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2013年06月18日

今年の世界の総広告費、円安影響で中国が日本を一気に追い抜く

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 世界の主要国別および州別の広告費予測を、eMarketerが発表した。今年はロンドン・オリンピック後の年なので、前年比2.8%と少し成長が鈍るが、来年(2014年)から2017年にかけては毎年4%〜5%と順調に伸び続ける。特に来年はブラジル開催のワールドカップ効果で、4.9%の高成長を見込んでいる。

 広告費の対象は、デジタル(オンライン、モバイル)、ディレクトリー、雑誌、新聞、屋外、ラジオ、TVのすべてを含む。世界の総広告費は、今年が5170億ドルで、2017年が6167億ドルに達すると予測している。

TotalMediaAdSpending20112017.png

 地域別、および主要国別の広告費の推移は次のようになる。世界第2位の広告大国である日本が、今年にも中国に追い抜かれる。追い抜かれるのは2~3年先と見られていたのだが、急激な円安のために一気に今年に実現してしまいそう。ドルベースの日本の広告費は、2013年が前年比13.8%減の407億ドルに落ち込むことになる。

TotalMediaAdSpending2013.png

  次の表は、地域別、および主要国別の広告費の成長率の推移である。アジア・パシフィック地域は約6%の高成長が期待されていたが、ここでも日本の円安影響のあおりを受けて(日本の広告費がドルベースで激減して)、2013年は0.6%の低成長となっている。今年のグローバルな統計データは、円安の影響で混乱しそう。

TotalMediaAdSpending20112017Change.png


◇参考
・Regional Economic Woes Drag Down Worldwide Total Media Ad Spend Growth(eMarketer)



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posted by 田中善一郎 at 02:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2013年06月14日

世界のモバイル広告シェア、グーグルが56%でフェイスブックが13%と、寡占化が進む

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  世界のモバイル広告売上高シェアで、2013年はグーグルが55.9%、フェイスブックが12.9%も占める見込みだ。これはeMarketerの予測であるが、グーグルとフェイスブックの2社だけで、世界のモバイル広告売上高の約70%も占めることになる。

 まずモバイル・インターネット広告売上高の会社別ランキングをみていこう。2013年はグーグルが88億5000万ドル、フェイスブックは20億4000万ドルになると見ている。今年の世界のモバイル・インターネット広告売上高は158億2000万ドルで、昨年の2倍近く増えると予測している。ただ、主要なインターネット企業の売上高を調べているとしているが、日本の企業の売上がどの程度含まれているかは不明。

MobileAd2013a.png

 世界のモバイル・インターネット広告売上高の会社別シェアで注目すべきは、今年に入ってもさらにグーグルとフェイスブックの2社がシェアを拡大していることだ。

MobileAd2013b.png


 次に、参考までに、世界のデジタル広告売上高とシェアを掲げておく。やはりグーグルが圧倒的に強い。これからも急成長が見込めるモバイル市場でも、Googleが独走し始めているのである。

MobileAd2013d.png

MobileAd2013c.png


◇参考
・Google Takes Home Half of Worldwide Mobile Internet Ad Revenues(eMarketer)
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posted by 田中善一郎 at 12:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2013年04月17日

米国の2012年インターネット広告売上が366億ドル、前年比111%増のモバイル広告が底上げを

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  米国のインターネット広告市場は2012年も15%増の2ケタ成長を続け、順調に推移ししている。特に目立ったのは、モバイル分野が前年比111%増と急上昇気流に乗ってきたことだ。

 The Interactive Advertising Bureau (IAB) と米 PwCがまとめた「the IAB Internet Advertising Revenue Report(2012年通期)」によると、2012年の米国のインターネット広告売上げは366億ドルと、前年比で15%増となった。2003年以降の年間インターネット広告売上をプロットしたのが次のグラフである。
IAB2013a.png

 さらに、1996年から2012年までに広げて、四半期単位の広告売上高の推移を見ると、次のようになる。2000年代初頭のネットバブル崩壊時と2009年のリーマンショック時に凹んだが、それ以外の時期は一貫してインターネット広告は高度成長を続けている。

IAB2013b.png

 2011年および2012年の広告種別(フォーマット別)の売上高シェアを以下に示す。相変わらず検索広告売上高が大きい。2012年の検索広告売上高は前年比14.5%増の169億ドルに達し、シェアは46.3%(2011年は26.5%)と5割近くを維持しており、グーグル安泰と言えそう。注目のモバイル広告は2011年の5%から2012年は9%とシェアを拡大し、本格的に急上昇し始めている。2012年のモバイル広告売上高は34億ドルで、昨年比111%増と3ケタ成長を達成した。

IAB2013c.png


 次は、広告料金モデルをパフォーマンスベースとCPM(インプレッションベース)とに分けた場合、それぞれの広告売上シェアの推移を示したグラフである。検索広告が安定して伸びてきていることからもわかるように、パフォーマンスに応じた料金モデルの勢いが増す一方である。逆にCPM(インプレッションベース)広告のシェアは後退気味である。
IAB2013d.png

◇参考
・IAB Internet Advertising Revenue Report conducted by PricewaterhouseCoopers (PWC)(IAB)
・ 2012 Internet Advertising Revenue Full-Year Report :208kファイル(IAB)


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posted by 田中善一郎 at 09:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2013年03月19日

ワシントン・ポストも着手したネイティブ広告

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 ワシントン・ポスト(The Washington Post:WaPo)もニュースサイトでネイティブ広告('native advertising' )を始めた。

 WaPoのサイトを見ていると、最近、編集枠もどきの広告枠に時々出くわすようになった。一昨日や昨日も、Opinion欄のページにその注目の枠が現われていた。以下は、Opinionページの最上部のスナップショットである。

WP20130317a.jpg


 このページをスクロールしていくと、以下のスナップショットのように、左下に「SPONSOR GENERATED CONTENT 」と記されたスポンサー提供のコンテンツ枠が設けられていた。ここは編集スペースの一部であるが、スポンサーに使わせる有料のコンテンツ枠となっている。“Brand Connect”と称して、今月からWaPoが手掛ているネイティブ広告なのだ。最初のスポンサーはCTIA(the Wireless Association、移動体/無線通信の国際的な業界団体)である。

WaPo20130318.jpg

 青枠にコンテンツの要約が出ているだけで、そこをクリックすると、全文ページに飛ぶ。そのページはCTIAのオリジナルコンテンツで成り立っているが、フォーマットはWaPoの編集ページに従っている。3分間のCTIAのプロモーションビデオも提供されていた。


WP20130317c.jpg


 WaPoはBrand Connectを次のように説明している。「Brand Connectは信頼ある環境下でマーケターとワシントン・ポスト読者とを結びつけるプラットフォームである。Brand Connectの中身はマーケター(スポンサー)側で開発され執筆される。WaPoのニュースルーム(編集室)は関与しない。」 要するに、編集と広告は独立していると主張しているのだ。

 昨年あたりからインターネット広告業界では、ネイティブ広告の話題で大いに盛り上がっている。従来、広告を掲載するメディアサイトにおいては、メディア側のコンテンツ(編集コンテンツ)に加えてスポンサーのための広告コンテンツが存在し、一般のメディアサイトのページでは、複数の編集コンテンツ枠や広告コンテンツ枠を比較的わかりやすく分けて配している。広告コンテンツ枠の代表がバナーである。ところがネイティブ広告ではスポンサー(広告)コンテンツも、編集コンテンツ枠と同じフォーマットで提供する。このため、ユーザーは編集コンテンツに接する流れの中で混ざり込んだ広告コンテンツに接することになる。

 ツイッターの広告用ツイートが、ネイティブ広告の代表例と言われている。ネイティブ広告が騒がれているのも、ツイッターやフェイスブックのようなタイムライン型メディアでの広告枠として注目されているためである。また、インターネット広告がユーザーに無視されてきていることへの対応策でもあるようだ。実際、広告枠を見向きもしないで、編集枠だけを追っているインターネットユーザーが多い。広告コンテンツを有益でないと思いこんでいるユーザーにとって、広告は雑音そのものである。

 でも理想としては、広告も編集と同様、ユーザーにとって有益な情報コンテンツであるべきである。クライントであるスポンサーが、メディアサイトのユーザーにとって有益なコンテンツを提供しようとしても、既存の広告枠では多くのユーザーに無視されてしまうが、ネイティブ広告なら目に留まる割合が増えそう。

 当然、編集コンテンツと広告コンテンツが混在するネイティブ広告に対して、ユーザーから反発が起こりそうだし、メディア側もリスクを抱え込む心配がある。もちろん広告枠では、広告であることを明記する。でも編集スペースに、編集と同じようなフォーマットでスポンサーコンテンツが紛れ込む形になるので、へたするとメディアサイトの価値を落としかねない。それを避けるには、ネイティブ広告のスポンサーコンテンツがメディアのユーザーにとって有用なものでなければならない。場違いのコンテンツであったり、押しつけがましい広告コンテンツだと、失敗する。

 実際に、リスクが現実になった。The Atlanticのサイトで提供したネイティブ広告で炎上が起こった。スポンサーはサイエントロジー(Scientology)であった。信者にトム・クルーズやジョン・トラボルタがいることで話題にもなっている新興宗教である。ブランド力のある質の高いメディアだからこそ、問題になったのだ。反発が大きく、同サイトは謝罪するとともにその掲載を中止した。

 ここで、WaPoのネイティブ広告をもう一度振り返ってみよう。スポンサーはCTIAだし、コンテンツも問題がない。WaPoのネイティブ広告は格別で、一般の広告料金よりも高いはず。同じページに(冒頭のスナップショット)、CTIAがクライアントのバナー広告も掲載させている。ただし、バナー広告をクリックすると、CTIAのサイトに飛ぶ。

 またWaPoもサイトには、別のメニューのネイティブ広告を既に提供している。一部のニュース記事の後部に、以下のように、編集スペースに「Suponsored Headlines」と称する広告枠を設けている。これは、その記事を読む読者が関心も持ちそうな外部ニュースサイトの記事見出し(リンク情報も)を掲載している。クリックすると、外部サイトの記事ニュースに飛ぶ。この広告枠にはめこむコンテンツとして、外部のOutbrain社がWaPoの読者が関心を寄せそうなニュース記事を選別している。この例では、最初のニュースは競合サイトのニューヨークタイムズ記事となっている。読者のための広告なので、こういうことも起こる。これだと、ユーザーは有用なコンテンツと見なし、雑音情報と反発されることはないだろう。CNN NewsなどもOutbrainをかませたネイティブ広告を提供している。

WaPoSponsoredHeasdline20130318.jpg


◇参考
・'WaPo' Joins Paid Content Parade(MediaDailyNews)
・WashPo's New Native Ads: Slippery Slope?(NetNewsCheck)
・Former NY Times Editor Bill Keller On Tech Cults, Native Advertising And The Benefits Of Buyouts(Forbes)
・What the Atlantic learned from Scientology: native advertising is harder for news brands(paidContent)
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posted by 田中善一郎 at 09:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2013年02月24日

パソコン時代に続いてモバイル時代でも、グーグルが広告事業で独走めざす

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 Googleは経営面から見ればオンライン広告事業者と見なせるが、パソコン時代に続いてモバイル時代においてもネット広告事業で独走する勢いである。Marin Software社のレポート「MOBILE SEARCH ADVERTISING AROUND THE GLOBE」より、Googleのモバイル検索広告の現況を追ってみた。

 まず、CowenがまとめたGoogleのモバイル売上高の推移(昨年以降は予測)である。大半は検索広告売上となる。2016年には200億ドルほどに達すると見られている。
 
GoogleMobileAdRevenue2016.jpg
(ソース:Marin Software)

 Googleの売上のほとんどはこれまで、パソコンの検索広告売上に依存してきた。パソコンユーザーからのクリック数が売上に反映していた。だが最近では、スマートフォンやタブレットが急激に普及するに伴い、検索広告のクリック数もモバイルユーザーからが増えてきた。

 アメリカ市場において、Googleの検索広告クリック数のデバイス別シェアで、モバイルユーザーからのクリック数の割合が目立って増え始めた。Google検索広告の全クリック数のうち、モバイル端末ユーザーからのシェアは2012年1月の14.2%から12月の23.4%へと急拡大したのだ。

GoogleMobileDeviceClick2012.jpg
(ソース:Marin Software)

 モバイル広告の課題は、パソコン広告に比べ収益性が低いことである。だが検索広告の平均クリックスルー率 (CTR) をデバイス別(パソコン、スマートフォン、タブレット)で見ると、スマートフォンが4.72%、タブレットが3.12%と、パソコンを上回った。でも、クリック単価はスマートフォンが0.48ドル、タブレットが0.62ドルで、パソコンの0.75ドルに比べまだ低い。それでも2012年において、クリック単価の上昇率が、スマートフォンが13%、タブレットが25%と、パソコンの9%より高い。今年中にも、タブレットのクリック単価がパソコンを追い抜くかもしれない。

GoogleMobileAdCTRandCPC.jpg
(ソース:Marin Software)

 アンドロイド搭載モバイルが出荷台数シェアでiOS搭載を大きく引き離している。それでもモバイルアプリの売り上げではiOS搭載モバイルがまだリードしていたが、Googleのモバイル検索広告に代表される広告市場ではアンドロイド搭載モバイルが優位に立っている。モバイル時代への進展が軌道に乗り始めていると市場がとらえたためか、Google株は先週初めて800ドルを突破し、最高値を更新した。


◇参考
・Australia leads the way in tablet and smartphone ad share(Econsultancy)
・MOBILE SEARCH ADVERTISING AROUND THE GLOBE(Marin Software)
・Google's Mobile Success Is Key Factor In Stock's 30% One-Year Gain(Forves)
・Google Buying Channel Intelligence to Help Boost Online Sales(eWeek)
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posted by 田中善一郎 at 17:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2013年02月21日

新聞/雑誌メディアからデジタルメディアへ、米マーケターが今年もシフトを急ぐ

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 新聞や雑誌などの伝統的なマスメディアから、モバイルやソーシャルなどのデジタルメディアへのシフト。この数年このシフトが続いているが、今年もアメリカのマーケターはこの流れを早めようとしている

 InaveroとAquent and the American Marketing Association (AMA)が昨年末(2012年10−11月)に実施した調査によると、アメリカのマーケターのプロの多くは2013年に入っても、新聞、雑誌、ラジオ、TVなどのマスメディアへのマーケティング活動をさらに減速させたいと答えている。

MarketingStrategyeMarketer201302a.jpg

 一方で、以下のように、モバイルやソーシャルなどのデジタルメディアなどにフォーカスした、マーケティング活動を加速させたいとの答えである。当たり前の流れだが、想定している以上に早まると見ていたほうがよさそう。

MarketingStrategyeMarketer201302b.jpg

◇参考
・In 2013, Mobile, Social Lead Shift From Traditional Media to Digital(eMarketer)
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posted by 田中善一郎 at 11:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2012年11月27日

アンドロイド端末が急増しても、年末のオンラインショッピングではiOS端末からが圧倒

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 アンドロイド端末スマートフォンの出荷シェアが高まる一方にもかかわらず、スマートフォンサービスの収益性ではiPhoneがまだまだ圧倒的に優位にあるようだ。 

 先週末の感謝祭とブラックフライデー(米年末商戦の最初の日で、最も売上が見込める)における米国のオンラインショッピングサイトへのトラフィックデータをIBMが公表した。そのレポートによると、以下のグラフのように、オンライントラフィックの24%をスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末が占めるようになった。注目すべきはそのモバイルトラフィックの77%をiOS端末が占めていることだ。

iOSAndroidTahnksgiving2012a.jpg

 ところが最近のcomScore調査によると、スマートフォン加入者比率でアンドロイドが52.5%でiOSが34.3%となっており、アンドロイドが優位にある。さらに最近の出荷台数比率では、アンドロイドがiOSを圧倒している。またタブレット端末でも、独走していたiOS搭載端末の出荷台数比率が50.4%に急落し(Gartner調査)、アンドロイド搭載タブレットが急増しているのだ。

 アンドロイド搭載モバイル端末の出荷台数が急増し、モバイル市場でアップル端末(iOS搭載モバイル)のシェアを侵食しているにもかかわらず、ショッピングサイトへのトラフィックでiOS端末が圧倒的に多いのは、iOS端末とアンドロイド端末に対するユーザーのエンゲージメントギャップがまだかなり大きいということだろう。

 また驚くことに、オンラインショッピングサイトへのモバイルトラフィックのうちiOS端末が占める割合が、1年前が71%だったのに今年は77%に跳ね上がっている。この1年間でアンドロイド端末の集荷台数や加入者数の比率がかなり高まっているはずなのに。先進的なオンライン消費者をすでにアップルが囲い込んでしまっているためか。

iOSAndroidTahnksgiving2011.jpg

 また参考までに、Asymcoが提供しているグラフを掲げておく。最初は、過去3年間のショッピングトラフィックの推移である。iPhone、iPad、それにアンドロイドスマートフォン別に示している。これを見る限りでは、モバイルビジネスを仕掛けるには収益性の高いiOS端末向けを優先したくなる。

BlackFridayTraffic2012.jpg

 でも米国でも、ユーザー数(加入者数)となると、アンドロイド端末がより多く増えていきそうである。

USUsersiOSAndroid2012.jpg


◇参考
・The Android engagement paradox(ASYMCO)
・iOS devices dominate mobile device online shopping stats(arstechnica)
・Why are Android users less engaged than iOS users?(GIGAOM)
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posted by 田中善一郎 at 17:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2012年10月13日

米インターネット広告は2桁台成長軌道に復帰、検索広告がまた売上高シェア拡大

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 米国のインターネット広告は2桁台の成長軌道に戻り、順調に伸び続けている。

  IAB(the Interactive Advertising Bureau)とPWC(Pricewaterhouse Coopers)から公表された恒例の“IAB internet advertising revenue report”(2012年上半期版)によると、米国のインターネット広告売上高は2012年上半期が170億ドルとなり、前年同期に比べ14%増となった。

IAB2012HYa2.jpg


 今年第2四半期の広告売上高は87億ドルであったが、毎年の第2四半期の広告売上高推移を見ると、次のようになる。2003年から2012年までの年平均成長率は20.2%となった。

IAB2012HYa1.jpg

 さらに、1996年から2012年までに広げて、四半期単位の広告売上高の推移を見ると、次のようになる。2000年代初頭のネットバブル崩壊時と2009年のリーマンショック時に凹んだが、それ以外の時期は一貫してインターネット広告は高度成長を続けている。

IAB2012HYa3.jpg

 広告の種別(フォーマット別)の売上高シェアを以下に示す。2006年から2012年まで、上半期売上高のシェアを種別ごとに示している。相変わらず検索広告売上高が大きく、最近再びシェアを伸ばしているのには驚く。2012年上半期の検索広告売上高は81億ドルに達し、シェアは48%となり前年同期に比べ2%アップとなった。米国のモバイル広告は7%とまだまだマイナーであるが、いよいよ本格的に急上昇し始めている。2012年上半期のモバイル広告売上高は12億ドルで、昨年同期比95%増となった。

IAB2012HYc1.jpg


◇参考
・Internet Ad Revenues Rise to Historic $17 Billion in First Half 2012, Up 14% Over Half-Year 2011, According to IAB(IAB)
・Digital Ad Report Finds Big Growth in Mobile(NYTimes.com)
Digital Video Ad Spend Up 18% So Far in 2012
・Digital Video Ad Spend Up 18% So Far in 2012(MediaPost)
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posted by 田中善一郎 at 12:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2012年09月10日

フリップボードとリーバイスが提携してモバイルコマースに挑む、アプリ内から商品購入を

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 フリップボード(Flipboard)がリーバイス(Levi's)と組んで、モバイルコマースを始めた。タブレットやスマートフォン向けの人気アプリであるFlipboard内で、リーバイス商品を販促/販売する。

 現在ニューヨークは2013年春/夏コレクションのNYFW(New York Fashion Week)で盛り上がっているが、それに便乗してFlipboardが“The New Levi’s Collection.”をアプリ内で実施することにしたのだ。リーバイスのFlipboard上でのキャンペーンは10月31日まで続ける。

 Flipboardアプリは、雑誌や新聞、ソーシャルメディアなどからのコンテンツを収集し、雑誌風レイアウトで表示するリーダーアプリである。最近、月間ユーザー数が2000万人を突破したと誇らしげに発表したばかりだ。すでに多くの主要な雑誌や新聞、ブログなどがFlipboardを利用してコンテンツを配信している。NYFW関連記事に力を入れている女性ファッション雑誌も、Flipboardを活用している。

 Vanity Fair, Glamour, Elle, Marie Claireといった有力誌のFlipbord版電子雑誌がそれぞれ、“The New Levi’s 2012 Fall Collection.”のカタログ販売に加わることになった。さらにリーバイス商品は男性向けも多いので、Esquire, ESPN, Fast Company, Rolling Stone, Detailsといった有力誌のFlipbord版電子雑誌も加わった。こうした有力誌の大半は電子雑誌を既に有料で発行しているが、一方でFlipbord版電子雑誌を無料で提供しているのである(一般に提供記事は限定しているが、集客力のあるFlipboardでリーチ拡大を狙っている)。

 NYFWに関するFlipboardアプリを覗いてみた。iPad版とiPhone版しか見ていないが、内容はほぼ同じであった。目次では、リーバイスとの連携の“The New Levi’s Collection.”が大きく表示されており、またNYFWの特設コーナー(Tumblr版とInstagram版)も目に付いた。

*Flipboardの目次
FlipboardLevisNYFW1.jpg


*NYFW on Tumblr(左) と NYFW on Instagram(右)
FlipboardNYFWTumblr.jpg FlipboardNYFWInstagram.jpg

 NYFW on Tumblrと NYFW on Instagramでは、TumblrやInstagramを活用したクラウドソース的な編集となっている。NYFWを伝える女性ファッション向け電子雑誌でも、TumblrやInstagramなどの利用は定着している。ファッションショーを通してコレクションを知らせるだけではなくて、ショーの舞台裏やストリートファッションなども、ソーシャルメディアを介して伝えたりしている。

 ここで注目しているフリップボード(Flipboard)とリーバイス(Levi's)が組んで実施するモバイルコマースでは、タブレットやスマートフォン向けの人気アプリであるFlipboard内で、リーバイス商品を販促/販売していく。このFlipboard向け“The New Levi’s Collection.”では、雑誌風レイアウトのカタログが中心となっている。Flipboardユーザーは雑誌風レイアウトを期待しているからである。その流れで、フルページを使ったコンテンツが多い。

 現在、Vanity Fair, Glamour, Elle, Marie Claire,Esquire, ESPN, Fast Company, Rolling Stone, Detailsの有力誌がこの企画に参加しており、それぞれのFlipboard版電子雑誌の随所にフルページのリーバイス広告が既に入り込んでいる。

 例として、以下のElleの例を見てみよう。左上はElleのある記事のトップページである(4ページからなる記事の最初のページ)。ページをめくると(フリップすると)、右上のリーバイス(Levi's)のフルページが現れる。ここでさらにページをめくると、Elleの記事の2ページ目に移る。ただし、リーバイス(Levi's)のページをタップすると、左下の製品ページに移る。さらに製品の上をタップすると、その製品を購入できるページに移る(右下)。

 FlipboardELLE1.jpg

FlipboardELLE2.jpg


◇参考
・Flip and Shop: Flipboard Social Catalog Debuts(The Official Flipboard Blog)
・Flipboard Rolls Out First “Social Catalog” With The Levi’sレジスタードマーク Brand(プレスリリース)
・Flipboard now an in-magazine shopping destination for Levi’s clothing(Digital Trends)
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2012年09月07日

米国のモバイル広告の予測、今年はツイッターがフェイスブックを打ち負かす

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 今年の米モバイル広告売上で、フェイスブックはツイッターに負かされそうだ。

 eMarketerが発表した最新予測では、ツイッターの米国でのモバイル広告売上高が今年1億2970万ドルとなり、フェイスブックの7270万ドルを大きく上回る。

MobileAdRevenueUS1.jpg

 ファイスブックの株価が低迷している要因の一つが、広告売上が期待したような高成長を継続できていないからだ。その背景として、フェイスブックではPC向け広告に注力していたため、モバイル広告の立ち上がりが出遅れていることがある。上のモバイル広告売上高の予測でも、フェイスブックがツイッターやパンドラ(米国のネットラジオ)を追い抜くのは来年に入ってからである。

 モバイル広告でも、大半がディスプレイ広告かサーチ広告である。フェイスブックではディスプレイ広告が中心となる。そのモバイルディスプレイ広告売上高の米国でのシェアでも、フェイスブックは今年はまだ6.6%しか占めていない。でも2013年には19.5%と跳ね上がり、モバイルディスプレイ広告分野ではグーグルを追い抜くと予測されている。

MobileDisplayAdUS.jpg

 米国のモバイル広告で、サーチ広告費やディスプレイ広告費の予測推移は次のようになる。

MobileAdSpendingUS.jpg

 サーチ広告市場を押さえているグーグルが、モバイル広告分野でも王者を維持するということか。

◇参考
・Mobile Ad Competition Hotter in Display Market(eMarketer)
・Twitter Beats Facebook in US Mobile Ad Revenues This Year(eMarketer)
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2012年04月30日

消費者はこれまでの広告を急に信頼しなくなってきた

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 企業が経費をかけて宣伝する広告に、消費者は信頼しなくなっている。特に、従来型のTV広告や雑誌広告、新聞広告に対する信頼が、この2年間に目立って落っこちてきている。逆に、知っている人が薦める話や消費者の意見には、信頼を置くようになっている。

 ニールセンが2011年9月に世界56カ国2万8000人のオンライン消費者を対象に実施した広告の信頼度調査であるが、想像通りの結果と言える。知っている人の推薦を92%もの人が信頼している。オンラインでの口コミが浸透しているのも弾みを付けているのだろう。でもソーシャルネットワーク広告やモバイル広告は従来型広告のせいか、まだ信頼されていない。

NielsenAdTrust201204.jpg


 以下に2009年4月実施の信頼度調査結果も載せておく。上のグラフとの変化を見れば分かるように、企業が仕掛ける広告がこぞって信頼を落としている。旧来型のテレビやプリント(雑誌、新聞)広告だけではなくて、ブランド(企業)サイトが70%から58%と急減している点が気になる。要するに提供者側が発するメッセージを、消費者はあまり信頼していないということか。

NielsenAdTrust2009.jpg

 次は、各広告カテゴリーの信頼度を、アジアと北米と欧州で比較したグラフである。世界平均と比較して、アジア人は広告を相対的に高く信頼しているのに対して、欧州人は厳しいく見ている。特に、TV、新聞、雑誌の伝統メディアの広告を信頼していないという結果になっている。

NielsenAdTrustAsiaUsEU2011Q3.jpg

 2007年4月のデータが見つかったので、最後に、各項目の推移を表でまとめた。やっぱり、企業の売らんかなの広告は、プリントやTVの伝統メディアだけではなくて、オンラインメディアになっても、消費者はあまり信頼しないようである。

NielsenAd200720092011.jpg

◇参考
・Advertising: The trust Factor(Monday Note)
・Nielsen: Global Consumers' Trust in 'Earned' Advertising Grows in Importance(Nielsen)
・Global Advertising: Consumers Trust Real Friends and Virtual Strangers the Most(Nielsen)
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2012年04月19日

米インターネット広告が再び上昇気流に

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 米国のインターネット広告売上が2011年には317億ドルに達し、前年比22%増と再び上昇気流に乗ってきた。米IAB(the Interactive Advertising Bureau とPwC( Pricewaterhouse Coopers)が発表した恒例のレポートによると、米国のインターネット広告はリーマンショック以降の一時の落ち込みから完全に脱し、再びCAGR(年平均成長率)20.3%の高度成長に復活してきた。

 最初のグラフは、年間広告売上高(単位10億ドル)の推移である。2002年からのCAGRが20.3%となっている。
IAB2011a.jpg


 次は四半期単位のインターネット広告売上高の推移を、1996年から2011年までグラフ表示している。インターネット広告売上が落ち込んだのは、ネットバブル崩壊の2001年-2002年とリーマンショックによる世界大不況の2009年であったが、それ以外は少々の不況に見舞われても、インターネット広告は成長続けてきた。

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 インターネット広告のフォーマット(カテゴリー)別のシェアである。検索関連広告が米国では相変わらず強い。時代はサーチからソーシャルと言われているが、トレンドはそうかもしれないが、実際にはユーザーは検索に頼ることが多い。広告市場の将来予測でも、検索広告のシェアは当分大きく変わりそうもない。グーグルがまだまだ安泰ということか。

IAB2011d.jpg

 フォーマット(カテゴリー)別のシェアの推移を示す。検索広告のシェアは減ってきているのではなくて、微増してきているのが興味深い。それに見逃せないのは、米国では出遅れ感のあったモバイル広告が2011年に16億ドルと急増したことだ。これは前年比150%でロケット発進した。

IAB2011f.jpg


 メディア別の広告売上は次のようになっている。BroadcastとCableを合わせたTV広告売上高は約700億ドルと圧倒的なシェアを確保しており、米国市場でインターネット広告がTV広告に追いつくのは数年先か。でもインターネット広告はCAGR20.3%の急成長を続けており、追い抜いた新聞広告や雑誌広告との差をどんどん離している。

IAB2011g.jpg

 メディア別広告売上の推移を見て悲しいのは、新聞広告の落下があまりにも激しすぎることである。新聞紙広告が2011年に前年比9.2%減となったのは仕方ないにしても、底上げを期待した新聞紙サイトのインタネット広告売上が2011年に前年比でわずか6.8%増とあまりにも低い伸び率であった。今回のIABの調査結果では、米国のインターネット広告が前年比22%増と高成長しているのに対し、6.8%は低すぎる。新聞紙サイトの広告メディア価値が相対的に低下しているのだろう。
 
IAB2011h.jpg

◇参考
・Internet Ad Revenues Hit $31 Billion in 2011, Historic High Up 22% Over 2010 Record-Breaking Numbers(IAB)
・IAB Internet Advertising Revenue Report:2011 Full Year Results (IAB)
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posted by 田中善一郎 at 11:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2011年09月05日

米新聞の広告売上高、20四半期連続して前年同期割れ

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 米新聞社の2011年第2四半期広告売上高が59億ドルと、前年同期比で6.9%減と相変わらずのマイナス成長となった。この結果、四半期の新聞広告(プリント広告+ネット広告)売上高はなんと20期連続して前年同期割れを続けたことになる。つまり5年の間も落ち続けたことになる。広告売上に大きく依存する米新聞社にとって、とんでもない状況に陥っているのだ。

 NAA(the Newspaper Association of America)の発表データをもとに、四半期広告売上高の増減率の推移を以下のグラフで示す。プリント(新聞紙)広告にネット(オンライン)広告を加えた総広告売上高の増減率の推移を、緑色の折れ線グラフで示す。プリント広告売上高(赤の折れ線グラフ)の増減率とほぼ同じ推移となっているのは、これまで総広告売上高の大半がプリント広告で占められていたからである。この1年半近く、ネット広告売上高は10%前後の成長率に復活してきたが、逆に売上高比率がまだまだ低いため、プリント広告の落ち込み分を補えていない。

*米新聞の四半期別広告売上高の増減率(前年同期比)。
2006年第1四半期から2011年第2四半期まで。
USNewsAdPrintOnline2011q2.jpg

 次に、第2四半期の新聞広告売上高の推移をグラフ表示する。プリント広告売上高が、この5年間で半分以下に急減している。それに合せて、全広告売上高も半分以下に落ち込んだ(06年Q2の124億ドルから11年Q2の56億ドル)。 

*米新聞の広告売上高の推移(2006-2011年第2四半期),新聞広告=プリント広告+ネット広告,単位:100万ドル
USnewsAd2011Q2.jpg

 プリント広告の回復はあまり期待できないので、今後はネット広告に牽引してもらいたのだが。しばらく2桁台(10%台)の成長率を期待したかったのだが、息切れしたのか8%に落ちている。ネット(オンライン)広告がソーシャルメディアに流れているせいかもしれない。


◇参考
・NAA: Newspapers Have Had 20 Quarters Of Consecutive Ad Rev Declines(paidContent.org)
・米国のニュースサイト、新聞サイトはトップ10に3サイト(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 00:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2011年07月21日

フェイスブックのブランド広告が爆発的に急増

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 フェイスブックのブランド広告が爆発的に増えている。フェイスブック広告マーケティング会社の英TBG Digitalによると、2011年第2四半期のブランド広告は同第1四半期に比べ104%も増え、1年前の同時期に比べると19倍にもなったという。企業ブランドのFacebook Pageを新設する会社が続々と生まれているのであろう。

 TBGのレポート「 Global Facebook Advertising Report for Q2 2011」は、2011年第2四半期における同社のクライアント167社(21ヵ国)の2000億インプレッションを分析した結果である。

 企業ブランドのFacebook Pageは、企業のファンを増やすためのブランドキャンペーンの場である。下のグラフは、Facebook Pageでの企業キャンペーンの効果が高まっていることを示している。第2四半期では、企業におけるキャンペーンでFacebook Pageのインプレッション数が約半分を占めるようになっている。

FaceBookAdTBG201106.jpg


 企業ブランドのFacebook Pageにおけるコンバージョン率とClick Through Rates (CTR)は、当然のようにファンとノンファンとでは大きく異なる。ターゲティングされたファンのコンバージョン率とCTRが、ノンファンに比べどれくらい増えるかを示したのが次のグラフである。イベント、登録、それに販売別に調べている。ターゲティングされた既存のファンによるキャンペーンコンバージョン率は、平均して435%もアップしている。

FaceBookAdTBG201106a.jpg


 次は、TBGが扱っているトップ6分野のインプレション数の推移を示している。過去1年間を示しているが、やはりRetail分野が急激に増えている。2011年第2四半期には、Retail分野が同社の扱う総インプレッション数の36%も占めた。またCTRもRetail分野がトップで、次いでArts&Entertainment分野、Food&Drink分野が続いた。

FaceBookAdTBG201106b.jpg


 TBGはフェイスブック広告のマーケティング会社であるので、レポートではフェイスブック広告を推し進める形になっている。ただ、Facebook Pageが活況を呈し始めているのは間違いない。 企業/商品ブランドのキャンペーンで先行してFacebook Pageを活用しているトップ10を以下に掲げる。これは、Famecountのデータである。

FacebookFanPage20110720.jpg

 コカコーラのように3250万人のファンを抱えるFacebook Pageでも、休むことなくファン数を増やし続けている。過去1ヶ月間だけでも140万人も増やしているのだ。「好きよ(like)」と言ってくれるファンを相手にターゲティング広告の人気が高まっているが、それに応じて、Financial Timeの記事によると、フェイスブックの広告料金(cost per click)がこの1年間で74%も高騰しているという。


◇参考
・Global Facebook Advertising Report、Q2 2011(TBG Digital)
・Facebook’s Sponsored Stories will decrease your CPA in ads by 32%(The Next Web)
・Number of Fan acquisition ad campaigns on Facebook up 1900% YoY(BizReport)
・Facebook ad prices soar more than 74%(Financial Times)
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2011年06月10日

米ネット広告は完全復活だが成長率は今がピーク、モバイル広告の割合は意外と低い

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 米国の今年(2011年)のインターネット広告費は、前年比20.2%増の313億ドルに達する。米eMarketerの予測である。 the Interactive Advertising Bureau (IAB)が発表した2011年第1四半期の広告売上高からも裏付けされるように、今年の米国のインターネット広告売上は20%前後の成長率を実現しそうだ。

 eMarketerでは今回、2015年までのインターネット広告費の推移を占っている。ここで少し意外であったのは、年間成長率が今年がピークであることだ。以下のグラフのように、年々、成長率は少しずつ小さくなっており、2015年には8.8%と1桁台に落ち込む。もう数年前のような30%前後の高度成長は戻ってこない。


USAdeMarketer20102015.jpg

 また興味深い動きとしては、ディスプレイ広告費が検索広告費を2015年にも抜きそうなことである。数年前までディスプレイ広告費が伸び悩み、一方で検索広告が順調に増えてきていた。そのため、米国のインタネット広告市場の特徴は、検索広告の割合が高いことであった。それが、以下のグラフのように逆転しそうなのは、ビデオのディスプレイ広告が急増すると見ているからである。

USAdeMarketerDisplaySearch201106.jpg

 ディスプレイ広告に含まれるビデオ広告は、2011年が21.6億ドルと前年比で52.1%も急増する。下表のように高度成長が続き2015年には71.1億ドルに膨れ上がると予測されている。ビデオ広告のお陰で、ディスプレイ広告は比較的高い成長率を維持しそうである。逆に検索広告はやや伸びなむことになりそう。今年の検索広告は前年比19.8%も増えるのだが、全体のインターネット広告費の伸び率より低いため、全インターネット広告費のうち検索広告費の占める割合は、昨年の46.1%から今年は45.9%に落ちそうである。

USOnlineAdFormatGrowth.jpg

 今回のインターネット広告費の予測で不満なのは、モバイル広告費の内訳が示されていないことである。ただしeMarketerからは、昨年、以下のようなモバイル広告費の予測が出ていた。

USMobileAdeMarketer.jpg

 そこで、インターネット広告費のなかで、モバイル広告費の割合をはじいてみた。その結果は次の通り。

2010年:2.85%
2011年:3.52%
2012年:4.08%
2013年:4.94%
2014年:5.60%

 モバイル広告費の割合が非常に低い。確かにこれまで米国はモバイル後進国であったが、驚くのは2014年に至っても、5.6%と低く見積もっていることである。スマートフォンとかタブレットのモバイル装置がこれほど活況を呈し始めているのに、もう少し強気な予測を立ててもよいのに。

 ちなみに、「電通 2010年日本の広告費」によると、日本のインターネット広告費(2010年)は7747億円で、そのうちモバイル広告費は1201億円となっている。2010年時点でも、モバイル広告費の割合は15.5%である。いまのPCからスマートフォンへのシフトが加速化している状況からすれば、2014年には日本のモバイル広告費比率は30%前後に達しているのでは。


◇参考
・Online Advertising Market Poised to Grow 20% in 2011(eMarketer)
・Online advertising explodes to $31B, but publishers getting squeezed?(VentureBeat)
・Number of U.S. Mobile Display Advertisers More than Doubles in Past Two Years(comScore)
・Quick Stat: US Mobile Ad Spending Expected to Break $1 Billion This Year(eMarketer)
・電通 2010年日本の広告費(pdf)
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2011年05月28日

米国のインターネット広告売上、再び上昇気流に乗る

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 米国のインターネット広告が完全に調子を戻してきた。 the Interactive Advertising Bureau (IAB) と PricewaterhouseCoopers (PwC)の調査によると、2011年第1四半期(1月ー3月)のネット広告売上高が73億ドルに達し、前年同時期に比べ23%もアップした。

●米インターネット広告の四半期売上高と前年同期比(売上高の単位:100万ドル)
IAB2011Q1List.jpg

 リーマン・ショック以降の広告大不況により、さすがのインターネット広告も2009年にマイナス成長に落っこちた。だが2009年第4四半期に早々とプラスに転じ、2010年以降は以下のグラフのように一気に上昇気流に乗り、広告メディアの牽引役を演じている。

●米インターネット広告売上高の前年同期比の推移(2008年Q1〜2011年Q1)
IABqAdRatio.jpg

 インターネット広告売上高の推移を1999年から振り返ってみる。これまでインターネット広告は大きな危機に2回ほど見舞われた。2001年のネットバブル崩壊と2008年後半からの金融危機に発する不況である。高度成長が当たり前のインターネット広告もマイナス成長に陥ったが、いずれも比較的早くたくましい復活ぶりを示している。

●米インターネット広告売上高(四半期単位)の推移(1999年Q1〜2011年Q1)
IABNetAd2011Q1.jpg


◇参考
・Internet Advertising Revenues Hit $7.3 Billion in Q1 ’11
Highest First-Quarter Revenue Level on Record According to IAB and PwC
(IAB)
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posted by 田中善一郎 at 14:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2011年05月27日

大物セレブや映画会社、旬のソーシャルゲームでファンとの交流を

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 TwitterやFacebook、YouTubeなどのソーシャルメディアを活用したマーケティング手法が定着してきているが、その中で注目を浴びているのがソーシャルゲームを舞台にしたプロモーションである。大手映画会社や大物タレントまでが次々と、アクティブユーザーを多く抱えた人気ソーシャルゲームと手を組んで、ファンとの交流に力を入れ出している。

 この1〜2週間だけでも、大きな動きが目立った。DreamWorks Animation, Paramount PicturesとZyngaが組んで、Zyngaのソーシャルゲーム「CityVille」内にアイテムを用意して、5月26日に封切る3Dアニメ映画「Kung Fu Panda 2」のプロモーションを実施している。CityVilleはDAU (daily active users)が1865万人で MAU (monthly active users)が9000万人を超えるFacebook上の最も人気の高いアプリケーションである。その多くのアクティブユーザーに向けて5月31日まで期間限定のプロモーションを仕掛ける。プレイヤーは映画に出てくるキャラクターなどのアイテムを獲得できる。

CityVilleKungFuPanda.jpg

 つい最近Forbes選出のトップセレブに登りつめたLady GagaもZyngaと組み、ソーシャルゲーム「FirmVille」内に特設の農場GagaVilleを立ち上げた。GagaVilleでプレーするユーザーは、5月17日から19日までのうちの1日だけ、彼女の新アルバム“Born This Way”から未リリースの新曲を特別にいち早く聴くことができる。GagaVille内では、彼女らしいキンキンギラギラしたアイテムや奇妙な動物が現れるようだ。Gagaプロモーションは5月26日まで。

GagaVille.jpg


 英国で超人気の若いシェフJamie Oliverは、Playfish(EA傘下)のソーシャルゲーム「Restaurant City」と連携する。Jamie Oliverは英国ではよく知られているセレブシェフで 'Food Revolution' のスターでもある。Restaurant Cityを楽しむプレイヤーは4週間、バーチャルレストランのオーナーとしてFarfalle Carbonara, Asparagus Fettuccine, Basil Pesto Pastaそして Meatball PastaといったJamie Oliverブランドのレシピにアクセスでき、レシピの料理法をマスターできるようになっている。実生活にも活かされる。彼は自分のブランドを高めるためにソーシャルゲームを利用しているが、同時に彼の人気ABCショーで推し進めている健康的な食事習慣をゲーム内でも勧めている。バーチャルな世界で彼のレシピを通して、ゲームコミュニティー内のユーザーがリアルの生活に刺激をもたらせると、彼は期待している。

JamieOliverRestaurantCity.jpg

 ここで紹介したソーシャルゲームはいずれもFacebook上のアプリでもあるが、それぞれのDAUは次の通り(AppDataより)
FacebookGameRanking.jpg



◇参考
・Films and Celebs Go Gaga for Casual Games(ClickZ)
・"Kung Fu Panda 2" teams with CityVille(Reuters)
・Lady Gaga, Zynga Set to Launch 'GagaVille'(PCMAG)
・Lady Gaga – Welcome to GagaVille! Let’s play(WakeyWakeyNews)
・Jamie Oliver brings the food revolution to Restaurant City on Facebook
(games.com)

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2011年02月27日

米新聞から嫌われる「Craigslist」、iPadアプリ市場に早くも進出

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 米新聞を陥れた元凶は、マードックに言わせるとGoogleになるが、少し前まで新聞社がこぞって眼の敵にしていたのはCraigslistであった。新聞紙広告の主要カテゴリーであったクラシファイド広告(案内広告)が、Craigslistに代表されるオンラインのクラシファイド広告(案内広告)サイトに奪い取られていったからだ。

 Craigslistは世界の主要都市向けのサイトを用意し、クラシファイド広告の多くを無料で掲載させたものだから、新聞紙に出稿していたクラシファイド広告主がこぞってCraigslistサイトに乗り換えてきたのだ。その惨たんたる結果が、米新聞協会のデータからも読み取れる。

USNewspaperClassifiedAd2009.jpg

 例えば2000年には、全新聞紙広告の約40%となる196億ドルものクラシファイド広告収入を得ていた。販売売上も含んだ新聞の全売上の約30%をクラシファイド広告が占めていたのだ。ところが、21世紀に入ってからは急激に減り始め、この3年近くは底なしの下落である。2009年には62億ドル弱と、2000年当時の3分の1以下になった。

 米国の新聞社は、活路をiPad向けなどの電子新聞に期待せざるを得ない状況に追い込まれている。ところが早々と、Craigslistのクラシファイド広告がLifelike Apps社のiPadアプリで手軽に読むことができるようになった。Lifelike Craig HD - Craigslist for iPadと称するアプリをiPadにダウンロードしておけば、所望の都市向けの最新のクラシファイド広告をいつでも閲覧できる。このアプリの価格は1.99ドルである。

LifelikeCraig.jpg

 そこで、実際に試してみた。日本からは、230円でアプリを購入できる。

CraigslistiPad01.jpg

 画面は、パソコン上のCraigslistとほとんど同じと思われる。クラシファイド広告のカテゴリー分けも同じ。

CraigslistiPad02.jpg

 世界中をカバーしている。

CraigslistiPad03.jpg

 米国のボストンを選択する。

CraigslistiPad04.jpg

 housing(apts / housing)でアパートを探してみる。

CraigslistiPad05.jpg

 適当に選んでみると、次のようになる。

CraigslistiPad06.jpg

 特に驚くことはないのだが、新しい土地に引っ越した場合などに、iPadを片手に、Lifelike Craig HDやGoogle Mapsを駆使すれば、効率よくいろんな引越しに時の作業が済ませそうだ。


◇参考
・Lifelike Craig For iPad Turns Craigslist Into Traditional Classified Ads(geekhsugar)
・iPad App Turns Craigslist into a Newspaper(Daily News)

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2010年10月17日

iPhoneなどのモバイルアプリの収益源、中心が広告売上からバーチャルグッズ売上へ

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 モバイル広告売上からバーチャルグッヅ売上へ。モバイルアプリの調査会社Flurryによると、iOSプラットフォームでのモバイルアプリの収益源の中心が、広告売上からアプリ内のバーチャルグッズ売上に大きくシフトしている

 以下のグラフで見る限りでは、2009年末まで広告売上に大きく依存していた。それが、今年2月以降はユーザー1人当たりの広告売上(広告ARPU)がフラットになる一方で、ユーザー1人当たりのバーチャルグッズ売上(販売ARPU)が急増した。最新の9月データでは、販売ARPUが広告ARPUの8倍にも達している。

AdToVirtualGoodsSales.jpg

 上のグラフの2010年9月では、月間の広告ARPUが約1ドルで、販売ARPUが8ドルとなっている。ちょっと数値が大きすぎるのでは。


◇参考
・Madison Avenue and the Land of Make Believe(Flurry)
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posted by 田中善一郎 at 00:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2010年10月13日

ネット広告が再び上昇気流に、ただしCPM広告の売上シェアは下降の一途

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 米国のインターネット広告市場が再び上昇気流に乗ってきた。The Interactive Advertising Bureau (IAB) と米 PwCがまとめた「the IAB Internet Advertising Revenue Report(2010年上期)」によると、2010年第2四半期のインターネット広告売上げが61.9億ドルと、前年同期比で13.9%も大幅にアップした。

 第2四半期の広告売上を、2000年以降プロットしたのが次のグラフである。

AdRevGrowth20002010Q2.jpg

 次は年間の広告売上をプロットしたグラフである。今年(2010年)の広告売上には下期の予測値を加えている。昨年沈んだインターネット広告は、今年に入って大幅に回復し、過去最大の売上高を達成するだろう。

AdRevGrowth20002010.jpg

 四半期別の広告売上は、次のように3期(2009年Q1〜2009年Q3)連続してマイナス成長であったが、その後プラス成長に転じており、上昇気流に乗ったと見てよさそうだ。
2009年Q1:-5%
2009年Q2:-5%
2009年Q3:-6%
2009年Q4:+3%
2010年Q1:+9%
2010年Q2:+14%
 ちなみに2001年から2002年のネットバブル崩壊期には、8期(2001年Q1〜2002年Q4)も連続して四半期広告売上のマイナス成長が続いた。


 今回のIABのレポートで興味深かったグラフを2点、紹介する。一つは、ネット広告のタイプ別のシェアがどのように推移しているかを示したグラフである。検索広告のシェアが45%を超え、相変わらず人気が高い。Googleはまだまだ安泰ということか。クラシファイド広告のシェアが減り始めているのも気になる動きである。

AdRevShare20101H.jpg

 次は、広告料金モデルをパフォーマンスベースとCPM(インプレッションベース)とに分けた場合、それぞれの広告売上シェアの推移を示したグラフである。検索広告が安定して伸びてきていることからもわかるように、パフォーマンスに応じた料金モデルの勢いが増す一方である。逆にCPM(インプレッションベース)広告のシェアは年々減り続けている。この1年間のシェア変化も大きい。インプレッションベース広告は09年Q2に38%であったのが2010年Q2には35%に落っこちた。一方パフォーマンスベース広告は58%から61%に上昇した。いつまでもページビュー神話に頼っているようでは・・・。

AdRevCPMPerfomance.jpg



◇参考
・Internet Ad Revenues Break Records, Climb to More Than $12 Billion for First Half of ’10(IAB)
・IAB Internet Advertising Revenue Report conducted by PricewaterhouseCoopers (PWC)(IAB)

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posted by 田中善一郎 at 23:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
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