企業からのメッセージをブログやソーシャルニュースなどに取り上げてもらうためには,これまでのプレスリリースだけでは不十分である。ソーシャルメディア向けのニュースリリースを用意するべきだろう。GoogleやYahooなどのネット関連企業は,日常のサービスやイベントをプレスリリースではなくて企業の公式ブログで発表している。こうした公式ブログは,まさにソーシャルニュースリリースである。
確かに公式ブログも,GoogleやFacebookのような注目企業なら効果的である。でも一般の企業だと,公式ブログを用意してもおそらく埋もれたままになってしまう。となると,専門のニュースリリース配信会社に頼りたい。そこで知りたいのが,そうしたリリース配信会社がソーシャルメディア対策をどこまで備えているかである。
米国の代表的なニュースリリース配信会社としては,老舗のPR NewswireとBusiness Wireに加えて,MarketwireやPRWebが存在する。これら4社がどのようなソーシャルメディアリリース(SMR)機能を備えているかを,ボストンのPRエージェント会社SHIFT Communicationsが以下のようにまとめている。
コメント,トラックバック,ポッドキャスト,ソーシャルブックマーク登録,ビデオなどのソーシャル機能が備わっているかを比較している。ソーシャルメディアリリースのテンプレートとしては,同じSHIFT Communicationsが提案した例を,以前紹介したことがある。
実際のソーシャルメディアリリースの例としては,Marketwireが2008年2月4日に発表したリリース“Marketwire Unveils Social Media 2.0: Industry's Most Authentic Social Media Product”が参考になる。MarketwireのSocial Media 2.0は,これまでのプレスリリースをソーシャルメディアリリースに変身させるサービスである。
さて,こうしたソーシャルメディアリリースが,効果的に働いているのだろうか。どの程度ソーシャルメディアに受け入れられているかを見るために,ニュースアグリゲーターTechmemeでの露出頻度(掲載回数)で調べてみよう。以下は,先ほど(日本時間11日9時)のランキングデータである。Business WeekやCNNなどと競って,38位に Business Wire,58位にPR Newswireが並んでいる。以前なら,マスメディアの記者の目にしか触れなかったニュースリリースが,一般のユーザーも見るようになってきている。
◇参考
・IABC, SNCR Take Lead in Standardization of Social Media Release (PR2.0)
・PR-Squared's Social Media Tactics Series: Untangling Claims About Wire Services & Social Media(PR Squared)
・The Definitive Guide to Social Media Releases (PR2.0)
・Marketwire Unveils Social Media 2.0: Industry's Most Authentic Social Media Product(Reuters)
・Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を(メディア・パブ)