2008年04月01日

伝統メディアの垂直アドネットワーク,ポータル系巨大ネットへの従属嫌う

 米国の伝統的なメディアが,垂直型アドネットワークに乗り出している。

 新聞社や雑誌社,テレビ局などの伝統的なメディア会社にとって,従来のオフラインサービス以上にオンラインサービスが重要になろうとしている。ところが,編集(コンテンツ)ビジネスでも広告ビジネスでも,ネット専業事業者に主導権を握られているのが現状だ。中でも,GoogleやYahoo,Microsoft,AOLなどの検索エンジン/ポータルサイトが優位に市場を牽引している。

 すでに広告市場では,以前のエントリーで紹介したように,伝統メディアのオフライン広告がじり貧気味なのに対し,GoogleやMicrosoftなどのポータル系サイトのオンライン広告が急成長している。さらに伝統メディアまでも,自分たちのオンライン広告ビジネスをGoogleなどのアドネットワークに依存させ始めているのだ。

 オンラインシフトを加速化させている伝統メディアにとって,収益源の柱となる広告ビジネスを巨大ネット企業に頼っていくのはおもしろくない。そこで,自前のアドネットワークを仕掛けようとしているのである。

 だが,巨大ネット企業の大規模アドネットワークと真正面から戦っては相手にならない。ComScore Media Metrixの2月データによると,Yahooのアドネットワークのユニークビジター数は1億5700万人で,Googleのアドネットは1億4700人である。伝統メディア会社がいくら頑張ったとしても,リーチの大きさでは勝負にならない。

 そこで,伝統メディアが取り組み始めたのは,"vertical ad networks" とか"topic-specific ad networks"と呼ばれるアドネットワークである。つまり,特定分野にターゲットを絞ったアドネットワークである。規模は小さいけれど,効果的なターゲット広告を売り物にするのだ。ただし,自分のサイトだけでは小さすぎるので,同じ分野をカバーしている外部サイトや外部ブログを仲間に入れて,自サイトを核にしたアドネットワークを構築することになる。

 例を見ていこう。先日紹介したForbes.comの(Business and Finance Blog Network)は,400ブログを束ねたビジネス/金融分野向けアドネットワークである。Xconomyなどが加入する。近く立ち上がる。

 技術専門出版社IDGはIT分野をターゲットにしたアドネットワークIDG TechNetworkを始めている。独立系のIT出版サイト(パブリッシャー)を仲間入りさせていく。Data Center Knowledgeのようなサイトが加わっている。
IDGAdnet.JPG


 Martha Stewart Living Omnimedia はライフスタイル分野に絞ったアドネットワークMartha's Circleを旗揚げした。FriendsEAT.com Christmas-Cookies.com のようなライフスタイル系サイトが加入した。
MarthaCircle.JPG 

 Warner BrosもTelepictures部門がママさん向けアドネットワークMomLogic を立ち上げた。ママさん向けWebサイトやブログを募っている。
MOMLogic.JPG

 そのほか,Conde Nastのオンライン部門CondeNetがファッション系や技術系ブログを仲間入りさせたアドネットワークを立ち上げるように,伝統メディアの"vertical ad networks" がブームになってきた。新聞社サイトやTV局サイトのアドネットワークも産声をあげ始めている。

 こうしたニーズに応えて,Adifyが"vertical ad networks"のインフラサービスを提供している。同社が提供しているアドネットワークは,Featured Networks Powered by Adifyで一覧できる。IDG Tech NetworkやMOMLogicもAdifyのシステムを利用している。IDG Tech Networkが最近,Adify Widget Shareを採用して加盟サイトにウィジェット広告を配信することになった。

 なぜ,ここに来て伝統メディアが自前アドネットワークに乗り出すのか。いつもでもGoogleやYahooの言いなりになるのはプライドが許さないのかもしれない。それにオフラインメディアのブランド力やオフライン広告営業のノウハウを活かして,高付加価値の広告ビジネスを展開したいということか。IDGは120人以上の広告スタッフを抱えており,彼らを有効活用するためにも自前のアドネットワークが必要なのかも。Googleなどのアドネットワークのようなシステムに高く依存するのではなくて,スタッフの営業力に頼って高いCPMのターゲッティング広告を集めていきたいのだろう。外部のWebやブログを惹きつけるためにも,高いCPMの実現が必要だ。

 ただ課題も多そう。ほんとうに外部サイトとの間でWin-Win関係を築いていけるかどうかだ。自社のメディアサイトだけではなくて,外部サイトを含めたネットワーク全体の集客力を高めて,広告売上げを増やしていかなければならない。簡単ではない。伝統メディアのアドネットワークに加入しているサイトを見ればわかるのだが,ほとんどがGoogleなどの大規模アドネットワークを継続させている。また女性向けアドネットワークで話題のGlamのように,多くの広告在庫を抱えるようになったのだが,売れ残りが増えて自社広告ばかりが目立つことにもなりかねない。

 しばらく,伝統メディアの"vertical ad networks" の動きは目を離せない。



◇参考
Traditional media team with niche sites to nab ad dollars(USAToday)
Media cos. battle Web portals on ads (AP)
Forbes Plans 400-Member Financial Ad Network; Viacom Forming Ad Nets For Music, Male Lifestyle(paidContent.org)
Forbes,金融分野の400ブログを束ねた広告ネットを立ち上げ(メディア・パブ)
IDG TechNetwork Debuts Media Network for Marketers to Reach Audiences of Independent Technology Publishers(プレスリリース)
Details on Some Media Online Ad Networks(AP via Yahoo News)
MTV/Nickelodeon Buy Parenting Sites to Form Ad Network; Burst Worried?(CenterNetworks)
Adify Widget Share Powers Content Syndication for Publisher Networks(プレスリリース)
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2008年03月15日

2007年の米広告市場,オンラインシフトがくっきりと,オフラインでは屋外広告が元気

 主要な米メディア企業の広告市場トレンドを,Silicon Alley Insiderがまとめている。とても便利だ。

 Google , Yahoo, Time Warner (TWX), Disney , Viacom , CBS , Clear Channel など主要17社のメディア企業を取り上げ,Online, TV, Print, Radio, Outdoorとセクター別に分けて、2006年から2007年の広告売上の変化を比較している。

 17社全体の2007年広告売上は580億ドルと,2006年の530億ドルに比べ9%増となった。オフライン広告が3%増に過ぎなかったのに,オンライン広告が28増と勢いの差を見せつけた。全体の絶対額の割合ではオフライン売上が7割を占めているが,2007年にオフライン広告が約10億ドルしか増えていないのに,オンライン広告は約40億ドルも増えている。主要メディア企業がオンラインシフトを加速化させている実態が読みとれる。

 オンライン広告では主要4社を比較している。Googleは2007年広告売上を前年に比べ44%(27億ドル)も増やし,独り勝ちであった。残り3社(Yahoo+Microsoft+AOL)を束にした広告売上は14%(13億ドル)しか増えていない。

 オフライン広告で元気がないセクターは,プリント(主に新聞)分野とラジオ分野である。下表で,赤くなっている(赤字)。

 オフライン広告で気を吐いているのは屋外(Outdoor)広告。日本と同じトレンドである。


USAd2007a.JPG

USAd2007b.JPG

USAd2007c.JPG
(注:ざっくりとしたトレンドを把握するための表である。オンライン広告も主要4社の売上だけを取り上げている。また,新聞社の広告売上はオフライン広告にすべて分類しているようだ)

◇参考
Google Sucks Life Out of Old Media: Check Out The 2007 Share Shift(Silicon Alley Insider)
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2008年02月01日

グーグルのSNS広告事業,未だに期待外れで広告在庫の山

 SNS(Social Networking Service)は,ページビューの割には稼ぎが少ないと言われ続けていた。だが最近は米国でも日本でも,大手SNSが軌道に乗り始めていると見ていたのだが・・・。

 昨日のGoogleの2007年第4四半期決算の発表に合わせて,SNS広告事業の苦戦が明らかになった。07年同期売上は前年同期比51%増の48億ドルとやや成長が鈍化したものの,同社としてはまずまずの成績であった。だがこれからの広告事業ではSNSの果たす役割が増すだけに,SNS事業が壁にぶつかっているとの動きは気になる。

 米国のメディアやブログによると,同社のSNS広告事業が期待外れに陥っているようだ。CFO のGeorge Reyes が「SNS広告が期待したようにマネタイズできていない」と話したと,ZDNet(Between the Lines)も伝えている。どうも,広告事業でパートナー提携しているMySpaceとの関係がギクシャクしているようである。Googleは2010年まで毎年少なくとも9億ドルの広告売上をMySpaceに保証することになっている。だが,「現実には信じられないほどの広告在庫を抱えている」とSergey Brin(Google創立者)も告白している。さらにBrinは「SNSをマネタイズするキラー手法がまだ見つかっていない。多くの試行錯誤が必要」とも語っている。

 確かに,AdWordsのような打ち出の小槌がSNSでは見つかっていない。SNS広告の有望なキラー手法として注目されていたFacebookのBeacon広告も,プライバシー問題のため本格離陸が先送りになりそうである。

 また,SNSのようなUGC(user-generated content)への広告出稿を敬遠する広告主は,米国でもいまでに少なくないとか。コンテンツをコントロールできないため,ふさわしくないページに広告が掲載されてしまい,ブランドイメージを傷つける恐れがあるからだ。


◇参考
Google Announces Fourth Quarter And Fiscal Year 2007 Results(Google,Financial Release)
Google: Social Networking Inventory Not Monetizing As Well As Expected; Trouble At MySpace?(Barron)
Google’s quarter falls short of expectations; Social networking not monetizing well(ZDNet)
フェースブック,画期的広告手法の件でついに謝罪(メディア・パブ)
Fresh from New York: Trends in online advertising(VentureBeat)
タグ:広告 google

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2008年01月17日

オンライン広告,業界別では金融がトップ

 オンライン広告主の業界別シェアでは,米国も日本でも金融関連分野がトップのようだ。

 米国のオンライン広告の業界別シェアでは,やはり金融サービスが28.8%とずば抜けて大きい。目立つのはテレコム分野で14.2%と2位に付けている。

 参考までに,日本のヤフーサイトの業界別広告売上高シェアも載せておく。


米オンライン広告の業界別広告費と業界別シェア(2007年12月):ソースはNielsen online,AdRelevance
UsAdIndustry0712.JPG
(Online Ad Spend by Industry - December 2007(Marketing Charts)より)


日本のヤフー(Yahoo! Japan)における広告売上高の業界別シェア(2007年第2四半期)
YahooJapanAd072Q.JPG
(2007年度第2四半期および中間決算説明会のプレゼンテーション資料(2007年10月24日発表)より)
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2008年01月04日

ウィジェットからオープンWebアプリへ,その先はクラウドコンピューティングか

 あけましておめでとうございます。

 年明けを祝う花火としてはシドニーやベルリンが有名だが,今年は台湾の超高層ビルから打ち上げた花火が最も見応えがあった。そこで,AFPとReutersが提供しているウィジェット(Widget)をどうぞ。





 このようなウィジェットを,昨年当たりからメディア・パブの記事でも随分と利用させてもらった。「2007年はウィジェットの年」になると見ていたので,ウィジェットを巡る動きもこの1年間しつこく追ってきた。

 ウィジェットを,ユーザーのブログやSNS(プロフィールページ),ホームページ,パーソナライズドページ,PCデスクトップ,ケータイへに貼り付けるのが,米国ではかなり定着したといえる。そして企業やメディアが提供するアクセサリー的なアプリケーションが,あらゆる所でウィジェットの形で実行できるようになってきた。ポータビリティー性が高いこともあって,ウィジェットはバイラルマーケッティングのツールとして,また広告メディアとしても注目されているのである。

 さらに注目すべきは,このウィジェット利用の延長上で巨大な流れが生まれ出していることだ。米国では主要SNSが開放的であることもあって,SNS上でウィジェットが盛んに利用されている。そこで世界2位のSNSであるFacebook(フェースブック)がオープンプラットフォームを打ち出した。外部のデベロッパーにFacebookプラットフォームを開放し,アプリケーションを開発できるようにしたのである。ウィジェットと呼ばずに,それを包含した形で一般のアプリケーションと言った点が肝要なのかもしれない。

 これからはWebベースのアプリケーションやサービスの多くは,ソーシャルネットワーク化していくだろうという背景がある。ソーシャルグラフ(人間関係などのソーシャル相関グラフ)を利用したアプリケーションが主流になるというわけだ。

 Facebookのオープンプラットフォームの滑り出しは大成功した。Adnomicsによると,約7ヶ月間で17万人近いデベロッパーによって約1万3000本のアプリケーションが開発され,それらのアプリケーションがFacebookユーザーのページに総計7億6500本も組み込まれたという。

 このFacebookの勢いに警戒したのか,Googleは昨年11月初旬にOpenSocialで対抗してきた。ここに来て,ウィジェットのようなアクセサリー的なアプリケーションだけではなくて,すべてのWebベースアプリケーションを対象にしたオープンSNSプラットフォームが整備され始めているのだ。さらに,その先にはクラウドコンピューティングが続くのではなかろうか。

WidgetCloudComputing.JPG

 でも残念ながら,こうした潮流はいまのところ日本には無縁のようである。まずWidget(ウィジェット)の段階からしてブログパーツの域に留まっているようだし。オープンな水平分業の流れに乗るのはやはり馴染めないのかもしれない。

 話が変わるが,Googleを別格にすれば,一昨年はYouTubeが,昨年はFacebookがネット業界の主役であり暴れん坊でもあった。YouTubeは新しいビデオサービスを生み出したし,Facebookはオープンプラットフォーム上のWebアプリケーションの流れを作り出した。さて、今年も革新的な主役を演じる企業が現れのだどうか。

 今年は,SNSオープンプラットフォームやクラウドコンピューティングあたりから主役を演じる革命的な企業が躍り出れることを楽しみにしているのだが・・・。日本では,「ニコニコ動画」や「初音ミク」の類のサービスが生まれそうなので,今年もこのあたりで大騒ぎすることになるのかな。
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2007年12月26日

米国の有力新聞・雑誌が“クラウドコンピューティング”を連呼

BW20071224.JPGGoogleCloudNYT.JPG
                 December 16, 2007(NYT)

 今月の中旬に,BusinessWeekNew York Timesが“クラウドコンピューティング”を派手に取り上げていた。驚いたのは,BusinessWeek誌が41回,New York Times紙が16回も記事中で"cloud computing" を連呼していたことだ。

 米国の有力紙と有力誌が並んで,“雲”を掴むようなバズワードを連呼しながら熱狂的に伝えている。この様子を,ちょっと皮肉りながら紹介していたのがPortfolio誌のサイトである。Portfolioは有力出版社Condé Nastが満を持して今年創刊したビジネス(経営)誌である。

 BW誌もNYT紙も"cloud computing" をグーグルの次期戦略として興奮気味に紹介しているのだが,PortfolioはグーグルのPR指揮者によって仕組まれたPRキャンペーンに乗ったものだと皮肉っているのである。

 Cloud Computingは,急に登場した言葉ではない。以前から,Intenet Cloudという用語は使われていたし,昨年当たりからSchmidt(Google CEO)も公の場でCloud Computingを売り込んでいた。

 Cloud Computingとはユーザーから見れば,Webベースのアプリケーションとデータ格納を意味する。つまりアプリケーションもユーザーデータもCloud(インターネット側)に任せるサービスである。これからは,インターネットとの常時接続,つまりいつでもどこでもCloudに繋がった状態で生活する。だから,アプリケーションソフトウェアもデータも雲(Cloud)の中に置けばよいというわけだ。ユーザーはパソコンやケータイから,雲の中の無数のコンピュータやデータを利用できるようになる。

でも,なぜこれまでのように,"web-based software" や"web services"ではなくて,"cloud computing"を使わせたいのか。一つは前者が技術用語的で一般の人にとって親しみを持てないからであった。最近の調査結果でも明らかである。米国人の75%は,Google Docsのようなweb-based software を聞いたことがないということである。もっと寂しいことに,デスクトップのオフィスアプリケーション(MSのOffice)を止めて,Google Docsのようなオンラインアプリに乗り移った人は,わずか0.5%である。やはりフワフワした夢のような"cloud computing" というバズワードに乗せて売り込まないとダメと,Google PR担当者が考えたのかもしれない。

 Schmidtが「Cloud Computingと広告は連携する」と述べているように,Googleにとって戦略的なサービスであるに違いない。でも,Googleの専売特許ではない。IBM(Blue Cloud),Amazon(Elastic Comute Cloud),それにMicrosoft(Windows Live)なども取り組んでいる。Web2.0も食傷気味で新鮮みがなくなっていることだし,Web2.0に取って代わるコンセプトとして,来年はCloud Computingが氾濫しそう。

 ところで,この記事(エントリー)でもCloud Computingを10回も連呼してしまった。PRするように頼まれもしていないのに・・・。


◇参考
Get Your Head Out of the Clouds(Portfolio.com)
Google Gets Ready to Rumble With Microsoft (NYTimes.com)
Google and the Wisdom of Clouds(BusinessWeek.com)
Google CEO’s new paradigm: ‘cloud computing and advertising go hand-in-hand’(ZDNet)
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2007年12月04日

絶頂のフェースブック,画期的広告手法が落とし穴に

 絶頂にいたFacebookが,大きな危機に直面している。同社が始めたBeacon採用のFacebook Adが,各方面から連日,猛烈な非難を受けているからだ。

 Facebookと言えば,今年,米国で最も輝いたネット企業である。CEOのMark Zuckerberg(23)も,2007年で最も話題になったネット創業者としてもてはやされてきた。

 それもそのはずだ。今年5月24日に発表したFacebook Platformは,まさにGoogleキラーと称されるほどの衝撃をもたらした。これからのインターネットアプリケーションのプラットフォームとして浮上してきたからだ。サードパーティへのプラットフォーム開放の効果は抜群である。実際,登録アプリケーション数が先ほど1万点を超え,12月4日現在(日本時間)1万18に達している。

 そしてFacebookは第2弾を打ち上げる。11月6日に画期的な広告プラットフォーム(Facebook Ads)を発表する。検索連動広告がGoogleをIPO後3年ほどで,時価総額でトヨタをしのぐ企業に押し上げたように,Facebook Adsが,Facebookを第2のGoogleに飛躍させるのではと注目される。同時に,Mark Zuckerbergは第2のBill Gatesになるとまで持ち上げられる。有頂天になった同氏は,Facebookが100億ドルから150億ドルの企業価値があると,舞い上がる。

 ところが大きな落とし穴が待っていた。Facebook Adsは喝采を浴びる一方で,プライバシーを侵害していると非難の声が出始めたのだ。それが日増しに高まり,今やプライバシー組織だけではなくて,New York Timesをはじめとするマスメディアや,影響力のあるブロガーから,Facebookに対するブーイングの嵐が吹き荒れているのだ。

 Facebook Ads(Facebookソーシャル広告)は究極のターゲッティング広告を目指している。FacebookのようなSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)は,各会員のプロフィールや友人関係だけではなくて,各個人の投稿写真や動画,参加コミュニティー,閲覧した映画,読んだ書籍などなど,マーケッティング情報の宝庫となっている。さらに,Facebookでは,友人の更新プロフィールや新たな行動がNews Feedの形で伝わるようになっている。と言うことは,自分の行動も,時々刻々友人にばらまかれているのである。

 Facebookソーシャル広告の特徴の一つは,このNews Feedを広告スペースとして利用する点にある。友人の行動に合わせた広告が効果的だと言うことだ。さらに,今回の広告プラットフォームが凄いのは,Facebook内に留まっていないことである。Facebook外のタイアップ企業サイトでの友人の行動も,News Feedとして送られてくるのである。例えば,どういうものを購入したかとか,どのようなイベントに参加したかが,伝わるのである。

 このために採用した“Facebook Beacon”の運用が,紛糾の源となしているのだ。タイアップした企業サイトに特別のコードを埋め込むことにより,FacebookユーザーのFacebook外行動までが,広告に利用されるのである。企業サイトでのユーザーの行動情報をFacebookが受け取って,広告メディアとなるNews Feedに流すのだ。これを,ユーザーの明示的な承認を得ないで実施していたから猛反発を食らったのである。つまりオプトインサービスではなかったのだ。サービス拒否(オプトアウト)をできたのかもしれないが,これではほとんどの人は知らないままに,Facebook外の個人行動情報が利用されてしまう。もちろん,多くのユーザーにとって,親しい友人の行動を知らせてくれるのは,有り難いサービスではあるが。

 Facebookシンパと思われたマスメディアやインフルエンサーブロガーからも,プライバシー侵害と反発される事態となった。こうなるとタイアップ企業も及び腰になる。有力パートナー企業のコカコーラーやTravelocity , Overstock が,“Facebook Beacon”の採用を取りやめることになった。

 広告クライアントとなる企業サイトとの連携で進める“Facebook Beacon”方式広告が,大きな広告市場を新たに生み出すものと期待されていた。だが,今はそれどころではなくなっている。ブランドのダメージが大ききなっている。そこで,Facebookも急遽方向転換し,オプトインの採用に踏み切るようだ。Facebook Beaconを承認するユーザーが減り,News Feedのソーシャル広告の離陸が遅れるかもしれない。

 今回の騒動で,プライバシー問題が見直されている。ソーシャル広告なども,一種の行動ターゲッティング広告である。 eMarketerの予測によると,来年の行動ターゲッティング広告市場は,今年の2倍の10億ドル台に乗せるという。2011年には38億ドルに膨れあがる有望市場である。その有望市場に満を持して打って出たのが,Facebook Adsであったのだが・・・。


◇参考
Coke Is Holding Off on Sipping Facebook’s Beacon(Bits,NYTimes.com)
Why the Future of Online Advertising is About Identity(Influential Marketing Blog)
The Days of our Facebook: How Love Moved to Hate(CentralNetwork)
Two More Facebook Advertisers Say No To Beacon(Silicon Alley Insider)
Your Privacy Is An Illusion: Does Facebook Beacon spy on you without asking?(Vallywag)
タグ:Facebook SNS Widget

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2007年11月27日

News Corpも大規模アドネットワークに着手

 Microsoft ,Yahoo,Time Warner,AOL,それにGoogleなどの大手ポータル/メディア企業が競って,オンラインのアドネットワークを拡大している。その争いに,News Corpも加わる(Reutersより)。

  Murdoch(マードック)帝国内のサイトだけではなくて,グループ外のサイトも加えた大規模アドネットワークを,来年前半にも立ち上げる。ケータイサイトも含む。

 世界最大のSNSであるMySpaceが中核になるはず。MySpaceは検索のリスティング広告でGoogleと提携しているが,構築するアドネットワークでは主にディスプレイ広告を対象にするため,衝突しないとしている。


◇参考
News Corp builds online ad network(Reuters)
米国の有力アドネットワーク,そろって1億人以上にリーチ(アドネットワーク)
タグ:広告

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2007年11月22日

米国の有力アドネットワーク,そろって1億人以上にリーチ

  米国の有力アドネットワークとなると,1億人以上にリーチするのが当たり前のようだ。

 comScore Media Metrix の今月データ(2007年10月測定)から,広告分野ランキング(Ad Focus Ranking)を見てみると,上位にはアドネットワーク(Ad Network)がズラリと並んでいた。トップ50からトップ13を抜き出した表が,以下である。

comScoreAdNetwork.JPG

 黄色部分がアドネットワークとなっている。Google Ad NetworkよりもAdvertising.comTribal Fusion のほうが,多くのユーザーにリーチしている。このトップ3は,いずれも1億3500万以上のユニークビジターを抱え,全米のインターネットユーザーの74%から87%をもカバーしていることになる。


◇参考
comScore Media Metrix Releases Top 50 Web Rankings for October(プレスリリース)
タグ:広告

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2007年11月12日

激変する広告業界,今後5年間のシナリオは?

 広告業界は激動の時代に突入したようだ。過去50年間の変化を上回る地殻変動が,これからのわずか5年の間に,広告業界に訪れるとIBMが予測している。

 “The End of Advertising as We Know It”というタイトルのレポート(Executive SummaryのPDF)を,IBMが公表した。これまでの広告モデルが終焉すると主張している。このレポートの中で,今後5年間に繰り広げられるであろうシナリオを占っている。

 明らかに広告の主流は,マス相手の伝統的な広告から,個人相手のターゲッティング広告へと移り始めている。広告枠の透明化と,その売買のオープン化も進みそうだ。企業は,広告料金が“インプレション(impressions)”ベースから“リアルインパクト(real impact)”ベースにシフトすることを要求している。つまり視聴率やページビューではなくて費用対効果を厳しく見始めているのだ。

 今回,消費者2400人と広告専門家80人を対象に調査を実施した。その結果から,次の4つのトレンドを指摘している。

1.Attesion:広告がマルチチャンネル化し,消費者が能動的に広告と接触するようになっている。TV離れが進む。接触時間の点でも,PCがTVのライバルに。回答者の71%が,毎日2時間以上もPCからインターネットを利用している。回答者の48%は,PCとTVの接触時間がほぼ同じとなっている。

2.Creation:UGC(ユーザー作成コンテンツ)の台頭が目立つ。YouTubeやCrackleなどのように,ユーザーとの間で広告売上をシェアするモデルが出現。回答者の39%は,オンライン動画コンテンツとしてUGCをプロの作品よりも頻繁に視聴している。

3.Mesurement:広告専門家の2/3は,今後3年以内に広告売上高の20%がインプレション・ベース広告からリアルインパクト・ベース広告にシフトすると答えた。

4.Advertising inventories:広告在庫システムのオープン化と効率化の要望が高まっている。広告専門家の半数以上が,オープンプラットフォームが5年以内に実現すると見ている。

 こうしたトレンドを基に,2012年までの5年間に広告の在り方がどう変わっていくのかを整理した。ここでは,広告在庫システム(オープン性)とマーケティングコントロール(消費者主導性)をパラメーターとして,次の4シナリオ(事象)に分類した。

オープン化と消費者主導に向かう広告モデル
AdFuture.JPG

・Continued Evolution:現状の延長上で変革していくモデルだが,1対多モデルが健在。依然として,伝統的な広告チャンネルに多くの広告費が注ぎ込まれていく。

・Open Exchange:オンラインではAdsenseなど。Googleが展開しているラジオ広告(dMac)や新聞広告(Print Ads)も。

・Consumer Choice:例えばTivoのinteractive advertising technology。コンシューマーが番組を視聴している時に現れるポップアップ広告。

・Ad Marktplace:消費者が好きな広告タイプを選ぶことができる。オープンな広告マーケットプレースが幅広く普及し,いずれの広告主も望みの消費者にリーチできるようになる。


 これからの広告は,オープンな広告マーケットプレースに向かい,数年後にも開花すると,IBMは言いたいのだろう。

 このシナリオを描くためのバックデータが,このレポートに掲載されていたので,興味深いものを以下に示しておく。

 一つは,セグメント別の広告売上のCAGRである。2006年から2010年までの年平均成長率である。やはり,消費者主導の広告メディアが高成長していくが,供給者主導の伝統メディア広告の成長が鈍ってきている。

セグメント別広告のCAGR(年平均成長率):2006-2010
IBMAdStudy.JPG

 次は,世代別に見たメディア接触である。伝統メディアの主役であるTVは,中高年にはまだ人気が高い。一方で,34歳以下の若年層のTV離れが目立つ。逆に,若年層にはSNSやUGCの普及率が際だって高い。若者は新聞を読まなくなっているが,新聞社サイトにもあまり近づいていないようだ。米国のメディア接触の特徴は,中高年層のSNSやUGCの普及率が高いことである。こうした背景があって,IBMが上のシナリオを組み立てのかもしれない。ただ,モバイルインターネットに関しては,米国の普及率は驚くばかりに低い。

世代別メディア接触
IBMConsumerStudy1.JPG


 IBMのレポートを見るまでもなく,インターネット広告を中心に米国の広告市場の地殻変動が始まっている。Google,Yahoo,MSNのポータル/検索サイトが競って広告ネットワークの拡大を進めているし,最近のOpenSocialに続いて,FacebookやMySpaceのソーシャル広告の旗揚げなどと,確かに広告市場は激震の時代を迎えそうだ。


◇参考
IBM Predicts the End of Advertising as We Know It(IBM)
The end of advertising as we know it(IBM)
タグ:広告

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2007年11月07日

公共メディアの英BBCサイト,海外ユーザー向けページに広告掲載を

 英BBC(bbc.co.uk)が国際ニュースサイトに広告の掲載を始めた(Guardian の記事より)。

 国民の受信料に頼って運営しているため,英国版BBCサイトには広告を掲載できない。だが,英国外のユーザーにも,同じ広告無掲載にする必要はない。そこで,海外からアクセスに対して,広告掲載を始めた。広告主はBritish Airways, Airbus,それにHublot(時計メーカー)。

 英国外からのユーザー数は2800万人と見積もっている。以下に,11月7日(日本時間)にアクセスしたニュースページの左サイドである。Hublotの広告が出ていた。右サイドにはAirbusの広告が掲載されていた。

BBCAd.JPG


◇参考
BBC launches ads on international site(Guardian Unlimited)
タグ:広告

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2007年10月18日

「ソーシャル・メディア・ニュース・リリース」の採用,米企業が次々と

 ソーシャル・メディア・ニュース・リリース(Social Media News Releases)を採用する米企業が相次いでいる。

 PR会社SHIFT Communications社のTodd Defren氏のブログ“PR Squared”に,ソーシャル・メディア・ニュース・リリースの採用企業名が掲載されていたので,実際のリリースを幾つか覗いてみた。

 たとえば,次のような大手企業が既に採用している。
Cisco
Belkin
Gatorade
Verizon
Ford Motor Co.
GM Europe( Social Media Newsroom)


シスコはプレスリリースとソーシャル・メディア・リリースの2本立て

 Ciscoでは,従来からのマスメディア向けプレスリリースに加えて,ブログやSNSのソーシャルメディア向けにソーシャル・メディア・リリースも用意している。

 たとえば,“Cisco Connected Life Contest ”というタイトルのリリースでも,伝統的なPress Releaseと同時に,Social Media Releaseを発信していた。

 後者のソーシャル・メディア・リリースでは,YouTubeやSecond Life,Del.icio.us,Diggなどのソーシャルサイト経由で企業の伝えたいメッセージが伝播する仕掛けを用意している。

・YouTube Community: http://www.youtube.com/group/connectedlife
・Second Life Kiosk: http://slurl.com/secondlife/Cisco%20Systems%201/87/133/30
・Del.icio.us : http://del.icio.us/tag/cisco%2Bcontest
・Digg : http://digg.com/tech_news/Connected_Life_Contest

 特に目立ったのは,YouTubeを利用したバイラルビデオである。その一つがKISS Shares their Connected Life Contest Ideaである。そのビデオを下に貼り付けておく。




VerisonはFacebookやFlickrへのリンクも

 ソーシャル・メディア・ニュース・リリースのサンプル例として,Verizon のリリースを下に示す。

VerizonPR.JPG


 このリリースの後半部には,次のような関連リンク集が掲示されていた。ソーシャルメディアへのリンクが充実している。FacebookやFlickrへのリンクも用意されていた。

VerizonPRlink.JPG


GM Europeはソーシャル・メディア・リリースに一本化

GMEurope.JPG

 GM Europeはソーシャル・メディア・ニュース・リリースに一本化していた・同社のトップページでNewsをクリックすると, Social Media Newsroomに飛ぶ。そこで特定のリリースを選んで,たとえば“Win your Chevrolet Dream Garage!”をクリックすると,ソーシャル・メディア・ニュース・リリースに辿り着く。ユーザーからのトラックバックやコメントを受け付けている。


◇参考
Social Media News Releases Gain Momentum(PR Squared)
企業サイトがソーシャルメディアになる(メディア・パブ)
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2007年10月17日

検索連動などのPPC広告に危機説が浮上

 検索連動やアフィリエイトのPPC(pay-per-click)広告市場が減速するかもしれない。Steve Rubelが,彼の人気ブログMicro Persuasionの中で,PPC広告がヤバイと主張しているのだ。

 検索連動広告やアフィリエイト広告は,これからも成長すると確信していたのだが,今のままでは衰退しかねないということか? するとAdWords広告やAdSense広告も安泰としておれないのかも。

 Steve Rubelは次の5つの理由を掲げて,PPC広告の危機説を叫んでいる。

1) Clutter
2) Declining Relevance of Traffic/Transition to Cost Per Action
3) Rising Costs
4) Marketers Spread the Ball Around
5) Search Ads Are Viewed as Untrustworthy

 まず,検索連動広告はゴチャゴチャしていてクリックする気にならないとか。またトラフィックが増してクリック数が増えても,広告主にとって実際の利益に直結しなくなってきている。そこでCPA (Cost Per Action)を重視し始めており,検索エンジンマーケティングにブレーキがかかるかもしれない。さらに,検索連動広告などにおけるキーワード当たりの価格が高騰し割高感が出てきていることも悪材料である。2007年第1四半期のキーワード当たりの価格は,前年同期比33%もアップした。

 その他,より有望な行動ターゲティング広告の台頭も,検索連動市場にとってマイナスに働く。それに最近のNielsenの調査によると,検索広告はあまりインターネットユーザーに信頼されていないとのことだ。

 これからも検索広告がインターネット広告市場を牽引すると思っていたのだが・・・。PPC広告市場は厳しくなり,SEMが成熟期を迎えるとの警鐘,無視しないほうがよさそうかも。
 

◇参考
Five Reasons Why a Pay Per Click Recession Looms(Micro Persuasion)
Competing for Clients, and Paying by the Click (NYTimes.com)
Nielsen: Search Ads Score Low on Trust(SearchEngineWatch)
米ネット広告の上期売上が100億ドル,その4割をGoogleが占める?(メディア・パブ)
タグ:検索 広告

posted by Kilimanjaro at 07:39 | Comment(0) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
2007年10月16日

大きくばらつくブログランキング

  ブログランキングをあちこちで見かける。特徴的なことは,比較項目によってランキングがかなり食い違うことだ。

  その一つにRSSリーダーの登録者数ランキングがある。最近,GoogleのRSSリーダーであるGoogle Readerで,フィードの登録者数を調べることができるようになった。それによるブログ/ニュースサイトのランキングがTechcrunchに掲載されていた。TechmemeのGabe Riveraがザッと計数したデータで,厳密なものでないと言う。

GoogleReaderTecgcrunchRanking.JPG


 RSSリーダーの登録者数ランキングは,かなり片寄ったユーザー層を対象にしたランキングであろう。その他に,ユニークユーザー数やページビュー,インバウンドリンクを張っているブログ数,アグリゲーターニュースサイトにおける掲載回数などで,ブログがランキングされている。MEDIABLITZ 2.0で紹介されていた,ブログランキングの比較例である。

blogRanking.JPG
(ソース:MEDIABLITZ 2.0)

 当然のことだが,比較する項目によってランキングが大きく異なる。


国内のブログランキングは

 ついでに,国内の各種ランキングも調べてみた。次のブログランキングで比較してみた。

livedoorReader登録者数ランキング
feed meterランキング
・Technorati Japan(リンク数ランキングお気に入りランキング),
はてなブックマークランキング 

 これにGoogle Readerの登録者数も比較できるようになる。実際に,メディアパブの登録者数を見てみた。
  
GoogleReaderMediapub.JPG 

 残念ながらGoogle Readerのフィード登録者数ランキングの国内版がない。おそらく近く,誰かが調べて公表してくれるだろう。

 やはり,国内でもかなりバラツキが目立った。さらに前から気になっていたことだが,ここで取り上げたブログランキングは限られたユーザー層の利用状況を反映した結果ではないという疑問である。一般のインターネットユーザーから見たブログランキングとは乖離しているのかもしれない。

 利用しているseesaaのブログランキングでは,メディア・パブは非常にマイナーな存在でほとんど上位にランクされない。そこで,seesaaランキングでメディア・パブを遙かに凌ぐ上位ランクの人気ブログが,上のはてなブックマークやTechnoratiなどのランキングでも登場しているかを調べてみた。結果は予想通りで,ほとんど見かけない。なぜ,こうなるのか,誰か教えて・・。



◇参考
Google Top Blogs Graphed by Rank(Kevin Burton’s NEW FeedBlog)
Top Blogs On Google Reader(Tchcrunch)
How many Google Reader subscribers do you have?(Scobleizer)
September Traffic Numbers for Web Biz Blogs(MEDIABLITZ 2.0)
技術分野のニュース市場,「ベストエフォート」型ミドルメディアが台頭(メディア・パブ)
タグ:ブログ

posted by Kilimanjaro at 12:08 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
2007年10月15日

世界のインターネット広告,2009年でも総広告のまだ10%未満

 TVや新聞,雑誌,ラジオからインターネットへと,企業の広告費シフトが加速化しているようだが,2009年になってもインターネット広告費は総広告費の10%にも達しない。

 世界のインターネット広告について,Reutersがまとめた記事のなかで,そのように伝えれれていた。まだまだTV広告が圧倒的に強いし,黄信号が出ている新聞広告費も米国や日本でまだインターネット広告を凌いでいる。全世界で見れば,2009年頃でもインターネット広告の順位は3番手から4番手なのだろう。

 ZenithOptimediaの予測によると,企業が費やすインターネット広告費は世界で31310億ドルに達するという。前年比28%増である。08年は同21%増,09年は同13%増と伸び,2009年には43430億ドルになると予測する。でも,成長率がかなり鈍化すると見ているのが気掛かりだ。

 2009年の世界の総広告費を4954950億ドルと見ているので,インターネット広告は全体の10%に届かない。

 米国のインターネット広告のトレンドとして見逃せない点は,広告媒体の寡占化が進んでいること。the Interactive Advertising Bureau and PricewaterhouseCoopersによると,2007年上半期の米インターネット広告売上の90%以上は,トップ50のWebサイトで占められていたという。またトップ10サイトだけで同売上高の70%を占めている。インターネット広告も格差が広がるのか。


◇参考
Ad dollars flood Web, but will they go far enough?(Reuters)
タグ:広告

posted by Kilimanjaro at 08:00 | Comment(5) | TrackBack(3) | マーケティング 広告
2007年10月12日

企業サイトがソーシャルメディアになる

 1年ほど前に,「Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を」とのタイトルのエントリーを書いたことがある。これからの企業PRは,マスメディア向けのプレスリリースだけではなくて,ソーシャルメディアを介して消費者に向けてメッセージを発信すべきとのことであった。そのために,ソーシャルメディア向けのニュースリリースを用意する企業が出始めている。

 この流れでいけば,企業サイト自身もソーシャルメディア化すべきであろう。格好の事例を見つけたので取り上げてみた。米国の建設会社Leopardo Construction のホームページである。トップページのタブで示されている“News Room”に飛んでみた。

 その“News Room”は,ブロガーやユーザーに向けてのニュースリリースページとなっている。これまでの企業サイトの“Press Release”や“News Release”ページは,まさにマスメディア関係者向けに作られており,一般の人は見向きもしなかった。企業側も一般の人を相手にしていなかった。

 これまでの企業の“Press Release”ページと違って,LeopardoのNews Roomは,ブロガーやユーザーに読んでもらおうとする姿勢が現れている。以下にNews Roomページを。

LeopardoTopPage.JPG

Leopard News Room.JPG

以下のような機能を備え,まさにブログ風の作りになっている。
RSSフィード対応
YouTubeを利用したビデオ発信
・検索エンジン
・アーカイブ
・カテゴリー分け
・ソーシャルブックマーク対応
・関連リリース

 企業の全体像も把握しやすい。ユーザーも好感を持つはずだ。


ソーシャルメディアリリースとは

 実はこの事例は,Tadd Andのプレゼン資料“Social Media Relations ”で見つけた。参考のために,そのプレゼン資料を貼り付けておく(Widgetの形で公表されている)。フル画面で閲覧したい場合は,ダウンロードすればよい。Leopardoは42ページと43ページに紹介されている。



 また,Shift CommunicationsからSocial Media Newsroom template が出ているので,これも参考になる。

 要するに,企業もニュース(イベント)を仕掛けて,ユーザーに向けて絶えず魅力あるメッセージを発信しなけれならない。そのためには企業サイトをよりメディアサイト化する必要がある。ということで,企業もニュースルーム(編集室)を設けなくては。


◇参考
Social Media Relations = The Release + News Room(Todd And = Marketing + Media)
Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 10:23 | Comment(0) | TrackBack(3) | マーケティング 広告
2007年10月09日

Doveの新作バイラルビデオ,非英語圏ブロガーも口コミの担い手に

 Doveが昨年に続き今年も,リアルビューティーキャンペーン向けビデオを公開した。早くもネットによる口コミで人気を呼んでいる。

 1年前に登場したDove Evolutionは,今年6月のカンヌ国際広告祭でフィルムグランプリを受賞したこともあって,国内でもバイラルビデオの代表例としてよく知られている。

 そして,先週の10月1日に新作のバイラルビデオDove Onslaughtが登場したのだ。

 米国やカナダ,それに英国などのキャンペーンサイトだけではなくて,口コミの感染源として,昨年同様,YouTubeに投稿している。昨年のDove EvolutionはYouTubeを介して約500万回も視聴されているが,今回のDove Onslaughtはこの約1週間にYouTubeだけで47万回視聴されている。

  このバイラルビデオがブログ経由でどのように広まっていったのかを,cgm(ConsumerGeneratedMedia)のPete Blackshawが分析していた。以下は,発表の10月1日からの3日間において,どのようなブログでDove Onslaughtが取り上げられていたかを示している。

DoveVideoBlog.JPG
(ソース:cgm.com by Pete Blackshaw)

  ここでは,ブログを次のように三つのカテゴりーに分類した。
・コンシューマーのブログ(ブロガーが一般のコンシューマー。美容に関心を抱くブロガーも含む)
・Adコミュニティーのブログ(メディア/マーケティングをテーマにしたブログ)
・非英語ブログ(英語でないブログ)

  特に興味深いのは,非英語圏のブログが口コミの担い手として大きな役割を果たしていることだ。最初の日には,Dove Onslaughtを取り上げているブログの4割強が非英語ブログである。

  非英語ブログでも初日から盛んに取り上げている理由は定かではない。だが,昨年のDoveのビデオがカンヌ国際広告祭で賞を獲得していることもあって,海外でも今年のビデオに対しても注目が集まっていたのだろう。また,YouTubeのビデオは地球レベルで伝播するし,特にバイラルビデオは言葉の壁を飛び越えていく。

 最初にバイラルビデオに飛びつくブロガーの多くは,YouTube上のビデオをWidgetとしてブログに貼り付けているようだ。影響力のあるAdコミュニティーブログも加わっているので,広告やマーケティングの世界では一気に広まることになる。

 Technoratiのブログ検索エンジンでも調べてみた。“Dove Onslaught”で検索してみた結果を以下に示す。ただしグラフでは,一日近い遅延があるようだ。 
 
Dove Onslaught.JPG
(ソース:Technorati)

 おもしろいのは,日本語のブログでも2日に10本,3日と4日に各5本のブログが,Dove Onslaughtを取り上げていた。確かに2日には日本語のブログでも,YouTubeのDove Onslaughtビデオを貼り付けていた。非英語ブログがいち早く取り上げていたことは本当のようだ。

 最後に,まだ視聴していない人のために,以下にDove Onslaughtのビデオを貼り付けておく。




◇参考
Did Global, Non-English Blogs Set the Tempo for Dove Onslaught?(cgm:ConsumerGeneratedMedia)
クチコミ効果,YouTubeビデオがスーパーボウル・スポットをしのぐ(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 08:14 | Comment(0) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
2007年10月06日

米ネット広告の上期売上が100億ドル,その4割をGoogleが占める?

 米インターネット広告の今年上期(1月-6月期)売上高が,ほぼ100億ドルに達したようだ。これは,The Interactive Advertising Bureau (IAB) と PricewaterhouseCoopers (PwC) の発表データである。

 成長率が鈍ってきたと言っても,2006年上期に比べ27%増とまだ勢いがある。第2四半期(4月-6月期)には50.9億ドルと,初めて四半期で50億ドルの壁を突破した。以下は1999年以降の第2四半期の広告売上の推移である。

USAd1999_2007.JPG
(ソース:IAB)

 広告の種類別の割合が,2006年上期と2007年上期では次のようになった。検索広告とディスプレイ広告の伸びが目立つ。

IAB2007FH1.JPG

 広告料金モデルの変化も興味深い。以下は,2006年上期と2007年上期における,パフォーマンスベース広告とCPMベース(インプレッションベース)広告の割合を示している。

IAB2007FH2.JPG

 やっぱり,パフォーマンスベース広告の割合が増している。広告クライアントは年々,費用対効果を厳しく見始めているのだ。


Googleは約4割の40億ドルを稼いでいるのか  

 HipMojo.com によると,米インターネット広告市場の4割近くをGoogleが占めているという。

 Googleの売上高は2007年第1四半期が36.6億ドル,同第2四半期が38.7億ドルであったが,HipMojo.com はその売上高の半分以上を米インターネット広告市場から生み出しているという。具体的には,今年上期だけで39.7億ドルと見積もっている。となると,米ネット広告市場の4割をGoogleが占めていることになる。

 Mojoのレポートでは,Googleの売上高の成長率は,次のようになっている。

- 2002 revenues grew 409%
- 2003 revenues grew 234%
- 2004 revenues grew 118%
- 2005 revenues grew 92%
- 2006 revenues grew 67%.

 驚異的な成長率である。一方で,成長率が鈍化し始めていることも確かである。いつまでも驚異的な成長率を維持できないとしても,Googleとしては鈍化の割合を減らしたい。検索広告だけではなくて,ディスプレイ広告市場でも優位に立ちたいのだ。そこで,DoubleClickを買収することになった。これに対し,これではネット広告市場はGoogleが独占してしまうと,競合他社や海外からも反対の声が高まっていのだが・・・。



◇参考
INTERNET ADVERTISING REVENUES CONTINUE TO SOAR, REACH NEARLY $10 BILLION IN FIRST HALF OF '07(IABプレスリリース)
IAB Internet Advertising Revenue Report(IAB)
Google’s Shock and Awe: 40% of US Online Ad Revs in Q1 and Q2(HipMojo.com )
タグ:広告 google

posted by Kilimanjaro at 12:04 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
2007年09月19日

Google,強力なガジェット(Widget)広告を開始

GoogleGadgetAd.JPG

 Widgetビジネスがいよいよ本物になってきた。Googleが満を持してWidget広告を始めたからだ〈GoogleはWidget(ウィジェット)をGadget(ガジェット)と呼んでいる〉。

 ガジェット広告(ウィジェット広告)はミニサイズの広告で,ブログやSNS,パーソナライズドページなどに貼り付けることができる。Googleは広告主のために,AdSense networkでガジェット広告を配信することになる。

 インタラクティブな新しい広告フォーマットを利用して,リッチ メディア広告を実現できるのが売りだ。具体的には,iGoogleのガジェットと同じ技術を用い,コンテンツは標準の HTML、JavaScrip、CSS で構成する。ウェブページのミニバージョンと思えばよい。 Widgetなのでコンテンツの内容を容易に変えることできる。「Google ガジェット広告の作成方法」については,既に日本語訳がアップされている。 

 Googleは今年の夏からこの Gadget Ads program のテストを続けており,多くの広告主が参加している。すでに,幾つかのGadget広告が出来上がっている。以下は,その中から三つのGadgetを下に貼り付けておく。

*Honda,広告代理店:RPA


*Intel,広告代理店: Universal McCann


*ペプシ (Sierra Mist Lemon Squeeze),広告代理店: Tribal DDB



◇参考
Google ガジェット広告とは(Google)
Google Program Enlists Mini-Sites as Selling Tool for Advertisers (NYTimes.com)
Google ガジェット広告の作成方法(Google)
First Look: Go, Go, Google Gadget Ads!(Marketing Pilgrim)
タグ:Widget google 広告

posted by Kilimanjaro at 15:47 | Comment(0) | TrackBack(3) | マーケティング 広告
2007年09月06日

“ウィキブランド”でブランドを再構築

  Wiki Brand(ウィキブランド)というバズワードがある。
 
  Buzz Canuckによると,消費者が主導権を握るこれからのマーケットではWiki Brandを再構築すべきだと。MySpaceやWikipediaのような,ユーザーが参加するコミュニティーを介してブランドを構築すべきという主張である。特に目新しくもない気がするが,これをWiki Brandと呼ぶあたりがうまいのかも。

  そのWiki Brandに至るブランドの歴史を,次の6フェーズに分けて解説している。
   
Trademark (until 1860) - A mark of brand ownership - "Something you buy" i.e. Cattle
Brand Mark (1860-1920) - A mark of brand quality - "Something you trust" i.e. Ivory
Mass Market Brand (1920-1970s) - A mark of positive associations "Something you want" i.e. Marlboro
Post-Mass Market Brand (1980s-late 1990s) - A mark of superior brand attributes "Something you prefer" i.e. Tylenol
Love Mark (early 2000s) - A mark of inspirational brand vales/stories/design "Something you love" i.e. Apple
Wiki Brand (the future) - A mark of brand interaction "Something your participate in" i.e. MySpace, Wikipedia

 “wiki brand”を検索エンジンで調べると,他(PPTファイル)でも既に使われていた。


 Wiki Brandとも関わる話がMediaPostに出ていた。10代の若者と一般の大人とでは,次のようにブランドの浸透の仕方が異なる。10代にはオンライン口コミ(WOM:word-of-mouth)の影響が大きくなっている。
Importantly, 57% of teens' WOMs include mentions of brands' marketing and media efforts, compared to 48% of WOMs among the general public.

And yes, teens are three times as likely to exchange such information via technology: 19% of teen WOMs occur online (text messaging/IM, e-mails, chatrooms/blogs), versus just 7% among the population as a whole.
 参考までに,10代および大人の企業/製品ブランドランキングは次の通