スマートフォンがすごい勢いで普及し始め、そこで利用されるアプリが各国で次々と開発されている。代表的なプラットフォーム(Android、iPhone、Backberry)上で走るアプリの総計は30万種を超えているはず。もうアプリの全盛時代が到来したかのような騒ぎようである。
だがアプリ、アプリと騒いでいるのは、どうも利用者側よりも供給者側のようである。そこで知りたいのは利用者側はどう見ているかである。ちょうど、
Moosylvaniaがスマートフォンのアプリ利用実態を調査し、レポートを公開していたので、その調査結果を紹介する。
調査は回答者として7000人(男性3500人、女性3500人)を対象に実施した。回答者の99%は年齢が18歳以上の大人であった。調査の実施期間は、2010年10月2日から11月2日までの間。スマートフォンを利用している割合は全回答者の61%。男性は66%、女性は57%がスマートフォンを使っていた。また40歳以下の若い回答者では、70%を超える人がスマートフォンを利用。
調査結果によると、スマートフォンの所有者のうち実際にアプリを使っている割合は80%であった。ということは、20%のスマートフォンユーザーはアプリを使っていないことになる。次にどのようなアプリを利用しているかである。既に30万種類以上の多くのアプリが出回っているのだが、実際に利用されているアプリは一握りの種類に集中しているようだ。
ユーザーはダウンロードなどして、平均して30種のアプリを使えるようにしているが、そのうち日常的(週に少なくとも1回)使うアプリは以下の表のように10種程度と少ない。

さらに供給者にとって期待はずれの結果は、アプリのユーザーの44%は無料アプリしか利用していないことである。

次は、男女別に、お気に入りのアプリをあげてもらった結果である。それぞれのトップ10のアプリは次の通り。
*男性が好きなアプリのトップ10

Google Maps (14%), Facebook (13%), Pandora (6%), Weather (3.2%), ESPN (3.1%), Angry Birds (2.0%), Words With Friends (1.4%), Shazam (1.3%),Yahoo (0.9%), Twitter(0.8% ) , Yelp! (0.8% ).
*女性が好きなアプリのトップ10

Facebook (27%), Google Maps (7%), Weather (5%), Pandora (4.5%), Twitter (2.9%), Google (2.5%), Words With Friends (2.4%), Shazam (1.4%) , Solitaire (1.1%), Bank of America(0.9% ),Calendar(0.9% ).
利用されているアプリが一握りの特定のものに限定されているようである。30万種ものアプリが流通していても、頻繁に利用されているのは100種程度で、残り29万9900種のアプリはほとんど埋もれた状態にあると、調査結果は語っている。モバイルアプリは比較的手軽に参入できる。アプリを開発してアップストアに登録すれば、誰もが一攫千金を狙えるかもしれない。だが参入障壁は低く競争が激しいだけに、ほとんどのアプリは埋もれたままになりそう。それに今回の回答者の半分(48%)の人も、スマートフォンではモバイルアプリを使うよりももっと頻繁にインターネット(モバイルWebサイト)を利用しているとのことだ。
◇参考
・
Are Apps Overrated?(PROMO)
・
Moosylvania Study Reveals the Top 10 Mobile Apps in the U.S. and What to Know Before You Create One(BusinessWire)
posted by 田中善一郎 at 14:11
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