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2008年06月25日

奇跡の女性サイト“Glam”(1),Facebookをしのぐ勢いで日本上陸へ

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GlamFeaturedPublisher.jpg

 ちょうど1年前だった。「奇跡の女性サイト“Glam”,なぜ人気爆発したのか」という記事を書いたのが。その後,Glamはどうなったのか。

 どうもGlamに対する評価は真っ二つに割れているようだ。「Facebookをしのぐ勢い」と絶賛する声がある一方で,「ホラ吹き」とこき下ろす声も聞こえてくる。前々から気になっていたので,2回に分けてGlamの現況を追ってみた。最初は,どうして絶賛されているのかを見てみる。

 Glamは,Glam Media社が取り仕切るGlam Media Networkがベースになっている。以下の図で示すように,同社が運用するGlam.comを核に多数の女性向けパブリッシャーから成るメディアネットワークである。外部パブリッシャーにはブログや雑誌社サイトなどが参加している。重要なことは,女性分野に特化した垂直型アドネットワークであることだ。

GlamMediaNetwork.jpg 

 これまでの米Glamのネットワークでは以下のカテゴリーを設け,現在500サイト以上の女性向けパブリッシャーがネットワークに加わっている。

・Fashion
・Beauty
・Celebrities
・Entertainment
・Living
・Health
・Wellness
・Shopping

 このGlamが,この1年間もすごい勢いで伸び続けているようだ。米Webサイトのユニークビジター数ランキングを,comScoreが発表している。米国における2008年5月の測定データである。米国だけでGlamには4200万人(月間ユニークビジター数)も訪れている。2年前にはユニークビジター数が,女性向け定番サイトiVillageの10分の1以下であった。それが1年前に一気にiVillageを追い抜き,今や3倍近い訪問者数を誇るようになっている。
 
GlamComscore0806.jpg

 驚くことに,以下のグラフで示すように,GlamはあのFacebookまでも抜き去ったのだ。

GlamFacebook0805.jpg
(ソース:comScore,via VentureBeat)

 Glam人気は海外でも高まっている。米国を含むグローバルでは,25歳〜35歳の女性ユーザーをコアにユニークビジター数が6400万人にも達しているという。ターゲット化されたリーチを武器に,Glam Mediaは2008年の広告売上を1億ドル以上,2009年に2.5億ドル〜3.5億ドルと見込んでいる。

 この勢いを背景に,約1億ドルもの資金調達を実現している。この資金を使って,本格的な海外進出に乗り出した。その第一弾が英国進出だ。そのために,このほど英国のオンライン広告会社Monetise Limitedを買収した。先ほど, Monetise にアクセスしてみた。すると Glam Media UKに誘導された。もう完全に,MonetiseはGlam Media に組み込まれている。

GlamMediaUK.jpg

 そして,英国版のGlam UK(uk.glam.com)がすでに立ち上がっていた。言語が同じこともあって,米国版Glam.comのデザインやコンテンツをほとんど踏襲しているが,英国のパブリッシャーとの連携が始まっている。事実,英国の有力な外部パブリッシャーが参画している(こちらのPublishersにリストが出ている)。Monetiseはもともと,英国のエンタープライズ分野の広告事業では実績があった。そういうこともあって,今でも英国のエンタープライズおよび女性分野のユーザーの29%にリーチしていると主張している。

GlamUK0806.jpg

 英国を皮切りに,海外展開を一気に進めたいようだ。Glam Mediaのホームページ(Internatinal)上でも紹介しているように,すでにカナダ(Glam Canada)とオーストラリアにもサイトを立ち上げている。さらに,非英語圏のドイツ,フランス,それに日本でも年内に開設したいと宣言している。

 事実,日本上陸の準備を水面下で進めている。国内の女性向けパブリッシャーへの打診も始まっている模様。また日本語サイトの立ち上げにはどこかと組みたいようだ。相手はポータルサイトではなさそう。Glamのコアユーザーが消費欲旺盛な25歳〜35歳と女性だけに,日本での展開ではケータイ市場が重要と認識しているのでは・・。

 アジアでは,インドと中国での展開も明らかにしている。事実上英語圏のインドでは,Alexaのデータでも明らかなように,多くのファンをつかんでいるとしている(WATBlog.comより)
。
GlamIndia.jpg
(ソース:Alexa)

 Glamの未来はバラ色一色のようだ。なのにどういうわけかGlamに対して,「詐欺だ」「ホラ吹きだ」と非難する声も少なくない。そこで,次回のエントリーで,Glamのビジネスに落とし穴がないのかを探って見る。



◇参考
・Glam Media to Announce Acquisition(WSJ.com)
・Leading US women's website Glam Media targets UK(guardian.co.uk)
・奇跡の女性サイト“Glam”,なぜ人気爆発したのか(メディア・パブ)
・Glam.com Samir Arora boss is in the pink( Times Online)
・Glam offers new video ad network, gets acquisition offer for $1.3B(VentureBeat)
・Glam Media To Launch Ad Operations In India(WATBlog.com)





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posted by 田中善一郎 at 08:23 | Comment(0) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
2008年06月24日

国内でも「ソーシャルリリース」が胎動

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 先のエントリーで「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」が欧米の企業サイトで生まれてきていることを紹介した。企業が発表する資料としては,新聞や雑誌,テレビ放送などのマスメディア向けプレスリリースだけではなくて,ソーシャルメディア向けリリースも用意する動きが出てきたのだ。ブログやSNS,ポッドキャスティング,動画/写真共有などのユーザー参加型サイトが爆発的に成長するにつれて,ソーシャルメディアがマスメディア以上の影響力を発揮することも多くなっているのである。ソーシャルメディア向けのニュースリリースが生まれてくるのも当然の流れかもしれない。

 ソーシャルリリースは一般にブログのような体裁をとっている。コメントやトラックバックを受け付けたり,また音声や写真,動画のマルティメディア機能も大抵備えている。発表内容の理解を助けたり,また掘り下げて調べることができるように,ネット上の関連情報へのリンクを張ったりもしている。また音声はポッドキャスティングサイトに動画はユーチューブに配したりして,企業が伝えたいメッセージがより幅広くソーシャルメディア内を伝播するようにしている。もちろんパーマリンクやRSSフィードは欠かせない。

 米国のPRNewswireやBusiness Wireなどのプレスリリース配信会社も,プレスリリースにこうしたソーシャルメディア対応機能を少しずつ付け加え始めている。その成果か,これまでブロガーなどに見向きもされなかったプレスリリースが,ソーシャルメディア系サイトでかなり頻繁に引用され始めているのである(こちらを参照)。

 これまでのマスメディア全盛時代では,プレスリリースを用意したとしても一般の中小企業が発表した製品やサービスがマスメディアで取り上げられることは極めて稀であった。だが,ソーシャルメディア時代では中小企業でもうまくソーシャルリリースを発信すれば,ソーシャルメディアを介して企業が伝えたいメッセージが多くの消費者に届く可能性が出てきたのだ。つまり,ロングテール企業でもリリースでビジネス機会が得られるということか。でも,独自に「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」を構えるのは,中小企業には荷が重そう。たとえ立ち上げても,ソーシャルリリースがほとんど気づかれずに埋もれたままになりそうだ。

 そこで中小企業としては,リリースをソーシャルメディアに広く伝播させてくれる専門業者に任せたい。それに応えたソーシャルリリース配信会社が国内にも存在する。ニューズ・ツー・ユーである。News2u.netと称するサービスを実施している。

News2unet.jpg

 同サービスでは,企業の発表リリースを「プレスリリース」と言わずに「ニュースリリース」と呼んでいる。マスコミへのリリース配信代行も実施するが,ユーザーやソーシャルメディアにリリースが届くことに注力しているからだ。

 企業のニュースリリースは,ニュースリリースポータル「News2u.net」に置かれるとともに,約25サイトの提携先情報ポータルにも掲載される。提携先サイトには,Yahoo!オンビジネス,cyboze.netなどのビジネス関連や,excite,goo,Infoseek楽天などの総合ポータル,それにCNET JapanなどのIT関連が含まれる。中小企業のリリースでも,こうした多くのサイトで露出されることにより,一般の人の目に触れる機会も増えることになろう。

 ニッチな,あるいは特殊なキーワードに対応するニュースリリースだと,検索で上位に表示される場合が多くなるという。また各ニュースリリースはパーマリンクの形でニュースリリースポータルに置かれる。このため,各ニュースリリースは発表直後だけではなくて,かなり後になってもアクセスが多いのが特徴のようだ。平均すると,アクセス数の半分は発表してから1週間後という。

 このサービスの利用料は年間契約の場合で月額10万5000円(税込み)となっており,配信本数に制限がない。これまで累積で1.050社が利用し,投稿されたニュースリリースが2万9973本も溜まっている。

 利用企業は中小企業だけではない。大企業も増えているようだ。これまでのプレスリリースは全社的な公式発表となるため,どうしても障壁が高くなる。たとえば事業部単位でいろんなキャンペーンを実施したくても,臨機応変にリリースを出せないことが多かった。そこで,事業部単独でこのサービスを利用している大企業も少なくない。

 ただし,こうしたソーシャルリリース配信サービスを利用して,ネット上でリリースの露出を増やしたとしても,必ずしも(ソーシャル)ニュースリリースへのアクセスが多くなるとは限らない。ニュースリリースの内容がつまらないと誰も振り向いてもらえない。企業が魅力あるニュースリリースを発信していくには,特徴ある製品やサービスを出すなりして,ユーザーが関心を抱くイベントを仕掛けていく必要があるのだ。おもしろそうなニュースリリースを出し続けていけば,ニュースリリースの閲覧数も増え,そしてその企業のウェブサイトへのアクセスも増ることになる。ニュースリリース閲覧者の約25%が,そのリリースからのリンクで企業サイトに訪れているという。


◇参考
・Electrolux launches a social media newsroom(weconverse)
・MEET MINNEAPOLIS LAUNCHES SOCIAL MEDIA NEWSROOM(PRNewswire)
・ソーシャルメディア向けニュースリリースが定着の兆し(メディア・パブ)
・Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を(メディア・パブ)
・「ソーシャル・メディア・ニュース・リリース」の採用,米企業が次々と(メディア・パブ)


タグ:PR

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posted by 田中善一郎 at 08:33 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
2008年06月23日

欧米企業サイトが開設する「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」とは

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 欧米の企業サイトを眺めていると,昨年後半あたりから「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」と名乗ったページを見かけるようになってきた。

 まず,そのようなサイトの例をいくつか,以下に掲げておく。


●GM Europe - Social Media Newsroom
SMN1.jpg


●Social Media Newsroom - Optiem
SMN2.jpg



●Wolfstar Social Media News Room
SMN3.jpg



●myDIALS Social Media Newsroom
SMN4.jpg



●Meet Minneapolis Social Media Newsroom
SMN5.jpg



●Blue Moose Films: Social Media Newsroom
SMN6.jpg

 
 こうした「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」をアクセスしてみれば分かるのだが,これまでのマスメディア向けプレスリリース・ページとは明らかに趣が異なる。ブログ風の作りで,ブロガーや一般ユーザーにも企業からのメッセージを伝えようとしている。こうした企業の発表資料を,プレスリリースと言わずにソーシャルリリース(ソーシャル・メディア・リリース,あるいは単にニュースリリース)と呼ぶようになってきている。企業が伝えたいメッセージを,ブログなどのソーシャルメディアで広く伝播させることを狙っている。

ソーシャルリリースについては,以前の記事で紹介しているのでここでは説明を省くが,ボストンのPR会社SHIFT Communicationsが作成したテンプレートを下に貼っておく。

*SHIFT CommunicationsのSocial Media News Release Template (PDF)
SocialMediaPressReleaseTemplate.jpg

 また同社は,次のようなSocial Media Newsroom Template (PDF) も提供している。「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」を構築する人には,参考になるだろう。
 
SocialMediaNewsroomTemplate.jpg
  

◇参考
・Electrolux launches a social media newsroom(weconverse)
・MEET MINNEAPOLIS LAUNCHES SOCIAL MEDIA NEWSROOM(PRNewswire)
・Web2.0時代の企業ニュースリリース,ソーシャルメディア向けに発信を(メディア・パブ)
・Create a Social Media Newsroom for Your Business(Marketwire)
・Expert Q&A: Thom Brodeur, SVP, Marketwire(PRWeek)

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posted by 田中善一郎 at 23:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年06月20日

ユニクロ,カンヌ国際広告祭でサイバーグランプリを受賞

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 Cannes International Advertising Festival(カンヌ国際広告祭)で,ユニクロの'Uniqlock'がCyber Grand Prixを獲得した。Uniqlockは国内のブログでもよく貼り付けられているので,ご存知の方も多いはず。先月のD&AD Black Pencilも受賞しており,国際的にも有名になっていた。

 下にUNIQLOCKのブログパーツを貼っておく。世界各地の時刻にカスタマイズできる。スモールサイズ版もある。Facebook,BeboのSNSやiGoogleのパーソナライズドページにも貼り付けることができる。




 他の受賞グランプリで気になったものも紹介しておく。First Design Grand PrixはCoca-Colaが受賞した。

CocaColaDesign2008.jpg



 Outdoor Grand PrixはHBOの"Voyeur" projectに。New York's Lower East Sideのビルの側面に巨大なビデオを投影している。どんなものかは,YouTubeにアップされていたビデオでどうぞ。




◇参考
・'Uniqlock' Among Top Cyber Winners at Cannes(AdWeek)
・BBDO, New York, Wins Outdoor Grand Prix for 'Voyeur'(AdvertisingAge)
タグ:ニュース

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posted by 田中善一郎 at 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年06月18日

Wikia SearchにもGoogle広告がリーチ

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 一つ前のエントリーで見たFriendFeed Searchと同じく,Wikia Searchも気になる検索エンジンである。

  Wikia Searchはオープンプラットフォームの検索エンジンで,開発者がサーチコードに手を加えることができる。検索結果の順序やスパムの判定などをコミュニティーに委ねたソーシャル検索でもある。まだ完成度が低くて日常的に使える代物ではないが,今後どのように成長していくかは楽しみである。

 このWikia Searchについて,Googleの検索連動広告が付いているとブログCenterNetworksが伝えていたので,飛んで試してみた。英語サイトを指定して,“new york”を検索してみた。その結果が以下の通りである。

wikiaSearchGoogleAds.jpg

 確かに,ブロードウェイの予約サイトやコンチネンタル航空の予約サイトなどの広告が掲載されていた。それも広告だけは日本語で。

 Googleはつい最近も,Yahooと提携して広告ネットワーク(Adwords/AdSense)の拡大に努めている。それにしても未知数のWikia Searchにも食い込み,広告ネットワークのリーチを広げようとしているのには感心する。ネット技術者やマニアックなユーザーを仲間にしておきたいとの思惑があるのかも。


◇参考
・Wikia Search Adds Google Ads(CenterNetworks)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 09:24 | Comment(1) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年06月16日

英Times,1785年からの歴史的な過去記事2000万本を無料開放

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TimesArchive0806.jpg

英Times(Times of London)が,200年以上前の記事も対象にしたデジタルアーカイブを開発していたが,そのサービス“Times archive ”が始まった。

 1785年から1985年までの200年間の過去記事をしばらく無料で利用できるというからすごい。さすがに保存状態が良くない記事も少なくないが,歴史的な貴重なニュース記事に今なら無料でアクセスできるのだ。歴史家や戦争研究家にとっても,学術資料として重宝なはず。

 Times OnlineのAnne Spackman編集長は,このサービスを無料で継続していくか有料化するかを,未だ決定していないという。NYTの例からもわかるように,新聞社アーカイブサービスにも部分的にしろ無料化の波が押し寄せてきている。

 また同編集長が,今回の“Times archive ”を伝統ある新聞社のオンラインアーカイブの決定版と自慢するだけあって,非常に使い勝手が良い。対話形式の案内ページ“Take our Interactive Tour”で使い方がつかめる。OCR(光学文字認識)技術により過去記事をスキャンしており,検索精度を高めている。
 
 そこで“Waterloo”で検索してみた。ワーテルローの戦い(The Battle of Waterloo)を報じた記事が出てきた。感激してしまう。下は、1815年6月22日の記事の一部である。

TimesArchiveWaterloo.jpg

 大きな出来事を報じるニュースに関しては,解説も加えられていた。たとえばタイタニック号沈没のニュース記事については,ビデオによる解説(Titanic video)が用意されていた。また「歴史は繰り返す」といわれるように,過去記事が参考になる場合も増えてきている。たとえば現在のガソリン価格の高騰は,1973年のオイルショック事件時と似ており,その当時の記事(“Panic buying of oil products”とか“Panic petrol buying blamed on BBC”)が参考になるはず。このサービスで,歴史に学ぶ機会が増えるのかも。

 また, the Sunday Timesについても,1822年から2000年までの記事のデジタルアーカイブ化を進めているという。


◇参考
・What is the Times Archive?(timesonline.co.uk)
・充実する米英新聞社サイトのアーカイブサービス,200年前の記事も検索対象に(メディア・パブ)
・Times archive offers 20m articles for free(guardian.co.uk)
・New York Times, “タイムマシン”で新聞販促を(メディア・パブ)
・NYTのアーカイブ開放,新聞社サイトが新局面に(メディア・パブ)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:10 | Comment(1) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
2008年06月08日

検索の王者グーグル,どうしてモスクワで屋外広告キャンペーンを展開するのか

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 Googleがモスクワ市で検索サービスのキャンペーンを幅広く展開している。このキャンペーンで興味深いのは,屋外広告を繰り広げていることだ。

 米国のみならず欧州の検索サービス市場でも,以下の表のようにGoogleが圧勝している。世界市場を制覇したかに見えるのに,どうして検索サービスのキャンペーンをわざわざ行うのだろうか。

YandexEuropeGoogle.jpg
(ソース:comScore Releases March 2008 European Search Rankings )

 実は日本を含めたアジア主要国やロシアでは,Googleの検索サービスはナンバーワンでない。特に,中国のBaidu,韓国のNever(NHN),ロシアのYandexといった純国産サービスの前に,外来のGoogleは後塵を拝しているのだ。comScoreのデータで,Baiduが世界3位,Neverが同5位,Yandexが同9位と,世界市場でも存在感を増している。

WorldwideSearchTop10Comscore.jpg
(ソース:Baidu Ranked Third Largest Worldwide Search Property by comScore in December 2007)

 この中で最近,注目を浴びているのがロシアのYandexである。ロシア市場では47%も占め,31%のGoogleを圧している。欧州市場でも頭角を現しており,Yahooを抜いて3位に浮上してきた。

RussiaSearchMarket.jpg
(ソース:comScore Releases Russian Web Site Rankings for February)

 さらにYandexはNasdaqでのIPOを準備している。 Silicon Alley InsiderのTHE SAI 25: THE WORLD'S MOST VALUABLE STARTUPSによると,30億ドルの価値があるとのことだ。

*未上場ネット企業の価値(ソース:Silicon Alley Insider)
Rank. Company: Valuation
1. Facebook: $9 billion
2. Wikipedia: $7 billion
3. Craigslist: $5 billion
4. Betfair : $5 billion
5. Mozilla Corp: $4 billion
6. Yandex : $3 billion
7. Webkinz : $2 billion
8. LinkedIn: $1.3 billion
9. Habbo : $1.25 billion
10. Oanda : $1.2 billion

 勢いを増してきたYandexを,Googleとしては今のうちに叩いておきたいのだろう。Googleは“Moscow2.0”と称した屋外広告キャンペーンを打ち,ロシア検索市場のトップ奪回を狙うことになった。

 Google自身は,事業としても屋外広告に力を入れ始めている。伝統的なメディア4媒体(TV,新聞、雑誌、ラジオ)広告の成長が鈍ってきているのに対し,以下のようにオンライン広告とともに屋外広告市場が成長株と見られているからだ。

USOutodoorvsOnlineAds.jpg
(ソース:Outdoor Advertising: A New Look)

 GoogleはAdWords/AdSenseのアドネットワークのノウハウを生かして,デジタル屋外広告のネットワークを構築したいのだろう。そのための特許も取得している。そのGoogleが広告主として,月に25万ドルほど費やしてモスクワ市内約5000ヶ所で屋外広告を打つというからおもしろい。特に興味深かったのは,以下の写真に示す電子ディスプレイ付きベンチだ。58ヶ所のディスプレイ付きベンチを利用する。これって、デジタルサイネージなんかな。

MoscowBenchAds.jpg
(ソース:Google вышел на улицы Москвы)


◇参考
・Russia's Yandex plans up to $2 bln NY IPO - source(Reuters)
・2008年最大のハイテクIPOはロシア発:検索エンジンのYandexが最大$2B調達へ(
TechCrunch Japanese)
・ Google、ロシアで野外広告に月25万ドル
・Google Launches Outdoor Advertising Campaign in Russia (Quintura blog)
・Google Patent Filing Hints at Digital Billboard Ad Network ( ClickZ)
・2007年の米広告市場,オンラインシフトがくっきりと,オフラインでは屋外広告が元気(メディア・パブ)
タグ:広告 google

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posted by 田中善一郎 at 22:23 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
2008年06月06日

オバマ 対 クリントン,メディア戦でもオバマの勝利

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 オバマとクリントンとの激しい戦いもやっと決着。米大統領選の民主党候補の指名争いはオバマに軍配が上がったのだが,メディア戦ではどちらが上手く取り組んだのだろうか。

 AdvertisingAgeのAntony Young が,両者のメディア戦の結果を次のように採点している。

obamclinton.jpg

 両陣営はメディアやマーケティング活動でそれぞれ1億2000万ドルも費やしたという。TNS Media Intelligence/CMAG によると,テレビ広告費にObamaは7500万ドル、クリントンは4600万ドルをつぎ込んだようだ。

 特に両者の間で大きな差がついたのが,ソーシャルメディアの取り組みであった。オバマが5点(Outstanding/Innovative)に対してクリントンは2点(Disappointing)と大差がついている。FacebookやYouTubeなどにおいては,オバマ陣営の活動がやたらに目立ち,クリントン陣営は影の薄い存在だった。オバマが学生を中心に若年層の支持を集めていただけに,当然の流れかもしれない。ソーシャルメディアを介してオバマ側は多くの献金を集め,若い人たちのボランティア活動の場にもなっていた。


◇参考
・Hillary vs. Barack: Who Had the Smartest Media Strategy?(AdvertisingAge)
・ ヒラリー vs オバマ,ネット戦では決着しているのだが(メディア・パブ)
・Presidential Candidates Spent Nearly $200 Million on TV Ads(US News and World Report)
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2008年06月03日

歴史的なライブTV広告,19人のスカイダイバーによる“HONDA”の人文字

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 Honda(ホンダ)が画期的なTVCMを,先週末の英国のテレビ放送で流した。19人のスカイダイバーが大空に,H,O,N,D,Aの5文字を人文字で描く映像だが,それをライブで行ったからすごい。以下が,そのビデオである。

Difficult is worth doing: Honda Accord Live TV Ad


 ライブ広告の後の6月1日以降は,きっちりと編集した次のようなTVCMを流している。




◇参考
・Honda to create history with live skydiving ad(Brand Republic)
・LIVE Advertising: Difficult is Worth Doing(Todd And)


タグ:広告 TV ビデオ

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2008年05月29日

米新聞サイト,ウィジェット広告を開始

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 米新聞社サイトがウィジェット(Widget)広告に乗り出している。米ワシントンポスト紙のサイト(washingtonpost.com)がこのほど,ウィジェット広告の配信を始めた。

 実際に触れたほうがわかりやすいので,ウィジェット広告を下に貼り付けておく。ワシントン市の不動産(アパート)広告である。対話形式で物件を探せるようになっている。まず地下鉄駅を指定して,それから希望条件を選択して検索(SEARCH)を指示すると,washingtonpost.com内の広告ページに飛ぶようになっている。

*Washington Area Apartment Finder


 米新聞社サイトは1年ほど前からこぞって,ウィジェット配信を手がけていた(こちらを参照)。多くはRSSフィード配信と同じように,セグメント化された分野の最新ニュース見出しを送っているものが多い。狙いは,サイトへの集客である。ブログやSNS(プロフィールページ),パーソナライズドページ,デスクトップなどにユーザーの手でウィジェットをに貼ってもらい,そこからの新聞社サイトへのアクセスを期待している。SMO(Social Media Optimization)として,ウィジェットを採用しているのである。

 ウィジェットを貼ってもらうには,まずウィジェットの存在を知ってもらわなければならない。そこで,Widgets on washingtonpost.com のように自サイトにウィジェットリストの案内ページを設ける以外に,外部のウィジェットディレクトリーなどでの露出にも力を注ぐべきだろう。パーソナライズドページiGoogleのGadgets(グーグルではWidgetsのことをGadgetsと呼ぶ)ディレクトリーなどに登録しておく。washingtonpost.comの政治記事見出しのウィジェットだけでも,iGoogleに6万6000人が貼り付けていた。

*iGoogleディレクトリーで案内されていたwashingtonpost.com の政治記事見出しウィジェット
washintonPostGooleGadget.JPG
 
 広告ウィジェットとなると,ユーザー任せの配信ではうまくいかないことが多いかもしれない。アドネットワークの利用も必要となる。そこで,今回の不動産広告ウィジェットはGoogle Content Network を介した配信も行っている。何百から何千かの多くのサイトにばら撒いていく。それらのサイトでウィジェットを見た利用者が,自分のブログやSNSなどにそのウィジェットを貼り付けるかもしれない。


◇参考
・washingtonpost.com Launches Widget on Google Content Network(プレスリリース,via CNNMoney.com)
・'Washington Post' Eyes Widget Ads(Adweek)
・米新聞社サイト,一斉にWidget配信に乗り出しそう(メディア・パブ)
・Google ガジェット広告とは何ですか(Google AdWords)

タグ:新聞 Widget

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2008年05月20日

WSJを核にした金融向け垂直型アドネットワーク,News Corpが開設

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Worthnet.jpg

 マードックのNews Corpが,WSJ(Wall Street Journal)を活かした新しいビジネスを立ち上げる。ファイナンシャルに特化したグローバルなバーティカル・アドネットワークである。

 Worthnet.Foxと称するオンライン・アドネットワークで,Dow Jonesの Wall Street JournalやBarron's,MarketWatchを中心に約30の金融系ニュースサイトが加わる。News Corp以外のサイトも加わるようだ。国際的な経営者や投資家などをターゲットにした広告を配信していく。


◇参考
・New News Corp ad network to court financial sites(Reuters)
・News Corp. Starts Internet Ad Network for Financial News Sites (Bloomberg.com)

タグ:WSJ 広告

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2008年05月19日

競争激化するアドネットワーク市場,YahooはWPPと提携

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 Yahooが大手広告/マーケティング会社のWPPと提携を結ぶことになった。また,New York Postによると,YahooはGoogleと検索広告で近く提携することになるという。

 Yahoo買収にMicrosoftが必死だったのは,アドネットワークを拡充させたかったからでもある。巨大ネット企業にとって,ネット事業の中核は広告事業である。買収提案が一応流れたかに見えるが、Yahoo周辺は未だに余震が続いている。Microsoftとの交渉も再開している。Yahooとしても自力でやっていく姿勢を示すためにも,なんとしてもアドネットワークを充実させていかなけばならない。

 そのYahooがWPPと組む。実際には,WPP傘下の24/7 Real Mediaと連携する。24/7はYahooのオンライン広告マーケットプレース(Right Media Exchange)と接続するトレーディングプラットフォームを開発する。

 
 アドネットワーク市場で主導権争いが激しくなっているのは,これから最も急成長が期待されているからのようだ。eMarketerの予測によると,2010年までに50億ドル規模に達するという。2007年から2010年まで平均成長率(CAGR)を31%と見込んでいる。同じ期間での検索広告のCAGRは23%,アドネットワークを介しないディスプレー広告市場のCAGRは15%と見られている。

 現在のアドネットワークのリーチ(ユニークビジター数)ランキングがcomScoreから,以下のように発表されている。4月の広告関連のランキングであるが,黄色のランクで示したものがアドネットワークである。Yahoo Networkが3位で,24/7 Real Mediaが18位となっている。 


comScoreAdSite0804.jpg
AdNetworkRanking0804.jpg

 参考までに,2位のAOLのAdvertising.comについて。Time Warner(AOL)が2004年4月に買収したアドネットワークである。2002年の売上げがに1億ドル程度であったのが,2007年には6億5000万ドルに。この間のCAGRは55%であった。AOLについては繰り返し身売り話が浮上するが,コンテンツよりもアドネットワークのほうが魅力的かもしれない。



◇参考
・Yahoo! and WPP Forge Multi-Year Strategic Partnership(Yahoo,プレスリリース)
・comScore Media Metrix Ranks Top 50 U.S. Web Properties for April(comScore、プレスリリース)
・BREAKING: Microsoft Discussing Transaction With Yahoo; Not Necessarily An Acquisition(paidContent.org)
・Collective Media 2008 Ad Network Study(Collective Media)
・AdBrite: Despite Naysayers, Ad Networks Still Growing(Online Media Daily)
・YAHOO! SEEKING OPEN ALLIANCE WITH GOOGLE(New York Post)
・Online Ad Networks: Monetizing the Long Tail(DeSilva + Phillips)
タグ:広告

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2008年04月29日

垂直アドネットのプラットフォーム提供者“Adify”をCoxが3億ドルで買収へ

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Adify.JPG

 オンライン・アドネットワークのプラットフォーム提供者であるAdifyを,Cox Communications が約3億ドルで買収するようだ。paidContentが報じた(メディアネットワークを組んでいるWashington Postにも掲載されている)。

  Adifyのプラットフォームは,ニッチな垂直アドネットワーク(vertical ad networks)として主に採用されている。最近では,技術専門出版社IDGのIDG TechNetworkやライフスタイル出版社Martha Stewart Living OmnimediaのMartha's Circleのように,メディア系サイトがAdifyのプラットフォームを使って垂直アドネットワークを構築している。また,Adifyプラットフォーム採用の垂直アドネットワークを調べるには,こちらで一覧できる。

 このAdifyを,ケーブル会社のCox Communicationsが買収することになるということだが,やや意外に思えた。だが,意外でないのかもしれない。オンライン広告を含めたすべての広告市場で主導権を握り始めているGoogleやMicrosoft,Yahooの動きに対して,伝統メディア側が非常な危機感を募らせているからだ。

 最近では,新聞社が大同団結してオンライン広告会社の“quadrantOne” を設立した。Tribune,Gannett,Hearst,New York Timesが発起人で,Newspaper Consortiumも加入し,現在は250新聞以上が仲間入りした。また,米ケーブル大手6社(Comcast, Time Warner Cable, Cablevision, Cox Communications, Charter Communications , Bright House)は,ターゲッティング広告事業のために“Project Canoe”(コード名)を立ち上げることになった。

 Cox Communicationsは, Cox Newspapers(16のローカル紙)のオンライン広告で quadrantOne と関わっているし,ケーブル広告事業ではProject Canoeの一員である。Adifyの買収は意外どころか,当然の動きなのかもしれない。
 
 

◇参考
・Online Ad Network Adify Sold To Cox Communications For $300 Million Plus Earnout(paidContent.org)
・伝統メディアの垂直アドネットワーク,ポータル系巨大ネットへの従属嫌う(メディア・パブ)
・Cable Firms Join Forces to Attract Focused Ads (NYTimes.com)
・LLIANCE OF MAJOR MEDIA COMPANIES TO DELIVER PREMIUM ,ONLINE POSITIONS FOR NATIONAL ADVERTISERS(プレスリリース)
・quadrantONE doubles its size, expands to more than 250 newspapers(プレスリリース)
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posted by 田中善一郎 at 14:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年04月14日

行動履歴対応のコンテンツや広告,ユーザーは容認しているのか

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 Webページのコンテンツや広告は,閲覧する個人に合わせてカスタマイズ表示されるようになってきている。ユーザーのオンライン行動履歴を分析して,それぞれのユーザーの趣味,嗜好に沿ったコンテンツや広告を表示させていこうとする流れである。

 こうした流れをサービスの向上と受けとめる人もいるだろうが,一方でいつもネット上の行動を監視されることに対して反発する人も少なくないはず。そこで,Harris Interactiveが米国のインターネットユーザーを対象に,アンケート調査を実施した(18歳以上の2513人の大人を対象に,2008年3月11日/18日に実施)。

 その調査によると,個人の行動履歴にもとづくコンテンツや広告表示に対して,多くのユーザー(59%)は不快と感じている。ただし,プライバシーやセキュリティーのポリシーを明確に打ち出している場合は,容認するユーザーがかなり増える。

 Google, Yahoo!, Microsoft (MSN) などは無料サービスを提供する一方で,ユーザーの行動を収集している。最初のアンケートは,
"How comfortable are you when those websites use information about your online activity to tailor advertisements or content to your hobbies and interests?"である。
つまり,あなたの趣味,嗜好に沿ったコンテンツや広告を表示するWebサイトについて,どう思うかを聞いている。その結果は,以下の通りである。


*ユーザーの容認度(個人の趣味に沿ってコンテンツをカスタマイズするWebサイトについて)
TAILORPERSONAL0803Harris.JPG
(ソース:Harris Interactive)

 “Not Comfortable”と答えた割合は59%である。世代別に見ると,当然の結果だが,中高年層は2/3以上の人が不快と受けとめている。

 次のアンケートでは,FTC(Federal Trade Commission)が定めるようなプライバシーポリシーやセキュリティーポリシーを適用しているWebサイトが,個人向けにカスタマイズしたコンテンツや広告を表示することに対して,どう思うかを聞いている。

*ユーザーの容認度(プライバシーやセキュリティーポリシーを明らかにしているWebサイトの場合)
ADOPTINGPRIVACY 0803.JPG
(ソース:Harris Interactive)

 ポリシーとは次のようなことを指す。ユーザーに対しては前もって,個人行動履歴に合わせたコンテンツや広告を表示することを説明する。また,カスタマイスするタイプをユーザーが選択できるようにする。真っ当なセキュリティー対応をとる。そして,ユーザーの同意なしに,ユーザーの行動履歴情報を他社に共有させない。

 “Not Comfortable”と答えた割合が,プライバシー/セキュリティーポリシーを明示することにより,59%から41%に減っている。18-31歳の若い人たちの間では62%の人が“Comfortable”と,容認が多数派である。

 

◇参考
・Majority Uncomfortable with Websites Customizing Content Based Visitors Personal Profiles(
Harris Interactive)
・Online Behavioral Advertising:Moving the Discussion Forward to Possible Self-Regulatory Principles(Federal Trade Commission)
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posted by 田中善一郎 at 07:24 | Comment(0) | TrackBack(2) | マーケティング 広告
2008年04月09日

今年のマーケティング予算,オンライン分野も景気後退の影響を受けるのか

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 景気後退で下り坂が続きそうだが,今年のマーケティング予算はどうなるのだろか。

 MarketingSherpaが世界のマーケター408人(81%は米国/カナダ)を対象に,今年のマーケティング予算についての調査を実施した。調査期間は2008年2月24日〜3月3日。

  大企業回答者の60%は,2008年のマーケティング予算を既に削ったか,あるいは削る予定と答えた。米大統領選挙や北京オリンピックの追い風を受けるにもかかわらず,景気後退でマーケティング費用を減らそうとする大企業が少なくない。

  確かに多くのマーケターは従来型マーケティング予算を減らしていくと回答しているが,オンラインマーケティング予算については増やすかフラットに保っていきたいようだ。

  以下は,オンラインマーケッティングと従来型マーケッティングの各セグメントについて,マーケターが今年の予算をどう増減させていくかを答えた結果である。

SherpaAds0803.JPG

  オンラインマーケッティング費用については,大半の回答者が予算を増やすか,せめてフラットにしていきたいようだ。ただし,約25%がディスプレー広告を減らしていくと答えていることと,オンライン予算を大幅に増やすと答えた人が少なかったのも気掛かりである。

  一方の従来型(非オンライン)のマーケティング予算については,60%近くがラジオ/TV広告予算を減らし,44%がプリントメディア広告予算を削ると回答した。

◇参考
・Marketing During a Downturn (pdf)(MarketingSherpa)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 08:16 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年04月08日

オンライン広告がTV広告を追い抜く日,英国では来年にも

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 オンライン広告がTV広告を近く追い抜く。このように英国のメディアが一斉に報じている。

 2006年10月12日のエントリーで次のように書いた。
(英国のインターネット広告費が)2004年に旧4大メディアの一角のラジオ広告費を追い抜いた。そして,昨年(2005年)は雑誌広告費を抜き去り,今年(2006年)は新聞広告費に追いつく勢いだ。まさに,ゴボウ抜きである。それだけではない。トップランナーのTV広告の背中も見え始め,2010年にも追いつくという
 それがなんと,一足早く2009年にもオンライン広告費がTV広告費を追い抜くかもしれないと言うから驚きだ。

  Internet Advertising Bureau (IAB)/ PricewaterhouseCoopers / the World Advertising Research Centre のレポートによると,2007年における英国のオンライン広告費は,前年比38%増の28億ポンド(5700億円)であった。これは英国の総広告費の15.3%となる。2006年の11.4%からグンとシェアを拡大している。シェア21.8%のTV広告に迫ってきたのだ。IAB chief executiveの Guy Phillipsonは,「2009年にもオンライン広告がTVを追い抜く」と期待しており,近く英国市場でオンラインが最大の広告メディアになることは間違いなさそうだ。

 また英国で注目したいのは,BBCのiPlayerやChannel 4の4oD などのオンラインTVの台頭である。オンデマンドでTV番組などを視聴できる。TV放送の広告がますます浸食されていくのであろう。

●BBC iPlayer
BBCiPlayer.JPG

● Channel 4's 4oD
4oD.JPG

 でも,米国や日本でオンライン広告がTV広告を追い抜くのは,早くても5年先であろう。その日が訪れるのは間違いないのだが・・・。


◇参考
・Online ads 'to beat TV' by 2009 (BBC NEWS)
・Spending on online ads rises by 38%(The Guardian)
・UK online ad spend to overtake TV: report(Reuters)
・オンライン広告が新聞広告を追い抜く日,英国がお先に(メディア・パブ)
・オンライン広告がTV広告を追い抜く日(メディア・パブ)
タグ:広告 TV

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posted by 田中善一郎 at 11:17 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年04月01日

伝統メディアの垂直アドネットワーク,ポータル系巨大ネットへの従属嫌う

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 米国の伝統的なメディアが,垂直型アドネットワークに乗り出している。

 新聞社や雑誌社,テレビ局などの伝統的なメディア会社にとって,従来のオフラインサービス以上にオンラインサービスが重要になろうとしている。ところが,編集(コンテンツ)ビジネスでも広告ビジネスでも,ネット専業事業者に主導権を握られているのが現状だ。中でも,GoogleやYahoo,Microsoft,AOLなどの検索エンジン/ポータルサイトが優位に市場を牽引している。

 すでに広告市場では,以前のエントリーで紹介したように,伝統メディアのオフライン広告がじり貧気味なのに対し,GoogleやMicrosoftなどのポータル系サイトのオンライン広告が急成長している。さらに伝統メディアまでも,自分たちのオンライン広告ビジネスをGoogleなどのアドネットワークに依存させ始めているのだ。

 オンラインシフトを加速化させている伝統メディアにとって,収益源の柱となる広告ビジネスを巨大ネット企業に頼っていくのはおもしろくない。そこで,自前のアドネットワークを仕掛けようとしているのである。

 だが,巨大ネット企業の大規模アドネットワークと真正面から戦っては相手にならない。ComScore Media Metrixの2月データによると,Yahooのアドネットワークのユニークビジター数は1億5700万人で,Googleのアドネットは1億4700人である。伝統メディア会社がいくら頑張ったとしても,リーチの大きさでは勝負にならない。

 そこで,伝統メディアが取り組み始めたのは,"vertical ad networks" とか"topic-specific ad networks"と呼ばれるアドネットワークである。つまり,特定分野にターゲットを絞ったアドネットワークである。規模は小さいけれど,効果的なターゲット広告を売り物にするのだ。ただし,自分のサイトだけでは小さすぎるので,同じ分野をカバーしている外部サイトや外部ブログを仲間に入れて,自サイトを核にしたアドネットワークを構築することになる。

 例を見ていこう。先日紹介したForbes.comの(Business and Finance Blog Network)は,400ブログを束ねたビジネス/金融分野向けアドネットワークである。Xconomyなどが加入する。近く立ち上がる。

 技術専門出版社IDGはIT分野をターゲットにしたアドネットワークIDG TechNetworkを始めている。独立系のIT出版サイト(パブリッシャー)を仲間入りさせていく。Data Center Knowledgeのようなサイトが加わっている。
IDGAdnet.JPG


 Martha Stewart Living Omnimedia はライフスタイル分野に絞ったアドネットワークMartha's Circleを旗揚げした。FriendsEAT.com やChristmas-Cookies.com のようなライフスタイル系サイトが加入した。
MarthaCircle.JPG 

 Warner BrosもTelepictures部門がママさん向けアドネットワークMom•Logic を立ち上げた。ママさん向けWebサイトやブログを募っている。
MOMLogic.JPG

 そのほか,Conde Nastのオンライン部門CondeNetがファッション系や技術系ブログを仲間入りさせたアドネットワークを立ち上げるように,伝統メディアの"vertical ad networks" がブームになってきた。新聞社サイトやTV局サイトのアドネットワークも産声をあげ始めている。

 こうしたニーズに応えて,Adifyが"vertical ad networks"のインフラサービスを提供している。同社が提供しているアドネットワークは,Featured Networks Powered by Adifyで一覧できる。IDG Tech NetworkやMOMLogicもAdifyのシステムを利用している。IDG Tech Networkが最近,Adify Widget Shareを採用して加盟サイトにウィジェット広告を配信することになった。

 なぜ,ここに来て伝統メディアが自前アドネットワークに乗り出すのか。いつもでもGoogleやYahooの言いなりになるのはプライドが許さないのかもしれない。それにオフラインメディアのブランド力やオフライン広告営業のノウハウを活かして,高付加価値の広告ビジネスを展開したいということか。IDGは120人以上の広告スタッフを抱えており,彼らを有効活用するためにも自前のアドネットワークが必要なのかも。Googleなどのアドネットワークのようなシステムに高く依存するのではなくて,スタッフの営業力に頼って高いCPMのターゲッティング広告を集めていきたいのだろう。外部のWebやブログを惹きつけるためにも,高いCPMの実現が必要だ。

 ただ課題も多そう。ほんとうに外部サイトとの間でWin-Win関係を築いていけるかどうかだ。自社のメディアサイトだけではなくて,外部サイトを含めたネットワーク全体の集客力を高めて,広告売上げを増やしていかなければならない。簡単ではない。伝統メディアのアドネットワークに加入しているサイトを見ればわかるのだが,ほとんどがGoogleなどの大規模アドネットワークを継続させている。また女性向けアドネットワークで話題のGlamのように,多くの広告在庫を抱えるようになったのだが,売れ残りが増えて自社広告ばかりが目立つことにもなりかねない。

 しばらく,伝統メディアの"vertical ad networks" の動きは目を離せない。



◇参考
・Traditional media team with niche sites to nab ad dollars(USAToday)
・Media cos. battle Web portals on ads (AP)
・Forbes Plans 400-Member Financial Ad Network; Viacom Forming Ad Nets For Music, Male Lifestyle(paidContent.org)
・Forbes,金融分野の400ブログを束ねた広告ネットを立ち上げ(メディア・パブ)
・IDG TechNetwork Debuts Media Network for Marketers to Reach Audiences of Independent Technology Publishers(プレスリリース)
・Details on Some Media Online Ad Networks(AP via Yahoo News)
・MTV/Nickelodeon Buy Parenting Sites to Form Ad Network; Burst Worried?(CenterNetworks)
・Adify Widget Share Powers Content Syndication for Publisher Networks(プレスリリース)

タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 09:49 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
2008年03月15日

2007年の米広告市場,オンラインシフトがくっきりと,オフラインでは屋外広告が元気

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 主要な米メディア企業の広告市場トレンドを,Silicon Alley Insiderがまとめている。とても便利だ。

 Google , Yahoo, Time Warner (TWX), Disney , Viacom , CBS , Clear Channel など主要17社のメディア企業を取り上げ,Online, TV, Print, Radio, Outdoorとセクター別に分けて、2006年から2007年の広告売上の変化を比較している。

 17社全体の2007年広告売上は580億ドルと,2006年の530億ドルに比べ9%増となった。オフライン広告が3%増に過ぎなかったのに,オンライン広告が28増と勢いの差を見せつけた。全体の絶対額の割合ではオフライン売上が7割を占めているが,2007年にオフライン広告が約10億ドルしか増えていないのに,オンライン広告は約40億ドルも増えている。主要メディア企業がオンラインシフトを加速化させている実態が読みとれる。

 オンライン広告では主要4社を比較している。Googleは2007年広告売上を前年に比べ44%(27億ドル)も増やし,独り勝ちであった。残り3社(Yahoo+Microsoft+AOL)を束にした広告売上は14%(13億ドル)しか増えていない。

 オフライン広告で元気がないセクターは,プリント(主に新聞)分野とラジオ分野である。下表で,赤くなっている(赤字)。

 オフライン広告で気を吐いているのは屋外(Outdoor)広告。日本と同じトレンドである。


USAd2007a.JPG

USAd2007b.JPG

USAd2007c.JPG
(注:ざっくりとしたトレンドを把握するための表である。オンライン広告も主要4社の売上だけを取り上げている。また,新聞社の広告売上はオフライン広告にすべて分類しているようだ)

◇参考
・Google Sucks Life Out of Old Media: Check Out The 2007 Share Shift(Silicon Alley Insider)
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posted by 田中善一郎 at 12:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年02月01日

グーグルのSNS広告事業,未だに期待外れで広告在庫の山

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 SNS(Social Networking Service)は,ページビューの割には稼ぎが少ないと言われ続けていた。だが最近は米国でも日本でも,大手SNSが軌道に乗り始めていると見ていたのだが・・・。

 昨日のGoogleの2007年第4四半期決算の発表に合わせて,SNS広告事業の苦戦が明らかになった。07年同期売上は前年同期比51%増の48億ドルとやや成長が鈍化したものの,同社としてはまずまずの成績であった。だがこれからの広告事業ではSNSの果たす役割が増すだけに,SNS事業が壁にぶつかっているとの動きは気になる。

 米国のメディアやブログによると,同社のSNS広告事業が期待外れに陥っているようだ。CFO のGeorge Reyes が「SNS広告が期待したようにマネタイズできていない」と話したと,ZDNet(Between the Lines)も伝えている。どうも,広告事業でパートナー提携しているMySpaceとの関係がギクシャクしているようである。Googleは2010年まで毎年少なくとも9億ドルの広告売上をMySpaceに保証することになっている。だが,「現実には信じられないほどの広告在庫を抱えている」とSergey Brin(Google創立者)も告白している。さらにBrinは「SNSをマネタイズするキラー手法がまだ見つかっていない。多くの試行錯誤が必要」とも語っている。

 確かに,AdWordsのような打ち出の小槌がSNSでは見つかっていない。SNS広告の有望なキラー手法として注目されていたFacebookのBeacon広告も,プライバシー問題のため本格離陸が先送りになりそうである。

 また,SNSのようなUGC(user-generated content)への広告出稿を敬遠する広告主は,米国でもいまでに少なくないとか。コンテンツをコントロールできないため,ふさわしくないページに広告が掲載されてしまい,ブランドイメージを傷つける恐れがあるからだ。


◇参考
・Google Announces Fourth Quarter And Fiscal Year 2007 Results(Google,Financial Release)
・Google: Social Networking Inventory Not Monetizing As Well As Expected; Trouble At MySpace?(Barron)
・Google’s quarter falls short of expectations; Social networking not monetizing well(ZDNet)
・フェースブック,画期的広告手法の件でついに謝罪(メディア・パブ)
・Fresh from New York: Trends in online advertising(VentureBeat)
タグ:google 広告

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posted by 田中善一郎 at 15:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | マーケティング 広告
2008年01月17日

オンライン広告,業界別では金融がトップ

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 オンライン広告主の業界別シェアでは,米国も日本でも金融関連分野がトップのようだ。

 米国のオンライン広告の業界別シェアでは,やはり金融サービスが28.8%とずば抜けて大きい。目立つのはテレコム分野で14.2%と2位に付けている。

 参考までに,日本のヤフーサイトの業界別広告売上高シェアも載せておく。


●米オンライン広告の業界別広告費と業界別シェア(2007年12月):ソースはNielsen online,AdRelevance
UsAdIndustry0712.JPG
(Online Ad Spend by Industry - December 2007(Marketing Charts)より)


●日本のヤフー(Yahoo! Japan)における広告売上高の業界別シェア(2007年第2四半期)
YahooJapanAd072Q.JPG
(2007年度第2四半期および中間決算説明会のプレゼンテーション資料(2007年10月24日発表)より)
タグ:広告

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posted by 田中善一郎 at 10:10 | Comment(0) | TrackBack(1) | マーケティング 広告
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