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2008年12月09日

米ホリデーシーズンのEC売上,12月に入って盛り返す

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 ホリデーシーズンのEC売上げが,12月に入って盛り返している。

 異常なまでの景気後退で,米国のオンラインECの売上げも大幅に落ち込むことが懸念されていた。やはり11月末近くまではゼロ成長であったが,例年の成長に比べて低いものの,12月に入って勢いが出てきた。comScoreの調査によると,12月1日の売上げが前年比15%増と活況を呈した。12月1日から5日まででも,以下のように前年比9%増と,心配したほどの低成長ではなかった。

HolodaySeasonECcomscore2008b.jpg

HolodaySeasonECcomscore2008a.jpg

 ユニークビジター数あるいは売上げの前年比から見た,勝ち組と負け組は次の通り。


*勝ち組
Amazon (AMZN), visitors +10%
Wal-Mart (WMT),visitors +7%
Apple (AAPL), visitors +29%
Consumer electronics, visitors +24%
Video games, visitors +9%


*負け組
eBay (EBAY),visitors -9%
Dell (DELL), visitors -17%
Jewelry, sales - 22%
Music, movies, and videos, sales -24%



◇参考
・Holiday E-Commerce Season Sales Finally Match Last Year as Two Workdays this Past Week Each Surpass $800 Million in Online Spending(comScore,プレスリリース)
・E-Commerce Picking Up In December After Terrible November(Silicon Allay Insider)



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posted by 田中善一郎 at 07:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年12月03日

バイラルビデオ・マーケティングの定番サイトはここ

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 Nokia(ノキア)のバイラルビデオが話題になっているので覗いてみた。伝説の俳優ブルース・ーリがヌンチャクをラケット代わりに使って,卓球の試合に登場しているビデオである。

 

 こうしたバイラルビデオの企業活用は定着しているが,口コミでどのように伝播しているかを定量的に調べるには,Viral Video Chartが手軽である。これは,バイラルビデオ・マーケティングの定番サイトとして知られている。

 そのサイトで,ブルース・ーリ出演のバイラルビデオ(Nokia N96 - Bruce Lee Ping Pong)のマーケティングデータを調べてみた。

ViralVideoMmarketingDataNokia0812.jpg

 アップしてから2週間で150万回閲覧されており,396ブログで取り上げられ,2022コメントが寄せられている。アップしてから1週間後がピークとなっていた。

 言語別には,英語圏が46%でスペイン語圏が24%で,ポルトガル語圏が12%となっている。ブルース・リーはラテン系の人には,いまだに人気が高いのかも。でも,一番多いはずの中国語圏が計数されていないのはどうしてか。中国では測定できないためか。


 広告や販促にバイラルビデオを企画・開発している人には,同サイトのAds and Commercials(7days,30days, 356days)が役に立つ。最近の7 日間, 30 日間,あるいは 365 日間のランキングが示されている。また分野別(Brand Verticals)も便利だ。以下の分野別に,バイラルビデオのランキングが得られる。

Alcohol, Apparel, Automotive ,Beverages, Computer Hardware ,Computer Software, Consumer Electronics ,Financial Services, Food, Internet Services, Luxury, Personal Care and Remedies ,Retail, Restaurants, Sporting Goods, Telecoms, Energy and Transportation

 例えば最近1ヶ月間におけるアルコール分野の人気バイラルビデオは,Alcohol: Top 20 Viral Videosでどうぞ。米国ではアルコール飲料のテレビCMに厳しい規制が課せられるので,YouTubeなどの動画サイトにバイラルビデオをアップするのが盛んだ。米国ではプロ野球選手がアルコール飲料のテレビCMに出演することはない。でも日本では松坂大輔や松井秀喜もテレビCMに登場しビールを飲んだりしているので,バイラルビデオに頼らなくてもいいのかも。



◇参考
・Bruce Lee plays ping pong, own style, for Nokia(Adverblog)
タグ:ビデオ 広告

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posted by 田中善一郎 at 07:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年11月27日

テクノロジー分野の垂直型アドネット,NetShelterがトップに躍り出る

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NetShelter.jpg

 テクノロジー(技術)分野サイトのトップにNetShelterが躍り出た(Mediaweekより)。

 comScoreのユニークユーザー調査(10月データ)によると,NetShelterの月間ユニークユーザー(UU)数が1525.6万人となり,1506.1万人のCNETを追い抜き,技術分野サイトのトップの座に登りつめた。CNET, IDG, Yahoo Tech, SourceForge ,CMPのいずれのサイトよりもUU数が多いが,NetShelterの場合はアドネットワークに加わっている150サイトの総UU数である。昨年夏に女性向けサイトのアドネットワークGlamが,女性向け専用サイトiVillageを追い抜いた状況とよく似ている。

 NetShelterはマーケット支援を売り物にしたアドネットワークである。次の5分野別にテクノロジー専門サイトが参加している。たとえば,IS/IT Managment分野では41サイトが加わっている。

1.IS/IT Managment
2.Consumer Electronics
・Apple / Mac / iPod
・Digital Lifestyle / Home Entertainment
・Digital Camera / Photography
・Laptop / Notebook
3.Mobile
4.Developer
5.Games

 今年の第4四半期には前年同期比で100%増の売上を見込んでいるという。また,TopTechGiftsのような特設サイトを立ち上げたりしている。

TopTechGifts.jpg


◇参考
・Tech Ad Net Tops the Mighty CNET(Mediaweek)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 09:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年11月25日

女性向けサイトGlamの日本語版が開設,大手出版社がアドネットに参加

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GlamJapan.jpg

 Glam Media(グラムメディア)が,女性向けサイトGlamの日本語版を11月25日に開設する。

 すでに,GlamMedia:グラムメディア・ジャパン(http://jp.glammedia.com/)とGlam(http://www.glam.jp/)が立ち上がっている。上のスクリーンショットは発表前日(24日)のGlamのトップページである。

 Glam(グラム)は女性向けサイトを束ねたアドネットワーク。同時にコンテンツネットワークの役割も果たしている。ネットワークには,雑誌社サイト,女性向け専門サイト,ブログなどのパブリッシャーが加入する。

 2003年に設立されたGlam Mediaは,2005年9月19日に最初のGlam.comを米国で立ち上げる(同社プレスリリース)。その後,2006年頃からすごい勢いで成長し始め,2007年夏にはユニークユーザー数で女性サイトの定番iVillageを抜き去り,ナンバーワンサイトになったと宣言した(ただしGlamのユニークユーザー数には,加入パブリッシャーサイトすべてのユーザー数も加算している)。

 今年に入って,海外進出に着手。英国版とドイツ版を開設し,そして年末に日本上陸となったわけだ。米国内からの月間ユニークユーザー数が5664万人(comScoreの10月データ)となっており,米サイトのトップ10に入っている。

●comScore Top 50 Properties (U.S.),October 2008
Total U.S. - Home, Work and University Locations

comScore0810Glam.jpg
(ソース:comScore)

 日本国内でも,Glam Mediaが運営するGlamサイトを中核に,ネットワークに加入している外部のパブリッシャーサイトと連携することになる。各パブリッシャーサイトは広告掲載枠を提供し,それに応えてGlam Mediaは営業で取ってきた広告をその広告掲載枠に配信することになる。Glam Mediaの専任営業スタッフが広告主から高単価の広告依頼を受け,それをパブリッシャーサイトの広告枠に絶えず埋めていけるかどうかが勝負となる。広告メニューについてはこちらを参照。

 開業時にGlamネットワークに加わっているパブリッシャーは約30サイトである。小学館,日経BP社,講談社,集英社,光文社、主婦の友などの雑誌社,カフェグローブ・ドット・コムなどのオンライン専業社,それにフジテレビジョン,ベネッセコーポレーションなどである。一方広告主としては,フェンディ ジャパン,メイベリンニューヨーク(日本ロレアル),MHDディアジオ モエ ヘネシー、全日本空輸が名を連ねている。

GlamJPPartner.jpg


 Glamサイトはパブリッシャーサイトのポータル的な役割も課せられる。つまり加入パブリッシャーサイトにトラフィックを誘導するための仕掛けが必要である。編集能力が問われる。Glamサイトではまず,ファッション,ビューティー,ジュエリー&ウオッチの3カテゴリーのコンテンツを提供する。またオープニングキャンペーンとして、世界5都市(ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ミラノ、東京)のグラムエディターが選んだアイテム全50点を、ユーザーにプレゼントする。


 Glam Mediaには謎が多い。このため,米国ではGlamを絶賛するブログがある一方で,詐欺師とこき下ろすブログも少なくない。資金調達時に投資家へ,今年の年間売上1億ドル(1億5000万ドルの説も)を達成すると約束したとも言われている。まもなく,その結果が明らかになろう。(こちらを参照)

 その目標達成のためか,最近Glamは,全従業員200人の7%に相当する14人をレイオフしたようだ。いずれも営業スタッフと言われている。また今月上旬に入って同社は,パブリッシャーへの支払いを60日〜90日から120日に延長した。景気減速が,垂直型アドネットワーク事業にも悪影響を及ぼしているのだろう。

 ともかく厳しい状況下での旗揚げだが,国内で初めての本格的な垂直型アドネットワークであるだけに,日本のオンライン広告市場に新風を吹き込んでもらいたい。



◇参考
・11.25 グラムメディア国内サービス開始:ユーザー向けに世界5都市からのプレゼントキャンペーン同時開催 (プレスリリース)
・奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ(メディア・パブ)
・奇跡の女性サイト“Glam”(2),真の世界一へこれからが正念場(メディア・パブ)
・Glam Lays Off 14, Reorgs Sales Team(Silicon Alley Insider)
・Glam Media Blames Economy, Slows Down Payments To Publishers:Glam Media、経済環境悪化にかこつけて配信パートナーへの支払いサイクルを延長(TechCrunch)
・カフェグローブ・ドット・コム、女性向け広告およびメディアネットワークを展開するグラムメディア・ジャパンと広告事業で全面提携(プレスリリース)
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posted by 田中善一郎 at 07:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年11月14日

米国の広告市場,回復は2010年以降との予測が

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深まる経済不況。市場予測の下方修正が相次ぐ。広告市場も例外ではない。

 Citigroupによると,米市場における総広告費の成長率は,今年(2008年)が1.8%減で来年(2009年)が3.6%減になるという。プリント,放送,インターネットを含む全メディアの広告費の総計が,今年も来年も前年割れするとの予測である。同社はこれまで,今年は0.2%増,来年は0.3%増と見ていたが,ここにきて下方修正したのである。今年は北京オリンピックと大統領選の特需があったものの,ローカルおよび全米の広告メディアの広告費が予想以上にひどい落ち込みを示している。個人消費も減速しており,米国の広告市場は1950年代以降で最も厳しいマイナス成長時代を迎えそうだ。

 際立って悲惨な広告メディアは,いつものように新聞だ。今年は前年比16.3%減で,来年は同12.5%減とCitigroupは占っている。インターネット広告は今年は同11.4%増となんとか2桁成長を維持したが,来年は同5.8%増とかなりスローダウンするとのことだ。


◇参考
・Advertising Industry May Not Recover Until 2010, Citigroup Says (Bloomberg.com)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 07:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年11月13日

オンライン広告市場のトレンドが俯瞰できるグラフ

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 Morgan Stanleyが発表したプレゼン資料“Technology/Internet Trends”を,Gawkerの Nick Dentonが紹介してくれている。Web2.0 Summit(2008年11月5日,Sun Francisco)で使われた資料である。

 米国のインターネットトレンドをまとめている。トレンドそのものはわかっていても,この資料のように定量的に示してくれていると役立つ。ウィジェットの形で提供されているので,下に貼り付けておいた。

Mary Meeker Web 2.0 Presentation
View SlideShare presentation or Upload your own. (tags: trends web)


 上のプレゼン資料から,オンライン広告関連を中心にいくつかのページを以下に。

 最初は,米国における広告市場の成長率の推移。メディア別に示されている。高成長を続けていたインターネット広告も成長率が鈍化し始めている。来年にかけて冷え込みそう。 

MorganAdGrothRate0811.jpg


 次は,リテール市場のトレンド。Eコマース(インターネットリテール)も成長率が鈍化してきている。

MorganRetailGrouth0811.jpg


 広告費とGDPとの関係は次の通り。広告市場が景気に大きく影響を受けている。

MorganAdGDP0811.jpg


 GDP(real GDP)の浮き沈みにバイアスがかかった形で,広告市場が大ブレしている。特にReal GDPがマイナスになった時,つまり今年や来年は,広告市場が悲惨なことになる恐れがある。

MorganAdGrothAnalysis0811.jpg

 次は、参考までに,ポータルサイトとソーシャルサイト(YouTubeやFacebook)の勢いの差を見せつけるグラフ。

MorganGlovalShare0811.jpg


 ソーシャルサイトの台頭により,インプレションのインフレが起こり,次のように広告CPMが下降線を辿っている。

MorganAdSupplyDemand0811.jpg


◇参考
・A 2009 Internet Media Plan(Nick Denton)
・How Low Will Online Ads Go? Lower, Says J.P. Morgan. Very, Very Low, Says Gawker’s Nick Denton(All Things D)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 09:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年11月10日

旅行サイトのアドネット“TAN”,オンマップ広告を採用

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  旅行サイトを束ねた垂直型アドネットークTravel Ad Network (TAN)が,オンマップ広告を採用する。

 インターネットで旅行の計画を立てたりする時,ネット上のマップ(地図)を見ながら調べることが多い。その地図上に,利用する状況に合わせて広告を掲載することは,効果的であろう。特定の観光地をズームアップするユーザーに対しては,その場所にあるホテルやレストランなどの広告を掲載すればよい。

Mapvertising0811.jpg

 TANでは,Lat49のシステムを用いて,マップ上の掲載を始める。 こうした広告を"Mapvertising" というそうな。TANに加わっている旅行サイトに登場することになる。単なるバナー広告に比べ,マップ上広告の方が広告単価をアップできると期待している。

 旅行サイトのランキングを以下に示す。comScoreのデータによる,月間ユニークユーザー(UU)数の多い順である。Travel Ad Network (TAN)の場合は,アドネットワークに加わっているサイトのUU数の合計である。これは,2008年3月のデーターであるが,その後加入サイトも増え,TANのUU数は月間2500万人である。他も増えているので,現在もTANは3位のようだ。

TAN0811.jpg
単位:1000(ソース:TAN)

 現在TANには,200以上の旅行サイトが加盟している。LonelyPlanet, Rand McNally, FlightView, Viator, Rough Guides, EuropeForVisitors.com, HotelsByCity などが仲間入りしている。

 代表的な広告主は,American Express,Best Western,Herz,VISA,Hilton Hotel,CitiCards,Appleなどである。


◇参考
・Travel Ad Network Launches "Mapvertising" in Partnership With Lat49(プレスリリース)
・Travel Ad Network Approaches 25 Million Global Uniques With Addition of Maps.com(MarketWatch)
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posted by 田中善一郎 at 08:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年10月30日

ユーザー作成のビデオ広告,スーパーボウル向け広告で100万ドル賞金をゲットできるかも

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  ユーザー作成のビデオ広告が,オンラインやTV放送のコマーシャルとしてちょっとしたブームになってきた。

  NYTimes.comで,ユーザー作成ビデオ広告でひと儲けした人の成功話が紹介されていた。その人の名はJoel Moss Levinson(28才)。彼は失敗を重ねながら多くの職を渡り歩き,大学も中退した人だそうだが,現在は家庭用ビデオカメラで撮った動画広告で数々のコンテストで賞を獲得し,20万ドル以上も稼いだという。

  まず作品を。最初はKlondike Video Contest で10万ドルの賞金を得た時の受賞作品。Klondikeのスナックバーの広告用ビデオである。

●Klondike Video Contest $100,000 Winning Video



 次は,SundiaのWatermelon Video Awardにエントリーした作品。

●Mr. Watermelon, Party Fruit



 次はHonda関連のコンテストにエントリーした作品。

●Honda of Bowie Rocks!



 彼の作品一覧(Joel Moss Levinson's YouTube Page)はこちらで。

 いずれもドタバタのコメディー風動画である。どうも米国の企業サイトでは,ユーザー参加型プロモーションの一環として,自社製品を取り上げたビデオ広告のコンテストが盛り上がってきているようだ。そのコンテストのエントリー作品を紹介することが,製品プロモーションになるし,優秀作品はテレビコマーシャルに採用したりする(Sundiaの例)。

 そして,TV広告の最高峰であるスーパーボウル広告にも,ユーザー作成ビデオが登場するかもしれない。Doritosは次のスーパーボウル(2009年2月3日)の間に UGC(user-generated commercial)を流す予定だ。優秀作品があれば,100万ドルを提供するという。


◇参考
・Finding a Gold Mine in Digital Ditties(NYTimes.com)
・Doritos Puts up $1 Million for Consumer-Created Doritos Commercial that Beats Seasoned...(Reuters)

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posted by 田中善一郎 at 11:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年10月29日

オンライン広告,不況にもかかわらず2桁成長を継続するかも

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 深刻な景気後退で,広告ビジネスの見通しもますます暗くなってきた。新聞,雑誌,TVのメディア広告は,今年から来年にかけてかなり厳しくなりそうだ。米国でも,そして日本においても。

 さらに頼みの綱のネット広告にも,最近,暗い話が次々と舞い込んでくる。広告価格が急落しているとか,ディスプレイ広告売上が下降線を描き始めたとか,コストをかけてユニークユーザー数を増やしたのに広告売上が伸びないとか・・・・。

 先ほど見つけたWSJの記事では,アドネットワークが苦戦している状況を伝えている。この2〜3年,アドネットワークは大ブームで,今や米国市場では300以上もが乱立している。期待の有望サービスとして,VCも競って出資してきた。そこで盛り上がっていると思いきや,不況の荒波を受けたのか,うまく離陸できないネットワークが多いようだ。

 例えば,JellyCloud(Redwood City, Calif.-based targeted ad network)は年初にVCから1150万ドルの資金を調達したのに,今月に入って倒産した。有力なAdBriteも最近,スタッフの40%をレイオフした。最大規模のアドネットワークであるPlatform-A(AOL)も陰りが見えているという。



 さて,たまにはこうした気の重い話から逃避したくなる。こういう時には,eMarketerの予測データを見ると元気づくかもしれない。ネット業界の期待に応えてか,やはり今回も,次のような一覧表を提供してくれている。

eMarketerAd20082009.JPG

 各調査会社が発表した米オンライン広告の成長率の一覧表である。ほとんどの調査会社は,2008年も2009年も2桁成長を予測している。eMarketer自身も8月に発表しており,それによると2008年のオンライン広告費は245億ドルで前年比17.4%増に,また2009年は285億ドルで前年比14.5%増になるようだ。前年までの30%前後の伸びに比べて鈍化しているが,これからの2年間は15%前後の伸びでしのいで,2010年以降に再び急成長できれば・・・。

 でも,これらの予測は楽観的との不安も。リーマン崩壊から始まった金融危機が広告予測にも影響しているはずだが,リーマンショック前に発表したデータだと,楽観的な予測になっていたかもしれない。しかし,10月の発表で15%前後を予測している調査会社も少なくないのでちょっと安心か。中にはThinkPanmureのように,2009年のオンライン広告売上は3%の成長に留まるとの厳しい予測を出す会社もいるが。

 ただはっきりしているのは,不況対策の広告費削減は新聞,雑誌,TVなどの伝統マスメディア広告が対象になっていることだ。ネット広告に対しても、以前に比べ厳しい費用対効果を突きつけられるだろう。単にページビューとかユニークユーザー数が多いだけでは広告主から相手にされなくなる。湯川さんが単行本「次世代マーケッティングプラットフォーム」で熱をこめて説いていおられるシナリオが,米市場では一気に進みそう。


◇参考
・Online Ad Spending Will Keep Growing(eMarketer)
・Shakeout Threatens to Thin Out Web-Ad Brokers(WSJ.com)
・ユニークユーザー数が増え続ける米ニュースサイト,だが新聞社には暗雲が(メディア・パブ)
・景気後退でオンライン広告価格も急下落(メディア・パブ)
・大変だ!ディスプレイ広告がこれから急減する(メディア・パブ)
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2008年10月26日

景気後退でオンライン広告価格も急下落

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 景気に連動するのが広告事業。景気が悪くなると広告価格が下落していく。好調だったオンライン広告も例外ではなくなってきた。価格が急降下してきたようだ。

 PubMatixが発表した"AdPriceIndex Q3 2008"レポートによると,四半期ごとのオンライン広告価格が次のように急落してきている。グラフの価格はePCM(effective Cost Per Mille:ページ表示1000回あたりの平均報酬額)に対応している。

・AdPriceAverageQ32008.jpg



◇参考
・PubMatic AdPrice Index Quarterly Report | Q3 2008(PubMatic)
・アドネットワーク選別で広告売上アップをめざす(メディア・パブ)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 23:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年10月21日

女性サイトネットワークのGlam,次は男性サイトネットワークを構築へ

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BrashHomepage0810.jpg

 女性サイトのアドネットワーク(+メディアネットワーク)で急拡大しているGlam Mediaが,次は男性サイトのネットワークBrash.comを立ち上げた。

 Brashは男性向けサイトのハブサイトである。コンテンツネットワークであるともに,アドネットワークを狙っているはずだ。ユーザーターゲットは18歳から49歳の男性で,彼らが関心を持ちそうなサイトとネットワークを組む。

 まず,ライフスタイル,エンターテインメント,テクノロジー関連のWebサイトやブログを仲間に入れる。現在,25サイトが入った。参加サイト例を以下に示す。

・ArtistDirect,
・DigitalTrends.com,
・eCoustics.com,
・InGameNowSeriousWheels.com
・MonstersandCritics.com

 スタート時のネットワークで,約1000万人にリーチできるという。またコンテンツとしては,次のサイトと提携する。
国内ニュース:Time.com
音楽ニュース:Rolling Stone
車のレビュー:TheCarConnection.com
技術情報: CNET

 カバー分野としては,次の5チャンネルを用意する。
・Men’s Lifestyle (Style, Fitness, Travel, Food & Drink), 
・Entertainment (Music, Movies, TV, Games),
・Tech (Audio, Gadgets, PC & Macs),
・Auto (Luxury, Sport, SUV, and Sedans),
・News (World, US, Politics & Tech).

BrashChannels.jpg

 いつものことだが,Glam Mediaは大風呂敷を広げる。comScore Media Metrixのデータによると,8月の米国でのユニークユーザー数が5229万人に達し,米国サイトのトップテンに入った。確かに凄そうである。でも一方でコストカット対策で,米国の社員12人(7%に相当)を9月に削減したばかりだ。また,景気後退でしばらくディスプレイ広告市場が厳しくなりそうなのに,こんな時期にアドネットワークを立ち上げるとは・・・・。


◇参考
・GLAM MEDIA LAUNCHES BRASH.COM NETWORK TO REVOLUTIONIZE DIGITAL BRAND ADVERTISING TARGETING MEN(プレスリリース)
・Glam about to launch Brash, a content and ad network focused on men?( VentureBeat)
・Glam Media Finds Its Male Side, Launches Brash.com(paidContent.org)
・奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ(メディア・パブ)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 10:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告

大変だ!ディスプレイ広告がこれから急減する

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 2003年以降一本調子で増え続けていたディスプレイ広告売上が,景気後退により今後しばらく大幅に減るかもしれない。

 Silicon Alley Insiderのブログ記事でHenry Blodgeは,2009年のオンラインディスプレイ広告売上は前年比10%程度減り,2010年も同じように減り続ける可能性があると警告している。広告に依存するスタートアップは困窮するし,Yahoo,CNET,AOLのようなディスプレイ広告に頼っている大手も打撃を受けるだろう。また,期待のかかるアドネットワークも大きくつまずきそう。

 ディスプレイ広告売上は今年(2008年)に入って既に,下降線を描いているかもしれない。IABの発表によると,今年の上期のディスプレイ広告売上は前年同期比で19%増と見ているが,別の資料(PriceWaterhouse)のグラフによると,下図のように下降し始めている。

DiasplayAdDown0810.jpg
(ソース:Silicon Alley Insider)

 2001年〜2002年のITバブル崩壊時ほどではないかもしれないが,2009年〜2010年のディスプレイ広告市場に急ブレーキがかかり,ある程度の落ち込みを覚悟しておいたほうがよい。

◇参考
・Let's Be Serious: Online Display Ads Will Fall Sharply In 2009(Silicon Alley Insider)
タグ:広告

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2008年09月26日

大騒ぎのMySpace Music,その裏で静かに始まったミュージシャン向けDIY広告サービス

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MySpaceMusic0809.jpg


 今春から話題になっていたMySpace Music (http://www.myspace.com/music)が,いよいよサービスを開始した。とりあえず,米国で先行することになっているようだ。Universal Music Group, Sony BMG Music Entertainment, Warner Music Group (WMG), EMIの4大レーベルの他に主要独立系も加わり,カタログに含まれる大半の新曲が無料でストリーム配信され聴けるというから,大騒ぎするのも当然か。

 そのMySpace Music の出陣の前日に、こっそりとセルフサービスのターゲッティング広告の提供を始めていた。そのサービスのためのサイト(advertise.myspace.com)が立ち上がっている。顧客は独立系のミュージシャンやビジネスパーソンである。ミュージシャン自身でも手軽にバナー広告を作れるように,テンプレートを用意した。ユーザーの年齢,性別,地域,関心分野に合わせたターゲッティング広告を打つことができる。顧客の広告予算は$25 〜 $10,000と見ている。

MySpaceAd.jpg


◇参考
・MySpace Music Tour
・Breaking: MySpace Launches Self-Serve Ad Targeting Service(SocialTimes)
・UPDATED: MySpace Music launches... just not in the UK (Tech Digest)
タグ:myspace

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2008年09月20日

新聞広告がオンライン広告の“おまけ”に

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 Publishing2.0の Scott Karpが,New York Timesのサイト(NYTimes.com)で次のような自社広告を見つけた。

NYTOnlinePrintAd.JPG

 NYTimes.comにオンライン広告(求人広告)を出せば,何と“おまけ”として新聞紙広告をタダで出稿できるというのだ。

 これまでは新聞広告を出せば,無料でオンライン広告が付いてきていたのだが。新聞紙広告のニーズが落ち込んでくれば,まったく逆に紙の空枠を使ったオンライン広告セールスが始まるのもやむを得ないのかも。編集でも“Web first”が米国では定着してきている。

 プリント(新聞紙)メディアが“主”でオンラインメディアが“従”の関係が,崩れ始めている。



◇参考
・Advertiser Online Now, Get a Free Ad In Print(Publishing 2.0)
タグ:新聞 広告

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posted by 田中善一郎 at 08:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年09月16日

Glamの黒人女性向けアドネットワーク,“レクサス”が最初の広告に

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 女性向けサイトのネットワークとして急成長著しいGlamが,対象をアフリカ系米女性(African-American women)に絞った ネットワーク“Glam Black Life”を立ち上げた。

 Glamサイトにアクセスすると, Black Lifeというカテゴリーが新設されていた。Black LifeはGlamネットワークのサブネットワークと見てよさそうだ。Glamのトップページでテキストリンク(Black Life)をクリックすると,次のようなページに飛ぶ。
 
GlamBlackLife.jpg

 Black Lifeには,
Articles | Blogs | Topics | Photos | Videos | Quizzesの各コーナーが用意されている。 

 Black Lifeは黒人女性をターゲットにした美容/ファッション系サイトを集結したコンテンツネットワークであると共に,垂直型アドネットワークである。Shake Your Beauty,Afrobella,The Fashion Bomb のような,やや小粒だが個性あるブログが多く加わっている。中には,TheYBF.comのように,前からGlamネットワークと提携して人気サイトに育ってきたものもある。いずれもブラックパワー炸裂の元気のよいサイトである。現在,約50サイトが加わっており,ネットワーク全体のユニークユーザー数は400万人という。

 Glam Black Lifeの最初のスポンサーにLexus(Toyota)が決まった。10月に予定しているキャンペーンLuxuryawaits.comを展開するようだ。


◇参考
・GLAM MEDIA LAUNCHES GLAM BLACK LIFE–THE LARGEST ONLINE NETWORK FOCUSED ON AFRICAN AMERICAN WOMEN(GlamMedia)
・Glam Black Life is a collection of sites focused on beauty and fashion(Adweek)
・奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 07:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年08月28日

米国のディスプレイ広告,MySpaceがYahooを追い抜く

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 米国のインターネット広告において,何もかもGoogleが主導権を握っているわけではない。ディスプレイ広告分野では,Yahoo, AOL,それにMicrosoftがGoogleを圧倒的にしのいでいる。

 さらに,最近ではFox Interactive Mediaは急伸しており,comScoreの6月調査データによると,ディスプレイ広告サイトのトップに躍り出ている。

comScoreDisplayAd0807.jpg

 リーチ(ユニークビジター数)ではYahoo!がトップだが,ディスプレイ広告のビュー数ではFoxが月間523億回(シェア15.9%)で初めてトップの座に就いた。CenterNetworksの記事によると,その523億回のうち510億回はMySpaceが占めるという。ということは,ディスプレイ広告のシェアでMySpaceがYahooを追い抜いたことになる。

 でもディスプレイ広告の単価は,YahooがMySpaceのようなSNSに比べるとかなり高いようだ。だがMySpaceの広告は最近,軌道に乗り出しているという。広告クライアントがMySpaceでのブランド広告に興味を示し始めたとか。特定のコンシューマーグループ向けにターゲッティングできるのを売りにしている。 


◇参考
・comScore: MySpace Leads Display Ad Views; Microsoft Leads Display Ad Buys(CenterNetworks)
・MySpace Passes Yahoo As Top US Internet Display Ad Site(SmartMoney)
・Microsoft Ranks as Top U.S. Online Display Advertiser in June, According to comScore Ad Metrix(comScoreのプレスリリース)
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posted by 田中善一郎 at 10:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年07月19日

アドネットワーク選別で広告売上アップをめざす

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 パブリッシャーとアドネットワークの仲立ちをするサービスを,PubMaticが昨年から立ち上げている。現在,4000以上のパブリッシャーが利用している。

 パブリッシャーの広告在庫を管理して,Google AdSense、AdBrite,BlueLithium,Yahoo Publisher NetworkなどのアドネットワークからePCM(effective Cost Per Mille:ページ表示1000回あたりの平均報酬額)の高い広告を探し出す。時間,地域,ターゲット層(年齢・性別など),広告枠を示すと,その条件で最も収益の高いアドネットワークを選んでくれるようだ。また広告枠レイアウトも最適化して,クリック率が最大になるようにしてくれるとのことだ。

AdNetOptimize.jpg


AdLayoutOptimize.jpg

 
 このPabMaticが毎月発表する広告価格が参考になる。景気の悪化を反映して,全体の広告単価は下降気味である。大規模サイトの広告単価が低いのは,おそらくソーシャルネットワーク系サイトのせいではなかろうか。ページビューの割には広告売上が低いからだ。中規模サイトが伸びている。どうしたこうなるのかわからない。

PubMatic0806.jpg
・Large Web sites (月間1億ページビュー以上のサイト)
・Medium Web sites (月間ページビューが100万〜1億のサイト)
・Small Web sites(月間100万ページビュー以下のサイト)

 以下は,分野別サイトの広告価格である。ソーシャルネットワーク系サイトが低いのはわかるが,ニュースサイトが6月に半減しているのは不思議だ。

PubMatic0806vertical.jpg

 これは,PubMaticユーザーである4000以上のパブリッシャーサイトを対象にしたデータなので,かならずしも米国のオンライン広告の現況を正しくきっちりと反映していないかもしれない。


◇参考
・Online Ad Prices Remain Stagnant for Third Month Straight(PubMaticプレスリリース)
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posted by 田中善一郎 at 02:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年07月09日

弱気な米広告担当者,オリンピックや大統領選の広告特需があってもダメなのか

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 TV,新聞,雑誌,ラジオ,屋外のそれぞれの広告費予算が,半年後には現在(4月/5月)よりも減っているだろう。増えるのは,オンライン広告とモバイル広告,ケーブルTVである。米国の広告担当者はそのように予測している。北京オリンピックや大統領選による広告特需が生まれるはずなのに,弱気な予測である。

 オンライン,プリント,TV,モバイルなどのメディアの広告担当者(メディア広告のバイヤー)1811人を対象にした調査を,Advertising Perceptionsが2008年4月/5月に実施した。回答者の40%はmarketer側で,残り60%はagency側である。半年後にメディア別の広告予算が増えるか/変わらないか/減るかを質問している。その結果が次表である。前回(2007年10月/11月)と前々回(2007年4月/5月)の調査結果も合わせて載せている。前々回から前回,さらに今回と,悲観的に答える人の割合が増えてきている。

AdMedia0805.jpg
(ソース:Advertising Perceptions)

 今回の調査では,放送TV,新聞,雑誌,ラジオ,屋外の半年後の広告予算が現在よりも減ると答える広告担当者が多かった。やはり最も深刻なのが新聞広告だ。1年前の前々回の調査の時から厳しかった。広告予算が減っていくと答えた割合が多かったメディアは新聞だけであった。今回は,回答者の4割が減ると見ており,増えると答えたのは1割程度であった。オリンピックなどの特需があるにもかかわらずだ。次回の半年後の調査では,どうなることやら。

 一方で,半年後の広告予算が増えると大半が予測しているメディアは,オンラインとモバイルである。増えて当たり前の広告メディアであるが,問題は前年比で何%くらい増えるかである。前年比10%増少々では事実上の減速となる。


◇参考
・Survey: More Buyers Expect to Spend Less in Most Media(Advertising Age)
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posted by 田中善一郎 at 07:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年07月03日

Googleのオフライン(TV/新聞/ラジオ)広告担当者が公式ブログを開設

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GoogleOfflineAdsBlog.jpg

  Googleが“Let's Take it Offline”と称する公式ブログを7月1日に立ち上げた。

  このブログの書き手は,TVや広告,それにラジオの広告事業担当チームである。楽しみなブログになりそう。Googleは売上から見るとオンライン広告会社であるが,最近ではTVや新聞,ラジオなどのオフライン系メディアの広告事業にも進出している。

  AdWords/AdSenseで培ったオンライン広告手法を駆使して,伝統的なオフライン広告市場に侵食しようとしているのだ。広告主自身が,広告掲載の日時や媒体,地域,それに予算上限とか広告コンテンツなどをきめ細かく設定したり変更できるのが特徴といえる。

 GoogleのTV広告については以前のエントリーで簡単に紹介したが,デモビデオ(Google TV Ads Demo)がわかりやすい。

 Googleの新聞広告では,。パートナー新聞紙の一覧表が公表されているように,すでに800紙以上の新聞が参加している。全米の有料発行部数の7割をカバーしている。毎日,4000万部が広告対象となる。

 以下は,一覧表から抜き出したNew York地区のパートナー新聞である。New York TimesやNew York Post,New York Daily Newsも加わっている。
GooghleNYnewspapers.jpg
◇参考
・Announcing Google's official traditional media blog(Inside AdWords)
・Audio, and Video, and Print, oh my!(Inside AdWords)
・Google CEO,740億ドルのTV広告市場進出に意欲(メディア・パブ)
・AdWords形式のTV広告配信,Googleが米国で広告主に全面公開(メディア・パブ)
・
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posted by 田中善一郎 at 07:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年06月30日

奇跡の女性サイト“Glam”(2),真の世界一へこれからが正念場

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Glam.com, the world’s No 1 website for women - possibly.

これは最近の英Times Onlineの記事の文章である。控えめだが,Glamを世界トップの女性サイトと紹介している。Glamを女性サイト・ナンバーワンと認める声が大きくなっているのは確かである。

 だが一方で,一部の人からはGlamに対して疑惑の目が向けられている。1年前にcomScoreのデータを振りかざして,Glam自ら女性サイト・ナンバーワンを宣言したときからだ。たとえばTechcrunchは“Is Glam A Sham?”(「Glamは詐欺師なのか?」)と噛みついた。

 疑惑の矛先は,ナンバーワンの根拠として取り上げているcomScoreのデータに向けられた。Glamのトラフィックに,パートナーである外部パブリッシャーのトラフィックも含んでいるからだ。2年前まで,ユニークビジター数がiVillageの20分の1程度のマイナーサイトが,1年前に一気に王者を抜き去りトップに躍り出たのも,そのような仕掛けがあったのである。

comScoreGlam0805.jpg

 Glamの戦略は,ある意味で巧妙である。後で述べるが,パートナーのパブリッシャーにとって非常に旨みのある好条件を,Glamが提示してきた。そこで,次々と外部パブリッシャーが加入してきた。その結果Glamネットワークのトラフィックが驚異的に膨らんでいき,comScoreが発表したユニークビジター数で,ちょうど1年前にiVilleageを抜いたのである。

 iVilleageの陣営でなくても,これは詐欺だと言いたくなる。だが,一概に詐欺だと断定できない点もある。その前に,Glamのビジネスモデルを見ておいたほうがよさそうだ。Glamは下図に示すように,Glam.comを核にして外部のパブリッシャーをパートナーとして加えたGlam Networksがベースとなっている。女性向けのサイトだけを対象にした垂直型のネットワークである。メディアネットワークでもあるが、やはりアドネットワークとしての役割が大きい。

GlamNetworks0806.jpg

 Glamの大きな仕事は,営業で集めた広告をパートナーのパブリッシャーサイトに配信し掲載することになる。その掲載広告の売上は,パブリッシャーとGlamで山分けする。Glamとしては,女性分野を対象にファッションやヘルスなどのカテゴリー別に有力なブログやパブリッシャーを集めることにより,ターゲット化した単価の高い広告をパブリッシャーサイトに配信していきたいのだ。

 米国には,小粒だがニッチな分野に絞った優れたオンラインパブリッシャーが多い。特に最近では特徴あるブログが目だって増えてきた。これらはターゲット化されているため,広告サイトとしての価値が高い。だが大半の中小パブリッシャーにとっては、専門スタッフを抱えて広告営業する余裕がない。広告会社に丸投げすることになる。だが,どうしてもGoogleのAdWords/AdSenseのような単価の安い広告が中心になってしまう。そのような状況において,単価の高い広告を配信するとの売り文句でGlamに働きかけられると,パブリッシャーも関心を示すことになろう。

 広告枠をGlamに提供して試そうとするパブリッシャーが増えるのもうなずける。パブリッシャーとしては,手持ちの広告枠から一部をGlam向けに用意し,他はこれまでどおり別の広告会社に頼んでおいてもよい。Glamから好条件を持ち込まれれば,特等席の広告枠をGlam向けに確保するパブリッシャーも出てくるはず。こうして参加した各パブリッシャーのトラフィックが,Glamのトラフィックとしてどんどんと積み上げられていった。

 そして昨年6月に,comScore調査のユニークビジター数でiVillegeを追い抜いたのを受けて,Glamが大々的な勝利宣言キャンペーンに打って出たのだ。New York Times(NYT)やWSJなどの主要新聞に,iVillageに対する勝利宣言を誇示した全面広告を掲載した。Glam.comのトップページの目立つ位置には,GlamとiVillageのトラフィック比較グラフを載せるようになった。New York Postも,Glam嬢がiVillege嬢をKOする写真を掲げ,12年の歴史を誇る女性向け定番サイトiVillageの牙城が崩れたことを強く印象付けた。

 だが、Glam Media(Glamネットワーク)の内訳データ(Glam Comscore June 2007 )によると,ユニークビジター数1900万のうちGlamドメイン(Glam.com)に訪問した人の割合は数%となっている。iVillage.comの2007年6月のユニークビジター数が1550万人であることから,iVillage.comがGlam.comよりまだ優位にあると見るのが妥当だったかもしれない。またこの当時,他のトラフィック調査会社は必ずしもGlamを女性サイト・ナンバーワンと見ていなかった。

 でも,NYTのフルカラー全面広告などでナンバーワン宣言のキャンペーンを放つと,やはり風向きが変わってくる。新たに多くの広告主やパブリッシャーが関心を寄せるようになり,さらにベンチャーキャピタルも関心を示すことになった。実際に資金調達が順調に進んだ。追い風に乗ってパブリッシャーが増えていき,新たにユニークビジター数が加算されていくことになった。

 こうしてうまく軌道に乗ったかに見えた。ところが,Glamにはもう一つ難しい問題点が明らかになってきた。パブリッシャーを呼び込み,また逃げないようにするために,かなり大盤振る舞いをしていたようだ。人気ブログだと月1万ドルくらいの支払いを,Glamはパブリッシャーに保障していた。その額に相当する広告の配信を保証していたことになる。有力パブリッシャーを惹きつけるには,これくらいの約束は必要かもしれない。さらにもっと注目すべきは,売れ残り枠に対して有償の自社広告(Glamの広告)で穴埋めしていたことである。これは,特に中小のブログにとってはありがたい。最小限の保証金だけではなくて,売れ残り枠があるとCPMが3-5ドル程度の自社広告も配信してくれていたのだ。

 このため,iVillageを抜いた後も,
「パブリッシャーの増加→ユニークビジター数の増加」
が順調に進んでいった。現在のパブリッシャー数は550サイトを超えているという。この勢いが評価されたのであろう,資金調達はこれまで1億1000万ドル以上も確保できたのだ。

 ところが,女性サイト・ナンバーワンと名乗って1年以上も経つのに,同社の収支は赤字から抜け出せない。2007年は2100万ドルの売上に対し,370万ドルの損失となっている。この背景には,パブリッシャーが増えるに伴い多くの広告枠を抱えたのは良かったのだが,売れ残り枠も増加したようだ。そのため自社広告の配信が多くなり,Glamの持ち出し分が増えてしまったのだ。つまりパブリッシャー対策として行ってきた大盤振る舞いが足を引っ張ったのだろう。

 でもいつまでもこの状況が許されるわけではない。1億ドル超の資金調達が実現する中で,投資家に対し2008年には1億5000万ドルの売上と4000万ドルの利益を約束しているようだ(この数値はTechcrunchの記事より。WSJの記事では売上は1億ドル)。もうパブリッシャーに対し気前の良い行動をとり続けられない。2008年3月末にGlamはついに,パブリッシャーの売れ残り枠への有償自社広告の配信を止めるとの通達を出したのだ。この措置は一部パブリッシャーにとっては,かなりの収入減になるはず。パブリッシャーのGlam離れが起きるかもしれない。アンチGlam派は,これでGlamの成長神話が終わると言い始めるのだが・・・。

 さてどうだろうか。1年前のGlamのナンバーワン宣言はフライング気味であったが,ともかくパブリッシャーへの大盤振る舞いの効果もあって,それ以降,Glamの求心力がぐんと増してきたのは間違いない。ネットワークは拡大し,資金も集まってきた。そして,その調達資金で次々と手を打っている。Glam Network内のサイトを対象にした垂直型検索エンジンを開発したり,ビデオサイト(YouTube,Sony Music,Brightcoveなど16サイト)の女性向けビデオをワンストップで視聴できるGlamTVを開設したり,多くの外部ブログを獲得したり,またファッション専門のSNSであるStyleMobを買収したりと,ハブ的存在のGlam.comを強化している。前のエントリーでも紹介したように英国の広告会社Monetiseを買収し,海外進出も開始した。

 1年前には,水増しユニークビジター数を看板にした詐欺会社だと一部から揶揄されていてGlamも,かなり地盤を固めてきたのではなかろうか。今では,comScore以外のトラフィック調査会社もGlamをナンバーワンと認め始めている。早速,Glam.comのトップページに,次のようなスライドを掲載していた。

GlamMediaPulse.jpg

 パブリッシャーに対する大盤振る舞いをストップしたことにより,一部パブリッシャーのGlam離れが進むかもしれないが,今の求心力からすればそれ以上の多くのパブリッシャーが参加してくるとGlam自身は見ているようだ。ともかく,投資家に約束した利益を稼ぎ出すには,単価の高い広告をかなり大量にパブリッシャーへ配信していかなければならない。

 先ほど有力なパブリッシャーサイトの一つであるSHEFINDSをアクセスして見た。特等席の広告枠に,Glamの自社広告らしきもの(Glamのニューズレターの告知)が掲載されていた。ちょっと,気になったが・・・。

SheFindsGlam.jpg

 今年Glamは,売上を少なくとも昨年の5倍以上達成しなければならない。かなりハードルの高い挑戦になる。今年が正念場の年になる。またGlamがきっちりとパートナーのパブリッシャーサイトに十分な広告を供給しておれば,広告の視点からはパブリッシャーのトラフィックも重要な指標となる。その場合は,Glamのトラフィックとして,パブリッシャーのトラフィックを加えても納得するのだが・・・。


◇参考
・Glam Media to Announce Acquisition(WSJ.com)
・Leading US women's website Glam Media targets UK(guardian.co.uk)
・奇跡の女性サイト“Glam”,なぜ人気爆発したのか(メディア・パブ)
・奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ(メディア・パブ)
・Glam.com Samir Arora boss is in the pink( Times Online)
・Glam offers new video ad network, gets acquisition offer for $1.3B(VentureBeat)
・Glam Media To Launch Ad Operations In India(WATBlog.com)
・Federated Mediaバッテル会長がライバル批判、パブリッシャーへの出資も検討中か(TechCrunch Japanese)
・ Glam、広告掲載者への支払いを大幅減額―「最大80%の収入ダウン」(TechCrunch Japanese )
・Glamは詐欺師なのか?
・Women’s ad network Glam buys fashion site StyleMob(VentureBeat)
・Building A Vertical Ad Network Powerhouse : Glam Media CEO Samir Arora (Part 1〜4)(Sramana Mitra on Strategy)
・Glam Media Hustles to Hip-Hop Consumers(MarketingVOX)
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posted by 田中善一郎 at 07:23 | Comment(1) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
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