年明けを祝う花火としてはシドニーやベルリンが有名だが,今年は台湾の超高層ビルから打ち上げた花火が最も見応えがあった。そこで,AFPとReutersが提供しているウィジェット(Widget)をどうぞ。
このようなウィジェットを,昨年当たりからメディア・パブの記事でも随分と利用させてもらった。「2007年はウィジェットの年」になると見ていたので,ウィジェットを巡る動きもこの1年間しつこく追ってきた。
ウィジェットを,ユーザーのブログやSNS(プロフィールページ),ホームページ,パーソナライズドページ,PCデスクトップ,ケータイへに貼り付けるのが,米国ではかなり定着したといえる。そして企業やメディアが提供するアクセサリー的なアプリケーションが,あらゆる所でウィジェットの形で実行できるようになってきた。ポータビリティー性が高いこともあって,ウィジェットはバイラルマーケッティングのツールとして,また広告メディアとしても注目されているのである。
さらに注目すべきは,このウィジェット利用の延長上で巨大な流れが生まれ出していることだ。米国では主要SNSが開放的であることもあって,SNS上でウィジェットが盛んに利用されている。そこで世界2位のSNSであるFacebook(フェースブック)がオープンプラットフォームを打ち出した。外部のデベロッパーにFacebookプラットフォームを開放し,アプリケーションを開発できるようにしたのである。ウィジェットと呼ばずに,それを包含した形で一般のアプリケーションと言った点が肝要なのかもしれない。
これからはWebベースのアプリケーションやサービスの多くは,ソーシャルネットワーク化していくだろうという背景がある。ソーシャルグラフ(人間関係などのソーシャル相関グラフ)を利用したアプリケーションが主流になるというわけだ。
Facebookのオープンプラットフォームの滑り出しは大成功した。Adnomicsによると,約7ヶ月間で17万人近いデベロッパーによって約1万3000本のアプリケーションが開発され,それらのアプリケーションがFacebookユーザーのページに総計7億6500本も組み込まれたという。
このFacebookの勢いに警戒したのか,Googleは昨年11月初旬にOpenSocialで対抗してきた。ここに来て,ウィジェットのようなアクセサリー的なアプリケーションだけではなくて,すべてのWebベースアプリケーションを対象にしたオープンSNSプラットフォームが整備され始めているのだ。さらに,その先にはクラウドコンピューティングが続くのではなかろうか。
でも残念ながら,こうした潮流はいまのところ日本には無縁のようである。まずWidget(ウィジェット)の段階からしてブログパーツの域に留まっているようだし。オープンな水平分業の流れに乗るのはやはり馴染めないのかもしれない。
話が変わるが,Googleを別格にすれば,一昨年はYouTubeが,昨年はFacebookがネット業界の主役であり暴れん坊でもあった。YouTubeは新しいビデオサービスを生み出したし,Facebookはオープンプラットフォーム上のWebアプリケーションの流れを作り出した。さて、今年も革新的な主役を演じる企業が現れのだどうか。
今年は,SNSオープンプラットフォームやクラウドコンピューティングあたりから主役を演じる革命的な企業が躍り出れることを楽しみにしているのだが・・・。日本では,「ニコニコ動画」や「初音ミク」の類のサービスが生まれそうなので,今年もこのあたりで大騒ぎすることになるのかな。