スマートフォン専用ページを表示

メディア・パブ

オンラインメディアをウオッチ
TOP / Web2.0 SNS CGM
<< 1  2  3  4 5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16 >>
2011年09月21日

インターネットが事実上のソーシャルメディアへ

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ソーシャルメディアの勢いが止まらない。インターネットが事実上のソーシャルメディアになってきた。

 Nilsenが公表した「The Social Media Report」によると、米国ではFacebookを中心にソーシャルメディア・サイトのユーザー数や滞在時間がうなぎ上りに増えてきている。Tumblrのような爆発的に急成長する新顔も現れており、しばらくソーシャルメディアの勢いは、どうにも止まらない状況だ。

 その勢いを俯瞰するには、後に貼り付けたNielsenのレポートを見て頂ければよい。米国のソーシャルメディアの牽引者はやはりFacebookである。Nielsenの2011年5月調査でも以下のように、月間ユニークユーザー数が1億4034万人、ユーザーの総滞在時間が月間535億分と、トップを独走している。


*米国のソーシャルネットワークとブログの月間ユニークユーザー数(単位:千人)、2011年5月のNielsen調査
SocialMediaUU2011.jpg


*米国の主要サイトの月間総滞在時間(単位:10億分)、2011年5月のNielsen調査
USWebSiteStayTime2011.jpg


 以下にNilsenのレポートを貼っておく。

*State of The Media:The Social Media Report(nielsen):拡大表示可能
Nielsen Social Media Report

 米国人のインターネット利用時間のサービス別内訳は次のようになる。 

InternetTimeNielsen2011.jpg
(Poynterより)

 インターネット利用時間の22.5%を、ソーシャルネットワークやブログで過ごしていることになる。実際には他の多くのサイトも、ソーシャルコネクトやリンクなどでソーシャルメディアと連携しているのが現状である。インターネット上のサービスが事実上、ソーシャルネットワーク上のサービスになってきた。


◇参考
・State of The Media:The Social Media Report(nielsen)
・Americans spend just a fraction of online time with news compared to social media(Poynter)
・Tumblr marks its 10 billionth post(msnbc)



この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年09月20日

ゲーミフィケーション・サービス会社「Bunchball」、4年間で1億2500万人に5億バッジを提供

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ゲーミフィケーション(Gamification)サービス会社のBunchballは、この4年間で1億2500万人に5億バッジを提供してきたという。ゲーミフィケーションがバズワードとしてだけではなくて、実ビジネスとして離陸し始めているのかもしれない

 昨年あたりから「ゲーミフィケーション」という言葉が一部で話題になっていたが、今年に入ってバズワードとして一段と盛り上がってきた。Gamification Summitと称するカンファレンスが、今年1月にサンフランシスコで催され、続いて先週(9月15日-16日)にもニューヨークで開かれたり、さらに2015年までに50%以上の企業がゲーミフィケーションを採り入れるとガートナーが予測したこともあって、このバズワードが広がり始めている。ゲーミフィケーションについては、定義が確定しているわけではないが、既に多くの解説が出ているのでそちらを参照されたい(検索結果はこちら)。

 ゲーム的要素を非ゲームサービスにも持ち込もとしているのだが、ゲーミフィケーションを取り込んだサービスでは一般に、課題を達成したユーザーにバーチャルなバッジやトロフィーなどを与えるようになっている。Bunchballが初めてゲーミフィケーションサービスを手掛けたのは2007年で、NBCUniversal向けのプロジェクトであった。最初のころの顧客としては、NBCUniversalやUSA Network、Playboy(男性雑誌)、Bravoなどのメディアサイトが中心であったが、今ではマーケティング分野などに拡大している。例えば最近では、Force.comとSalesforce.com向けのアプリにおいてセールスプロセスにゲーム的要素を取り込み、高い評価を得たという。そして、冒頭で紹介したように、この4年間で1億2500万人に5億バッジ/トロフィーを提供するまでに実績をあげてきたというわけだ。

 同社のゲーミフィケーション・サービスの顧客満足度は非常に高いと自慢している。顧客企業の9割は、リピーターとして再びサービスを採用してもらったという。また、ゲーミフィケーションを取り入れることにより顧客サイトは次のような効果が出たとしている(同社からの発表)。

BunchballGamefication.jpg



◇参考
・Gartner Says By 2015, More Than 50 Percent of Organizations That Manage Innovation Processes Will Gamify Those Processes(Gartner Newsroom)
・Bunchball hits 500M badges awarded for gamification service(GamesBeat)
・GamesBeat@GDC: Norwest's Tim Chang wants to invest in the "game-ification" of life (video)(VentureBeat)
・BigDoor acquires OneTrueFan for gamification expansion (exclusive)(VentureBeat)
・The newsonomics of gamification − and civilization
・How Video Games Are Infiltrating--and Improving--Every Part of Our Lives(Fast Company)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年09月07日

米国のソーシャルゲーマー人口、今年は前年比16.7%増の6190万人に

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ソーシャルゲーム市場が盛り上がっているが、その高度成長が2015年まで続く勢いだ。

 eMarkterによると、米国のソーシャルゲームユーザー数は2011年末に6190万人に達する。前年比で16.7%も増えることになる。ネットユーザーの4人に1人がソーシャルゲームに興じている。

SocialGamerUS2011.jpg

 米国ではまだパソコンでオンラインゲームを楽しむ割合も高いが、モバイル(フィーチャーフォンやスマートフォン)ゲーマー数が急激に増えている。月間のモバイルゲーマー数は2011年に7350万人となり、2015年には1億人に達すると、eMarkterは予測している。

MobileGamerUS2011.jpg

 モバイルゲーマーの多くはソーシャルゲーマーとなるはず。その米国のソーシャルゲーマーには家計の取り仕切っている女性が多いのが特徴。そこで、ソーシャルゲームが企業のマーケッティング手段として有効に利用されるべきだがまだ認識されていないと、Forresterはレポートしている。



◇参考
・Why Marketers Need to Get In the Game of Online and Mobile Games(socialmediatoday)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年08月24日

急成長する「Tumblr」、ビジュアル・マイクロブログ旋風を巻き起こすか

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ファイスブックやツイッターの爆発的ブームの中、今さらブログなんて・・・・。ところがブログプラットフォームの「Tumblr」が、昨年後半あたりから異常なほど人気が急上昇している。1年前にブログ数が1000万程度であったのが、今では10倍近い9000万を超える。すでに8億ドル以上のバリュエーションでVCも動いている。

  Quantcastの調査によると、Tumblr Blog Networkの月間ユニークユーザー数が世界で9000万人を超えている。米国で3770万人、日本でも280万人と、いつのまにか多くのブロガーを抱えている。

TumblrQuantcast201107.jpg

  Tumblrの動きを無視できなくなったのは、6月15日の人気ブログMashableの記事であった。米国において、Tumblrのブログ数が2087万に達し、大手ブログプラットフォームのWordPressを追い抜いたというニュースであった。

  Tumblrがこれまでのブログとの違いは、ともかくシンプルであること。画像中心のビジュアル・マイクロブログを手軽に発信できる。デザイン指向のブログで、カスタマイズも簡単という(TechCrunchの記事より)。以前、アカウントを取得してちょこっと触ってみたのだが、有難さが分からず放っておいた(4年前のツイッターみたいに)。

  一部の個人ブロガーが騒いでいる程度と無視していたのだが、あのLady Gagaが飛びついたとなると放っておけない。フェイスブックやツイッターなどの先端ネットメディアを駆使したプロモーションでトップを走るセレブである。以下に、彼女のTumblrページを掲げておく。 



●Gaga(http://amenfashion.tumblr.com)

TumblrGaga.jpg


 Tumblrに興味を示したのはLady Gagaだけではない。エンターテイメントやファッション、それにメディア関連の有力企業が、次々とTumblrを試しに使い始めている。以下に、大手企業が試しているTumblrアカウントを掲げておく。リンクを張っているので、飛んで閲覧すれば、Tumblrで何が表現できるかがわかるであろう。とてもクールである。

●MTV(http://mtv.tumblr.com/)
TumblrMTV.jpg



●Washington Post(http://washingtonpoststyle.tumblr.com/)

TumblrWashingtonPost.jpg



●New Yorker(http://newyorker.tumblr.com/)

TumblrNewYorker.jpg




●NYT Magazine(http://tmagazine.tumblr.com/)

TumblrNYT.jpg




●GQ(http://gq.tumblr.com/)

TumblrGQ.jpg




●HuffingtonPost(http://huffingtonpost.tumblr.com)

TumblrHuffingtonPost.jpg


●GRAPHIC EVERYWHERE(http://graphiceverywhere.tumblr.com/)

TumblrGraphicEverywhere.jpg


◇参考
・Tumblr Talking To Top VCs About An $800 Million+ Valuation(BusinessInsider)
・Tumblr Now Has More Blogs Than WordPress.com(Mashable)
・The Gaga Effect Spreads to Tumblr(NYTimes.com)
・Tumblrを作った理由:ブログは普通の人には難しすぎる(TechCrunch Japan)

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年08月04日

ファイスブックが急伸中の地域、南米とアジアそれにイスラム文化圏

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 会員数が世界で7億5000万人を突破したと、Facebookが自慢げに告げたのは先月初め。世界のインターネットユーザー21億人の約36%近くがFacebookを利用していることになる。

 ところが、そろそろ天井が見えてきたのではとの声も聞かれる。北米や西欧諸国、オーストラリアなど、いち早く普及していたFacebook先進国の一部で、ユーザーの増え方に鈍化が見られ始めている。ところがこれら先進国に代わって、南米、アフリカ、それにアジア地域で、急激にFacebookユーザーが増えてきているのだ。Socialbakersのデータによると、この7ヶ月間のユーザー数の増加率は、アフリカで55%、南米で54%、アジアで40%と勢いづいている。

●州別のFacebookユーザー数(2010年12月と2011年7月)。浸透率は2011年7月末時。
FacebookContinent2011.jpg
(ソース:Socialbakers)

 アフリカでFacebookユーザーの多い国のトップ6は次のようになる。このうち、北アフリカのエジプト、モロッコ、チュニジア、アルジェリアの4国は、いずれも昨年末の民主化運動が勃発したアラブ諸国(イスラム文化圏)である。Growthには、この半年間のFacebookユーザーの増数と増減率を示している。Penには、その国の全人口のうちFacebookを利用している割合を示している。上の4か国は、今年に入ってもFacebookユーザー数が着実に増え続けている。ただリビアだけは、内戦の真っ只中にあり、ほとんどFacebookが使われていないようだ。

FacebookAfrica.jpg
(ソース:Socialbakers)

 南米については、7月30日のブログでも紹介したように、Facebookが比較的早く普及していたが、さらに一段とユーザー数が増え続けている。米国内のヒスパニックがソーシャルメディアをよく利用していることとも関係がありそう。スペイン語圏で人気の高いFacebookだが、ポルトガル語圏のブラジルにおいては目立たない存在であった。GoogleのOrkutが、Facebookに先立ってブラジルに本格上陸していたため、ブラジルではOrkutの独走が続いていたのである。それが、昨年あたりからFacebook人気が爆発し、Orkutを一気に追い抜く勢いになってきた。

FacebookSouthAmerica.jpg
(ソース:Socialbakers)

 出遅れていたアジアでも、ユーザーが増え始めている。ただし、世界のネット人口の25%近くを抱える中国で、Facebookの上陸が事実上阻止されているため、どうしてもアジアでの浸透率は低い。それに、日本や韓国のように国産SNSが強い国では、これまで苦戦を強いられていた。またインドでも、ブラジルと同様、GoogleのOrkutにトップの座を譲っていた。ところが、インドや日本、韓国でもFacebookブームが巻き起こり、インドでは一気にシェア争いでOrkutを抜き去った。
 
FacebookAsia.jpg
(ソース:Socialbakers)

 日本や韓国ではシェアがまだまだ低いものの、以下のようにユーザー数は着実に増え始めている。特に韓国での伸びが著しかったが、5月に50万人以上も一気に減るという異常事態が発生し、第2四半期はマイナス成長に陥った。これは住所を韓国にしていた中国人ユーザーが多く脱退したためとの説がある。South Korea Facebook Statisticsによると、6月に入って韓国のfacebookユーザー数が再び増えてきている

FacebookJapanvsKorea.jpg
(ソース:GreyReview)

 アジアのトップ10の国を見て興味深いのは、インドネシア、マレーシア、パキスタン、サウジアラビアと、インラム教徒の多い4ヵ国が入っていることだ。先の北アフリカのアラブ諸国や、フェイスブックユーザー数で世界5位のトルコと、イスラム文化圏の国々でフェイスブックユーザーが多く、さらに増え続けていることは見逃せないトレンドだ。


 このように今フェイスブックユーザーが勢いよく増えている地域は、北アフリカ、南米、そしてアジアで、どちらと言えば経済的に豊かでない国が多い。そこで、5年以内に世界の全ての人にファイスブックサービスがリーチできるように、ローエンドのフィーチャーフォンでも享受できる新しい簡易フェイスブック・アプリ「 Facebook for Every Phone」を提供していこうとしている。途上国の2500機種のフィーチャーフォンに対応しているという。



◇参考
・India is the Fastest Growing Country on Facebook(Online Marketing Trends)
・フェイスブックユーザーが韓国で急増(メディア・パブ)
・Facebook in Asia: More than 150 Million Users but Slowing Growth in Quarter 2 2011(GreyReview)
・INTERNET USAGE STATISTICS The Internet Big Picture(Internet World Stats)
・FACEBOOK USERS BY COUNTRY 2011Q1(Internet World Stats)
・Social Networking Goes Global(comScore)
・Social Networking War in India: Facebook vs Orkut(Penn Olson)
・ORKUT V/S FACEBOOK(Bhavishya Bazaar)
・Facebook’s Marshall Plan(Digits,WSJ.com)
・Facebook Totally Missed The Boat On Low-End Mobile Phones(Business Insider)
・New “Facebook for Every Phone” App Brings Photo Uploading and More to 2500 Different Feature Phones(Inside Facebook)
・Why It's So Important For Facebook To Work On Every Phone(Business Insider)



この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年07月30日

独裁大統領もソーシャルメディアをフル活用

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  独裁者はマスメディアを支配しようとするが、一方でソーシャルメディアを嫌う。新聞やテレビ放送、ラジオ放送などのマスメディアはコントロールできるのに対して、SNSやツイッターのような市民主導のソーシャルメディアはコントロールが難しいからだ。その上、ソーシャルメディアを介して盛り上がった民主化運動で、北アフリカ諸国の長期独裁体制の転覆が続いたからなおさらである。

 ところがベネズエラのチェべス(Hugo Chávez)大統領は違う。反米主義者であることもあって、米国などの西欧諸国から独裁者のレッテルを貼られることが多い同大統領だったが、ソーシャルメディアを嫌うどころかフルに使いこなしている。同大統領のFacebookアカウントには15万人以上のファンが付いており、またTwiterアカウントには約184万人の国民がフォローしている。

 Facebookのページには、以下のスクリーンショットの例のように、時にはカストロ氏の動画やゲバラ氏の似顔絵が現れたりする。リビアのカタフィ( Qaddafi)大佐の写真が出ていたこともあった(一時、カタフィ氏のベネズエラ亡命説も浮上)。米政府が煙たがるのも仕方がないか。

FacebookChavez2.jpg


 次は同大統領のTwitterページ(@chavezcandanga)である。

TwitterHugochavez201107.jpg

 チェべス大統領は最近特に、このTwitterを国民へのメッセージツールとして頻繁に利用している。6月上旬にキューバでガン手術を受けたり、その後の治療でも祖国を離れることが多く、海外のキューバからつぶやき続けたのだ。重病説が流れたこともあって、健在であることをアピールするため先週には40以上のツィートを投稿続けた。カストロ氏と対談している写真や、見舞いに来たサッカー選手マラドーナ氏との歓談写真を付けたりもした。サッカーの南米選手権の準決勝(7月20日)のベネズエラ対パラグアイ戦もカストロ氏と共にキューバでテレビ観戦をし、PK戦で祖国が惨敗した時は、病院のベッドから
"In my modest opinion... THEY ROBBED US OF THE VICTORY GOAL! And I hope that with this I'm not offending anybody!" と、勝利を詐取されたと主張するツィートを発信したりもした。異国の病床から国民の悔しさを代弁するメッセージである。こうした大統領のツィートの内容はすぐに、ベネズエラ国内の公共テレビ局の放送番組中の画面にポップアップ表示されたというから、マスメディアとの連携もすごい。祖国を離れていてもTwitterのお陰で、国民の身近に大統領がいつも存在しているという演出が実現したのだ。

 
 でも、ここで疑問が。ソーシャルメディアを駆使してプロパガンダを実施するとしても、多くの国民がソーシャルメディアと接していないと意味がない。意外なのだが、南米の国々は一般に裕福でないのに、ソーシャルメディアがかなり先行普及している。しかも反米色が根強く残っているにも関わらず、米国産のTwitterやFacebookが浸透している。興味深い。

 中でもベネズエラでは、ソーシャルメディアが深く根を下ろしている。15歳以上の国民のTwitterリーチ率(2011年3月時点)は21%で、世界で5番目に高い。またFacebookの浸透率も目を見張る。3000万人弱の全国民のうち1/3に相当する約1000万人がFacebookを利用しているのだ。インタネットユーザーのほとんどがFacebookを使っていることになる。

●ベネズエラのTwitterリーチ率
TwitterReach201103.jpg


●ベネズエラのFacebook浸透率
FacebookVenezuela201106.jpg


 FacebookやTwitterに加えて、Flickr(chavezcandanga's photostream)やYouTube(misionchavezcandanga)も活用し、それらを束ねたWebのホームページも備えている。最近のWebには、以下のような写真が掲載されていた。

ChávezCuba.jpg


 ソーシャルメディアの活用が欠かせなくなってきたといっても、現実にはまだまだテレビなどのマスメディアの影響力のほうが大きい。ベネズエラは石油資源に頼っている国だが、同大統領はその石油産業を国有化したり、また資産家の財産を没収してきたため、富裕層の反発が強い一方で、国民の大半を占める貧困層から高い支持を得てきていた。このため富裕層が保有していたマスメディアは、反チェべス的な内容を報道することが多かったが、今ではそのマスメディアもチェべス派に掌握されている。公共テレビでは毎日曜日に同大統領が司会する5時間の番組「Aló Presidente」(こんにちは大統領)を放送するまでになっている。同大統領のツィートがテレビ画面に突然ポップアップ表示されるのも、当然なのかもしれない。


 
 12年の長期政権が続いているチェべス大統領は、マスメディアだけでなくてソーシャルメディアもうまく使いこなし、安泰のように見える。だが、あまりにも強権的な政治手法に批判が高まっているし、豊かな石油資源を持ちながら貧困層の生活にあまり改善が見られていないことに対する不満もくすぶっている。そこで来年の大統領選挙に向けて、反チェべスの動きが大きくなる可能性がなくはない。

 ただし野党の反チェべス勢力にとって、今のマスメディアに期待を持てないだろう。そこでソーシャルメディアに頼ることになるかもしれない。ソーシャルメディアはフラットなメディアであるだけに、チェべス派にとっていつまでも都合のよいメディアであり続けるとは思えない。すでに野党の大統領候補の一人であるLeopoldo Lopez氏は、Facebookページに40万人のファンを、Twitterアカウントに約30万人のフォロワーを抱えている。チェべス大統領が独裁者なら、ソーシャルメディアが落とし穴になるかもしれない。


◇参考
・Hugo Chávez uses Twitter to run Venezuela from hospital bed(Guardian)
・The Netherlands Ranks #1 Worldwide in Penetration for Twitter and Linkedin(comScore)
・Indonesia, Brazil and Venezuela Lead Global Surge in Twitter Usage(comScore)
・FACEBOOK USERS IN THE WORLD
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 17:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年07月13日

「リンクトイン」が浸透する国、グローバル志向の強いビジネスパーソンの多い国

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 LinkedIn(リンクトイン)の統計データが、Socialbakersから公開され始めている。まだベータ版であるが、同社が出しているFacebookの統計データと同様、国別にユーザー数を示してくれている。

 トップ50の国別ユーザー数が公表されているが、ここではトップ20と、それに気になる国を付け加えて、以下のように掲げておく。LinkedInのユーザー数とFacebookユーザー数を合わせて載せており、右端にはLinkdInの浸透率(その国の全人口のうちLinkdInを利用しいる割合)を示している。

LinkdInUser.jpg


 グローバルなユーザー数は、LinkedInが約1億人で、Facebookが約7億人。LinkedInのユーザー数がFacebookの1/7(7分の1)ということになる。LinkdInユーザー数がFacebookユーザー数の1/7をはるかに超えている国は、
 米国、インド、英国、カナダ、オランダ、オーストラリア、デンマーク、シンガポール、アイルランド、ニュージランドとなる。これらの国はインドを除いて、LinkedIn浸透率が10%を越えている。

 グローバル志向が強いビジネスパーソンが、転職を含めたキャリアパスを展開する場としてLinkdInを利用しているように思える。仕事の場がグローバルとなると英語が主流となるので、英語圏内の国や、インドやシンガポールのように高学歴者が英語を使いこなす国で、LinkedInユーザーが増えている。

 その点日本はやっぱりというか、これまでLinkdInは日本国内で伸び悩んだ。LinkdInに対抗するビジネスパーソンに特化した有力なSNSが日本に存在しないのに、LinkdInの浸透率が0.30%とは低すぎる。また中国も0.10%と非常に低い。米国のSNSは事実上中国でブロックされるので、一般に浸透率は低いのが当然である。それでも、ビジネス専用のSNSとして中国での規制が緩かったせいで、LinkdInユーザー数は140万人と日本のユーザー数の約4倍になっている。ただしLinkdInに対しても規制が厳しくなる動きもあり、中国でも伸び悩むかもしれない。


◇参考
・LinkedIn Statistics
・ビジネス特化型SNSの「LinkedIn」、1億人突破で成長続くが日本では未だに低迷(メディア・パブ)
・LinkedIn's Big Trouble In Social China(Fast Company)
・LinkedIn says China has unblocked its service(BBC)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 13:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年07月07日

上場するZyngaの実像

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ソーシャルゲーム・デベロッパーの「Zynga」が上場することになったので、米国のニュースサイトでは同社に関するデータで溢れかえっている。Zyngaの現況を把握するために、それらのデータを拾い集めてみた。

 同社の設立は2007年1月。わずか4年半で、Valuationが150億ドル〜200億ドルの企業にのし上がる見込みである。社員数は1300人程度のベンチャー企業だが、同社が開発したソーシャルゲームを1日当たり平均して6000万人ものユーザーが楽しんでいる。ユーザーがプレーしている総時間は毎日約20億分にもなる。月間のアクティブユーザー数は2億8000万人に達する。

 これまで同社のソーシャルゲームは、ほとんどがFacebookアプリとして提供されてきた。Facebook向けゲームアプリのトップ4はすべてZynga製品が占めており、デベロッパーのランキングでもZyngaが突出している。以下に、Facebookアプリのランキング(MAU:monthly active usersの多い順)とアプリケーションデベロッパーのランキング(総MAUの多い順)を掲げておく。

ZyngaAppData20110705.jpg
(ソース:AppData)

 このため、売上もFacebookからが大半を占めており(最近でも80%)、以下の業績の推移のように、売上高が一本調子で増え続けている。

ZungaRevenueCost2011.jpg

 売上が急増してきたのは、ユーザー数の増加というよりも、ユーザー当たりバーチャルグッズ(アイテム)売上が増えARPU:Average Revenue Per Userを引き上げたためであろう。

ZyngaARPUFacebook.jpg


 売上の多くを2008年までは広告(Advertising)に頼っていたが、2009年以降は有料のバーチャルグッズ(Online Game)売上に完全にシフトしているのがデータでもはっきり出ている。また、米国外(海外)比率が高まっているのも当然の流れ。

ZyngaRevenue2011.jpg


 同社は2010年7月に SoftbankとGoogleから3億ドルを調達したのを含めて、これまで総計5億1900万ドルもの資金を調達してきている。そしてこの2年間で,以下のように15のゲームスタジオや製品を獲得してきた。

・2009年
MyMiniLife、YoVille

・2010年
Newtoy、Bonfire Studios、Dextrose、Conduit Labs、Challenge Games、XPD Media、Serious Business

・2011年
DNA Games、Wonderland Software、JamLeged、Floodgate Entertainment、Area Code、Flock

 
 さらに今回のIPOで10億ドルを調達する予定なので、さらなる攻勢に出てくるのだろう。

 元気の良いデータが続いたが、中には気になるデータも。まだ利益が安定した上昇気流に乗りきれていないグラフがその一つ。またAll FacebookのデータによるとMAUが伸び悩んでいることも気がかりである。

ZyngaSAIChart20110701.jpg


◇参考
・Zynga Stands Out Among Tech I.P.O.’s(NYTimes.com、REUTERS BREAKINGVIEWS)
・Infographic: Zynga's Path to IPO(Atlantic)
・CHART OF THE DAY: Zynga's Big Revenues And Smallish Profits*(Business Insider)
・Zynga's Talks With Investors Value Gaming Concern at Over $7 Billion(WSJ.com)
・Is Zynga The Most Profitable Company Ever?(Business Insider)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 00:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年07月02日

オバマ大統領、ツイッターによるタウンホールを初めて実施

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 オバマ大統領は、ツイッターによる初めてのタウンホール・ミーティング(市民集会)を7月6に実施する。

TownhallObama201107.jpg


 そのタウンホールに向けて、市民からの経済や仕事に関する大統領への質問を、ツイッターで受け付けている。ハッシュタグの#AskObamaで、質問を送ることができる。すでに、幾つかの質問が以下のように投げられている。

ObamaAsk201107.jpg


 今回のタウンホールに関するお知らせは、@townhallで配信されている。

townhall20110706.jpgtownhall20110706.jpg@BarackObama


 7月6日の午後2時(東部標準時)に、大統領の生の回答がwebcastを介してサイト(http://askobama.twitter.com/)で得られる。


 来年の大統領選での再選を目指して、オバマ陣営はソーシャルメディアを前回以上に使いまくろうと、すでに精力的に動いているのだ。Facebookを舞台にしたタウンホール・ミーティングはすでに今年の4月20日に、オバマ大統領がFacebook本社に訪れて、同社CEOのザッカーバーグ氏などと交えて社員を前に実施した。その生中継は、Facebook Liveでも動画配信された。




◇参考
・President Barack Obama to hold first Twitter town hall on July 6, ramps up social media presence(NYDailyNews.com)
・オバマ大統領、2012年大統領選に向けてソーシャルメディアによる運動を早々と開始(メディア・パブ)

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年06月18日

オバマ大統領、2012年大統領選に向けてソーシャルメディアによる運動を早々と開始

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 オバマ大統領が、フェイスブックとツイッターを活用した2012年大統領選運動に動き始めた。

 昨日(6月17日)にオバマ大統領の公式キャンペーンサイト(http://www.barackobama.com/)が、同大統領のFacebook page と彼のツイッターアカウント@BarackObamaを利用した2012年大統領選運動の旗揚げを宣言した。運用はキャンペーン部隊が実施するが、ツイッターにはオバマ本人のツイートもアップしていくという。

 前回の米大統領選挙では、若いボランティアがフェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアを利用して草の根運動を盛り上げ、オバマ旋風が全米に巻き起こり当選に至ったいわれている。だが今回は民主党の勢いが今ひとつで逆風が吹いているだけに、前回のようなブームを再現できるかどうか。前回は明らかに民主党陣営がソーシャルメディアをうまく利用していた。だが、最近では共和党もソーシャルメディアの活用に力を入れ始め、先の中間選挙の時もそうだったが、成果を上げてきている。

 オバマ大統領の場合、これまでの資産であるFacebook pageとツイッターアカウントを継承できるのが強みである。6月17日現在、Facebook pageには2169万人のファンが、またツイッターには868万人のフォロワーを抱えている。先行することにより前哨戦を優位に展開できるのかもしれない。以下に、同大統領のFacebook pageとツイッターアカウントの各ページのスナップショットを掲げる。フェイスブックでは大きく寄付金募集を行っていた。

*フェースブック
ObamaFacebook201106.jpg

*ツイッター
ObamaTwitter2012.jpg



◇参考
・Just in time for the election, President Obama to begin Tweeting personally.(The Next Web)
・A NEW APPROACH TO FACEBOOK AND TWITTER(barackobama.com)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 17:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年06月11日

米国人の92%はツイッターを知っているが、使っている人はわずか8%

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米国人(12歳以上)の92%はツイッターを知っているが、実際にツイッターを利用している割合はわずか8%である。

 一昨年あたりからツイッターの特性として、Awarenessは高いがUsageは低いと言われ続けていた。eMarketerはArbitron and Edison Researchの調査結果をもとに、AwarenessとUsageの推移を次のようなグラフでまとめている。今年に入ってもこのツイッターの特性がより鮮明になっている。

TwitterAwarnessUsage2011.jpg

 ツイッターの利用率は実際にはもっと高いのではとの声もあるが、Pew( Pew Internet & American Life Project)の最新調査(2011年4月26日〜5月22日、電話による聞き取り調査)では13%であった。興味深いことに、黒人やヒスパニックのツイッター利用率が高く、白人は低い。特に頻繁にツイッターを利用する白人の割合は3%に過ぎない。

TwitterWhiteBlackHispanic2011.jpg 

 これだけツイッターが日常的に話題になり知れ渡っているのだから、もっと利用する人が増えてもよさそうなのに。でもeMarketerの予測では、2013年になっても14%の人がツイッターを利用する程度と見ている。

TwitterEstimateseMarketer2011.jpg

 米国のニュースサイトを閲覧していると、テクノロジー分野だけではなくて、政治、経済、エンタテイメントなどの分野でもツイッターに絡むニュースが氾濫している。著名なタレントや政治家、経営者などを始め、企業やメディアサイトもツイッターで情報発信するのは当たり前になっている。レディー・ガガのようなスーパースターになると1000万人以上のフォロワーを抱えている。一方堅いところでも、NYTの例(http://www.nytimes.com/twitter)でも分かるように、多くのジャーナリストもリアルタイムの情報収集や情報発信にツイッターを使いこなしている。政治家やセレブのスキャンダルも、中近東などの騒動や政府運動もツイッターが発信源になることが多い。

 でも調査結果を見る限り、ツイートを直接閲覧している人が、意外と少ないということである。ツイッターを利用しているのは、好奇心旺盛な人や声の大きい人(情報を伝播させたがる人)、それに影響力のある人たちが目立つが、多数派になっていない。大半の人は、ツイッターユーザーが投稿したブログやニュースサイト、またツイッターでソーシャルフィルタリングされたニュースアグリゲーターを介して、間接的にツイートで伝播している情報を知ることになっているのだろう。

 数年前にRSSフィードによる情報発信が広がり始めたころを思い出す。多くの人がRSSリーダーを用いて効率よく情報収集するようになると期待したのだが、RSSリーダーを利用する割合はインターネットユーザーの10%前後に留まっていた。だが、RSSフィードは情報伝播の在り方を大きく変え、大半のインターネットユーザーは間接的に恩恵を被ることになった。

追記:米国のFacebookの場合、Awarenessはツイッターと同様高いが、Usage(大人)はツイッターをはるかに越えて40%を上回っている。また日本のツイッターのUsageは20%を越えているはずだから、米国の倍近い。米国では専門的な情報収集やマーケッティングに特化した用途も目立つが、日本では手軽な個人のつぶやきとかやり取りが比較的多いせいか。


◇参考
・Twitter’s Awareness vs. Usage Problem(eMarketer)
・Twitter Update 2011(Pew Internet)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 22:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年05月19日

中国版ツイッターの「Sina Weibo」と「Tencent Weibo」、共に1年間で1億人以上加入

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  中国版ツイッター(Weibo、微博)の勢いがさらに加速化している。SinaとTencentの中国ネット大手2社が、中国内Weibo市場で激しくつばぜり合いを演じている。

 SinaがWeiboを立ち上げたのは2009年8月。本格的に普及し始めたのは1年前の2010年春からで、会員数は10年3月初めの500万人から10年10月には5000万人に、さらに11年3月前には1億人を突破と、驚異的な成長を遂げてきた。そして5月11日付けの同社のプレスリリースによると、Weiboの登録者数が1億4000万人を超えたという。増え方が一段と加速化している感じ。

 もっと凄いのがTencent。Weiboサービスを打ち上げたのは2010年4月で、最新のレポートによると現在のユーザー数が1億6000万人に達したというから、まさにロケット発射である。

 とりあえず、両社のWeiboサイトを覗いてみよう。SinaのWeiboのサブドメイン名はt.Sina.com.cnであったが、最近は新しいドメイン名のWeibo.comを使い始めている。Sinaのポータルサイトでプロモーションするとともに、さらに客寄せのために人気女優の姚晨(ヤオ・チェン)などの多くのセレブをユーザーとして参加させている。姚晨のフォロワー数は800万人を超えている。

weibocom.jpg

 中国のWeiboは完全なTwitterクローンではなくて、TwitterとFacebookのハイブリッドと見たほうが良さそうだ。またソーシャル系サービスに厳しい情報統制が敷かれていることの反映か、Sina Weiboでは例えば次のような広州市公安局の公式マイクロブログ(http://weibo.com/gzjd)も参加していた。
  
Policeweibocom.jpg


 対抗のTencentのWeiboは、同社が運営しているQQ IM(インスタントメッセンジャー)のユーザーアカウント(6億人以上)に働きかけたり、Sinaと同じく有名人に参加してもらっている。国民的英雄の劉翔もその一人である。彼はアテネ五輪の110メートル障害で金メダルを取ったが、北京五輪でスタート直前でけがで棄権したことでも話題になった陸上選手。彼のページのフォロワー数は1602万人である。

tqqcomW.jpg

 Weiboの収益化はどうなのか。SinaのCEOはマネタイジングするために次の6つのビジネスモデルを掲げている。

1. Interactive precision advertisement;
2. Instant search;
3. Paid digital content;
4. E-Commerce platform (ref. Sina Weibo's microcoin);
5. Social Game;
6. Wireless value-added service;

 本家本元のTwiterの米国でのユーザー数は、Edison Researchの発表から推測すると、現在、約2000万人である。ROMユーザーなどを加えたりすると、もっと多いはずだが。それに比べ中国のWeiboのユーザー数は多すぎるし、伸び率も凄すぎる。SinaとTencentのユーザー数を足すと3億人に達し、これは米国の全人口にほぼ匹敵する。


◇参考
・China’s Weibos vs US’s Twitter: And the Winner Is?(Forbes)
・SINA Reports First Quarter 2011 Financial Results(Sina、新浪)
・Dr Gang Lu (China) - In Focus: China's Microblogging Revolution(IDG Connect)
・7 things Sina Microblog (Weibo) has that Twitter doesn’t(360° Digital Influence Blog)
・中国版ツイッター「Sina Weibo」、爆発的な勢いで成長(メディア・パブ)続きを読む(2011年5月23日に追記)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年05月17日

ビジネス特化型SNSの「LinkedIn」、1億人突破で成長続くが日本では未だに低迷

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ビジネス向けSNS「LinkedIn」(リンクトイン)のアクティブユーザー数が、米国のみならず世界中で急激に増え始めている。

 comScoreの調査によると、2011年3月の月間ユニークユーザー数は前年同月比65.3%の7922万人に増えた。これまでユーザーの大半が米国と欧州のビジネスパーソンであったが、その他の立ち上がりが遅かった州での爆発的な伸びが際立った。以下のように、アジアパシフィックが131.7%増、ラテンアメリカが239.7%増、中東・アフリカが140.1%増と跳ね上がった。

LinkedInGrowth201103.jpg

 LinkedInは2003年にサービスを開始したビジネスパーソンをターゲットにした仕事向けのSNS。2002年生まれの Friendster、2003年生まれのMySpace、2004年生まれのFacebookのように、エンターテイメント(音楽など)や学生向けの一般SNSに比べ、どうしても気楽さに欠けることもあって、立ち上がりが鈍かった。でもターゲットが明確で、仕事のためにインターネットサービスを積極的に活用しようとする気風の高い欧米では、着実に根付いていった。日本では一部でLinkedInを待望する声も高まったが、言語の壁もあってか、足踏み状態が続いている。

 欧米を中心にユーザーを増やしてきたLinkedInは、今年の3月22日に世界で会員数を1億人台に乗せた。そして、今月19日にNY株式市場に上場する。ここで注目したいのは、先のcomScoreの図でもわかるように、アジアでもLinkedInが急成長していることだ。グローバルな仕事に携わるアジアパシフィックのビジネスパーソンにとっても欠かせないコミュニティーツールになってきたのだろう。会員数は、インドで前年比76%増の900万人、オーストラリアで194万人、中国で100万人となった。中国では米国のSNSは原則ブロックされているが、仕事に特化したLinkedInは例外的に利用できるようだ(中東の反政府運動の時は、2日間ブロックされたが、その後再利用できるようになった)。また国際ビジネスのハブとなっているシンガポールでは、全人口500万人中100万人以上が会員になっている。一方日本の会員数は30万人程度とされており、フィリッピン、インドネシア、マレーシアなどのアジア各国よりも少ない。

 LinkedInの現況を示したInfographic「The State of Linkedin」をVincenzo Cosenza氏が作成し、エンベッドコードを用意していたので、以下に転載する。



The State of LinkedIn 2011


 会員の61%が男性である。会員の年齢構成比は、25-34歳層と35-54歳層が共に36%で、18-24歳層が21%をそれぞれ占めていた。会員の職業で多いカテゴリーは、ハイテク分野が17%、金融が14%、製造が10%、営業が12%、学術が10%、管理部門が10%となっている。

 低迷する日本国内では、「LinkedInはsocial networkでなくて、professional networkである」と強調する伊藤 穰一氏が日本でのLinkedIn立ち上げに動いている。MITメディアラボ所長の職務に完全に移るまでの期間に手がける最後の実務になるという。

 
◇参考
・100 million members and counting…(LinkedIn Blog)
・LinkedIn Thrives Across All Markets(comScore)
・The State of Linkedin(VINCOS BLOG)
・LinkedIn in Asia: India 9, Australia 2, China 1 [INFOGRAPHIC](Penn Olson)
・LinkedIn Japan(JOI ITO)
・LinkedIn now Available in China(Penn Olson)
・SNSの米リンクトイン、IPOの公開価格レンジは割安な水準に(Thomson Reuters)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 02:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年04月24日

米系サイト不在で急成長の中国SNS、一方で米国上場が活発に

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 中国市場では国産のソーシャルネットワークのサイトが繁盛している。一方Twitter、Facebook、YouTube、Googleといったソーシャル分野の米系サイトは、中国市場で事実上サービスを展開できないでいる。黒船上陸が阻止されているお陰で、国産サービスが急成長できたのであろう。米国のサービスのクローンが多いのだが・・・。 

 以下は、TechRiceが3月に発表した中国ソーシャルネットワークのトップ15サイトである(クリックで拡大表示)。実名SNSが多い。

ChinaSNS201103.jpg

 次は7サイトについて、アクティブユーザー層が多く分布している年齢と地域(都市や地方)を示している。棲み分けが進んでいるようだ。

chinaSNSAgeLocation.jpg

 中国のインターネット人口はまだ成長段階にあるだけに、こうしたソーシャル系サービスサイト間の競争は激しくなっている。そのための資金調達もあってか、米国での上場に乗り出す企業が増えている。以下は、TechNodeが予測している、今年中に海外上場しそうな中国のインターネット企業である。

ChinaIPO2011.jpg

 SNSでは4社が米国で上場しそうだ。中国のリーダー格SNSのRenRenはNYSEにIPO申請を提出し5億8400万ドルを調達する予定である。出会い系SNSのJiayuan.comはNasdaq Global Marketに申請し1億ドルの調達を目指す。また、Kaixin001.comも米国での上場に向けて動き始めているとWSJが伝えている。さらに子供向けSNSのTaomeeもNasdaqへの上場を予定しているという。 



◇参考
・The Chinese Internet Companies Most Likely to Be Listed in Oversea Stock Market in 2011(TechNode)
・Why Chinese Social Networks IPO In The US?(ViralBlog)
・China’s Top 15 Social Media Networks(RESONANCE CHINA)
・2011 Distribution of China Social Media Network Active Users(RESONANCE CHINA)
・What’s Left To Clone In China(Forbes)
・RenRen Go for IPO in NYSE, Raising US$584 Million(TechNode)
・Kaixin001.com Plans U.S. IPO(WSJ.com)
・Chinese Dating Site Operator Jiayuan.com Files To Sell $100M In IPO(WSJ.com)
・Taomee the Latest Chinese Internet Company to Go Public?(Penn Olsen)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 08:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年04月05日

ツイッターがエリートユーザーのためのマスメディアになっていく

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 一日当たり発せられるツイート件数は、先月は平均すると1億4000万件となり、1年前の平均5000万件に比べ約3倍に増えた。東北大地震が起こった3月11日には、1億7700万件のツイートが飛び交った。誰もが手軽に発信できるツイッターは瞬時に世界中に届き、ネット上は次々と流れ入るツイートでますます氾濫してきている。ほとんどがユーザーのアテンションを得ることなく、流れ去っているのではなかろうか。

 ツイッターの性格上、それはそれで良い。でもツイッターをマーケティングや各種活動のツールとして活用している人達にとっては、より多くのユーザーのアテンションを獲得していきたい。それに関連する興味深い論文「Who Says What to Whom on Twitter」が10日ほど前に紹介され、少し話題になった。 Yahoo Labsのリサーチャーと Cornell Universityとの協力で実施した調査論文である。多くの人からフォローされているエリートユーザー(アカウント)リストを2009年7月から作り、それらをmedia, celebrities, organizations そして bloggersの4グループに分けた。調査の結果によると、そのエリートとした2万人のユーザーからのツイートが、世界中でアクセスされた全ツイートの50%を占めるという。つまり、ツイッター内の全アテンションの約50%が、2万人(ツイッター人口の0.05%以下)のエリートユーザーのツイートに集まっているのである。ツイッターにおける情報の流れは、平等でもフラットでもないということである。

 このトレンドは、特に米国では加速化しているようだ。フォロワー数の多いエリートユーザーのトップ10は次のようになる。

*Top Twitter Users, Worldwide(月間増加数と総フォロワー数)
TwitterFollowes20110330a.jpg

 ただし必ずしもフォロワー数に応じてアテンションを多く集めているとは言い切れない。でもこのクラスとなると、今もフォロワー数が増え続けており、アテンションも多く集めてきているに違いない。最近フォロワー数が900万人を突破したLady Gagaはこの1年間でフォロワー数を2.7倍にしたし、Justin Bieberにいたっては5.2倍も年間で増やした。米国の一部セレブにとってツイッターは、ファンと直結する強力なマスメディアとなっている。

 プロのスポーツ選手も熱心で、バスケットボール選手のShaqは3,674,364人、サッカー選手のRicardo Kakà(ブラジル)は3,279,052人、自転車ロードレース選手のLance Armstrongは2,787,066人のファンをフォロワーとして確保している。メディア分野とブランド(企業や商品)分野のエリートユーザーを、フォロワー数順に並べた表を以下に。

*Media
TwitterFollowes20110330b.jpg

*Brand
TwitterFollowes20110330c.jpg

 また米Time誌のサイトでは、ツイッターのエリートユーザー140人(140 Best Twitter Feeds)をノミネートし、先週から人気投票を始めている。以下の分野のエリートユーザーが掲げられている。
・Authors
・Business
・Celebrities
・Comedians
・Companies
・Fictional Characters
・Health and Science
・News Feeds
・Politicians
・Pundits and Commentators
・Satire
・Shopping and Coupons
・Sports
・Technology
投票の途中経過も公開されている。
 
 国内では、孫正義氏のアカウントで4月に入ってフォロワー数が100万人を超えた。ブランド分野ではユニクロが15万6000人、セレブ分野では浜崎あゆみが47万人、メディア分野では毎日jp編集部が48万人、政治分野では断トツの鳩山由紀夫氏が65万人。それにネット界隈(ツイッター界隈)の有名人が、多くのフォロワーを集めている。


◇参考
・Who Says What to Whom on Twitter(Yahoo Research)
・Twitter as Media: Yes, Celebrities and Brands Still Matter(GigaOM)
・グローバル・マーケティング、ツイッターとフェースブックの利用が活発に(メディア・パブ)
・What is Twitter, a Social Network or a News Media?(an.kaist.ac.kr)
・#numbers(twitter blog)

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 13:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年03月09日

中国版ツイッター「Sina Weibo」、爆発的な勢いで成長

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  中国のソーシャルネットーク系サービスが一気に根付いてきている。ただ中国では厳しい情報統制が敷かれており、FacebookやYouTube、Twitterなどの海外のソーシャル系サービスが、事実上利用できないようにブロックされている。それらに代わって、国産のサービスがものすごい勢いで成長している。

 その中でも眼を見張るのは、中国版ツイッター(マイクロブログ)の 「Sina Weibo」が台頭してきたことだ。中国のポータルサイトSinaが運用しているWeiboのユーザー数は、昨年4月に1000万人、昨年10月に5000万、そして最近1億人を突破した。今年(2011年)中には1億5000万人に達するという。本家のTwitterを追う勢いである。スタッフも600人から1000人に増やす。

ChinaSinaWeibo.jpg


  中国語が分からないが、サイトを覗いてみた。右サイド下にトップ10ユーザーが紹介せれており、フォロワー数が出ている。トップの中国人気女優の姚晨(ヤオ・チェン)は667万2520人からフォローされている。10番目のユーザーでも400万人以上からフォローされている。トップ100人のフォロワー数の総計は1億8000万人であるという。冒頭に示したグラフのように、トラフィックが急上昇しているのも納得できる。

 かなりの有名人や企業が、すでにWeiboを活用しているようだ。なり済まし対策として、スポーツ選手や映画スター、VIPなどの有名人のアカウントには、Sinaから認証アカウントが与えられている。6万以上の認証アカウントが発行されているという。企業は5000社以上、メディアも独立系組織が2700以上もWeiboを利用している。  


sinatwitter.jpg


 中国市場への進出は、企業だけではなくて、海外のエンターテイナーにとっても欠かせなくなってきている。ということで、2月23日に映画俳優のトム・クルーズ(Tom Cruise)がWeiboアカウントを開設した。最初は偽者だと疑われたが、認証アカウントが与えられたので本人であることが確認された。3週間くらいで、早くも25万人のフォロワー数を獲得している。3月5日のツイートで、ファンが20万人を超えたと喜びのメッセージを発している。自分の出演・監督作品のプロモーションにWeiboを利用するとは、トム・クルーズもなかなかの商売人である。


ChinaWeiboTomCruise.jpg

 Sina Weiboはvoicemail “tweets”や direct video uploadsのサービス機能も提供しており、また位置情報サービス(LBS)と組み合わせたイベント(たとえば有名人ユーザーの参加)も提供していくようだ。eMarketerによると、中国のソーシャルネットワークユーザー数は2010年の2億700万人から2015年には4億8800万人になると予測している。ただ大きな課題が横たわる。情報統制下でのサービス運用となるため、いろんな制約が課せられる心配がある。中近東や北アフリカの民主化/反政府運動が燃え盛っているだけに、飛び火を恐れて当局も神経質になっている。1月下旬には「エジプト」という言葉が出てくるだけで、Weiboのツイートがブロックされたりした。


ChinaSNSUser2011.jpg


◇参考
・China Social Media Popularity: Kaixin001 (-54%) Sina Weibo (+85%)( RESONANCE CHINA)
・Chinese Twitter to double staff(The Register)
・Chinese Twitter looks cheap versus real thing(Reuters)
・China to hit 488 million Social Network users by 2015(Penn Olson)
・Sina launches location-based service(TNW Asia)
・Tom Cruise opens a Sina weibo account(CNN International)
・Sina: Great Numbers for 'Chinese Twitter' Service Weibo(Seeking Alpha)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年02月21日

反政府運動が拡大するアラブ諸国、自由度は低いがフェイスブック普及率は日本より高い

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 チュニジアそれにエジプトで始まった反政府運動の嵐は、モロッコからイランまでの北アフリカ・中東全域に吹き荒れている。

ArabMap201102.jpg
Arab and Middle East revolt - an interactive map:ソースはGuardian

 今回の反政府/民主化デモでフェイスブックの役割が大きかったので、その背景を追ってみた。

ThankYouFacebook.jpg
NBC News correspondentのRichard Engel氏が撮影。アラビア語で “Thank you, Facebook.”と書かれている。

 多くのアラブ諸国では、いつまでも続く貧困と若者の失業で国民の不満が鬱積していた。同じような不満を抱く国民間の連携を一気に広げかつ強める役割を果たしたのがフェイスブックで、大規模な反政府デモへと発展させてきたのだ。でもここまで国民の連携を生み独裁政権を崩壊させるほど、アラブ諸国でフェイスブックが利用されるとは・・・・。

 それを理解するには、ここ数年のアラブ諸国の動きを振り返ってみる必要がありそう。昔から識字率も就学率も高くない地域だったので、インターネットもあまり普及していなのではと思い込んでいたのだが。確かに10年ほど前まで、中東のインタネット普及率は、イスラエルを除くと欧米や日本に比べ極端に低かった。それが現在では、中東のインターネット普及率は約29%(イスラエルを除く)と世界の平均普及率を少し上回る程度まで上がっている。この10年間で、なんとネット人口が約1800%も増えたのだ。中東以外の国におけるネット人口の増加率は432%であったので、世界的に見ても中東地域のネット人口の増え方は特出していた。

●中東のインターネット人口(Internet Users)
InternetUsersMiddleEast2010a.jpg
NOTES: (1) Internet Usage and Population Statistics for the Middle East were updated as of June 30, 2010. (2) Population numbers are based on data contained in the US Census Bureau (3) The most recent Internet stats come mainly from data published by Nielsen Online , ITU , Computer Industry Almanac and other trustworthy sources. (4) Data on this site may be cited, giving due credit and establishing an active link back to InternetWorldStats.com . Copyright c 2010, Miniwatts Marketing Group.

●中東各国のインターネット人口(Internet Usage)
InternetUsersMiddleEast2010b.jpg
(EgyptとTunisiaはアフリカに分類されている。
Egyptのインターネット人口は1706万人で、普及率は21.2%。
Tunisiaのインターネット人口は360万人で、普及率は34.0%。)


 また、人口そのものも急増している。アラブ諸国全体の平均年齢は22歳で、世界の平均の28歳に比べるとかなり若い。アラブベビーブーマーと呼ばれる若者が多いのだ。アラブ諸国の全人口は4年前に3億2000万人(現在の米国の人口)であったが、2015年には約4億人に達する。アラブベビーブーマーの特徴は就学率が高いことである。大学に入る人も増えた。エジプトの若者(15-25歳)の識字率は20年前に63%であったのが、2005年には85%にアップしている。ネット人口が爆発的に増えたのも、こうした就学率の高い若者が増えたからである。

 ところが若者の急増で、大学を出ても就職できない人が増えてきていた。実際の失業率も公式データよりもかなり高いようだ。さらに貧困層の割合も非常に高い。一方で、アラブ諸国は長期政権の独裁者が支配するようになり、政治や経済の腐敗が蔓延し、貧富の格差が広がった。さらに、反政府の動きを封じるために、国民に自由を与えないようになっていった。Freedom Houseは、北アフリカや中東は、世界で最も民主化のレベルの低い地域と警鐘を鳴らしていた。2010年においてもさらに悪くなっており、改善しそうもないともレポートしている。世界の各国を、自由な国(FREE)、部分的に自由な国(PARTLY FREE)、自由でない国(NOT FREE)に分類したが、以下のようにアラブ諸国はほとんど自由でない国となっている。

●Freedom HouseのMap of Freedom
FreedomHouse2010.jpg

 ところが、アラブベビーブーマーを中心とする若年層では、幸い就学率も高く、そしてインターネットユーザーも多くなってきていた。そして2年前に、ついにフェイスブックがアラビア語対応になり、一気に普及し始めた。以下の表は、北アフリカと中東のアラブ諸国でのフェイスブックユーザー数である。Growthではこの半年間に増えたユーザー数と成長率である。また、Penは普及率で、全人口のうち何%がフェイスブックユーザーであるかを示している。アラブ諸国の他に、インドネシアなどのイスラム国家と、日本と中国も載せた。フェイスブックユーザー数の国別ランキングで見ると、2位と4位にイスラム国家が入っている。

●Facebookユーザー数
FacebookArabUsersPen201102F.jpg
ソース:socialbakers

 ここでアラブ諸国におけるフェイスブック普及率(浸透率)が、意外なほど高いことだ。Yemenを除くと、いずれも日本の1.92%よりも高い。エジプトで20代の若者が中心になって、フェイスブックを使ってデモを指揮できたのも、若者の間でかなりフェイスブックが根付いていたからであろう。

 上の表でFreeの列には、国境なき記者団がまとめたPress Freedom Index 2010(報道の自由度)の国別ランキング順位を示した。Freedom Houseにも自由のない国と烙印を押されたが、報道の自由度もないとのことだ。チュニジアもエジプトもこれからが本番で大変である。イスラム国家ならではのは自由の考え方も違うだろうし、どのように収束していくのやら。


◇参考
・Facebook Statistics by country(socialbackers)
・Press Freedom Index 2010(Reporters Without Borders)
・アラブの反政府運動 (The Diary After Retirement)
・Facebook usage statistics Dec 31st 2010 vs Dec 31st 2009 vs Dec 31st 2008(nick burcher)
・Picture Of The Day: Cairo Protester Holds Sign That Says “Thank You Facebook”(Mediaite)
・Internet Usage in the Middle East(Internet World Stats)
・Freedom in the World 2011: The Authoritarian Challenge to Democracy(Freedom House)
・Doug Cassel on what sparked the current Middle East uprisings(WBEZ91.5)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年02月13日

アプリストア、Android Marketと WP7 Marketplaceが急成長

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 モバイルアプリの販売サイトで先行しているApple App Storeを追って、後発のGoogle Android Marketや Windows Phone 7 Marketplaceが急成長している。

 Distimoが代表的なモバイルアプリストア(App Store)を対象に、2011年1月の調査結果を発表した。調査対象としたApp Storeは次の8ストアである。

・Apple App Store - iPad
・Apple App Store - iPhone
・BlackBerry App World
・Google Android Market
・Nokia Ovi Store
・Palm App Catalog
・Windows Marketplace for Mobile
・Windows Phone 7(WP7) Marketplace

 各ストアの提供アプリ数は、2011年1月現在で以下のグラフのようになる。これは米国市場のデータである。Apple App Store for iPhoneは30万本を突破し先頭を走っているが、提供アプリ数は前月比1%増とやや小休止気味。アプリ開発者は、新たに需要が急増してきたAndroidやWP7向けに力も入れ始めている。 Google Android Marketが扱うアプリ数は同18%増と15万本を超えた。また昨年11月初旬に米国で販売が始まったWindows Phone 7 Marketplaceも同30%増とロケット発射している。先週マイクロソフトとノキアが提携しただけに、WP7アプリも勢いを増しそう。

MobileApps201101US.jpg

 Google Android Marketの特徴は、相変わらず無料アプリの割合が63%と大きいこと。2011年1月でも無料アプリが1万6150本も増えたのに、有料アプリは6847本しか加わっておらず、無料アプリ主流のトレンドは変わらない。一方WP7 Marketplaceでは、1月に無料アプリが576本増えたのに対し、有料アプリは倍近い1027本も加わった。また、AndroidアプリはiPhoneアプリと同様、国境越えして流通したり複数のストアで売られることが多いが、WP7アプリは特定の国とかストアでしか流通しない場合が少なくない。

 レポートでは、各アプリストアでのダウンロードランキングが、無料アプリと有料アプリ別に掲載されている。その中で圧倒的な人気を集めたのがゲーム「Angry Birds」。開発元Rovio Mobile社のCEO Mikael Hed氏が2010年12月初めに、アプリのダウンロード数が4200万回(有料版が1200万回、無料版が3000万回)になったと明らかにしたが、2011年1月末には5000万回を突破したようだ。キャラクター製品も大人気だし、ハリウッド映画にも登場することになっている。1年少し前に出したモバイルアプリが、フィンランドの従業員約40人のちっぽけなゲーム開発会社を世界的に有名にしたのだ。


◇参考
・COMPARISONS AND CONTRASTS: WINDOWS PHONE 7 MARKETPLACE AND GOOGLE ANDROID MARKET(Distimo Blog)
・DISTIMO RELEASES FULL YEAR 2010 REPORT(Distimo Blog)
・Angry Birds total downloads now over 50 million( PG.BIZ NEWS)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 14:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年01月30日

ツイッターで発信するエジプト人ブロガー、ネット遮断後もカイロからリアルタイムで

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 チュニジアを皮切りに、アッというまにアラブ各国で反政府運動の嵐が吹き荒れている。反政府デモが同時多発的に次々と勃発したのも、フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアが根付いてきたことが大きい。ソーシャルメディアの影響力の大きさと伝播の速さがアラブの世界でも証明されたともいえる。

 それに対してエジプト政府は、反政府の動きを鎮静化するために、国民がフェイスブックやツイッターを使えないようにすべきと考えたのだろう。28日未明に、インターネットの遮断を突然断行した。

 ところがネット遮断後しばらくして、カイロ在住のエジプト人ブロガーでジャーナリストでもある Wael Abbas氏は、ツイッターで発信を再開している。以下はAbbas氏のツイッターページで、今から4時間ほど前の(日本時間30日16時)のツイートである。

WaelAbbasTwitter201101301640.jpg

 一番上(最新)のツイートでは、市民による警察署の占拠を伝えており、リンク先は次の動画である。




 9番目のツイートでは、市民による装甲車の乗っ取りを伝えており、リンク先は次の写真である。

WaelabbasTwitterPhoto20110130.jpg


 Abbas氏は、英語やアラビア語のツイートを多いときは30分間で10本くらい発信している。動画や写真付きのツイートをリアルタイムに近いペースで送り続けているのだ。同氏はツイッターで土曜日(29日11時)に“I’m online again!”と述べており、おそらくカイロでもネットを利用できる市民が少しは増えてくるのではなかろうか。

 このAbbas氏は筋金入りのジャナリストブロガーとしても知られている。3年半ほど前にKnight International Journalism Awardを受賞した初めてのブロガーとして話題になった。CNNから2007年のMiddle East Person of the Yearに、またBBCから2006年のMost Influential Personにも選ばれている。Blog Heraldの記事によると、彼は抗議活動、賄賂、警察による暴力などをブログで報じ、また逮捕され拷問を受けたこともある。ジャーナリストとして活動していくには、制約の多いマスメディアではなくて、自由に発言できるブロガーの立場を選んでいるのだ。彼のブログ「Misr Digital」(http://misrdigital.blogspirit.com)のページを以下に載せておく。

EgyptWaelAbbasBlog201101.jpg


 今回のエジプトの反政府運動のニュース報道で、マスメディアの中で目立ったのは、やはりアルジャジーラ(Al Jazeera)であった。多くの記者をエジプトの主要都市に配し、精力的な報道を進めていた。以下のような動画も次々と提供しており、サイトで視聴できる。


 ところがこの記事を書いている途中に、驚くべきニュースが飛び込んできた。エジプト当局(information minister)がアルジャジーラに対して、エジプト国内での取材禁止を命じたのである。上の動画のような反政府デモを伝えるニュースを嫌ったためであろう。今後は、アルジャジーラの動画ニュースなどがエジプト国内からは視聴できなくなる。



◇参考
・Egypt Internet, social media users find some relief, Cairo blogger says(LA Times)
・Without Internet, Egyptians find new ways to get online(ComputerWorld)
・エジプト人のブロガーとビルマ人の記者が2007年Knight International Journalism Awardを受賞(Blog Herald)
・Al Jazeera Covers Protests Despite Hurdles
・Al Jazeera Releases Egypt Coverage Under Creative Commons (UPDATED)(ReadWriteWeb)
・Egypt shuts down Al Jazeera bureau(Al Jazeera)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:10 | Comment(2) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
2011年01月26日

売上高アップに走るFacebook

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 Facebookは5億人を超える膨大な会員数を誇る割には、売上高は今ひとつであった。しかし最近は、広告売上げを着々と伸ばしており、昨年(2010年)は売上高が20億ドルに達した模様。そして2012年4月の上場を目指して、さらなる売上の大幅アップに動き始めている。

 ソーシャルグラフをベースに広告が軌道に乗り始めている。eMarketerの予測によると、同社の広告売上高(世界)は昨年が18.6億ドルであったのが、今年(2011年)に40.5億ドル、来年(2012年)に57.4億ドルに膨れ上がると見積もっている。

FacebookAdRevenues2012.jpg 


 さらに、広告以外の収入増にも力を入れる。そのために、Facebookプラットフォームでサービスを展開するサードパーティから、販売などの売上から手数料を徴収する。そこで同社が準備を進めていた仮想貨幣「Facebook Credits」を,2011年7月1日からFacebook上で使う公式の貨幣とすることになった。まずその7月から、Facebookプラットフォームでサービスを実施する全てのソーシャルゲームデベロッパー(サービスプロバイダー)は、Facebook Creditsで決済することが義務付けられる。サービスプロバイダーが販売するゲームのバーチャルグッズを、ユーザーがFacebook Creditsで購入すると、販売価格の30%が決済手数料としてFacebookの収入となる。

 eMarketerの調査によると、米国でもソーシャルゲームを楽しむ人が、ブームに乗ってまだ増え続けるとのことだ。
2010年:5300万人(24%):米国のインターネット人口の24%
2011年:6190万人(27%)
2012年:6870万人(29%)

 追い風が吹いているようだが、Facebookプラットフォームのトップ5のソーシャルゲームデベロッパーは、意外にもMAU(monthly active users)/DAU(daily active users)が下降気味である。昨年3月にFacebookがバイラルチャンネルに手を加えたため、トップ5社のトラフィックが減ってきたとも言われている。 

DdeveloperFacebook.jpg

 次は、Facebookプラットフォーム上のトップ15のゲームを対象に、MAUの推移をプロットしている。トップ15ゲームに含まれるZynga製ゲームのMAUも合わせてグラフ化している。Zunga製ゲームが上位を占めているようだ。ここでも、MAUは伸び悩んでいるようだが、今年1月に急反発している。これはZyngaのCityVilleが登場し、いきなり1億人のMAUを獲得したからである。

FacebookGame201101.jpg
(ソース:eMarketer)

 TechCrunchの記事によると、Zynga、Playdom、Playfish、CrowdStarなどの主要デベロッパーが、Creditsの決済システムを採用する方向だという。また最近では、中小のデベロッパーが開発したゲームのトラフィックが上昇しており、そうしたデベロッパーがCreditsを利用する可能性が高い。

 これまで、Facebookのゲームの利用人口が多くても、バーチャルグッヅの売上が伸びないことが多かった。でも昨年あたりから、Digital Chocolate社が開発した Millionaire Cityのように、ARPU(an average revenue per user)の高いゲームが現れているという。Inside Social Gamesによると、2011年もARPUが増えていくと期待しており、米国のバーチャルグッズ市場での売上が21億ドルに達すると予測している。その何割かがFacebookプラットフォーム上での売上となり、さらにそのうちの30%が決算手数料としてFacebookの懐に流れることになるのか。広告収入と共に、決算手数料売上がFacebookの収益源の柱になりそう。


◇参考
・How Marketers Can Experiment with Social Games(eMarketer)
・An In-Depth Look at the Social Gaming Industry’s Performance and Prospects on Facebook(InsideSocialGames)
・All Facebook Games Must Use Credits By July 1(All Facebook)
・Facebook、ゲームデベロッパーに独自仮想通貨Facebook Creditsの利用を義務付けへ(TechCrunch Japan)
・Facebook to Make 'Credits' Mandatory for Games(WSJ)
・Facebook to Make Credits Mandatory for All Onsite Gaming(Mashable)
・Facebook Drives US Social Network Ad Spending Past $3 Billion in 2011(eMarketer)

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 10:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | Web2.0 SNS CGM
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16 >>
Powered by Seesaa
Seesaaブログ
新着記事
(10/17)激しく責め立てられる「…
(09/19)動画配信のソーシャル系…
(09/11)SNS上のニュースは不正…
(07/28)勢いが続く「LINE」「In…
(06/30)TVニュースだけではなく…
(06/15)ニュースユーザーのFB離…
(06/01)高年層のSNS利用が増え…
(05/21)金融新聞「FT」までがFB…
(05/06)米ニュースメディアが相…
(04/16)モバイル広告市場を牽引…
(04/10)FBのアルゴリズム変更後…
(03/14)紙の「雑誌ブランド」は…
(02/07)「メディア」も「プラッ…
(01/30)国民の信頼が最も低い米…
(01/21)メディアに好かれる「グ…
(12/21)若いミレニアル世代ほど…
(12/08)世界の全広告費の25%を…
(11/28)デジタル売上8億ドルの…
(09/28)「グーグル」と「FB」が…
(09/07)FBに頼る海外のニュース…
カテゴリ
RSS配信 ブログ(202)
マーケティング 広告(339)
新聞 ニュース(702)
出版 雑誌(319)
TV  ビデオ ラジオ(277)
ポータル サーチエンジン(179)
メディア(94)
ケータイ モバイル(115)
市場(144)
その他(47)
日記(1)
Web2.0 SNS CGM(312)
ネットワーク(30)
ビッグデータ AI(4)
過去ログ
記事検索
 
プロフィール
名前:田中善一郎
E-mail:ztanaka@excite.co.jp