英Economist誌の動画広告が,英国の映画館で映されている。若い読者を獲得するための動画広告である。
その動画広告がWSJ.comのビデオコーナーで紹介されていたので,それを以下に貼り付けておく。長さが70秒間のビデオである。
英Economist誌も不況の影響で広告売上が落ち込んでいるが,米国の3大経済誌(Business Week,Foebes,Fortune)と比べれば軽傷で済んでいる。これまで米国市場に注力してきた結果,専門性の高い若い米読者を取り込めているという。米国読者の平均年齢は39歳と,比較的若い。米国とカナダでの昨年の購読数は前年比9%増の78万6977部に対し,英国読者は前年比3.1%増の18万6995部であった。
おひざ元の英国での伸び率が北米に比べ低く,さらに読者の平均年齢が47歳と米国読者に比べればかなり高齢であることが問題になっていた。マーケターからはEconomist誌を読むような富裕層で,かつ若い読者を望まれているのだ。その読者若返りのニーズに応えるために,映画館でもコマーシャルビデオを流すといこことだが・・・。
◇参考
・The Economist Targets U.K. Readers(WSJ.com)
2009年07月15日
2009年07月12日
米雑誌の広告売上が下げ止まらない
米国雑誌の広告売上高および広告ページ数が下げ止まらない。 米雑誌協会(MPA:Magazine Publishers of America)が発表した広告データによると,09年第2四半期の広告売上/広告ページの年間下落率がさらに大きくなっている。
MPAは四半期ごとに,Publishers Information Bureau (PIB)が調べた米雑誌の広告売上/広告ページを公開している。一般にメディア広告の出稿量は季節要因に左右される。このため,四半期データを調べる場合も,一つ前の四半期と比べるのではなくて,1年前の四半期と比較することになる。
以下は,09年第2四半期および同第1四半期における,米雑誌の広告売上/広告ページの年間増減率を示している。第1四半期の広告売上が前年同期比20.6%減で,広告ページ数が同26.1%減であった。それに対して,第2四半期の広告売上が前年同期比21.4%減で,広告ページ数が同29.4%減と,下落率が大きくなっている。つまり,米国の雑誌広告は底打ちしていないのだ。

(ソース:MPA)
雑誌別の広告実績も公開されている。個人的に関心のある雑誌をピックアップして,以下に掲載しておく。ここでは,09年上期(1月-6月)と08年上期における,広告売上と広告ページ数が出ている。平均して,広告売上が2割減,広告ページ数が3割減だから,史上最悪ともいえる状況だ。その上,まだ下げ止まっていないのだから怖い。

(ソース:MPA)
Business Week,Foebes,Fortuneの3大ビジネス誌が,やはり悲惨な状況に陥っている。全雑誌の平均よりも,広告売上/広告ページ数の落ち込みが大きい。金融や自動車の広告が激減したのが大きく響いたのだろう。それに,めまぐるしく激変する金融/ビジネスの動きを追うには週刊誌や月刊誌では遅すぎて,読者が離れるも仕方ないのかも。
全滅に近い状況下の中で,踏ん張っているのがMeredithの有力誌である。FamilyCircleは,上期の広告売上が前年同期比で14.3%も増やしている。同社のBetter Homes and Gardens やLadies' Home Journal も,広告売上を微減に食い止めている。トップランナーであるTime Inc.のセレブ誌Peopleも,広告売上が4%減に留まっており,頑張っている。
広告カテゴリー別の売上/ページ数も公開されていたので,以下に載せておく。

(ソース:MPA)
金融と自動車が激減しているのは当然か。不況でも,暮らしていくには日用品や食料が欠かせないので,その分野の広告の落ち込みが少なめなのも納得できる。
◇参考
・PIB: Recession Continues to Impact Magazine Advertising in First Half( Magazine Publishers of America)
MPAは四半期ごとに,Publishers Information Bureau (PIB)が調べた米雑誌の広告売上/広告ページを公開している。一般にメディア広告の出稿量は季節要因に左右される。このため,四半期データを調べる場合も,一つ前の四半期と比べるのではなくて,1年前の四半期と比較することになる。
以下は,09年第2四半期および同第1四半期における,米雑誌の広告売上/広告ページの年間増減率を示している。第1四半期の広告売上が前年同期比20.6%減で,広告ページ数が同26.1%減であった。それに対して,第2四半期の広告売上が前年同期比21.4%減で,広告ページ数が同29.4%減と,下落率が大きくなっている。つまり,米国の雑誌広告は底打ちしていないのだ。
(ソース:MPA)
雑誌別の広告実績も公開されている。個人的に関心のある雑誌をピックアップして,以下に掲載しておく。ここでは,09年上期(1月-6月)と08年上期における,広告売上と広告ページ数が出ている。平均して,広告売上が2割減,広告ページ数が3割減だから,史上最悪ともいえる状況だ。その上,まだ下げ止まっていないのだから怖い。
(ソース:MPA)
Business Week,Foebes,Fortuneの3大ビジネス誌が,やはり悲惨な状況に陥っている。全雑誌の平均よりも,広告売上/広告ページ数の落ち込みが大きい。金融や自動車の広告が激減したのが大きく響いたのだろう。それに,めまぐるしく激変する金融/ビジネスの動きを追うには週刊誌や月刊誌では遅すぎて,読者が離れるも仕方ないのかも。
全滅に近い状況下の中で,踏ん張っているのがMeredithの有力誌である。FamilyCircleは,上期の広告売上が前年同期比で14.3%も増やしている。同社のBetter Homes and Gardens やLadies' Home Journal も,広告売上を微減に食い止めている。トップランナーであるTime Inc.のセレブ誌Peopleも,広告売上が4%減に留まっており,頑張っている。
広告カテゴリー別の売上/ページ数も公開されていたので,以下に載せておく。
(ソース:MPA)
金融と自動車が激減しているのは当然か。不況でも,暮らしていくには日用品や食料が欠かせないので,その分野の広告の落ち込みが少なめなのも納得できる。
◇参考
・PIB: Recession Continues to Impact Magazine Advertising in First Half( Magazine Publishers of America)
2009年07月08日
アマゾン“Kindle”の次の一手,広告付きの無料電子書籍を提供か?
米アマゾン(Amazon)が広告付きの電子書籍を画策しているようだ。
MediaPostによると,Amazonが広告付き電子書籍の特許を出願していたが,同社の特許“ON-DEMAND GENERATING E-BOOK CONTENT WITH ADVERTISING “がこのほど米国特許商標庁から発行された。

また同社からは,INCORPORATING ADVERTISING IN ON-DEMAND GENERATED CONTENT の特許も出ている。オンデマンド印刷コンテンツ(書籍)への広告組み込みも検討しているのだろう。
Amazonとしては,Kindle向け電子書籍を本格離陸させていくために,できる限り安く電子書籍を提供していきたい。紙の書籍よりもグンと安く電子書籍が購入でき,それも思い立った時に無線ですぐに入手できれば,Kindleで書籍を読もうとする人が増えるはず。
たとえば,ハードカバー版の“The Roger Federer Story”が24.95ドル(アマゾン価格は16.47ドル)で売られているのに対して,以下のようにKindle版電子書籍が9.99ドルと大幅割引にてAmazon.comで売られている。
この割引攻勢もあって,電子書籍リーダーKindleは,2008年に50万台,2009年第1四半期に30万台が出荷されたと言われている。でもまだ,380人の米国人のうち一人しかKindleを所持していない。これからが本番ということだろう。ソニーやサムソン,それにグーグルやアップルなども電子書籍市場に乗り込んだり,あるいは参入準備を進めている。
そこでアマゾンは,電子書籍に広告を掲載することにより,より安価に販売したり,物によっては無料で電子書籍も配布するかもしれないのだ。電子書籍流通の制空権確保を目指して,アマゾンが次の一手を打とうとしている。
◇参考
・Amazon Patents Detail Kindle Advertising Model(MediaPost)
・Amazon Filings Suggest Ads May Be Coming To E-Books(paidContent.org)
・Amazon Could Offer Free Or Cheap Ad-Supported Kindle E-Books (AMZN)(Silicon Allay Insider)
・6 Reasons Why Ads On The Kindle Don't Work (AMZN)(Silicon Allay Insider)
MediaPostによると,Amazonが広告付き電子書籍の特許を出願していたが,同社の特許“ON-DEMAND GENERATING E-BOOK CONTENT WITH ADVERTISING “がこのほど米国特許商標庁から発行された。
また同社からは,INCORPORATING ADVERTISING IN ON-DEMAND GENERATED CONTENT の特許も出ている。オンデマンド印刷コンテンツ(書籍)への広告組み込みも検討しているのだろう。
Amazonとしては,Kindle向け電子書籍を本格離陸させていくために,できる限り安く電子書籍を提供していきたい。紙の書籍よりもグンと安く電子書籍が購入でき,それも思い立った時に無線ですぐに入手できれば,Kindleで書籍を読もうとする人が増えるはず。
たとえば,ハードカバー版の“The Roger Federer Story”が24.95ドル(アマゾン価格は16.47ドル)で売られているのに対して,以下のようにKindle版電子書籍が9.99ドルと大幅割引にてAmazon.comで売られている。
この割引攻勢もあって,電子書籍リーダーKindleは,2008年に50万台,2009年第1四半期に30万台が出荷されたと言われている。でもまだ,380人の米国人のうち一人しかKindleを所持していない。これからが本番ということだろう。ソニーやサムソン,それにグーグルやアップルなども電子書籍市場に乗り込んだり,あるいは参入準備を進めている。
そこでアマゾンは,電子書籍に広告を掲載することにより,より安価に販売したり,物によっては無料で電子書籍も配布するかもしれないのだ。電子書籍流通の制空権確保を目指して,アマゾンが次の一手を打とうとしている。
◇参考
・Amazon Patents Detail Kindle Advertising Model(MediaPost)
・Amazon Filings Suggest Ads May Be Coming To E-Books(paidContent.org)
・Amazon Could Offer Free Or Cheap Ad-Supported Kindle E-Books (AMZN)(Silicon Allay Insider)
・6 Reasons Why Ads On The Kindle Don't Work (AMZN)(Silicon Allay Insider)
2009年07月01日
AOLが世界最大級のオンライン雑誌社を目指す,タイムの紙雑誌リソースに頼らず
AOLが世界最大級のオンライン雑誌社に変身するかもしれない。
ダメ会社の代名詞的存在となり,Time Warner のお荷物部門に転落していたAOL。とうとうTime Warner からも見捨てられ,独立した株式会社として再スタートすることになった。
正直なところ,AOLなんて過去の会社と思って無視していたのだが,意外にもおもしろい展開を見せ始めている。まず今年3月にトップが変わった。AOLの会長兼CEOに,Google副社長(広告担当)のTim Armstrong氏が就任したのだ。そこで動いた。バーチカルな分野のオンライン雑誌(オンラインサイト)を数多く擁した,世界最大級のオンライン雑誌社を目指す。そのためにMediaGlowのブランド名を冠したサイト(ベーター版)を立ち上げている。

ここで注目したいのが,Time Warnerとの関係である。Time Warnerといえば,世界最大級の雑誌部門(TimesInc.)を持ち,PeopleやFortuneなどの有力雑誌を多く発行している。こうしたTime Warnerの強力な雑誌ブランドやリソースを活用して,新生AOLの再出発に弾みをつけることも考えられたはず。
ところが,Time Warnerのリソースに全く頼らない戦略を選んだ。オンラインに特化した専門出版社として飛躍してていくためには,紙文化と決別するのも必要かも。紙雑誌の組織(人的リソースも含む)や文化(価値観)を引きずった形で,オンラインメディアを成功させるのは非常に難しいからだ。
実は,AOLはオンライン出版で先手を打っていた。2005年に「米AOL,ブログ専門出版社のWeblogsを買収」していたのだ。まだ萌芽期にあったブログ出版社を,時代の流れから遅れつつあったAOLが買収したので,当時,驚いた覚えがある。そのWeblogsがら出ているEngadget や Joystiq,Autoblogなどは世界的に有名なブログブランドに育ってきている。Weblogが持ち込んだオンライン出版手法がAOLで根付き,ニッチな分野のターゲットオンラインマガジン(サイト)が生まれてきている。さらに外部のブログサイトの買収にも乗り出している。
MediaGlowのサイトにアクセスすると,以下のような79タイトルのオンライン出版が既に並んでいる。狙いは,それぞれのターゲット分野でナンバーワンになることだ。すでにcomScoreの調査によると,Asylum(男性向けライフスタイルのオンラインマガジン)をはじめとする9タイトルが,各分野におけるナンバーワンサイトになっている。



新しいサイトとして加わったPolitics Dailyも,MediaGlowの勢いを象徴している。新興の政治専門ニュースサイトPolitico(こちらで紹介)を,Politics Dailyがユニークユーザー数で一気に追い抜いたからだ。

こうした細かくセグメント分けしたオンライン出版の集合体であるMediaGlowは,集客数を急伸させている。comScoreの5月調査によると,月間ユニークユーザー数が7600万人に達した。ページビューも,今年1月の古いデータであるが,月間70億ページビューと1年前に比べ47%も増えている。
現在約300人のスタッフがMediaGlowのサイトの運用に携わっており,それに加えて同じ300人ほどのフリーランサーと契約している。過去6ヶ月間に,Associated Press, Washington Post, USA Todayなどのジャーナリストを50人ほど雇った。外部のオンライン出版社の獲得にも力を入れる。最近では,Patch Media と Going Inc.の2社を買収した。ともにローカルコンテンツの専門出版社である。
どうも,紙媒体のリソース(人材やコンテンツなど)に頼らないで,自分たちのオンライン出版のために本当に必要なリソース(人材や,時にはオンライン出版物まるごと)を外部から調達したほうが良いということか。
◇参考
・Here Comes The AOL Blog Rollup (TWX)(Silicon Alley Insider)
・AOL Buys Two Local Content Sites(NYTimes.com)
・AOL Cracks Web Publishing -- Sans Time Warner(AdAge)
ダメ会社の代名詞的存在となり,Time Warner のお荷物部門に転落していたAOL。とうとうTime Warner からも見捨てられ,独立した株式会社として再スタートすることになった。
正直なところ,AOLなんて過去の会社と思って無視していたのだが,意外にもおもしろい展開を見せ始めている。まず今年3月にトップが変わった。AOLの会長兼CEOに,Google副社長(広告担当)のTim Armstrong氏が就任したのだ。そこで動いた。バーチカルな分野のオンライン雑誌(オンラインサイト)を数多く擁した,世界最大級のオンライン雑誌社を目指す。そのためにMediaGlowのブランド名を冠したサイト(ベーター版)を立ち上げている。

ここで注目したいのが,Time Warnerとの関係である。Time Warnerといえば,世界最大級の雑誌部門(TimesInc.)を持ち,PeopleやFortuneなどの有力雑誌を多く発行している。こうしたTime Warnerの強力な雑誌ブランドやリソースを活用して,新生AOLの再出発に弾みをつけることも考えられたはず。
ところが,Time Warnerのリソースに全く頼らない戦略を選んだ。オンラインに特化した専門出版社として飛躍してていくためには,紙文化と決別するのも必要かも。紙雑誌の組織(人的リソースも含む)や文化(価値観)を引きずった形で,オンラインメディアを成功させるのは非常に難しいからだ。
実は,AOLはオンライン出版で先手を打っていた。2005年に「米AOL,ブログ専門出版社のWeblogsを買収」していたのだ。まだ萌芽期にあったブログ出版社を,時代の流れから遅れつつあったAOLが買収したので,当時,驚いた覚えがある。そのWeblogsがら出ているEngadget や Joystiq,Autoblogなどは世界的に有名なブログブランドに育ってきている。Weblogが持ち込んだオンライン出版手法がAOLで根付き,ニッチな分野のターゲットオンラインマガジン(サイト)が生まれてきている。さらに外部のブログサイトの買収にも乗り出している。
MediaGlowのサイトにアクセスすると,以下のような79タイトルのオンライン出版が既に並んでいる。狙いは,それぞれのターゲット分野でナンバーワンになることだ。すでにcomScoreの調査によると,Asylum(男性向けライフスタイルのオンラインマガジン)をはじめとする9タイトルが,各分野におけるナンバーワンサイトになっている。
新しいサイトとして加わったPolitics Dailyも,MediaGlowの勢いを象徴している。新興の政治専門ニュースサイトPolitico(こちらで紹介)を,Politics Dailyがユニークユーザー数で一気に追い抜いたからだ。
こうした細かくセグメント分けしたオンライン出版の集合体であるMediaGlowは,集客数を急伸させている。comScoreの5月調査によると,月間ユニークユーザー数が7600万人に達した。ページビューも,今年1月の古いデータであるが,月間70億ページビューと1年前に比べ47%も増えている。
現在約300人のスタッフがMediaGlowのサイトの運用に携わっており,それに加えて同じ300人ほどのフリーランサーと契約している。過去6ヶ月間に,Associated Press, Washington Post, USA Todayなどのジャーナリストを50人ほど雇った。外部のオンライン出版社の獲得にも力を入れる。最近では,Patch Media と Going Inc.の2社を買収した。ともにローカルコンテンツの専門出版社である。
どうも,紙媒体のリソース(人材やコンテンツなど)に頼らないで,自分たちのオンライン出版のために本当に必要なリソース(人材や,時にはオンライン出版物まるごと)を外部から調達したほうが良いということか。
◇参考
・Here Comes The AOL Blog Rollup (TWX)(Silicon Alley Insider)
・AOL Buys Two Local Content Sites(NYTimes.com)
・AOL Cracks Web Publishing -- Sans Time Warner(AdAge)
2009年06月15日
開花する電子書籍市場,本命Amazonに挑むScribd
電子書籍市場で足場を固めつつあるAmazonに対して,文書ストアを開設したScribdが挑戦する。
このほど,そのScribdが出版社Simon & Schuster(CBSの一部門)と提携し,Simon & Schusterが発行している書籍のデジタルコピーを文書ストア“Scribd Store”で販売することになった。約5000タイトルを売ることになっているが,中にはStephen King, Dan Brown,それにMary Higgins Clarkなどのベストセラー作家の作品も含まれる。
文書ストアScribd Storeは,文書共有サービス(Scribd.com)をベースにして先月に開設されたばかりの文書マーケットプレイス・サイトである(こちらを参照)。出版社を含む企業から個人までの誰もが,小説やレポートなどを販売できる。
ところで文書ストアの土台となるScribd.comは,誰もが勝手に投稿できる無料の文書共有サイトであった。文書版YouTubeのようなサービスであったため,月間ユニークユーザーが6000万人も集まる人気サイトに育ったものの,やはりYouTubeと同様に不法コピーの投稿で問題を引き起こしていた。被害を受けた出版社や著者との間で,ゴタゴタが絶えなかったのだ。
そこで,Scribd Storeの開設に合わせてScribdは,不法コピー対策に乗り出している。たとえば,Simon & Schusterの書籍コンテンツの不法コピーが投稿されていないかを監視し,見つかれば直ちに不法コンテンツをサイトから取り除くようにしている。
このScribd StoreをAmazonのKindle e-book storeの対抗馬と言うには,まだ時期尚早かもしれない。だが米国の出版社のなかには,Kindle e-book storeに対抗する販売チャンネルとしてScribd Storeに期待を寄せているところも少なくない。それは,出版社側でAmazonに対する不満がくすぶっているからのようだ。
Amazonは,電子書籍の業界標準としてKindleを定着させるために,Kindle版書籍の販売価格を低く設定している。つまり,電子書籍の販売価格のコントロール権をAmazonが握っており,出版社が自由に販売価格を設定できないでいるようだ。Kindle版書籍が安く売られているため,出版社にとって収益性の低いビジネスとなっているのでは。
一方のScribdは,出版社が自由に販売価格を設定できるようにしており,さらに販売売上の80%を出版社に分配する。出版社としては,かなり好条件である。また,販売コンテンツをDRM保護にするかどうかも出版社が決めることができる。
すでに,Simon & Schusterの書籍コンテンツの幾つかが,Scribd Storeでも販売されていた(文頭のスナップショットを参照)。そこで,Kindle版と販売価格を比較してみた。例として,Jodi Picoult著の小説“Second Glance”を取り上げる。
Scribd Storeでは,12.8ドルでダウンロード購入ができる。パソコンだけではなくて,Sony Readerやスマートフォン/ケータイなどでも閲覧できる。また驚くことに,433ページのうち377ページ分を無料で立ち読みができる(続くで,サンプルを貼り付けておく)

同じ小説のKindle Editionが,AmazonのKindle e-book storeで7.99ドルで売られていた。Scribd Store価格よりも4.8ドルも安い。電子書籍端末KindleかiPhone(Kindle版書籍閲覧用アプリを使用)が必要となる。
Scribdは,販売提携の件で大手出版社と交渉中という。出版社はScribd Storeを好意的に見ているものの,電子書籍の販売チャンネルとして,Kindle版を切り捨てることは難しいのではなかろうか。となると,やはりAmazonの優位性は崩れないかな。
◇参考
・Scribd Signs Deal with Simon & Schuster to Showcase and Sell Thousands of eBooks and Printed Titles(プレスリリース)
・Simon & Schuster to Sell Digital Books on Scribd.com(NYTimes.com)
・Publisher warms to Scribd store(AP)
・文書共有サイト“Scribd”,マーケットプレースでマネタイジングを(メディア・パブ)
続きを読む
2009年05月22日
電子書籍端末「キンドル」のユーザー,大半が中高年者なのか
Amazonの電子書籍端末「キンドル(Kindle)」に飛びついているユーザーは,どうも大半が中高年者のようだ。
Kindleの出足は,これまでの電子書籍端末と違って,きわめて順調であるという。Citiも昨年だけで既に50万台が売られたと見ている。さらに,先日のKindle DXの発表時にAmazon CEOのJeff Bezosが,現在Amazon.comで販売された書籍の35%がKindle版であることを明らかにした。驚くべき割合だ。またPiper Jaffrayの予測によると,Kindle関連(Kindle端末+Kindle版出版物)の売上が,2009年に4億500万ドル,2010年に10億ドル近くに達するという。

Amazon.comのKindle Communityも盛り上がっている。マニアックなKindle中毒者が多そう。そのコミュニティーでAverage Kindle Owner's Ageと称する興味深いフォーラムが,4月から立ち上がっている。そのフォーラムで次のようなメッセージがポストされていた。
61歳以上:16%
51-60歳:30%
41-50歳:24%
31-40歳:19%
Kindle所有者のほぼ半数が50歳以上である。所有者の70%が41歳以上となる。フォーラムを拾い読みしても,中高年者が目立って多いのは確かだ。
Kindleの持ち主は,頻繁に書籍を購入する中高年の読書家が多いようだ。ベストセラーを含む新刊書が数多くKindle版でも販売されており,その多くが紙の書籍よりも安いディスカウント価格で買える。熱心な読書家ならば,興味のある新刊書をすぐにでも手に入れたい。Kindleを持っていれば,欲しいと思った時にすぐにデジタル版の書籍を入手できるわけだ。それも紙の書籍よりも安く購入できるとなれば嬉しい。Amazonで売れる書籍の35%がKindle版というのも,なんとなく理解できる。
でも一方で,たまにしか書籍を購入しない若者の多くは,わざわざKindleを持とうとしないかも。ケータイやスマートフォンで済ませてしまうのだろうか。
◇参考
・Kindle Joins Hybrid Solution for News(PointerOnline)
・Kindle users skew older; does that impact news biz’s revenue hopes?(The Nieman Journalism Lab)
・Kindle Books Now A Shocking 35% Of Sales When Kindle Version Available (AMZN)(Silicon Allay Insider)
・Will Digital Books Turn Paper Books to Kindle-ing?(eMarketer)
・Citi Says Amazon Sold 500,000 Kindles Last Year; $1.2 Billion Business Next Year(MediaMemo)
Kindleの出足は,これまでの電子書籍端末と違って,きわめて順調であるという。Citiも昨年だけで既に50万台が売られたと見ている。さらに,先日のKindle DXの発表時にAmazon CEOのJeff Bezosが,現在Amazon.comで販売された書籍の35%がKindle版であることを明らかにした。驚くべき割合だ。またPiper Jaffrayの予測によると,Kindle関連(Kindle端末+Kindle版出版物)の売上が,2009年に4億500万ドル,2010年に10億ドル近くに達するという。

Amazon.comのKindle Communityも盛り上がっている。マニアックなKindle中毒者が多そう。そのコミュニティーでAverage Kindle Owner's Ageと称する興味深いフォーラムが,4月から立ち上がっている。そのフォーラムで次のようなメッセージがポストされていた。
I just completed a survey of Kindle users (largely on this forum, though other places as well). Age correlates, in a positive direction, to ownership - up to the age of 60. The largest percentage of Users, at almost 30% are in the 51-60 year old age category. 24% are 41-50, 19% 31-40 and 16% are 61 plus. I am still processing results, but thought I would crunch these quickly as this is clearly a popular question in the forum. I'll share other demos when I process them (preview: 66% of you are women).Kindle所有者の年齢分布を次のようにまとめている。
61歳以上:16%
51-60歳:30%
41-50歳:24%
31-40歳:19%
Kindle所有者のほぼ半数が50歳以上である。所有者の70%が41歳以上となる。フォーラムを拾い読みしても,中高年者が目立って多いのは確かだ。
Kindleの持ち主は,頻繁に書籍を購入する中高年の読書家が多いようだ。ベストセラーを含む新刊書が数多くKindle版でも販売されており,その多くが紙の書籍よりも安いディスカウント価格で買える。熱心な読書家ならば,興味のある新刊書をすぐにでも手に入れたい。Kindleを持っていれば,欲しいと思った時にすぐにデジタル版の書籍を入手できるわけだ。それも紙の書籍よりも安く購入できるとなれば嬉しい。Amazonで売れる書籍の35%がKindle版というのも,なんとなく理解できる。
でも一方で,たまにしか書籍を購入しない若者の多くは,わざわざKindleを持とうとしないかも。ケータイやスマートフォンで済ませてしまうのだろうか。
◇参考
・Kindle Joins Hybrid Solution for News(PointerOnline)
・Kindle users skew older; does that impact news biz’s revenue hopes?(The Nieman Journalism Lab)
・Kindle Books Now A Shocking 35% Of Sales When Kindle Version Available (AMZN)(Silicon Allay Insider)
・Will Digital Books Turn Paper Books to Kindle-ing?(eMarketer)
・Citi Says Amazon Sold 500,000 Kindles Last Year; $1.2 Billion Business Next Year(MediaMemo)
2009年05月05日
3大ビジネス誌のBW,Forbes,Fortuneも苦境に
構造的な不況業種となってきた新聞や雑誌の紙媒体業界。米国の3大ビジネス誌のBusinessWeek, Forbes, それに Fortuneも例外ではない。その3大雑誌がしのぎを削っていたビジネス雑誌市場に乗り込んできたCondé Nastのビジネス誌“Portfolio magazine”も、創刊2年にして敢え無く休刊することになった。
老舗の3大ビジネス誌の現況を24/7Wallstがまとめていたので、紹介する。
*BusinessWeek(1929年創刊)
・2008年の広告ページ数が前年比16%減。
・2009年の広告ページ数が4月末までで63%減
・編集と管理の総スタッフが220人以上。営業スタッフは含んでいない。
・Webサイト(Businessweek online)の広告売上高が、2008年はわずか3000万ドル。
*Forbes(1917年創刊)
・2008年の広告ページ数がほぼフラット。
・2009年の広告ページ数は、現在まで38%減。最新号は65%減。
・競合2誌に比べオンライン事業が強く、オンラインの年間売上が7000万ドルから8000万ドルの範囲であるが、最近の不況で成長が止まっている。
*Fortune(1930年創刊)
・2008年の広告ページ数は17%減。
・2009年の広告ページ数はこれまで19%減。最新号は前年同期号と比べて33%減。
・今年は700万ドルから800万ドルの損失か
広告の急回復が期待できそうもないだけに、いずれも台所事情は厳しそう。特に多くのスタッフを抱えているBusinessWeekのさらなるレイオフは避けられないのでは
◇参考
・The Sun Sets On BusinessWeek, Forbes, And Fortune(24/7Wallst)
・鳴り物入りで創刊したCondé Nastのビジネス誌“Portfolio”、ついに息絶える(メディア・パブ)
老舗の3大ビジネス誌の現況を24/7Wallstがまとめていたので、紹介する。
*BusinessWeek(1929年創刊)
・2008年の広告ページ数が前年比16%減。
・2009年の広告ページ数が4月末までで63%減
・編集と管理の総スタッフが220人以上。営業スタッフは含んでいない。
・Webサイト(Businessweek online)の広告売上高が、2008年はわずか3000万ドル。
*Forbes(1917年創刊)
・2008年の広告ページ数がほぼフラット。
・2009年の広告ページ数は、現在まで38%減。最新号は65%減。
・競合2誌に比べオンライン事業が強く、オンラインの年間売上が7000万ドルから8000万ドルの範囲であるが、最近の不況で成長が止まっている。
*Fortune(1930年創刊)
・2008年の広告ページ数は17%減。
・2009年の広告ページ数はこれまで19%減。最新号は前年同期号と比べて33%減。
・今年は700万ドルから800万ドルの損失か
広告の急回復が期待できそうもないだけに、いずれも台所事情は厳しそう。特に多くのスタッフを抱えているBusinessWeekのさらなるレイオフは避けられないのでは
◇参考
・The Sun Sets On BusinessWeek, Forbes, And Fortune(24/7Wallst)
・鳴り物入りで創刊したCondé Nastのビジネス誌“Portfolio”、ついに息絶える(メディア・パブ)
タグ:雑誌
2009年04月28日
鳴り物入りで創刊したCondé Nastのビジネス誌“Portfolio”、ついに息絶える
1か月ほど前の記事で 「Condé Nastが一昨年満を持して創刊したビジネス誌“Portfolio magazine”も、4月号は広告が21ページしかない総計106ページの薄っぺらい雑誌となっている」と伝えたばかりであったが・・・。
Condé Nastは、the New Yorker, Vogue, Vanity Fair, GQ 、Wiredなどの個性ある有力雑誌を発行している名門出版社。そして、3大ビジネス雑誌のFortune、 Forbes、 BusinessWeekの一角に食い込もうと、2年前に鳴り物入りで創刊したビジネス誌が“Portfolio magazine”であった。同時にWebサイトPortfolio.comもスタートさせた。だが、大不況の大波をかぶり、広告が振るわず、2年間の短い命を絶つことになったのだ。
雑誌をほとんど読む機会がなかったが、Portfolio.comの記事は何度か参考にさせてもらった。記事もWebのデザインもスマートで気に入っていただけに、残念である。Portfolio.comはひとまず閉めるが、The Portfolio Insider と称するコミュニティー指向のサービスを始める予定である。
ちなみにPortfolio magazineの発行部数は40万部とも45万部とも言われていた(実売部数はもっと少ないと思うが)。80人以上のスタッフが職を失うことになる。また同社は2ヶ月前にライフスタイル誌のDomino(こちらで既報)を休刊させたばかりである。ニューヨークの名門新聞社(NYTimes)も名門出版社(Condé Nast)も大変だ。
◇参考
Portfolio Magazine Shut, a Victim of Recession(NYTimes.com)
タグ:雑誌
2009年04月20日
オンラインシフトで成功した技術出版社IDG、景気後退にもかかわらず売上伸ばす
大手の技術系出版社のIDGが、景気後退にもかかわらず売上を伸ばしている。オンラインシフトが軌道に乗っているため、逆風の中でも収益を増やしているようである。
創業者であり、今も会長として陣頭指揮を執るパトリック・マクガバンPatrick McGovern(71)が、MediaShiftのインタビューに応えていたので、興味深い発言をまとめておく。
その前に、IDGの業績と最近の戦略について。
・2008年の年間売上高:32億ドル
・世界で運用中のWebサイト:450サイト以上
・オンライン売上比率:総売上の48%
・ IDGTechNetworkの月間ユニークビジター数:平均4000万人
IDGの大きな戦略転換としては、2007年にオンライン事業を最優先に置いたことがある。その象徴的な決定の一つが、旗艦メディアのInfoWorldをオンラインオンリーとしたことだ。
以下は主なQ&A。
Q:オンライン優先の今後
A:この3年間で、オンライン売上比率が35%から48%にアップした。2010年には、オンライン売上を50%、プリント(雑誌)売上を35%、会議/イベント売上を15%にする。景気後退期なので、イメージ/ブランド広告よりも、パフォーマンス志向の広告が増える。見込み客獲得のための「lead generation」に特に力を入れていく。
Q:InfoWorldを雑誌からオンラインオンリーへの切り替えで何を学んだか。
A:オンラインならではの表現手法を開発。その一つに、アニメを利用したInfoClipz(たとえばGreen Technology)などがある。雑誌を休刊することにより売上を40%ほど失ったが、オンラインユーザーが増えて結局は売上を10%も伸ばすことになった。
Q:IDG TechNetwork の展開について。
A:現在、Webサイトやブログが153サイトも参加している。有力ブログのGigaOmも仲間に入った。ターゲット化したアドネットワークとして、広告売上が急増している。参加サイトコンテンツの品質テストを実施しており、われわれの品質テストにパスしなかったサイトは仲間から外す。
Q:コンテンツの60%がUGC( user-generated content)であるが、今後UGCの割合をもっと増やしていくのか
A:仕事向けのB2Bメディアの場合は、読者の多くが専門知識を持っているので、彼らと経験を共有することは重要。UGCは拡大していくだろう。
Q:景気後退の影響は
A:雑誌(プリント)事業の広告は20%ダウンした。 lead generationビジネスは30%〜40%も急成長した。そのため全体では、売上を8〜10%ほど増やせた。オンライン広告もCPMタイプ広告は3〜4%の伸びに留まっている。つまりページビュー依存の広告が伸び悩んでいる。しかし我々はcost-per-lead (CPL)に力を入れてきたので、 売上を伸ばすことができた。
◇参考
・How Tech Publisher IDG Grows Revenues During Recession( MediaShift)
・InfoWorld Leads Way as IDG Goes Head-First on Web( MediaShift)
・伝統メディアの垂直アドネットワーク,ポータル系巨大ネットへの従属嫌う(メディア・パブ)
タグ:雑誌
2009年03月30日
米雑誌の広告売上、2011年までマイナス成長が続くのか
新聞の休刊ほど社会に与える影響は大きくないかもしれないが、雑誌の休刊ラッシュも悲しい。米国では2008年に525タイトルの雑誌が休刊したが、今年に入って87タイトル以上の雑誌が消えてしまった。
米国の雑誌は新聞と同じく、広告売上に大きく依存しているため、休刊ラッシュも仕方がない。景気減速により広告が急減しているためだ。例えばCondé Nastが一昨年満を持して創刊したビジネス誌“Portfolio magazine”も、4月号は広告が21ページしかない総計106ページの薄っぺらい雑誌となっている。
eMarketerがコンシューマー向け米雑誌の広告費を次のように予測している。2007年から2011年まで、長期的なマイナス成長が続くと見ているのだ。今年2009年は109億ドルと、前年比 16.2%減の厳しい予測が出ている。

(ソース:eMarketer)
米国の雑誌社も、オンライン事業に力を入れ始めている。新しい収益源としてオンライン広告収入に期待しているのだが、プリント(雑誌)広告収入と比べるとまだまだ少ない。以下は、米主要雑誌社のオンライン広告売上ランキングである。Advertising Ageのデータをベースに、eMarketerが作成したグラフである。

(ソース:Advertising Age)
トップのTimes社のオンライン広告売上は、2008年が2億4500万ドルであった。これは、同社の全広告売上の10%である。オンライン広告売上が全広告売上の10%以上占めている出版社は、Timesを除くとMartha Stewart Living Omnimediaだけである。オンライン事業に牽引役を期待するのは難しそう。
プリントメディアの新聞社や雑誌社の前途は厳しい。
◇参考
・Magazines Run Online(eMarketer)
米国の雑誌は新聞と同じく、広告売上に大きく依存しているため、休刊ラッシュも仕方がない。景気減速により広告が急減しているためだ。例えばCondé Nastが一昨年満を持して創刊したビジネス誌“Portfolio magazine”も、4月号は広告が21ページしかない総計106ページの薄っぺらい雑誌となっている。
eMarketerがコンシューマー向け米雑誌の広告費を次のように予測している。2007年から2011年まで、長期的なマイナス成長が続くと見ているのだ。今年2009年は109億ドルと、前年比 16.2%減の厳しい予測が出ている。

(ソース:eMarketer)
米国の雑誌社も、オンライン事業に力を入れ始めている。新しい収益源としてオンライン広告収入に期待しているのだが、プリント(雑誌)広告収入と比べるとまだまだ少ない。以下は、米主要雑誌社のオンライン広告売上ランキングである。Advertising Ageのデータをベースに、eMarketerが作成したグラフである。

(ソース:Advertising Age)
トップのTimes社のオンライン広告売上は、2008年が2億4500万ドルであった。これは、同社の全広告売上の10%である。オンライン広告売上が全広告売上の10%以上占めている出版社は、Timesを除くとMartha Stewart Living Omnimediaだけである。オンライン事業に牽引役を期待するのは難しそう。
プリントメディアの新聞社や雑誌社の前途は厳しい。
◇参考
・Magazines Run Online(eMarketer)
2009年02月18日
今年も元気な"Sports Illustrated"の水着特集、不景気を吹っ飛ばす
リセッションとか、経営破たんとか、レイオフとか、気落ちする話ばっかりでイライラしている男性に、嫌なことを忘れさせてくれるサービスが、今年もSI(Sports Illustrated)から提供されている。
米国の有力スポーツ雑誌Sports Illustratedは毎春,水着特集号を発行している。この号は女性トップモデルの水着姿が拝めるとあって,バカ売れするそうな。1964年から続く超人気号である。
TimeWarnerのプレスリリースで気づいたので、さっそくSports Illustrated の2009年版特設サイト:CNNのドメイン)に飛んでみた。

サイトは雑誌特集号と連動しているが,Webの特徴を活かして、ビデオサービスに力を入れている。今年は出足から絶好調だ。2月10日12時に立ち上げてからの2日間だけで、特設サイトで570万本以上ものビデオが視聴された。昨年は6週間で総計330万本であったのだから、今年の勢いはもの凄い。また、今年もYouTube にSIswimsuitチャンネルを開設したが、2日間で180万本が視聴された。昨年は2月一杯で210万本だったので,YouTube経由でも今年はハイペースで推移ししている。

昨年に比べ桁違いに多くビデオが視聴されているのは、やっぱり皆イライラしていて癒されたいのかな、それとも無駄遣いしたくないので「巣ごもり」しているせいかも。で、おまけとしてこのブログにも、ビデオを貼り付けようとしたのだが、いずれもWidget(embedded code)が用意されていなかったので、ダメだった。どうしても視聴したい人は,こちらとかあちらでどうぞ。でも仕事中にこのようなビデオにはまっていると、時期が時期だけにレイオフされるかも。
ともかく、この水着プロジェクトはTimeWarne社のドル箱になっているようだ。SI.comのユニークビジター数も,通常よりも2月10日が5%増、2月11日が6.7%増となった。
◇参考
・Sports Illustrated Swimsuit 2009 on SI.com Sets All-Time Records in Video and Traffic(TimeWarner、プレスリリース)
米国の有力スポーツ雑誌Sports Illustratedは毎春,水着特集号を発行している。この号は女性トップモデルの水着姿が拝めるとあって,バカ売れするそうな。1964年から続く超人気号である。
TimeWarnerのプレスリリースで気づいたので、さっそくSports Illustrated の2009年版特設サイト:CNNのドメイン)に飛んでみた。
サイトは雑誌特集号と連動しているが,Webの特徴を活かして、ビデオサービスに力を入れている。今年は出足から絶好調だ。2月10日12時に立ち上げてからの2日間だけで、特設サイトで570万本以上ものビデオが視聴された。昨年は6週間で総計330万本であったのだから、今年の勢いはもの凄い。また、今年もYouTube にSIswimsuitチャンネルを開設したが、2日間で180万本が視聴された。昨年は2月一杯で210万本だったので,YouTube経由でも今年はハイペースで推移ししている。
昨年に比べ桁違いに多くビデオが視聴されているのは、やっぱり皆イライラしていて癒されたいのかな、それとも無駄遣いしたくないので「巣ごもり」しているせいかも。で、おまけとしてこのブログにも、ビデオを貼り付けようとしたのだが、いずれもWidget(embedded code)が用意されていなかったので、ダメだった。どうしても視聴したい人は,こちらとかあちらでどうぞ。でも仕事中にこのようなビデオにはまっていると、時期が時期だけにレイオフされるかも。
ともかく、この水着プロジェクトはTimeWarne社のドル箱になっているようだ。SI.comのユニークビジター数も,通常よりも2月10日が5%増、2月11日が6.7%増となった。
◇参考
・Sports Illustrated Swimsuit 2009 on SI.com Sets All-Time Records in Video and Traffic(TimeWarner、プレスリリース)
2009年02月08日
アマゾンのキンドル2の写真、ネット上にリークか
9日に発表されるアマゾンの電子書籍端末「キンドル2」の写真が、ネット上に出回っている。本物らしいので・・・。
写真はスクープ元のこちらで(http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=38108)どうぞ。サムネイル写真をクリックすると拡大写真が現れる。
薄いのが特徴か。Kindle 2の価格は359ドルで、発売は2009年2月24日から(これは未確認情報とのこと)
◇参考
・Exclusive: Amazon Kindle 2 official images + price + release date(mobileread)
写真はスクープ元のこちらで(http://www.mobileread.com/forums/showthread.php?t=38108)どうぞ。サムネイル写真をクリックすると拡大写真が現れる。
薄いのが特徴か。Kindle 2の価格は359ドルで、発売は2009年2月24日から(これは未確認情報とのこと)
◇参考
・Exclusive: Amazon Kindle 2 official images + price + release date(mobileread)
2009年01月27日
米大手出版社コンデナスト,デジタル部隊の統合化でネット事業を強化
米大手出版社Conde Nast(コンデナスト)が,デジタル統合組織のCondé Nast Digitalを設立し,ネット事業で攻勢をかけことになった。
コンデナストは,日本でも馴染みの「VOGUE」や「GQ」「Wired」を発行している雑誌社であり,上の表紙写真のように,個性ある雑誌を数多く抱えている。Vogue,Glamour,Teen Vogue,Lucky,Golf Digest,Vanity Fair,Bon Appétit,The New Yorkerのように,最新のレートベース(広告料金のベースとなる保証部数)でも100万部を超える強力な雑誌が目白押しである。
同社は収益の多くを雑誌からの広告売上に頼っている。そのために,販促費などを余分に注ぎ込んでまで,レートベースを維持しあるいは増やす努力をしてきた。実際,Vogue,Glamour,Golf Digest,Vanity Fairなどの主力雑誌はこの3年近くの間でも部数を増やしてきている。この結果,全広告売上の97%を雑誌広告で占めており,オンライン広告はわずか3%である。
ところが,雑誌業界にも冬の時代が襲ってきた。雑誌広告売上が急速に減り始めている。その落ち込み分の補完を期待されるオンライン広告の売上比率が3%と,競合他社に比べても低過ぎる。株主からも「オンライン広告でもっと稼げ」と要求されたようだ。
同社は,オンライン事業を必ずしも無視していたわけではない。それどころか,90年代の半ばころから先駆けてサイトを立ち上げていた。今では,雑誌ブランドのウェブサイトの他に,同社の中核サイトとしてCondéNetを運用している。CondéNetでは,Epicurious.com,NutritionData.com,Concierge.com, HotelChatter.com, Jaunted.com, Style.com, Men.Style.comなどの分野別サイトを束ねている。さらに外部リソースにも手を伸ばし,Reddit.com(Diggのようなアグリゲータ)やNutritionData.com(健康/栄養の調査サイト) ,SFO( メディア/トラベル・ブログ),Ars Technica(テクノロジーブログ)などを買収してきた。
でもいかんせん,雑誌(紙媒体)中心の出版社である。オンライン事業は脇役で,紙媒体のおまけのような存在であった。雑誌ブランドのサイトは当然,雑誌を支援するのがミッションであったはずだし,CondéNetはオンラインサービスに特化したサイトとはいえ,雑誌から完全に独立して活動ができたとは思えない。さらに最近では,オンライン事業を遠ざける行動も目立ってきた。まずCondéNetの人員を削減した。そのため,オンライン広告の売上が減ってきた。さらにSNSサイトのFlip.comなどを店じまいするなど,オンライン事業への消極的な取組に対して非難の声が高まっていたのだ。
そして今回,バラバラであったデジタル部隊をCondé Nast Digitalと称する組織に統合し,オンライン事業を強化することを宣言したのである。Sarah Chubb(former president of CondéNet operation)が新組織の責任者となる。狙いは,コストカットではなくて,ネット事業の強化であることを強調している。特にプレスリリースのサブタイトルで“New unit increases scale and efficiency for advertisers”とあるように,オンライン広告の売上アップを目指している。
具体的な広告メニューを見ないと何とも言えないが,残念なのはユーザーへのメッセージが見当たらないことである。また自己主張が強そうな雑誌を数多く擁し,紙媒体文化が染みついている伝統的な出版社が,どこまで本気でオンライン事業に取り組んでいけるのか,興味深い。
追記:主力雑誌の現在のレートベース
・Vogue : 1,200,000
・Glamour: 2,250,000
・Teen Vogue: 1,000,000
・GQ : 875,000
・Lucky :1,100,000
・Cookie: 550,000
・Golf Digest: 1,650,000
・Vanity Fair: 1,100,000
・Gourmet : 950,000
・Bon Appétit:1,300.000
・Condé Nast Traveler : 800,000
・Wired :650,000
・Portfolio:425,000
・The New Yorker 1,000,000
◇参考
・Conde Nast Consolidates Digital Assets to Form Digital Unit(プレスリリース)
・雑誌のオンラインシフト,新聞と同じく厳しい道のりが(メディア・パブ)
・Is Conde Nast Finally Fostering Digital?(AdAge)
・Condé Nast Merges All Digital Into One Unit; CondéNet’s Chubb Heads New CN Digital(paidContent)
タグ:雑誌
2009年01月22日
雑誌のオンラインシフト,新聞と同じく厳しい道のりが
紙(プリント)からネット(オンライン)へ。新聞社だけではなくて雑誌社も,オンライン媒体に注力せざる得ないようだ。
新聞も雑誌も,紙媒体の広告売上が2008年に大きく前年割れし,2009年もさらに下落するのは避けられそうもない。さらに悪いことに,景気が回復しても紙媒体の広告売上がリバウンドしないと見られている。また,紙媒体の将来性を見限ったのか,Googleも“Google Print Ads”プロジェクトの打ち切りを20日に発表した。米国の800以上の新聞(紙)の広告枠を,オンライン広告のノウハウを活かして販売していたが, 止めることにしたのだ。
こうなってくると,ますますオンライン媒体に賭けることになるのだが,その道のりは平坦ではない。オンライン広告の売上規模が紙媒体に比べ小さすぎるからだ。米国の新聞社の場合,全広告売上(紙+オンライン)のうちオンライン広告売上が占める割合はまだ10%に達していない。このため紙媒体広告の落ち込みをオンライン広告で補えないでいる。
雑誌社の場合も同じ状況で苦しみ始めている。数年前からパソコン誌などのテクノロジー分野の雑誌は,オンライン媒体に主役の座を奪われだし,紙媒体からの撤退が相次いだ。そして,テクノロジー分野以外の雑誌でも,休刊(事実上の廃刊)やオンライン媒体での延命が本格化している。だが米国の代表的な雑誌社においても,オンライン広告売上高の絶対額は小さく,全広告売上に対するオンライン広告売上の割合(Dig Ads)は,次のように低い(AdAgeの調査)。表の最右列は各雑誌社のオンライン広告売上高である。

最もオンライン広告売上の割合の高い出版社は,あのマーサ・スチュワート(Martha Stewart)が取り仕切っているMartha Stewart Living Omnimediaである。AdAgeの予測では,同社の2008年オンライン広告売上は1400万ドルで,オンライン広告比率が12%である。以下は、同社のオンラインサイトMarthaStewart.comと雑誌である。ちなみに同社の旗艦雑誌MARTHA STEWART LIVINGの2008年の広告売上は1億9373万ドルで,前年比4.5%減であった。
・MarthaStewart.com

・雑誌

最大手の雑誌社Timesは,オンライン広告売上でもトップで2008年は2億4500万ドルと見込まれている。それでも全広告売上の10%程度である。その他の雑誌社でもほとんどは,オンライン広告比率が10%に達していない。Conde Nastは,90年代半ばからWebサイトに進出しているにもかかわらず,オンライン広告比率が未だにわずか3%である。
雑誌社も新聞社と同じような厳しい状況に追い込まれている。でも雑誌社のほうが新聞社よりも,これまでは紙媒体広告で踏ん張ってこれたといえる。ただ,紙媒体広告の依存を継続させるために,かなり販売面で無理を重ねてきたようだ。つまり購読料を割り引いたり販促・流通コストを余分にかけてまで,雑誌の発行部数を維持あるいは増やす努力をしてきた。Conde Nastがまさにその戦略をとってきた。
ところが,頼り切っていた雑誌広告売上が2008年から急速に落ち込んできたから大変なことになってきた。そして,休刊する雑誌は増えてきた。今年に入っても,Country Home, Electronic Gaming Monthly,Plenty,Teen Magazineが,次々と姿を消すことになった。特に驚いたのはMeredithが発行しているCountry Homeの休刊である。発行部数が130万部で,2008年の広告売上が1億3640万ドルの雑誌がどうして止めてしまうのだろうか。住宅不況で同誌の広告ページが前年比で25%減,広告売上高が前年比で16%減となったからだ。2008年に広告売上高が前年に比べ2600万ドルも減り,さらに2009年もっと減ると見たのだろう。
ともかく,紙媒体で生計を立ててきた雑誌社や新聞社は,しばらく茨の道を歩まざる得ないようだ。
◇参考
・Time Inc. Tops List of Digital Earners(AdAge)
・米雑誌の広告売上,新聞と同じく急降下(メディア・パブ)
・ Turning the page on Print Ads(Traditional Media: Let's Take it Offline)
新聞も雑誌も,紙媒体の広告売上が2008年に大きく前年割れし,2009年もさらに下落するのは避けられそうもない。さらに悪いことに,景気が回復しても紙媒体の広告売上がリバウンドしないと見られている。また,紙媒体の将来性を見限ったのか,Googleも“Google Print Ads”プロジェクトの打ち切りを20日に発表した。米国の800以上の新聞(紙)の広告枠を,オンライン広告のノウハウを活かして販売していたが, 止めることにしたのだ。
こうなってくると,ますますオンライン媒体に賭けることになるのだが,その道のりは平坦ではない。オンライン広告の売上規模が紙媒体に比べ小さすぎるからだ。米国の新聞社の場合,全広告売上(紙+オンライン)のうちオンライン広告売上が占める割合はまだ10%に達していない。このため紙媒体広告の落ち込みをオンライン広告で補えないでいる。
雑誌社の場合も同じ状況で苦しみ始めている。数年前からパソコン誌などのテクノロジー分野の雑誌は,オンライン媒体に主役の座を奪われだし,紙媒体からの撤退が相次いだ。そして,テクノロジー分野以外の雑誌でも,休刊(事実上の廃刊)やオンライン媒体での延命が本格化している。だが米国の代表的な雑誌社においても,オンライン広告売上高の絶対額は小さく,全広告売上に対するオンライン広告売上の割合(Dig Ads)は,次のように低い(AdAgeの調査)。表の最右列は各雑誌社のオンライン広告売上高である。
最もオンライン広告売上の割合の高い出版社は,あのマーサ・スチュワート(Martha Stewart)が取り仕切っているMartha Stewart Living Omnimediaである。AdAgeの予測では,同社の2008年オンライン広告売上は1400万ドルで,オンライン広告比率が12%である。以下は、同社のオンラインサイトMarthaStewart.comと雑誌である。ちなみに同社の旗艦雑誌MARTHA STEWART LIVINGの2008年の広告売上は1億9373万ドルで,前年比4.5%減であった。
・MarthaStewart.com
・雑誌
最大手の雑誌社Timesは,オンライン広告売上でもトップで2008年は2億4500万ドルと見込まれている。それでも全広告売上の10%程度である。その他の雑誌社でもほとんどは,オンライン広告比率が10%に達していない。Conde Nastは,90年代半ばからWebサイトに進出しているにもかかわらず,オンライン広告比率が未だにわずか3%である。
雑誌社も新聞社と同じような厳しい状況に追い込まれている。でも雑誌社のほうが新聞社よりも,これまでは紙媒体広告で踏ん張ってこれたといえる。ただ,紙媒体広告の依存を継続させるために,かなり販売面で無理を重ねてきたようだ。つまり購読料を割り引いたり販促・流通コストを余分にかけてまで,雑誌の発行部数を維持あるいは増やす努力をしてきた。Conde Nastがまさにその戦略をとってきた。
ところが,頼り切っていた雑誌広告売上が2008年から急速に落ち込んできたから大変なことになってきた。そして,休刊する雑誌は増えてきた。今年に入っても,Country Home, Electronic Gaming Monthly,Plenty,Teen Magazineが,次々と姿を消すことになった。特に驚いたのはMeredithが発行しているCountry Homeの休刊である。発行部数が130万部で,2008年の広告売上が1億3640万ドルの雑誌がどうして止めてしまうのだろうか。住宅不況で同誌の広告ページが前年比で25%減,広告売上高が前年比で16%減となったからだ。2008年に広告売上高が前年に比べ2600万ドルも減り,さらに2009年もっと減ると見たのだろう。
ともかく,紙媒体で生計を立ててきた雑誌社や新聞社は,しばらく茨の道を歩まざる得ないようだ。
◇参考
・Time Inc. Tops List of Digital Earners(AdAge)
・米雑誌の広告売上,新聞と同じく急降下(メディア・パブ)
・ Turning the page on Print Ads(Traditional Media: Let's Take it Offline)
タグ:雑誌
2009年01月15日
米雑誌の広告売上,新聞と同じく急降下

新聞ほどひどくはないと言われていた雑誌も,広告売上が急降下し始めた。
米雑誌協会(MPA:Magazine Publishers of America)の発表によると,2008年の米雑誌の総広告ページ数が前年比11.7%も激減した。2008年の第4四半期だけで見ると,前年同期比で17%も広告ページ数が減っている。つまり,広告出稿が日増しに減っているのだ。2009年はさらに悪くなるのだろう。
最初の表は,広告ページ数が多いトップ20誌について広告売上と広告ページ数を示している。2008年の広告売上高は前年比7.9%減であった。トップのPeopleも,前年に比べ広告ページ数で12%減,広告売上で8.2%減と冴えない。この景気後退下にもかかわらず頑張った雑誌が,EconomistとElleである。両誌は,AdAgeが選んだ2008年のThe A-List雑誌にも選ばれている。広告売上をEconomistが25.5%,Elleは11.1%も増やしている。
(ソース:MPA)
次に,代表的なニュース誌およびビジネス誌を抜き出して,表にまとめてみた。ニュース誌は総崩れである。ビジネス誌ではBusinessWeekの不調が目につく。
(ソース:MPA)
最後に,分野別の広告売上と広告ページ数である。すべての分野でマイナス成長であった。当然のように,自動車分野と金融/不動産分野の落ち込みが大きい。
(ソース:MPA)
◇参考
・Advertising and PIB / PIB Revenue and Pages / Magazine Titles Data (YTD) / Jan - Dec 2008 vs 2007(MPA)
・2008 Magazine Advertising Shows Effects of Soft Economy(MPA)
・Magazine Ad Pages Down 12% In 2008(Silicon Alley Insider)
タグ:雑誌
2008年12月10日
次は歴史的な雑誌記事を無料閲覧,Googleが雑誌アーカイブを提供
歴史的な新聞が閲読できて喜んでいたら,次は歴史的な雑誌記事まで閲読できるようになった。
Google Book Searchで雑誌の過去記事が無料で閲覧できるのである。雑誌の原形を読むことができる。新聞や書籍と同じく,スキャニングしてOCRでテキスト化しているので,検索も可能である。
新聞の場合もそうだったが,こういうサービスは見たい記事が次々と出てきて,ついハマってしまう。
最初はNew York Magazineを試してみた。1968年4月号から1997年12月号までの雑誌が閲覧できる。最近の号が利用できないのがちょっと残念だが,無料だから仕方がない。雑誌内検索でヤンキーズの記事を探すために,yankeesで検索をかけてみた。
次は,Popular Scienceにアクセスしてみた。1872年2月号から2008年2月号までとたっぷり提供してくれている。記事内容もそうだが,広告も時代を反映して面白い。1940年代の雑誌表紙を見ていくと,ほとんどが戦争ものであった。1940年代だと,こうしたサイエンス誌まで動員して,戦争参加を鼓舞していたのかもしれない。
次はBaseball Digestを。野球好きにはたまらない。1945年7月号から2007年10月号までが閲覧できた。ベーブ・ルースはダメだけど,ミッキー・マントルの活躍を読むことができる。日本人大リーガーも以下のように表紙を飾っている。

最後に,CIO Magazineを。こちらは、1987年9月号から2008年3月号までが閲覧可能である。以下は,2008年3月号の3ページ(目次ページ)である。このような雑誌と同じものが閲覧できる。
◇参考
・ Search and find magazines on Google Book Search(Official Google Blog)
タグ:雑誌
2008年11月20日
「紙よさらば」,あのPC Magazineも休刊へ
PCMag(PC Magazine)誌が2009年1月をもって休刊する予定と,paidContent.orgが伝えている。オンラインサイトのPCmag.comは継続する。
PCMagは1982年に創刊したパソコン誌。まさにPCの歴史を作り,80年代から90年代にかけてのパソコン誌の隆盛期に頂点に立っていた名門誌である。Wikipediaによると,1982年に月刊誌として創刊し,800ページの号が登場するぐらいバカ受けした。IBM PCが出現したころで,多くの人が初めてパソコンに飛びついた時代である。1983年に隔週誌となったが,号あたりのページ数が平均400ページ,時には600ページの重量級の号も珍しくなかった。
それが,90年代後半から失速し,最近では号あたり300ページから200ページと,軽量級雑誌になってしまっていた。PCやPC周辺機器,アプリの評価が売り物であったが,そうした情報は今やインターネット上でタダで得られる。それに編集側スタッフの評価よりも,大多数のユーザーからの評価(集合知)のほうが参考になる。ガジェットやパソコンの購入者が,PC_Magazineなどのパソコン誌よりも,EngadgetやGizmodなどのブログや製品比較サイトに飛びつくのは仕方がない。
PC_Magazineの休刊で,パソコン誌の時代も事実上終焉を迎えることになるのだろう。サービスを継続するオンラインサイトPCmag.comにアクセスしてみた。すると,雑誌購読申込ページがまだ残っているではないか。その中で、“PC Mag is America’s #1 technology magazine,”と謳っている。かつてはそうだった。今もナンバーワンだと言いたい気持ちは分かるが・・・・。わびしい。

そして先ほど,PC Mag編集長のLance Ulanoffが雑誌読者に向けたオープンレター“PC Magazine Goes 100% Digital”を公開した。January 2009 issue (Volume 28, Issue 1)で27年間のプリントメディアの幕を閉じ,来年2月からは PC Magazineが“ 100-percent digital publication”になると明言した。
すでに,PC Magazineのオンラインシフトはかなり進んでいる。 PC Mag brandの 売上も現在は70%をデジタル事業に依存している。オンライン売上も2001年以降,年間42%の成長率で伸びているという。ネットワーク関係では利益を出しているとのことだ。PC Mag brandの総売上は明らかになっていないが,paidContent.orgは“tens and tens of millions” of dollarsと予測している。PCMag部門は140人のスタッフを抱えているが,雑誌休刊で人員削減が避けられないだろう。
◇参考
・Ziff Davis To Close Print PCMag, Focus On Online; Still Looking For Options For Gaming Division(paidContent.org)
PCMagは1982年に創刊したパソコン誌。まさにPCの歴史を作り,80年代から90年代にかけてのパソコン誌の隆盛期に頂点に立っていた名門誌である。Wikipediaによると,1982年に月刊誌として創刊し,800ページの号が登場するぐらいバカ受けした。IBM PCが出現したころで,多くの人が初めてパソコンに飛びついた時代である。1983年に隔週誌となったが,号あたりのページ数が平均400ページ,時には600ページの重量級の号も珍しくなかった。
それが,90年代後半から失速し,最近では号あたり300ページから200ページと,軽量級雑誌になってしまっていた。PCやPC周辺機器,アプリの評価が売り物であったが,そうした情報は今やインターネット上でタダで得られる。それに編集側スタッフの評価よりも,大多数のユーザーからの評価(集合知)のほうが参考になる。ガジェットやパソコンの購入者が,PC_Magazineなどのパソコン誌よりも,EngadgetやGizmodなどのブログや製品比較サイトに飛びつくのは仕方がない。
PC_Magazineの休刊で,パソコン誌の時代も事実上終焉を迎えることになるのだろう。サービスを継続するオンラインサイトPCmag.comにアクセスしてみた。すると,雑誌購読申込ページがまだ残っているではないか。その中で、“PC Mag is America’s #1 technology magazine,”と謳っている。かつてはそうだった。今もナンバーワンだと言いたい気持ちは分かるが・・・・。わびしい。
そして先ほど,PC Mag編集長のLance Ulanoffが雑誌読者に向けたオープンレター“PC Magazine Goes 100% Digital”を公開した。January 2009 issue (Volume 28, Issue 1)で27年間のプリントメディアの幕を閉じ,来年2月からは PC Magazineが“ 100-percent digital publication”になると明言した。
すでに,PC Magazineのオンラインシフトはかなり進んでいる。 PC Mag brandの 売上も現在は70%をデジタル事業に依存している。オンライン売上も2001年以降,年間42%の成長率で伸びているという。ネットワーク関係では利益を出しているとのことだ。PC Mag brandの総売上は明らかになっていないが,paidContent.orgは“tens and tens of millions” of dollarsと予測している。PCMag部門は140人のスタッフを抱えているが,雑誌休刊で人員削減が避けられないだろう。
◇参考
・Ziff Davis To Close Print PCMag, Focus On Online; Still Looking For Options For Gaming Division(paidContent.org)
タグ:雑誌
2008年10月02日
どの雑誌表紙が2008年のナンバーワンか?,25作品の表紙がノミネート
雑誌の顔である表紙。その表紙の優れた作品を,American Society of Magazine Editors (ASME) が毎年表彰している。
今年の“THE 2008 BEST COVER CONTEST ”のベスト表紙が10月6日に発表される。そのコンテストで最終選考に残った25表紙が公表されているので,それを見てみよう。今回は,2007年8月から2008年7月までに発行された米国の雑誌が対象となっている。25作品の表紙のスライドがウィジェットで用意されていたので,以下に貼り付けておく(25作品は,cover image gallery でも一覧できる)。
上の25作品の中にもある次の3作品から,今年の“Cover of the Year”が選ばれることになっている。
・ Interview, June/July 2008: "Andy is 80!"
・ New York, March 24, 2008: Eliot Spitzer's "Brain"
・ The New Yorker, October 8, 2007: "Short Stance"

ついでに,2007年と2006年の“Cover of the Year”を紹介しておく。

また,過去40年間の雑誌から,ASMEが選んだすぐれた40作品を,こことここで見ることができる。
◇参考
・AMERICAN SOCIETY OF MAGAZINE EDITORS UNVEILS THE FINALISTS OF THE 2008 BEST COVER CONTEST(MPA)
今年の“THE 2008 BEST COVER CONTEST ”のベスト表紙が10月6日に発表される。そのコンテストで最終選考に残った25表紙が公表されているので,それを見てみよう。今回は,2007年8月から2008年7月までに発行された米国の雑誌が対象となっている。25作品の表紙のスライドがウィジェットで用意されていたので,以下に貼り付けておく(25作品は,cover image gallery でも一覧できる)。
上の25作品の中にもある次の3作品から,今年の“Cover of the Year”が選ばれることになっている。
・ Interview, June/July 2008: "Andy is 80!"
・ New York, March 24, 2008: Eliot Spitzer's "Brain"
・ The New Yorker, October 8, 2007: "Short Stance"
ついでに,2007年と2006年の“Cover of the Year”を紹介しておく。

また,過去40年間の雑誌から,ASMEが選んだすぐれた40作品を,こことここで見ることができる。
◇参考
・AMERICAN SOCIETY OF MAGAZINE EDITORS UNVEILS THE FINALISTS OF THE 2008 BEST COVER CONTEST(MPA)
タグ:雑誌
2008年08月18日
雑誌にもYouTube風サービスが出現,著作権侵害なのに大丈夫か
雑誌コンテンツの共有サービスMygazines.com が7月末から始まっている。
ユーザーが気に入った雑誌コンテンツ(デジタル版)をアップロードし,そのコンテンツを皆で共有するサービスである。アップロードされた雑誌コンテンツを誰もが無料で閲覧できることになる。雑誌版のYouTubeと思えばよい。
欧米の主要雑誌は,紙媒体と同じレイアウトのデジタル版も同時に発行している場合が多い。Mygazines.comを覗いてみると, People, Men's Health ,Forbes,The Economistなどの人気雑誌のデジタル版コンテンツがかなりアップロードされ始めている。例えば英国の経済誌The Economistの場合は,すでに5月31日号から8月9日号までの全記事がアップロードされていた。Forbesの記事の例だが,以下のような体裁で閲覧できる。
でもこのサービスは怪しい臭いが漂う。どう見ても,違法コピーのファイルが数多くアップロードされている。YouTubeも初期のころは,アップロードされたビデオ(動画)の中に違法コピーが多く混じっており,問題になっていた。ユーザー数が増えるに伴いYouTubeは抗議を受け始め,ついには著作権違反で告訴されたりもした。
このMygazinesの場合は,アップロードされているコンテンツのほとんどが違法コピーではなかろうか。このままだと,いずれ雑誌社が告訴することになろう。でもサーバーをシャットダウンできないかもしれない。APの記事によると,サーバーは法の網がかからない海外に所在し,得体の知れない者?が運用しているからだ。でも何のためにこんなことをやるのか。どうもユーザーリストの収集を目的にしているようだが・・。
◇参考
・www.mygazines.com Launches Free Magazine Portal!(MarketWatch)
・New magazine-sharing site may violate copyrights (AP)
2008年08月12日
電子ブック“Kindle”が大ヒットするとの予測,2010年のアマゾン売上が10億ドルになる
アマゾン(Amazon)の電子ブック“Kindle”は,話題ばかりが先行し,実際に売れているのかどうかが闇に包まれていた。
最近ようやく,アマゾン筋から情報が漏れ始めた。TechCrunchは延べ出荷台数が24万台に達したと伝えている。また10月には新モデルが登場し,教科書市場への進出も噂されている。
こうした動きを受けて,CitiのアナリストMark Mahaneyも,2010年までのKindleの売上予測を,次のように上方修正した。

Kindleリーダーの出荷台数は,2008年が38万台,2010年が331万台になると占っている。Kindle向け書籍の売上は,2010年は約5億4000万ドルと予測。Kindleリーダーを含めたKindle関連の総売上は,2010年に10億ドルを突破する見込み。これは,アマゾンの総売上の3.8%に相当する。
これが達成できれば,これまでの電子ブックに比べれば大ヒットと言えるのかもしれない。個人的には長旅の時には欲しいが,今のレベルの電子ブックでは日常的に頻繁に利用する気になれないが・・。
iPod,Xbox,Wii,PS3の人気ガジェットと比較しても,まだまだKindleの出荷台数は少ない。同じCiti Investment Researchが次のようなデータを発表している。

◇参考
・Citi: Yep, The Kindle's A Huge Hit. $1 Billion For Amazon In 2010 (AMZN)(Silicon Alley Insider)
・ アマゾンKindle延べ販売台数は「24万台」だった(TechCrunch Japanese )
・Kindle 2.0 Coming Around October 2008(CrunchGear)
・Amazonは2010年にはKindleによって$750M(7億5千万ドル)の売り上げがあるかもしれない(これはかなりの数のKindleだ!!)(TechCrunch Japanese )
最近ようやく,アマゾン筋から情報が漏れ始めた。TechCrunchは延べ出荷台数が24万台に達したと伝えている。また10月には新モデルが登場し,教科書市場への進出も噂されている。
こうした動きを受けて,CitiのアナリストMark Mahaneyも,2010年までのKindleの売上予測を,次のように上方修正した。
Kindleリーダーの出荷台数は,2008年が38万台,2010年が331万台になると占っている。Kindle向け書籍の売上は,2010年は約5億4000万ドルと予測。Kindleリーダーを含めたKindle関連の総売上は,2010年に10億ドルを突破する見込み。これは,アマゾンの総売上の3.8%に相当する。
これが達成できれば,これまでの電子ブックに比べれば大ヒットと言えるのかもしれない。個人的には長旅の時には欲しいが,今のレベルの電子ブックでは日常的に頻繁に利用する気になれないが・・。
iPod,Xbox,Wii,PS3の人気ガジェットと比較しても,まだまだKindleの出荷台数は少ない。同じCiti Investment Researchが次のようなデータを発表している。
◇参考
・Citi: Yep, The Kindle's A Huge Hit. $1 Billion For Amazon In 2010 (AMZN)(Silicon Alley Insider)
・ アマゾンKindle延べ販売台数は「24万台」だった(TechCrunch Japanese )
・Kindle 2.0 Coming Around October 2008(CrunchGear)
・Amazonは2010年にはKindleによって$750M(7億5千万ドル)の売り上げがあるかもしれない(これはかなりの数のKindleだ!!)(TechCrunch Japanese )












