2009年07月15日

新聞2010年終焉説を覆す収益モデル改革とは

 米新聞の2010年終焉説までがついに飛び出てきた

 新聞や雑誌,ラジオの広告売上が急激に落下していく。その様子を現わす下のグラフを何度となく見せつけれらると,Examinerの記事“2010 the final year for newspapers?”も笑い飛ばせなくなってしまう。広告売上に大きく依存する新聞などの米メディア業界にとって,メディア広告の底打ちが見えない現況では,不安が募る一方だ。2010年まで下げ止らないとの予測も出ており,2010年に息絶える新聞が相次ぐのではと心配する声も高まる。

NewspapaerMagazineRadio2010.jpg


  米新聞社は救命策として,人員カットなどの経費削減とかオンライン版コンテンツの有料化を進めているが,どこまで延命効果を発揮するやら。下手すれば終焉を早めることになりかねない。現在の新聞社の収益モデルの延長上で救命を図るのがますます厳しくなっている。
 

 そこで,メディアコンサルタントのPaul Gillin (Paul Gillin Communications )が,メディア企業の収益モデルの改革を提案している(プレゼン資料は「続きを読む」)。

 新聞社に代表される米メディア企業のこれまでの収益モデルでは,広告収入に大きく依存してきた。今でも新聞社の多くは7割近くを広告売上に頼っている。残りは,読者からの新聞紙購読料,つまり販売収入となっている。ネット時代になってもこの収益モデルの延長上で展開していたのではなかろうか。

NewspaperTodayModel.jpg

ところが,この2〜3年の新聞紙広告の激減で,頼みの広告収入が急速に先細りしている。この新聞紙広告の落ち込みを,ネット広告だけではとても補えそうもない。一方の販売収入も厳しい。読者の新聞紙離れが止まりそうもないからだ。販売収入の下落を,オンライン版コンテンツの有料化程度では,とても食い止めることができそうもない。

 つまり,オンライン売上を加えても,米国の新聞社がこれまでの形の広告売上や販売売上を維持するのは,とても無理である。というか,従来の形の売上が大きく減っていくことを前提に,経営を考えざる得ない。つまり,以下のような収益源の多様化が必要とのことである。

NewspaperFutureModel.jpg

 イベント事業,出版事業,教育事業などからの収入に頼っていく経営である。でも,これって,日本の新聞社がやっていることではないのかな。不動産が大きな収入源となっている日本の新聞社もいるが。メディアブランドを武器に,米国の新聞社も多角経営に乗り出せということである。収入源の多角化という方向性は理解できても,上のグラフのように売上げの大半を従来の広告や販売以外からの収入に頼れるようになるのは,すぐには実現できるとは思えないのだが。それまで持ち堪えることができるのか。


◇参考
2010 the final year for newspapers?(Examiner)
「新聞の終焉」を予告する最新データ(メディア・パブ)
世界広告市場の底打ちはまだ先,今年の広告費は前年比5.5%減と下方修正(メディア・パブ)
Why the New York Times Co. Will Be in Business Until at Least 2012(AdAge)
The Year The Newspaper Died(Silicon Alley Insider)続きを読む
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2009年07月11日

NYタイムズのオンライン版,月間5ドルの有料化を検討中

 The New York Timesのウェブサイト(NYTimes.com)が,月間購読料5ドルの有料化を検討中である。このようにBloombergが報じている。

 NYTimes.comのコンテンツ(ブログやマルチメディアも含む)をアクセスする際に月間5ドルを課した場合に,NYTの現読者が払うかどうかをアンケート調査しているという。また,NYT紙読者に月間2.5ドルの割引料金を用意した場合の反応も調べている。 

 オンライン版の有料化で,収支が本当に改善されるのだろうか。有料化によりオンライン販売が新たな増収となるが,一方でオンライン読者が少なくなってオンライン広告売上が減収となるだろう。

 そこでSilicon Allay Insider(SAI)は,次のように試算している。

 NYTimes.comのユニークユーザー数(米国)は,Competeによると1500万人であるが,無料であるから利用している者が多いのは否めない。有料化の壁を設定した場合でも,どれくらいのユーザーが購読料を払ってまでアクセスするかである。SAIでは,少なくとも100万人くらいは払うだろうと予測している。ただし,Times Select(2007年秋まで実施していたNYTimes.comの有料サービス)の購読者数(web-only)が22万人程度であったことを参考にして,今回の有料サービス利用者を75万人と少なめに見積もって試算している。ただしオンライン版の年間購読料は80ドルとした。

 この前提で計算すると,
6000万ドル=75万人×80ドル
がオンライン販売の増収分となる。


 次は,オンライン広告売上への影響である。NYT社のオンライン広告売上は年間にして約3億ドル(3Qが7500万ドル)。そのうちAbout.comの広告売上が年間1億ドル程度なので,残り2億ドルの大半がNYTimes.comからの売上となるはず。少なくとも,NYTimes.comのオンライン広告売上は年間1億5000万ドル〜1億7500万ドル程度であろう。

 有料化の壁が設定されることにより,どれくらいのユーザーが去っていくかが大きな問題となる。SAIでは,月間ユニークユーザー数が半分以下に落っこちると推定している。広告売上がユニークユーザー数に比例するとすれば,2億ドルの半分,つまり1億ドルが減収となってしまう。

 この試算では,オンライン販売収入が6000万ドル増えても,オンライン広告売上が1億ドルも減ってしまっている。つまりオンライン版の有料化により,収益が悪化することもありうるのだ。

 ただ,この試算はかなり大雑把である。有料化の壁の設定の仕方によって,シミュレーション結果がかなり違うはず。ブログや動画コンテンツを含めて,現在のNYTimes.comのほとんどのコンテンツを有料化にしてしまうのか。あるいは,WSJ.comのように仕事に関するコンテンツだけを有料にするが,それ以外の一般記事は無料のままとするかである。

 ソーシャルメディア化で先行してきたNYTimes.comが,有料化の壁を設けて逆行の道を歩むのだろうか。オンライン版の有料化がばくち的な危険性を抱えていることは間違いない。


◇参考
New York Times Considers $5 Monthly Web-Access Fee (Update2) (Bloomberg)
New York Times Considers Charging $5 Per Month For Access To NYT.com (NYT)(Silicon Alley Insider)
Dear New York Times: Please charge me more than $5 for your web site.(The Nieman Journalism Lab)
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2009年07月09日

「グーグルのパソコンOS参入」,メディアの速報合戦

 昨日(日本時間8日の昼過ぎ,米時間7日から8日の深夜),「Google Chrome OS」のニュースでメディアサイトが賑わった。そこで,その速報合戦の様子を。

 火ぶたを切ったのはArs Technica(Condé Nast傘下)の以下のスクープ(米中央時間7日10:20PM)である。

GoogleOSArs.jpg

 技術系専門サイトのArs Technicaが,米時間7日の深夜近くに米グーグルがパソコンOS参入の発表を行うと伝えたのだ。そのあと直ぐに,Googleが公式ブログで,以下のように発表した。

GoogleOsOfficialBlog090707.jpg

 発表直後から,Twitterやニュースアグリゲーター(Techmemeなど),ソーシャルニュースサイト(Diggなど)は,Google OSのニュースで大賑わいすることになった。もちろん,NYTimes.comやCnetなども速報した。深夜なのにご苦労様だ。

 ニュースアグリゲーターTechmemeの,米東部時間8日1時と同2時における掲載を示す。

TechmemeGoogleOS0907080100am.jpg


TechmemeGoogleOS0907080200.jpg

 ニュースアグリゲーターでは少し遅延が加わるが,ソースの有力なマスメディアやブログでは,米時間8日深夜1時〜2時(日本時間昼過ぎ)にこのニュースを伝えていたようだ。

 日本の技術系サイトも8日14時から15時の時間帯で,第一報を伝えていた。


◇参考
Google Plans a PC Operating System(NYTimes.com)
Introducing the Google Chrome OS(Google Blog)
Sources: Google OS lives (and it's coming to a netbook near you)(Ars Technica)






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2009年06月25日

Google News,新聞ブランドから記者ブランドの流れ

 特定新聞の記事ではなくて,特定記者の記事を読みたい。こうしたニーズに,Google Newsが応える。

 ニュースアグリゲーターGoogle Newsでは,掲載ニュース記事(見出しと要約)に筆者名を付記するようになっている。新聞記事なら記者名が,ブログならブロガー名が付いているのである。

GoogleNewsJournalist.jpg

 その筆者(記者,ブロガー)名をクリックすると,その筆者の過去記事が見つかる。上の例で,WashintonPostのAlec MacGillis記者をクリックすると,以下のように,「author:"Alec MacGillis"」のGoogle News検索結果が現れる。

GoogleNewsAuthorSearchResults.jpg


 お気に入りの記者の記事を必ず読みたい。見逃しなくない。その場合は,メールへのアラートサービスやRSSサービスを利用できる。もちろん以下のように,Google Newsをパーソナライズして,お気に入り記者の常設欄をGoogle Newsページに設けることもできる。

GoogleNewsAuthorPersonalized.jpg

 ニュースアグリゲーターやソーシャルニュースサイト,RSSフィード配信の普及で,自分にとって面白い記事や有益な記事の選択を新聞ブランドだけで行わなくなってきている。米国の新聞社サイトでは記者ブランドを前面に押し出した記者ブログが増えてきているだけに,これから新聞ブランドから記者ブランドへの流れが加速化しそう。



◇参考
Search by Author on Google News(Google News Blog)
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2009年06月24日

NYタイムズの記者ブログ“Lede”,イラン報道でブログパワー発揮

 NYTimes.comのイラン報道で,記者ブログ“Lede”の健闘ぶりが光っている。

LedeNYTimes.jpg

 LedeはNYT記者のグループブログで,今日のトップニュースについてNYTの記事だけではなくて,世界中のマスメディア(オンライン版)の記事やブログを参考にしてかなり自由に発信している。これまでの新聞社の記事は,ニュースだけではなくてブログも,品質保証と自前主義を優先させるため,オンラインメディアの特性を十分に生かせないでいる。つまり,速報性(リアルタイム性),関連性(リンク張り),対話性,量的に無制約,マルチメディア性などのオンラインの強さを十分に発揮できないでいる。

 だが,今回のイラン報道ではLedeが,ブログならではのオンラインメディアの特性を生かしていた。たとえば22日の投稿記事“June 22: Updates on Iran’s Disputed Election”を見てもらいたい。ライブ中継の記事スタイルで,数十回の更新を加えている。世界中のニュースサイト(競合サイトも当然含まれる)やブログにも,ダイレクトリンクを張っている。YouTubeの動画なども貼り付けている。以下にその一部を示す。

Lede090622.jpg

 この日は,イラン女性が銃撃され死亡した日で,その生々しい動画が世界中に配信された。追悼するイラン人のブログにも次のように触れており,Twitter向けの写真共有サイトTwitPicにもダイレクトリンクが張ってあった。
Update | 11:10 a.m. An Iranian blogger has uploaded to TwitPic what he says is a photograph of the grave of Neda Agha-Soltan,

 もちろん,読者からの反応も大きい。どの日にも200件から500件以上の読者コメントが寄せられている。



◇参考
Excellent Journalism: Neda and New York Times’ The Lede(pjnet)
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2009年06月21日

市民ジャーナリズムをフル活用したCNN,イラン騒乱報道で先行

 イラン騒乱ニュース報道で,市民ジャーナリズムを活用したCNNが大活躍している。

 イラン大統領選挙直後の手ぬるい報道カバーをTwitter(#CNNFail)により手厳しく批判されていたCNNだが,1週間後の今や,イラン騒乱ニュース報道では独走する勢いである。

 今朝(日本時間21日早朝)のCNN.comのトップページを以下に掲げる。イラン現地からの写真や動画がトップを飾っていた。その多くが,イラン市民が撮った生々しいコンテンツである。記事も市民ジャーナリストの話に頼っている部分が少なくない。 

CNNIran090220BreakingNews.jpg


 CNNがこのように市民ジャーナリズムを取り込めたのも,実は秘密兵器が備わっていたからである。昨年春から,ユーザーからの投稿コンテンツを取り込む仕掛けとして,CNN.com(CNNのドメイン)の外にiReport.comを開設していたのだ。iReportは,ロゴで“Unedited. Unfiltered. News.”と告げているように,投稿コンテンツが他人の手で編集されたり選別されることはない。YouTubeと同じように,ユーザーが投稿した記事や写真,動画などはそのままiReportに掲載されていくのだ。そのため,これまで32万件以上のユーザー作成コンテンツ(UGC)が投稿されてきた。CNNは,iReportのUGCの中から“Edited. Filtered.”(選別)したコンテンツだけを,CNN.comやテレビ放送で採用することにしていたのだ。

 今回のイラン騒動では,マスメディアに対して取材活動に規制が課せていたので,ソーシャルメディアの協力が欠かせなくなっていた。iReportはまさにソーシャルメディアそのものであるのだから,CNNがiReportをフル活用したのは言うまでもない。CNNによると,6月13日から17日の間に,イランから1600件のUGCがiReportに投稿されたという。そのなから選ばれた多くの動画や写真,それに記事が,CNN.comやCNNテレビに使われたのだ。

 iReportのトップページのスナップショットを以下に載せておく。右下のサムネイル静止画で赤文字のラベル「ON CNN」が貼られている作品は,CNN.comやCNN TVで採用されたものである。

CNNiReportIran090620a.jpg

 6月12日から21日の間に,市民から投稿されたコンテンツの120本近くが,CNN.comやCNN TVで登場している(一覧表はこちら(Unrest in Iran)で)。この120本には,イラン以外での反政府集会などのコンテンツも含まれている。ともかく,CNN.comやCNN TVのイラン関連ニュースでは,こうしたアマチュアが投稿した写真や動画のオンパレードである。日本のテレビニュースでも同じ動画を見かけるが,CNNからの流用なのかもしれない。


 次に,iReportに最近投稿された動画を,以下に貼り付けておく。

The battle, Iran Protest, Iranian Revolution, !!!!



Helpless woman attacked and hit by the baseej forces



 上の2本の動画は,いずれもビルからの隠し撮りと思われる。街頭でケータイで撮っていた市民が連行されたというニュースもあることから,撮影には注意を払っているようだ。そこで,次のようなビデオペンの紹介動画までも投稿されていた。



 
 改革派(反政府派)の市民からの投稿コンテンツが殺到する理由は明らかである。iReportに投稿したコンテンツが選別されれば,世界トップレベルのニュース専門TV(CNN TV)やニュースサイト(CNN.com)を介して,世界の多くの人に視聴されたり閲覧されるからである。動画や写真などのコンテンツでイランの現状を知らせることにより,人権問題に敏感な米欧諸国がイラン政府に圧力をかけてくれることを期待しているのだろう。
 



◇参考
#CNNWin? iReport Gets a Boost from #IranElection Protests(Mashable)
CNN: We're Big In Tehran Too!(Silicon Allay Insider)
Twitter,イラン騒乱でソーシャルメディアの主役に(メディア・パブ)
市民ジャーナリズムの危うさを露呈(メディア・パブ)
Reading Twitter in Tehran?(washingtompost.com)
Twitter on the Barricades in Iran: Six Lessons Learned(NYTimes.com)
At least 19 dead in Iran unrest, hospital sources say(CNN.com)



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2009年06月12日

Google NewsがWikipediaと連係,より強力なニュースサイトへ

  Google NewsがWikipediaやYouTubeと連係すると,鬼に金棒のニュースサイトになるのかもしれない。

  以下は,今日(12日の)昼頃の英語版Google Newsページである。トップ3本のニュースにはそれぞれWikipediaへのリンクが,2本のニュースにはYouTubeロゴが記されていた。(WがWikipedia,YがYouTube)。

GoogleNews090612a.JPG

 
 例として,3番目の「イラン大統領選挙」に関するニュース記事を見てみよう。BBCやWashingtonPost,WSJ,NYT,CNNなど3022本の記事へのリンクが張られている。さらに,そのニュースに関連するWikipedia 記事の閲覧や,そのニュースの動画を視聴できるようになっている。

 リンク先のWikipedia 記事は,Iranian presidential election, 2009と題するトピックス記事である。イラン大統領選挙の最新動向の他に,過去の歴史情報なども得れる。「イラン大統領選挙」ニュースの背景がすぐに得られるわけだ。

WikipediafromGoogleNews090612.JPG



 またYouTubeロゴをクリックすると,「イラン大統領選挙」の動画ニュースがGoogle Newsページ上に現れて,以下のようにすぐに視聴できる。この例では,Bloombergの動画ニュースであった。


GoogleNews090612b.JPG


 Google Newsでは,先月からYouTubeの動画ニュースを視聴できるようにしており,徐々にYouTubeロゴの数が増えてきている。さらに数日前に,Wikipediaのトピックス記事へのリンク張りを試していた。すぐにそのリンクを引っ込めていたのだが,今日からWikipediaへのリンク張りを再開したようだ。

 Google News+YouTube(動画ニュース)+Wikipedia (トピックス記事)の組み合わせは,Google Newsをより強力なニュースサイトに変えていきそう。




◇参考
Google News experimenting with links to Wikipedia on its homepage (NiemanJournalismLab)
Google News,マスメディアの動画ニュースがポップアップする(メディア・パブ)



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2009年06月09日

米国の金融情報サイト,WSJが躍進しランキング2位に浮上

WSJDigital.jpg

 金融危機は金融情報サイトにとって追い風になったようだが,中でも WSJ(Wall Street Journal)サイトの躍進が目立っている。

 Nilsen調査の金融ニュース&情報サイトのユニークユーザー・ランキング(2009年4月)によると,WSJは月間ユニークユーザー数が1573万人となり,MSN Moneyを抜いて2位に浮上した。1年前(2008年4月)の920万人から大幅に増えている。ただしここでいうWSJサイトとは“The Wall Street Journal Digital Network”のことで,WSJ.comやMarketWatchなども含んでいる。トップ15サイトのランキング表を以下に掲げる。


FinancialNewsNielsen.jpg

 トップを独走しているYahoo Financeの月間ユニークユーザー数は2350万人で,昨年の2150万人から200万人増やしている。一方,Googleの金融サイト参入で話題になっていたGoogle Financeは,どうしたことかトップ15にも姿を見せていない。



◇参考
WSJ Passes MSN Money and AOL Finance As Web's Second Biggest Finance Site, Nielsen(BeetTV)

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2009年06月08日

フォトジャーナリズム・ブログ,新聞社サイトで脚光浴びる

  米新聞社サイトのフォトジャーナリズムが熱い。

  Boston GlobeのThe Big Pictureを見てもらいたい。フォトジャーナリズムの意気込みが伝わるだろう。以下は5月29日付けのソマリアの写真報道ニュースである。Fighting for control of Somalia(May29,2009)にアクセスすれば,Webでの写真報道のすごさを実感できる。

BigPicture2.jpg
BigPicture.jpg

 この記事例では32枚組の写真が主役である。Big Pictureと称するだけあって,各写真がほぼフルスクリーンのサイズなので,迫力がある。一般の読者には残酷すぎる写真を黒塗りにして見えないようにしているが,クリックすると写真が現れる。こうした写真報道は,新聞紙ではとても実現できない。スペースに制約がないWebならでの構成である。インドの総選挙の写真報道“India's massive general election”もすばらしい。ただし,大半がReutersやAPの写真であった。また6月5日の記事はRemembering Tiananmen, 20 years laterとあるように,20年前の天安門事件の現場写真などを掲載している。

 The Big Pictureはフォトジャーナリズム・ブログで,ほぼ2日おきに写真記事を投稿している。毎回,100件から200件近い(多い時は1000件近い)コメントが寄せられており,読者の反響が大きい。


 また,NYTimes.comも5月中旬に,LENSと称するフォトジャーナリズム・ブログを立ち上げた。写真やビデオ,スライドショーをベースにしたビジュアルレポートである。背景をブラックにした斬新なインタラクティブ・インタフェースが目につく。NYTの写真アーカイブからの歴史ある写真なども掲載している。NYTの専属カメラマンが撮った写真が多い。さらに,読者投稿の写真ギャラリーReaders’ Photos: Polaroid Galleryも用意している。写真について議論するためのオンラインコミュニティーも備わっている。

NYTLens.jpg


 Boston GlobeやNYTimesを含めて,欧米の幾つかのニュースサイトではフォトジャーナリズムが盛り上がってきている。以下に幾つかの例を掲げておく。Boston GlobeのThe Big Pictureのように,フルスクリーン・サイズの写真掲載を目玉にしているところが多い。


The Big Picture(Boston Globe)
例:Cyclone Aila

LENS(NYTimes)
例:Shoptalk: Capturing Dance

Photo Journal(WSJ)
例:Pictures of the Day(May28,2009)


The Frame(the Sacramento Bee)
例:Penguin release


In Pictures(BBC)
例: Prince Harry visits New York

・Picture Show(NPR)
例:Training The Elite Afghan Commandos


 最後に話が少し外れるが,ナショナルジオグラフィックが日替わりの“National Geographic Photo Of The Day”を表示するウィジェットを提供し始めている。フォトジャーナリズムと言えば,すぐに浮かぶのがナショナルジオグラフィック誌だったので,そのウィジェットを以下に貼り付けておく。






◇参考
Behind the Scenes of LENS(digitalartwork)
Big photo blogs(Visual Editors)
National Geographic Launches Slate of New Widgets With Clearspring(EarthTimes)
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2009年06月03日

「新聞の終焉」を予告する最新データ

 米新聞社が奈落の底に落っこちていく・・・。米新聞協会NAA(Newspaper Association of America)が発表した米新聞社の広告売上データは,「新聞の終焉」を予告しているかのようである。

 ある程度は覚悟をしていたものの,状況は悪化する一方で,やはりひど過ぎる。米国の新聞社は,広告売上に大きく依存している。今でも平均で総売上の7割近くを広告に頼っているはずだ。その広告売上が次表のように急降下しているのである。2009年第1四半期の総広告売上(新聞紙広告+オンライン広告)は66億ドルで,前年同期比でマイナス28.28%と落ち込んだ。特に関係者にとってショックだったのは,オンライン広告までが同13.4%減と2ケタ台のマイナス成長になったことである。これからのけん引役をオンライン事業に期待したのに。

 米国の広告市場は季節要因で,第4四半期がいつも大きく膨らむ。そのため広告市場の趨勢は,以下の表のChange(四半期別売上の前年同期比)を見た方がわかりやすい。Changeのデータを追っていると,まるで底なし沼に沈んでいくようでもある。
 

●米新聞の広告売上(四半期別)
USNewspaper091Qa.jpg
(ソース:NAA)

 
 次の表は,主要カテゴリの広告売上の推移である。

●主要カテゴリーの広告売上(四半期別)
 USNewspaper091Qb.jpg
(ソース:NAA)

  
 こうした惨状に陥ったのは100年に一度の経済危機のせいで,仕方がないという見方もある。だが,必ずしもそうでない。上の表からも明らかに,サプライム問題が顕在化する前から新聞の広告売上は急降下していたのだ。実は,読者減に伴う広告売上減が数年前から始まっていたのである。新聞社は構造的な問題を抱えていたのである。ただ,今回の大不況の襲来で,前倒しで経営破綻する米新聞社が増えたのも確かである。

 でも,新聞社が抱える構造的な問題は肥大化しており,景気が回復しても米新聞社が復活するシナリオが見えてこない。これは,新聞だけではなくて雑誌,テレビなどの伝統メディア産業も同じような状況に置かれている。一方で,ニュースや動画などコンテンツニーズが減っているわけではない。だが,最近のコンテンツニーズに,伝統メディア企業が応えていない。というか,構造的に応えるのが難しいということか。

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2009年05月28日

欧州連合のニュースポータル,世界中の新聞・雑誌250タイトルのニュースを10ヶ国語で提供

 欧州委員会(European Commission)とメディアコンソーシアムが,ニュースポータルThe "presseurop.eu"(www.presseurop.eu )を立ち上げた。世界の有力な新聞・雑誌からヨーロッパに関する記事を集めて掲載するサイトである。

 収集対象となる新聞や雑誌は, The Guardian, El Pais, Le Monde, The Financial Times, The Economist, Corriere della Sera, Frankfurter Allgemeine Zeitung, the New York Timesなど,有力な250タイトルである。それらのメディアの記事を毎日モニターして,ヨーロッパ関連の記事を翻訳掲載する。最初は,英語,チェコ語,オランダ語,フランス語,ドイツ語,イタリア語,ポーランド語,ポルトガル語,ルーマニア語,スペイン語の10ヶ国別のサイトを立ち上げる。5年以内には,EUの公式語である23ヶ国語全てをカバーしていく。

 ニュースルームは,専任のジャーナリストが10人と,フリーランサーのネットワークからなる。毎年,300万ユーロの European Commission fundsを使うが,編集の独立性は確保するという。立ち上げには, Courrier Internationalを中心にInternazionale in Italy, Forum Polityka in Poland ,それに Courrier Internacional in Portugalが携わった。

 10ヶ国語10サイト合計の月間ビジター数が,2010年末までに150万人に達するのを目標にしている。おそらくお堅い記事が並ぶので,これくらいの目標値となるのか


 すでに10ヶ国別に10サイトが立ち上がっている。以下に英語版,フランス語版,ドイツ語版,スペイン語版の各トップページ(一部)を示しておく。


●英語版
presseuropEnglish.jpg

●フランス語版
PresseuropFranch.jpg

●ドイツ語版
presseuropDeutsch.jpg

●スペイン語版
presseuropSpanish.jpg


◇参考
New portal to translate EU dailies into 10 languages(euobserver.com)
Europe's top dailies in 10 languages online(AFP)




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2009年05月27日

NYタイムズ,初めてソーシャルメディア・エディターを任命

 NYTimesのニュースルーム・スタッフに送られたメモによると,NYTimesは初めてソーシャルメディア・エディターのポストを設け,職歴25年のベテランジャーナリストJennifer Prestonが担当するという。

  Twitter, Facebook, Youtube, Flickr, Diggなどのサイトを活用して,NYTimes.comのソーシャルメディア化をさらに進めていくということか。彼女(Jennifer Preston)自身は,Valleywagによると,プライベートの形でTwitterで発信しているという。以下は彼女のTwitterページである。

twitterNYTJenPreston.jpg

 彼女以外にも,Twitterを利用している記者はかなりいるようだ。ちょっと探してみても,
・Tim O'Brien(Editor of the Sunday Business section)http://twitter.com/TimOBrienNYT
・Dvid Carr( nytimes media and culture writer)http://twitter.com/carr2n
・Brian Stelter( TV Decoder and media reporter for The New York Times)http://twitter.com/brianstelter/

など,続々と見つかる。Jennifer Prestonのソーシャルメディア・エディターについて早々と意見交換しているのが,垣間見れる。編集スタッフの行動がリアルタイムで伝わり面白いが,大事な内輪の話までが漏れてしまうのではと,ちょっと気になる。実際,他紙で問題化し始めている。

 今や米国のどの新聞も,いつ店じまいされても不思議ではない。記者も生き延びるために,個人ブランドを高めるのに必死なのだろう。Twitterで発信しているBrian Stelterのように,ホームページを設けている記者も少なくない。ちゃっかり履歴書もアップしている。


◇参考
New York Times Hiring 'Social Media Editor' To...Do Something(Valleywag)
Industry Moves: NYT Creates ‘Social Media Editor’ Post(paidContent.org)
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2009年05月23日

米新聞を突き落とした元凶Craigslist,調査データが浮彫に

 米新聞紙を殺したのはCraigslistだ。ことあるごとに飛び出す決まり文句である。

 Craigslistに代表されるオンラインのクラシファイド広告(案内広告)サイトが,新聞紙広告の「おはこ」であったクラシファイド広告を蚕食してきたのは確かである。Pew Internetがまとめた調査データが,その推移を明確に示している。

 大人のインターネットユーザーの半数が,今ではオンラインのクラシファイド広告サイトを利用しているのだ。4年前の2005年には22%の人が利用していたから,この4年間で倍以上の人が訪れるようになっている。毎日,約1割のインターネットユーザー(大人)が訪れているという。 

PewClassifidAd2009.jpg


 このように多くの人がオンライン専門サイトでクラシファイド情報を得るようになった結果として,新聞紙のクラシファイド広告の出稿が激減していったのである。2000年少し前には年間のクラシファイド広告売上高が約200億ドル近くもあったのが,最近では100億ドルを割るようになっている。特にこの4年間,すさまじい速度で落ち込んでいる。まだまだ減り続けそうである。

PewClassifidAd2009a.jpg

 クラシファイドサイトの月間ユニークビジター数は5380万人であるが,トップランナーのCraigslisには月間4220万人が訪れたという(2009年3月データより)。Craigslisは50ヶ国500都市向けにクラシファイド広告ページを提供している。最近,アダルト系案内広告の掲載に対してCraigslisたたきが盛んになっているが,同サイトの勢いは衰えそうもない。

 

◇参考
The number of online adults to use classified ads websites, such as Craigslist, has more than doubled since 2005.(Pew Internet)


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2009年05月21日

米ニュースサイトランキング,上位にTV系とポータル系が

  一般ネットユーザーにとってのニュースサイトは,必ずしも新聞社サイトではない。毎月、Nielsen Onlineが発表する米ニュースサイトの月間ユニークユーザー数ランキングでも,TV(ケーブルも含む)系やポータル系のサイトが上位を占めており,新聞社系サイトは後塵を拝している。

 2009年4月のニュースサイトランキング(米国ユーザー)を以下に。トップ30サイトの月間ユニークユーザー数を示している。


●米ニュースサイトの2009年4月の月間ユニークユーザー数(対象:U.S. home and work panel)と前年同月比
USNewsSite200904.jpg
(ソース:Niesen Online)
*Wall Street Jounal Onlineは,ニュースサイト分野ではなくて金融情報サイトに分類されているため,ここでは掲載されていない。
WSJ Onlineの4月の月間ユニークユーザー数は,12,398,000人(前年同月比160%)なので,ニュースサイト分野では10位にランキングされる。

 トップ3の常連であるMSNBC,Yahoo,CNNに,AOLとFoxが後続している。NYTimes.comが4月に大きくユニークユーザー数を減らして6位に転落,米ニュースサイトのトップ5に新聞社サイトの姿が消えてしまった。11位にABC,12位にCBSが食い込んでおり,動画ニュースを売り物にするTV系ニュースサイトの頑張りが目立つ。

 政治分野ニュースを目玉として躍進するブログ系ニュースサイトHuffingtonPostは,前年同月比157%増の889万人の月間ユニークユーザー数を獲得し,16位にランキングされている。米大統領選の終了後も人気が継続している。さらにHuffingtonPostはニュースコンテンツの質を高めるために調査取材に力を入れはじめており,最近 Investigative Journalism Venture(The Huffington Post Investigative Fund)を立ち上げた(10人くらいのジャーナリストを擁する予定)。そこの executive editor として,The Washington Postのchief of investigationsであるLawrence Robertsを獲得した。

 米新聞社は,経営危機からくる経費削減で調査取材力が落ちてきており,このように優秀な記者の新興ネット新聞への流出は増えそう。


◇参考
EXCLUSIVE: Top 30 News/Current Event Sites for April -- Huff Post and Fox Both Gain (Editor&Publisher)
Huff Post Hires 'Wash Post' Editor to Head New Investigations Unit (Editor&Publisher)
Huffington Post Launches Investigative Journalism Venture(HuffingtonPost)
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2009年05月20日

欧米メディアの中国語版サイト,ボランティアグループが次々と開設

 欧米メディアの中国語版サイトが次々と開設されている。以下は,英Guardian(guardian.co.uk)の中国版サイトである。

GurdianChinese.JPG

 中国の翻訳コミュニティーであるYeeyanが,Guardianと協力して実験的に手掛けているプロジェクトである。Yeeyanは,中国人が関心を示す海外コンテンツを翻訳するボランティアネットワークとなっている。

 Yeeyanのサイトにアクセスしてみると,Guardianの他に,New York TimesBusiness Weekなどの中国語版も紹介していた。

YeeyanForeignMedia.JPG



◇参考
About our Chinese service | 于中文(guardian.co.uk)


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2009年05月19日

米2大新聞のNYTとWSJ,サイトの勢いで明暗がくっきり

 米新聞を代表するNYTとWSJ。それらのWebサイトの来訪者数で,大きな異変が起こった。

 Nielsen Onlineから米新聞社サイトのユニークユーザー・ランキングが毎月出されているが,4月の月間ユニークユーザー数でNYTimes.comとWSJ Onlineの差が一気に縮まったのだ。トップ10サイトの4月のユニークユーザー数は次のようになっている。

●米新聞社サイトの2009年4月の月間ユニークユーザー数
USNewspaperSite200904UU.JPG
(ソース:Nielsen Online)


 NYTimes.comのユニークユーザー数が前年同月比8%減の1655万人に落っこちたのに対し,WSJ Onlineは同160%増の1240万人と急増したのである。少し前の年初の1月には,NYTimes.comのユニークユーザー数が2158万人に達しており,965万人のWSJ Onlineに2倍以上の大差をつけていたのである。それなのにNYTがWSJに追い詰められてきた理由としては,WSJが昨年から一般人が好むスポーツやエンターテイメント,政治(大統領選記事)などの分野のBtoC記事を拡充し無料コンテンツとして提供していたことがある。さらに金融危機が追い風となり,得意の金融情報の需要がますます高まったことも大きい。それにしても,ここまで僅差になってくるとは驚きである。

 だがNYTは,E&Pのデータが誤っていると抗議している。Nielsenが三つの独立したソースを測っていないと主張している。少々の誤りがあったとしても,ともかくNYTは次々といろんな逆風に吹きまくられている。


◇参考
EXCLUSIVE: Top 30 Web Sites for April -- Detroit Gains (Editor&Publisher)
Nielsen Numbers Disputed Again: This Time It’s The New York Times(paidContent.org)
米2大新聞の対決,攻め立てるWSJと後がないNYT(メディア・パブ)
WSJ.comの全面刷新,有料コンテンツと無料コンテンツを棲み分け(メディア・パブ)
米新聞サイトのユニークユーザー数、年明けも順調に増加(メディア・パブ)
タグ:NYT

posted by Kilimanjaro at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年05月16日

追い詰められたNYタイムズ,新しいオンライン課金サービスを準備中か

 NYT(The New York Times)が新しいオンライン有料サービスを開始するようだ。

 New York Observerによると,NYTのExecutive editorである Bill Kellerが今週水曜日のスタッフとの会議で,サイト(NYTimes.com)の新しい有料サービスを提案したという。

 ひとつは "meter system" 。ユーザーは一定のワード数あるいはページビューまでは記事を無料で閲覧できるが,それ以上は課金メータが動き始める。無料で閲覧できるワード数やページビューは,オンライン広告売上と有料課金売上の合計が最大になるように設定したいのだろう。

 もう一つの有料サービスは"membership" system。参加ユーザーはNYTのコミュニティーサービスを受けられる。各種イベントに招待されたり,特別のwebコンテンツを利用できる。

 この件について,NYT社はまだ何もコメントしていない。

 Observerはまた,同じ今週の水曜日にNYTのgeneral managerである Scott Heekin-Canedyが,NYTの第2四半期の業績は第1四半期とほぼ同じ程度で厳しいと予測したと伝えている。つまり,第2四半期も7500万ドルほどの損失が出るということか。

 追いつめられていくNYTが,藁(わら)をもつかむかのように,いよいよ有料課金サービスに乗り出す。でも "meter system"は読者からかなり反発を食らいそう。



◇参考
New York Times Considers Two Plans to Charge for Content on the Web(the New York Observer)
タグ:google

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2009年05月14日

Google News,マスメディアの動画ニュースがポップアップする

 Google Newsがまた魅力ある仕組みを新たに手掛けている。Google Newsページ内で,関連するマスメディアの動画ニュースをそのまま視聴できるようになっている。

 英語版のGoogle Newsを閲覧している時に気づいたのだが,いつから始めたかは定かでない。幾つかのニュースにYouTubeのロゴが付いている。そこをクリックすると,そのニュースに関連する動画ニュースがポップアップされて,そのまま視聴できるのだ。

 その動画ニュースが,以下のようにAPやAl Jazeeraなどのマスメディアのものが大半である。Google Newsは外部のニュースサイトのニュース見出し(一部はアブストラクトも)だけを表示し,本文はソースのサイトで閲覧させることになっていたはず。つまり,Google Newsの役割は,ユーザーをソースのニュースサイト(新聞社サイトなど)に誘導することである。だが,今回の動画ニュースはそのまま全部のコンテンツをGoogle Newsページ上で視聴できるのだ。

GoogleNewsVideo20090514a.jpg

 これってページを移動しなくてもよいので,使い勝手が良い。ちょっと驚いたのは,Googleと仲の悪いはずのAPからの動画ニュースが,広告付ではなくて視聴できることである。おそらく、GoogleがAPにライセンス料を払っているのだろう。

 上のGoogle Newsページ上で,動画ニュースをポップアップさせた時のスナップショットを以下に示す。最初は,「オバマ米大統領が虐待写真の公開を見送り」に関するAPの動画ニュースである。

GoogleNewsVideoAP20090514.jpg

 次は,「アウン・サン・スー・チーの起訴」に関連する動画ニュース(Al Jazeera)である。

GoogleNewsAlJazeera20090514.jpg



タグ:google

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2009年05月13日

NYタイムズの“新聞2.0”プロジェクト,2040年まで延命するのかも

 NYタイムズはしたたかな新聞だ。社の経営危機で崖っぷちに立たされているのに,夢を求めて次々と新サービスに挑戦している。

 その一つに, R&D groupが仕掛ける新サービスがある。このほどNYTの開発グループにThe Nieman Journalism Labが潜入し,以下のようなビデオレポートを提供してくれている。ちなみに,R&D groupはNYT本社ビルの最も見晴らしの良い場所を陣取っているとのこと。ニュースルーム室の階上で,さらに経営陣の部屋の上という。

そのR&D部隊のNick Biltonを相手に取材した結果が,最初のビデオレポートである。彼はdesign integration editorを担当しており,次世代の新聞“Newspaper2.0”を模索している。ビデオでは,電子新聞装置のインタフェースを開発している様子を伝えている。Adobe AIRを採用した“Times Reader 2.0”を11日に発表している(プレスリリース)。

New York Times R&D Group: Newspaper 2.0 from Nieman Journalism Lab on Vimeo.



 次は同じR&D groupのMichael Youngを取材したビデオレポート。彼はlead creative technologistで,CustomTimesと称するアプリケーションを開発中である。 ビデオで紹介しているように,Samsung tablet, iPhone, それに Sony Bravia TVを横断的に使って,対話的にニュースコンテンツとインタフェースしている。

New York Times R&D Group: Shuffling the news among multiple devices from Nieman Journalism Lab on Vimeo.



 共に,かなり技術オタクっぽい開発雰囲気が漂っているが,だからこそおもしろい成果が生まれるのかも。

 このように将来を見据えた開発が行われているのだが,ついに2040年5月11日付けのNYTのモックアップが,11日のNYTimes.com上に現れた。これは現在,Intelが大々的に展開しているキャンペーン 'Sponsors of Tomorrow'の一環のようだ。このキャンペーンは,Intelの将来にフォーカスしたブランドを確立するためだ。でも当然のようにメディアサイトから,NYTimesが2040年にも存在するのかと,茶化す記事が出回っている。

NYT2040byIntel.jpg


 “新聞2.0”プロジェクトで次世代新聞が開花すれば,2040年にもNYTimesは少なくともオンライン版で生き残っているかも。ともかく,NYTだけは生き残ってほしいとの読者がたくさんいるし,いざ廃刊しそうになれば,ハリウッドの大物やグーグルの経営者だけではなくて,救済の手を差し伸べたい人が次々と現れるはず。ということで,2040年になってもNYTは消えていないかもかもしれない。それにしても,2040年5月11日号のモックアップ版の出来具合が期待はずれで,次世代新聞からほど遠いと思えるのだが・・・。
 


◇参考
The New York Times envisions version 2.0 of the newspaper(The Nieman Journalism Lab)
At The New York Times, preparing for a future across all platforms(The Nieman Journalism Lab)
The New York Times Launches Enhanced Version of Times Reader Powered by Adobe AIR(NYTimes.com,プレシリリース)
Assuming There’s a New York Times in 2040, I Hope It’s Not This One(Technologizer)
タグ:NYT

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NYタイムズ,Googleとの接触を全面否定

  GoogleがNYT(New York Times Co)を買収かで盛り上がった話。NYTのボードメンバーであるScott Gallowayが全面否定した。

 事の発端は,今週月曜日のFortuneの記事。GallowayがGoogleの共同創立者Larry PageにNYT株を買わないかと打診したとのスクープ記事である。

 これに対し,GallowayがReutersに事実無根の話だと,次のように語った。
"I've never been in same room with him ... There has been no phone conversation. No e-mail conversation ... There has been absolutely zero contact between me and him," Galloway told Reuters, referring to Page.

 彼が主張するには,Pageとは同じ部屋に居たこともなければ,電話も電子メールでもやり取りしていないとのこと。

 Fortuneの記事について,わざわざReutersの記者に向かって,絶対に接触ゼロとここまで否定されると,ひょっとしたら何かあるではと思ってしまうのだが。


◇参考
UPDATE 1-Galloway denies he approached Google about NY Times(Reuters UK)

タグ:NYT google

posted by Kilimanjaro at 08:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース