたM&Aの一覧表が掲載されている。  


◇参考
The Digital Consumer: Examining Trends in Digital Media(Oppenheimer )
Information The Digital Consumer: Digital Media Trends in 2007(paidContent.org)
posted by Kilimanjaro at 07:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年12月09日

米国の10代,週72時間もデジタルメディアと接触

 米国の10代は,週に72時間以上もデジタルメディア(internet, cell phone, television, music and video games)と接触している。Harrison Group が,米国の10代(13〜18歳)1000人を対象に調査した結果である。

 1週間は168(24×7)時間だから,メディア接触時間72時間と睡眠時間49時間(7×7)を引くと,残りは48時間となる。今の子供達は,学校生活を除く大半の時間,メディアにどっぷり浸かっていることになる。

 最近はさらに,SNSが10代の間でブームになっており,ますますメディア接触時間が増加している。米国の10代の68%は,MySpaceや Zanga ,FacebookなどのSNSに,自分のプロフィールを登録しているという。

 また,こうした10代の消費パワーも大きくなっている。米国には,13〜18歳の年齢層の若者が2520万人いるが,彼らは年間に1950億ドルも消費しているという。72時間も接触するメディアが,彼らの消費の行方に大きな影響を及ぼしているのだろう。

 以上の調査結果を含めて, 2006 Harrison Group/VNU Teen Trend Report で,米10代の生活を詳しくレポートしている。

◇参考
Flagship Study of America's Youth Describes What Teens Want(Harrison Groupのプレスリリース)
posted by Kilimanjaro at 22:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年12月02日

米国の新聞社/雑誌社サイト,Web2.0がどこまで浸透しているのか

  新聞社や雑誌社のWebサイトも,Web2.0ブームに煽られてかのように,Web2.0機能を充実させている。

  主要雑誌のWebサイトがどの程度Web2.0機能を装備しているのか。その調査結果をBivings Reportがこのほど発表した。米国で発行部数の多い上位50雑誌を対象に,各種Web2.0機能の有無をチェックしている。同社はまた,主要新聞系サイトを対象に,同様の調査を今夏に実施していた。

  Web2.0機能とは何ぞやとなると曖昧ではあるが,この2〜3年の間に浮上してきた読者参加型の双方向機能が中心である。

  以下の表では,そうしたWeb2.0機能を,トップ50新聞やトップ50雑誌の何%が備えているかを示している。

米トップ50の新聞/雑誌がWeb2.0機能を装備している割合(単位:%)
??〓Ж??0611web20.JPG
*以上のほかに,トップ50雑誌の7%がタグ付け機能を備え,12%がモバイル版を用意している。

  雑誌について補足する。ここで調査の対象になったトップ50誌はいずれも発行部数が150万部を超える大雑誌である。このため,Webサイトに熱心なビジネス誌や技術誌などが外されている。

 トップ50誌だけを対象にすると,48%の雑誌がRSSフィード配信を実施しているが,まだどこもRSSフィード広告に踏み出していない。また30%がレポーター(記者も含む)ブログを,34%がビデオを,14%がポッドキャストを発信していた。だが,ビジネス誌や技術誌などはもっと高い割合でWeb2.0機能を提供しているはずだ。

 以下は,トップ50誌が装備しているWeb2.0機能数を示している。

米有力雑誌のWeb2.0機能数(スコア):発行部数の上位50誌
??〓30web20.JPG
雑誌31-50web20.JPG

◇参考
The Use of the Internet by America’s Newspapers(The Bivings Report)
The State Of Magazine Websites (The Bivings Report)
The State Of Magazine Websites(paidContent.org)
タグ:新聞

posted by Kilimanjaro at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年11月29日

エンターテイメント産業,コンテンツよりもアグリゲーションが鍵握る

  ネット時代のメディア(コンテンツ)事業では,これまで以上に,コンテンツそのものよりもコンテンツアグリゲーションが重要になってくる。実際,そのような展開になっている。

  ブロードバンド本番を迎えて,音楽から動画(映画,TV番組など)までのエンターテイメント産業でも,オンライン配信がコンテンツ流通の勢力図を塗り替えようとしている。その全体像を把握するのに格好のレポートが公開されている。 Bear Stearnsのアナリスト Spencer Wangがまとめたレポート“The Long Tail:Why Aggregation & Context and Not (Necessarily) Content are King in Entertainment”である。38ページのPDFファイルでこちらからダウンロードできる。

 レポートの筋書きは目新しいものではない。だが,豊富な統計データをベースに図表を使ってトレンドをまとめており,頭の整理になる。以下はレポートの中の図例である。これからのエンターテイメント・コンテンツの供給フローを示している。このフローで四角で囲んだ部分が,オンライン配信サービスで新たに参入してきた者である。

Bear Sterns.JPG

 主導権がこれまでのContent Distribution業者からContent Package業者へとシフトしていくことになろう。コンテンツ数の急増に伴い,コンテンツをフィルタリングしてくれるアグリゲーターが主役を演じることになる。そのアグリゲーターとしては,伝統的なメディア企業だけではなくて,Google,Yahoo,MySpace,Apple(iTunes)などのネット企業が大きく割り込んで来ているのだ。

 また,コンテンツそのものもプロの作品だけではなくて,UGC(User Generated Content)の台頭も無視できない。同レポートが報告しているように,例えば,11月15日のYouTubeビデオのトップ20のうち,75%のコンテンツはUGCであった。


◇参考
The Long Tail:Why Aggregation & Context and Not (Necessarily) Content are King in Entertainment
posted by Kilimanjaro at 15:32 | Comment(0) | TrackBack(1) | メディア
2006年11月07日

ロングテールのブログ vs ショートヘッドの主流メディア

 ロングテールグラフで見れば,大手メディアがヘッド部分を,ブログがテール部分を占める。想定できる分布である。

 ブログ検索エンジン企業のTechnoratiのデータでも,定量的にそのような結果を示していた。Technoratiの公式ブログの中で,Dave Sifryが次のようなグラフを提供してくれている。(クリックで拡大表示できるが,文字が読みづらい)。

mmюblog0611a.JPG

MM Blog0611b.JPG

 これはメインストリーム・メディア(MM:大手メディアのことで,伝統的な新聞やテレビなど)サイトとブログを対象に,インバウンドリンクを張っている外部ブログ数を比較したグラフである。上位サイトほど,多くのブログで引用されていることになる。つまり影響力のあるMMやブログと言える。

 ここでは,1〜50位と51〜100位を示しているが,お馴染みのロングテール・グラフとなっている。MMが青棒で,ブログが赤帽になっている。上位は,圧倒的にMM(青)が占めており,下位になるほどブログ(赤)が目立つようになる。示していないが,ロングテール部分の下位になればなるほど,ブログが多くなる。

 ショートヘッドは大半がMMで,ロングテールは大半がブログとなる。当然の結果である。上位50以内にはブログが3本しか選ばれていない。上位100位でも12ブログしかランキングされていないのだ。トップ6を見ても,The New York Times, Yahoo! News, CNN, MSNBC. WashingtonPost,BBCと並び,新聞社やTV局,それにポータル会社のニュースサイトが顔を連ねている。確かに,NYTimes.comの記事は,多くのブログにとって格好のネタになっている。

 でも,影響力の点でMMがブログを圧倒しているとは言い切れない。まず,巨大メディアと単独ブログを比較すると,こうなるのは明らかである。最大規模のブログであるBoingBoingでも 数人のブロガーが毎日10本程度アップするちっぽけなサイトである。運用コストも少ない。一方,NYTimesは 何百人の記者を抱え,毎日500本ほどの記事をアップしている巨大サイトである。また,MMと言われるメディアは数えるほどしか存在しないが,影響力のあるブログは何万,いや何百万といるはずだ。

 見方を変えれば,100位以内に12ブログも登場していることの方が,凄いことかもしれない。ブログでは,例えばEngadgetが15位に,BoingBoingが29位に,Gizmodeが51位に,TechCrunchが56位にランクされいた。GizmodeはCNET Newsより上位に選ばれ,またBoingBoingはBusinessWeekより上に位置している。つまり単独ブログが,100人オーダーのプロ集団が作り出しているメディアより,ネット上では影響力があるとも言えるのだ。プロの記者や著名ブロガーの一人当たりのインバウンド・リンク・ブログ数を比較すれば,どうなるのだろうか。



◇参考
State of the Blogosphere, October, 2006(Technorati Weblog)
+
posted by Kilimanjaro at 09:38 | Comment(0) | TrackBack(3) | メディア
2006年08月19日

ニュース系のTVや新聞,雑誌,信用度が低下の一途:米PEWの調査より

 米国のTVや新聞は,ユーザーからあまり信頼されていない。Pew Resarch Centerの調査によると,ニュースを発信しているTVや新聞,雑誌に対する信用度は,下降線を辿っている。

 以下の表は,代表的なTV局,新聞,雑誌に対する信用度が,1998年から2006年までの間,どのように推移しているかを示したもの。

TVの信用PEW0608.JPG
(ソース:the Pew Research Center)

新聞の信用PEW0608.JPG
(ソース:the Pew Research Center)

 イラク報道などが,マスメディアの信用を失墜させたのかもしれない。だがそれ以上にオンラインメディアの台頭が大きく響いているのでは。特定のニュースについて,誰もが手軽に複数の記事を読んだり映像を視聴できるようになった。さらに最近では,ブログが出現したり,YahooやGoogle,Diggなどのニュースアグリゲーターも出そろってきており,いろんな視点のコンテンツに直ぐに接することができる。一つのメディアの記事や映像だけからでは得られなかったニュースの深層に迫ることができるようになった。特定の新聞社やTV局だけのニュースコンテンツが信用されなくなるのも,仕方がないのかも。

 プリントのニュースメディアの中では,Wall Street Journalが最高の信用度スコアを獲得した。このPEWの結果を受けて,Dow Jones & CompanyはWall Street Journalが米国で最も信用の高い新聞であることを誇らしげに発表している。 2年前に比べ2ポイントアップしたことは素晴らしいが,でも8年前に比べ15ポイントもダウンしており,自慢できる状況にあるとは思えないのだが。

 ともかく,TVや新聞のような伝統的なメディア会社の状況は年々厳しくなっている。信頼を失ってきているだけではない。若年層を中心にTV離れや新聞離れが加速化している。オンラインシフトを急いでいるのもそのためである。 



◇参考
Section 5: Media Credibility: Online Papers Modestly Boost Newspaper Readership(the Pew Research Center)
Wall Street Journal Remains Most Trusted Print Publication -- Across Political Party Lines(Dow Jones & Company)
マスメディアちょっと信用回復,でも半数しか信頼していない(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 15:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年08月11日

従来型メディアが崩壊へ,ロングテールの提唱者が証拠データを集める

 ロングテールの提唱者であるChris Andersonは,彼のブログ“The Long Tail”の中でメインストリームメディアが崩壊していると叫んでいる。今回で3回目である。公表されている統計データを並べて,旧来型メディアが崩れ落ちる様子を語っている。

 彼が集めた統計データは次の通り。

*TV:ネットワークTVの視聴率が,2006年7月に過去最低に。

*音楽:アルバムの売上高が,2006年7月にこの10年間で過去最低に。年間CDアルバムの売上は前年比4.2%減。

*ラジオ:今年のラジオ音楽の聴取数は前年比8.5%減。20年間続けて下降。

*DVD:今年のこれまでの出荷は前年比4%減。

*新聞:発行部数は1987年をピークに下降線の一途。今年のこれまでの発行部数は前年比2.6%減。

以上の従来型メディアは下り坂を転げ落ちているようだ。

だが,意外と今年頑張っている従来型メディアもある。ちょっとした踊り場かもしれないが。

*雑誌:広告売上高が前年比3.7%増。

*書籍:今年の売上高は前年をわずかだが上まりそう。

好調なメディアは,インターネット(広告売上高),ビデオゲーム,切符売上高である。

 要するに,ロングテールのヘッド部分で稼いできたマスメディアが落ち目で,テール部分で頑張っているインターネットが好調と言いたいのだろう。



◇参考
Mainstream Media Meltdown III(The Long Tail)
posted by Kilimanjaro at 07:38 | Comment(1) | TrackBack(2) | メディア
2006年07月25日

米大学生のメディア接触,インターネットにどっぷり浸る

 米学生のメディア接触調査をMediaPostが実施した。350人の学生を対象に調査した結果は次の通り。

*1週間あたりインターネット利用時間
43%:10時間以上
31%:6〜10時間
19%:3〜5時間

*1週間あたりTV視聴時間
17%:10時間以上

*1週間あたり新聞あるいは雑誌を読む時間
1%:10時間以上

 調査手法が明らかでないので,ここまで極端にTV離れと新聞・雑誌離れが本当に進んでいるのかは分からないが,相対的にインターネット接触時間が増えているのは間違いない。学生さんは,MySpaceなどのSNSで友達とやりとりしたり,YouTubeで面白いビデオクリップを視聴するのに忙しく,新聞や雑誌を読んでいられないと言うことか・・・。


◇参考
Just An Online Minute... Survey: College Students Web-Happy(MediaPost Publications)
posted by Kilimanjaro at 08:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年05月24日

米ソフト業界団体SIIAのCodie賞,優れたコンテンツも表彰

 ソフトウェア業界団体 SIIA(The Software & Information Industry Association)が催す 21回SIIA Codie Awardsの受賞企業が決まった。ソフトウエア,コンテンツ,教育,企業の4カテゴリー毎に,複数の企業が選ばれた。受賞企業の一覧表はこちらで。

 コンテンツ部門の受賞作品は次の通り。
CONTENT CATEGORIES

Best Content Aggregation Service
Elsevier Engineering Information - Engineering Village 2

Best Medical and Health Information Product
A.D.A.M - A.D.A.M. Quicksheets

Best Online Business Information Service: non-News
EDGAR Online - EDGAR Pro
PR Newswire - PR Newswire for Journalists

Best Online Consumer Information Service
MyFamily.com, Inc. - Ancestry.com

Best Online Directory and Business Leads Service
Onvia - Onvia Business Builder

Best Online Government Information Service
Onvia - Onvia Business Builder

Best Online Newsletter
National Geographic Digital Media - Inside National Geographic

Best Online News Service
PR Newswire - PR Newswire for Journalists

Best Online Professional Financial Information Service
EDGAR Online - IMetrix Professional

Best Online Reference Service
HighBeam Research, Inc. - HighBeam Research

Best Online Science or Technology Information Service
National Geographic Digital Media - National Geographic's Genographic Project

Best Solution Integrating Content into an Application
CSA - MultiSearch

Best Vertical Market Business Content Solution
The Wall Street Journal - RealEstateJournal.com

 業界の性格上,やはりお堅い仕事向けのコンテンツが大半である。日本では考えられないほど,仕事のためのコンテンツが充実している。有料コンテンツが目立つ。インターネット時代に入って,コンテンツが氾濫しデフレ化が進んでいる一方で,新興のネットアグリゲータに浸食されていない分野も数多く残っているようだ。昔ながらのデータベース産業はまだ健在である。

 その中で前から気になっていたのが,上から2番目のElsevier Engineering Information - Engineering Village 2である。日本の大学図書館には,この高価な検索サービスが幅広く浸透しているからだ。研究分野にもよるが,未だに論文などの資料を入手するのは簡単ではない。Google Scholar のお陰で,少しは手軽にはなってきたが。

 これだけインターネットが普及しても,専門分野によって議論の場が異なる。学会誌(紙媒体)を主戦場とする分野と,ブログなどのインターネット媒体を主戦場とする分野とに分かれるようだ。インターネットが主戦場となっている分野では,専門家は新鮮な資料や論文の大半を無料で入手できるし,誰もが発表する機会を持つことができる。だが,多くの伝統的な分野では,未だに学会誌などの紙媒体で公表しないと認知されない。インターネット媒体で議論しても評価されないのだ。以前どこかで聞いた話だが,社会学の分野では,以前は紙媒体を議論の主戦場としていたが,最近ではインターネットを議論の主戦場とする学者が増えてきたという。



◇参考
21st Annual Codie Award Winners Announced(SIIA)
posted by Kilimanjaro at 08:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年03月29日

新聞,雑誌,Web用コンテンツを売買するオンライン・マーケットプレイスが開設

  Mochiraが,メディア企業間でコンテンツを売買するオンライン・マーケットプレイスを開設した。プリント,オーディオ,ビデオ,写真など,メディアが扱うコンテンツが取り引きの対象となる。

  売り手も買い手も,新聞社,出版社,TV局,オンライン会社などのメディア企業が中心になる。コンテンツホルダーである売り手は,コンテンツ価格,ライセンス条件などを設定して,コンテンツをMochiraのマーケットプレイスにアップロードする。買い手は,マーケットプレイス上で使いたいコンテンツがあれば,すぐにダウンロードして利用できる。全てのメディア企業が買い手として参加できる。

  開設時から参画を表明しているメディア企業は次の通り。フリーペーパーで有名なMetro Internationalも加わっている。
Hachette Filipacchi U.S., Metro International, MediaNews Group, Freedom Communications, Liberty Group, Fast Company, Inc., Working Mother Media, Entrepreneur Media, Rasmussen Reports, The Greenspun Media Group

  世界のメディアコンテンツ・シンジケーションの市場規模は,2005年で20億ドル弱であったが,2008年には30億ドルに膨れあがると見られている。コンテンツの仲介業者であるオンライン・コンテンツ・マーケットプレイスが,その有望市場にどこまで食い込めるか。


◇参考
MOCHILA LAUNCHES ONLINE CONTENT MARKETPLACE FOR NEWSPAPERS, MAGAZINES, AND WEBSITES (プレスリリース)
An Online Syndicate Plans to Challenge News Wires
posted by Kilimanjaro at 07:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア
2006年03月23日

既存メディアのオンラインシフトが加速化,でもオンラインが主流になるのは10年先か

  雑誌,新聞,TV,音楽・・・などの既存メディア業界はこぞって,オンラインサービス化を急いでいる。これまでの非オンライン事業が頭打ちになってきており,これからの収益拡大はオンライン事業に頼らざるえないからだ。

  でも,現状のオンライン事業の売上規模はまだ小さい。平均的な米新聞社におけるオンライン売上高は,総売上高のわずか約3%に過ぎない。残り97%がプリント売上高となる。これは,2004年時点のデータである。その2004年以降,オンライン売上高が年率30%の急成長を示し,一方プリント売上高が年率4%で増える場合を想定すると,オンライン売上高がプリント売上高を上回るのは14年先の2018年となる。かなり先だ。これは,Poynter OnlineのRick Edmondsがはじいた予測である。

 でも,プリント(新聞紙)売上高がこれからも4%増成長を維持するのはかなり厳しそう。移民国の米国では人口が今後とも増えていくとしてもだ。そこで,プリント売上高がゼロ成長と想定すると,オンライン売上高がプリント売上高と肩を並べるのは2016年頃となる。あまり変わらない。やっぱり米国の新聞社ですら,少なくとも今後10年間は,プリント(新聞紙)を主要事業としてやっていかざる得ないのか。

 米国の新聞社の多くは,オンライン売上高の伸びが年率30%増という高度成長が続くことを前提にしている。これもちょっと無理があるのでは。でも,無理しないと生き残れそうもないし・・・。

 Disney, Viacom ,CBS Corp., News Corp.,などの巨大メディアも,オンラインビジネスに力を入れ始めている。Economist.comの記事によると,これらの巨大メディアの2005年デジタル事業売上高は,総売上高の0.4%から1.6%とまだかなり小さい。例外的にTimeWarnerのデジタル売上比率が19%と高いが,これはAOL売上を組み込んでいるからだ。

 Merrill Lynchのアナリストによると,Disney, Viacom , News Corp.,のオンライン売上高は,総売上高の8〜9%程度に 3〜5年以内に達すると見ている。オンライン売上比率が, 3〜5年以内に現在の1%から9%程度に跳ね上がるということは,年率100%増,つまり倍々ゲームでオンライン売上を伸ばしていくことになる。

 伝統的な既存メディア企業のオンラインシフトが,これからさらに加速化していくのは間違いない。また,オンラインメディア市場ではGoogleやYahoo,Apple(iTune)などが割り込んできており,今後はこうしたアグリゲーターが主役になりかねない。数年後のメディア勢力図,すごいことになっていそう。


◇参考
An Online Rescue for Newpapers?(Poynter Online)
Net dreams(Economist.com)
posted by Kilimanjaro at 08:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | メディア