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2009年11月25日

マードックのグーグル封鎖,MediaNewsやBeloも呼応

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 マードックのグーグル封鎖に同調するかのように,MediaNewsやA.H. Beloも彼らのニュース記事をグーグルサイトから取り去る方針だ。

 マードック率いるニューズ社(News Corp.)と同様,MediaNewsやBeloもオンラインコンテンツの有料化を進めている。そこで同じくGoogle検索やGoogle Newsで彼らのニュース記事の利用ができないようにするという。

 インターネットサービスを逆流させようとするこの動き,うまくいくとは思えない。NYタイムズやReuters,ガーディアンなどが加われば,話は別だが。


◇参考
・News Corp. Joined by Rivals Weighing Google Block (Update2)(Bloomberg)
・MediaNews Prepares Two Papers For Pay Walls Next Year(paidContent)
・MediaNews Group, Belo Mull Blocking Google, Too(MediaBuyerPlanner)
・MediaNews, A.H. Belo May Join The ‘Block Google’ Faction(paidContent)



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posted by 田中善一郎 at 10:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月23日

米新聞産業,暗いトンネルから抜け出せない

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  米新聞協会(NAA:Newspaper Association of America)から,2009年第3四半期の広告売上が発表されたが,長くて暗いトンネルから抜け出せない。

  米新聞の総広告(プリント広告+オンライン広告)売上は,以下の表のように,2006年第3四半期から13四半期連続して前年同期比マイナス成長となった。さらに深刻なのは,下落率の幅が大きくなってきていることで,8四半期連続して二ケタのマイナス成長となっている。

NAAAd09Q3.jpg

 以下にグラフ表示を。09年第3四半期は-27.9%とマイナス成長率が少し持ち直したものの,下落率そのものは相変わらず大きい。

* 米新聞社の総広告収入と四半期別伸び率(米新聞協会) 単位:100万ドル
NAANewspaperAdTotal09Q3.jpg

 プリント(新聞紙)広告とオンライン広告に分けて,それぞれの四半期売上高の伸び率を折れ線グラフで以下に示しておく。プリント広告の低迷が続くのは仕方がないにしても,オンライン広告売上が6四半期連続してマイナス成長となっているのが辛いところだ。さらにそのマイナス成長率が大きくなっており,オンライン事業に賭けようとする米新聞社にとって,いつになったらトンネルから抜け出す活路を見いだせるのだろうか。


*米新聞社のプリント広告収入/オンライン広告収入の四半期別伸び率(米新聞協会)
NAANewspaperAd09Q3.jpg



◇参考
・Ad Revenue Sees 13th Consecutive Quarter of Decline in Q3(Editor&Publisher)
・Newspaper Circulation May Be Worse Than It Looks(NYTimes.com)


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posted by 田中善一郎 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月22日

BBCのニュース見出し,検索エンジン向けと読者向けの二つを用意

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 英BBCのニュースサイトでは,SEO(検索エンジン最適化)対策として長いニュース見出しを用意することになった。

 Steve Herrmann氏(editor of BBC News website)によると,BBCのニュースサイトへのトラフィックのうち,29%は検索エンジンからであるという(英国内のトラフィック)。その検索エンジンからのトラフィックをさらに増やすために,ニュース見出しをフロントページ向けと本文ページ向けとの二つを用意することにした。

 多くのニュースはフロントページに見出しが表示され,そこをクリックすると本文ページに飛ぶことになる。でも,検索エンジンやソーシャルメディア(ブログなど)から特定ニュースへのアクセスは,フロントページをパスして本文ページに直接辿りつく。

 そこで,本文ページのニュースは検索されやすい見出しにすべきである。BBCでは本文ページのニュース見出しを最大55文字まで許し,キーワードを多く含むことができるようにした。一方フロントページでの記事見出しは,ユーザーが多くの見出しから読みたいニュースを素早く見つけ出せるように,見出しは短く直観的にわかるようにすべきであろう。そのため,見出しの長さは31〜33文字とした。


 その具体例として,マイケル・ジャクソンが初めて「ムーンウオーク」を披露した特に着けていた手袋が35万ドルで落札されたニュースの見出しを見てみよう。

 フロントページでは,そのニュース見出しは“Jackson glove sells for $350,000”となっていた。

BBCFrontPage0911.jpg


 一方本文ページでは,以下のように“Michael Jackson Moonwalk glove auctioned for $350,000”と長い見出しとなっていた。


BBCSEO0911.jpg


 本文ページの見出しには,“Moonwalk”や“Michael”といったキーワードが加わっており,検索エンジンでこのニュースが見つかりやすくなっている。一方のフロントページでの短いニュース見出しは人間にとってわかりやすくしており,モバイルでもその見出しを使う。

 
 NYtimesの例でもそうだが,米英のマスメディアのニュースサイトでは,検索エンジンやソーシャルメディアからのトラフィックを増やすことに力を入れてきており,今後さらに強化が進みそう。


◇参考
・Changing headlines(BBC)
・BBC bows to SEO(Guardian)
・NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)


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posted by 田中善一郎 at 23:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月18日

NYタイムズ,ツイッター対応に本腰

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NYTonTwitter.jpg


 NYタイムズがTwitter(ツイッター)による情報提供に本格的に乗り出したようだ。

 ソーシャルメディア対応ではいつも先行するNYTimes.comであるが,ツイッターに関してはやや様子見のところがあった。ところが先ほど出くわした「The New York Times on Twitter」のページを見ていると,かなり積極的にTwitterに取り組んでいる。


 まず目についたのは,すでにTwitterアカウントを200種以上も用意していたこと。NYTのスタッフ対応のアカウントもあるし,またニュース分野やブログ対応のアカウントもある。

 かつてRSSフィード配信サービスを始めた時もそうだったが,Twitterアカウントでも細かくセグメント分けしてテーマを絞っているのが特徴である。ユーザーは雑音の少ない形で,情報収集ができる。以下のセグメント別にTwitterアカウントを紹介していた。セグメントによっては,さらに細分化されているものもある。

Arts
Autos
Books
Business
Dining and Wine
Education
Environment
Fashion and Style
Games
Home/Garden
Inside The Times
Interactive News and Graphics
Magazine
Media
Movies
Multimedia, Photo, and Video
N.Y./Region
National
Newsroom Editors and Producers
Obituaries
Opinion
Politics
Real Estate
Science and Health
Sports
Technology News
Travel
Weddings
Week in Review
World



 これとは別にリスト(NY TIMES LISTS)も作成している。こちらの方が個人的には興味がある。各リストには,NYTのTwitterアカウントだけではなくて,外部のアカウントも選りすぐっている。次のように,18カテゴリーに分けて,リストが紹介されている。下の例では,Art部門のリスト「Broadway Shows」が含んでいるアカウント一覧を示している。現時点では38のアカウントを選んでいた。

NYTTwitterArtBroadway.jpg


 そのリストのページを以下に。

NYTBroagwayShows.jpg

 各リストに加えるべき優れたアカウントがあれば,提案して欲しいと読者に呼びかけている。いいリストが整備されていけば,RSSリーダーよりも効率よく情報収集ができるのかな。




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posted by 田中善一郎 at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月14日

マードックの矛盾,盗人グーグル経由で有料のWSJ記事がタダで読めるのはなぜ

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  ひとつ前の記事で,「マードックがグーグルに禁じ手を使うのか,WSJなどのニューズ社の全コンテンツが検索不能になるかも」と伝えた。グーグルがまるで盗人のごとくメディアのコンテンツを勝手に使って,繁栄を謳歌しているとして,マードックが怒りを爆発させている。これからの課金モデルビジネスを軌道に乗せるために,ニューズ社のコンテンツがグーグルの検索エンジンに引っかからないように,禁じ手を使うぞとの脅しでもあった。

 彼はオンラインコンテンツの有料ビジネスの成功事例としてWSJ.comを取り上げ,WSJ.comを見習ってメディア業界が手を組んでpay wall(課金の壁)を設けるべきだと呼びかけている。ところがマードックの行動には矛盾が残っている。その有料のWSJ.comの記事がグーグルの検索エンジン経由でタダで読めることがあるのだ。

 試してみよう。先ほど,WSJ.comにアクセスしてみた。次のようなトップページ画面が現れた。

WSJ091113Charge.JPG

 
 ここで鍵マークが付いた記事が有料コンテンツである。そこで鍵マークの付いた記事"Hu Outlines Domestic Focus at APEC Summit"に飛んでみた。飛び先のページでは,その記事の本文は2行しか表示されないで,本文全文はpay wallで遮られた。購読申し込みの案内が出ている。

WSJPayWall0911.JPG


 だが,ソーシャルメデャアに馴染んでいる人だと,ここであきらめない。グーグルの検索エンジンに,以下のように見出しを入力する。

WSJGoogle.JPG

 検索結果のトップに,その記事が現れた。

WSJGooglefree091113a.JPG

  その検索結果をクリックすると,以下のように有料記事の全文がタダで閲覧できる。


WSJfree091113a.JPG

  実は,この種の仕掛けは前から施されていた。「有料のWSJ記事をタダで読む裏技,WSJがこっそりとソーシャルメディア対策を」でも既に紹介していた。ソーシャルニュースサイトDigg経由でも,有料記事が閲覧できた。


  ユーザーが新聞サイトのニュース記事に接触する経路として,二つのタイプがある。一つは,新聞サイトに目的地サイトとして訪れて,そこから好みの記事を閲覧していくタイプである。この経路を取るのは中高年者が多い。もう一つは,ソーシャルメディア経由で特定の記事を閲覧するタイプである。若い層が多い。

  そのソーシャルメディア経由のユーザーを増やすことに,新聞社サイトも力を入れ始めている。ソーシャルメディアで記事の存在が口コミで知れ渡るには,検索エンジンで検索されることが重要になる。ブロガーが検索エンジン経由でWSJ.comの記事にアクセスし,その記事をブログで引用する場合が多そうだ。実際,米国のソーシャルメディアでよく話題になる新聞社サイトの記事としては,NYtimes.comとWSJ.comが目立って多い。

 このように,ソーシャルメディア経由のトラフィックを増やすために,WSJはグーグルの検索エンジンの世話になってきたとも言える。ソーシャルメディアの世界では,有料コンテンツは相手にされない。そこで裏技的に,グーグル経由でアクセスすれば有料記事までが無料で読めてしまう。これだと,グーグルの検索エンジンでニューズ社のコンテンツをシステム的に検索させないようにすると困るのは,グーグルではなくてニューズ社(WSJ)ではないのか。

 ニューズ社のCOOもWSJのpaywallに問題があることを認識している(こちらの記事)。それでも,マードックはRupert Murdoch to remove News Corp's content from Google ‘in months’ とこぶしを上げてしまっただけに,・・・。大きな墓穴を掘らなければいいのだが。  


◇参考
・News Corp COO ponders overhaul of WSJ's paywall system, others still don't think it will work(editorsweblog.org)

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posted by 田中善一郎 at 13:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月09日

マードックがグーグルに禁じ手を使うのか,WSJなどのニューズ社の全コンテンツが検索不能になるかも

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 ニューズ・コーポレーション(News Corporation)の経営悪化に伴い,メディア王のマードックのイライラが募る一方だ。

 うまくいかないのはネット企業のせいだと,そこらじゅうでわめき散らす。最近では攻撃の矛先をネット企業の代表格であるグーグルに向けている。メディアのコンテンツを盗んでぼろ儲けしていると,グーグルを泥棒呼ばわりしてののしる始末だ。ダウ・ジョーンズのCEOであるヒルトンも,親分の怒りを支援して,グーグルをデジタル吸血鬼と非難する。

 でも,そんなにグーグルを毛嫌いするなら,robots.txtでブロックすればいいのに。グーグル検索エンジンからのクローリングをシステム的に拒否できるからだ。でも,グーグルの検索エンジンのサーチ対象外となるのは,ネットビジネスにとって自殺行為に等しい。そんなことは実施できないはずと,見られていたのだが・・・。

 それが,マードックが Sky Newsのインタビューの中で,「ニューズ社のコンテンツがグーグルから見えないようにするつもりだ」と答えたのだ。にわかに信じられない話だが。インタビューのビデオは以下に貼っておいた。

 もし実施すれば,The Wall Street Journal,New York Post,The Sun,The Times,Fox,MySpaceなどのコンテンツが,グーグル検索ではほとんど検索できなくなるはず。それらのコンテンツは,一般のユーザーにとって事実上,ネット上に存在しないことになるのかも。購読料を払ったユーザーだけのコンテンツになるのか。

 でもこの発言は,グーグルやヤフーなどのニュースアグリゲーターとの料金交渉を優位に進めるための,マードックの戦略かもしれない。




◇参考
・Murdoch: We’ll probably remove our sites from Google’s index(mUmBRELLA)
・Rupert Murdoch vows to take all of Newscorp's websites out of Google, abolish fair use, tear heads off of adorable baby animals(boingboing)


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posted by 田中善一郎 at 21:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年11月07日

「新聞の時代が終わった」と言い残し,East Valley Tribune紙が大晦日に廃刊へ

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EndOfAnEra.jpg

 “End Of An Era” ひとつの時代が終わった・・・。

  米アリゾナ州の地方紙East Valley Tribuneが,今年の大晦日を最後に廃刊することになった。1891年創刊なので,120年近い歴史を刻んできた老舗紙である。廃刊に伴い,残っていた140人のスタッフもレイオフに。 


◇参考
・East Valley Tribune to shut down Dec. 31(East Valley Tribune)
・East Valley Tribune to Shut Down(Newspaper Death Watch)

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posted by 田中善一郎 at 12:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月29日

新聞サイトの有料化,Newsdaysが今日から開始

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 再び新聞サイトの有料化が始まろうとしている。その口火を切ったのが,ニューヨークのロングアイランドを拠点にする日刊紙Newsdayのサイト(newsday.com)である。

 今日から,有料の壁(pay wall)が設けられた。とりあえず,newsday.comにアクセスしてみる。おっと,今日は地元ヤンキースが出場するワールドシリーズの開幕戦の日である。以下のように,トップページに途中経過のスコアボードと見出し,写真が載っている。

newsdaycom091029.jpg

 そこで,見出しをクリックすると,以下のように有料の壁で遮られた。
 
NewsdayContentPreview0928.jpg

 記事を読みたければ,週5ドルの購読料を払えとのことである。

newsdaypaywall091028.jpg


 いよいよ,新聞社サイトの有料化が本格的に始まるのだろうか。新聞社サイトの有料化は,皆が一斉に実施しないとうまくいかない。そこでメディア王のマードックが,有力新聞社に有料の壁の設置を呼び掛けている。だが,彼が成功例としてあげるWSJ.comのように,有料化に値する新聞社サイトは限られる。このため,なかなか有料化に踏み出せないでいる。有料化をほのめかしているNYtimes.comですらも,有料化に伴うデメリットを警戒して,有料化のゴーサインを出すかは決まっていないという。

 newsday.comは月間ユニークビジター数が220万人( Nielsen Onlineの9月調査)の新聞社サイトである。有料化の壁でユニークビジター数が激減するのでと,心配する声が多い。NewsdayのPay Wall Gambleの成否が,これからの新聞社サイトの有料化に影響を及ぼしそう。


◇参考
・'Newsday' Pay Wall Debuts Today -- With Most Stories Behind It
(Editor & Publisher)
・Just How Daring is the 'Newsday' Pay Wall Gamble?(Editor & Publisher)
・New York Times, still uncertain on charging, sets seven digital priorities(Nieman Jornalism Lab)

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posted by 田中善一郎 at 11:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月28日

NYタイムズ発行人の発言,「新聞はタイタニックみたいだ」

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TimesMachine.jpg

  New York Times(NYT)の発行人Arthur Sulzberger氏がショッキングな発言を。「新聞はタイタニックみたいだ」と。(NY Magより)。

  新聞(NYT紙)は,氷山に衝突していないでNY港に停泊しているタイタニック号のようなものだ。いずれなくなる運命にある。われわれは,船会社から航空会社に変わろうとしている。


◇参考
・Times Publisher Compares Print Media to the Titanic(New York Magazine )
・NY Times publisher Arthur Sulzberger Jr.; print media is like Titanic(SFGate)
・Arthur Sulzberger: I've Got To Turn The Titanic Into An Airplane(Silicon Alley Insider)
・NYTがタイタニックのように沈没しかねない?(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 15:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

NYタイムズの二つの異変

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  曲がり角を迎えているNYタイムズに異変が二つ。

  ひとつは,平日版の発行部数が100万部の大台を割ったこと。ABC(Audit Bureau of Circulations)の調査で,09年4月〜9月のNYT紙(平日版)の平均発行部数が前年同期比7.3%減の92万7851部と,大幅に減少した。THE AVLが過去20年間の発行部数を,以下のようにプロットしている。無料のNYTimes.comがあれだけ充実しておれば,もうNYT紙の部数が100万台に復帰することはありえないのでは。

*NYT紙(平日版)の発行部数の推移(ソース:THE AVL)
NYT100Million.jpg


  もう一つは,NYT社の第3四半期決算で明らかになったのだが,NYタイムズ(新聞などのメディアグループ)の販売売上が広告売上を上回ったことである。これまでの米新聞社の売上比率は,広告が8割で販売が2割くらいであった。広告売上に大きく依存していたのだ。ところが新聞紙広告売上の激減に伴い,ついに広告売上が販売売上より下回ることになってきた。


*New York Times Media Groupの売上の内訳(単位:1000ドル)
NYTimes09Q3.jpg


 この二つの異変は,新聞紙広告収入に頼ったこれまでの米新聞社のビジネスモデルが崩壊していく動きを象徴している。



 ついでなので,先週公表されたNYT社の第3四半期決算から,NYTの現状を見ておこう。


*NYT(The New York Times Company) の2009年7-9月期決算(単位:1000ドル)
NYT09Q3.jpg

 NYT社全体の売上では,まだ広告売上が販売売上より多いが,来年あたりに逆転しそう。販売売上がプラスになっているのは,新聞紙購読料を値上げしたため。

*NYT社の広告売上,販売売上,その他売上の推移(09年は第3四半期まで)。単位:1000ドル
NYTRevenue09Q3.jpg


*NYT社の四半期別総売上と広告売上の伸び率(前年同期比)
NYTRevenueQRate.jpg


*NYT社の四半期別インターネット売上と伸び率(前年同期比):
インターネット売上には新聞サイト以外にAbout.comも含まれている。

NYTCoInternetRevenue.jpg
 

 2008年に入って以降,四半期単位の各売上の伸び率が連続してマイナス成長に陥り,そのマイナス幅が拡大していた。まさに底なしの状況であったが,09年の第3四半期では,上のグラフのように,マイナス幅の拡大は止まった。底打ち感が出てきたのだが,まだまだマイナス幅の絶対値が大きく危険水域から脱していない。

 新聞紙の展望が開けそうもないのでオンラインシフトを進めているのだが,悩ましいのは期待のインターネット広告売上高がなかなかリバウンドしてこないことだ。

 09年第3四半期のインターネット広告売上は前年同期比8.2%減の6830万ドルであった。ただしこれには,プラス成長のAbout.comの売上が含まれている。NYtimes.comが中心の新聞サイトの広告売上は3900万ドルに落ち込み,前年同期比で18.5%減と依然厳しい状況が続いている。NYTimes.comがけん引役になるのはいつのことやら。


◇参考
・The New York Times Company Reports 2009 Third-Quarter Results(NYT,プレスリリース)
・Times Co. Shows Loss but Beats Forecast(NYTimes.com)
・底なしの広告収入にあえぐアメリカの新聞社の今後,Journalism,no.232,2009年9月号
・A Graphic History of Newspaper Circulation Over the Last Two Decades(THE AVL)

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posted by 田中善一郎 at 14:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月27日

米新聞“紙”の読者離れが加速化

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 米新聞紙の発行部数の落下が加速化している。

 ABC(Audit Bureau of Circulations)によると,09年4月〜9月の平日版379紙の平均発行部数が3040万部で,前年同期比で10.6%減と大きく落ち込んだ。また日曜版562紙は4001万部で,同7.4%減となった。

 以下の表のように,過去4半期の平均発行部数が毎半期,マイナス幅が大きくなってきているのだ。つまり,新聞紙の読者離れが加速化している。

*平日版/日曜版の発行部数(半期)の増減率
NewspaperCirculatin0909.jpg

 主要新聞紙の09年4月〜9月の平均発行部数と前年同期比を以下に掲げておく。前年同期比でプラスであった主要新聞はWSJだけであった。有料の電子版も加算して,やっと0.6%増となっている。その他の主要新聞はすべてが大きく部数を減った。

USNewspaperTop9Circulation.jpg


◇参考
・Newspapers take a bus plunge: circulation plummets 10.6 percent(Nieman Journalism Lab)
・Newspapers Across the Country Show Steep Declines in Circulation, in New FAS-FAX(Editor&Publisher)

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posted by 田中善一郎 at 21:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

ニュース記事の閲読時間,新聞紙読者は新聞社サイト読者の30倍以上か

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  新聞社サイトユーザーのニュース閲読時間は,新聞紙読者に比べかなり短いようだ。

 米主要新聞社サイトの一人当たり月間閲読時間は,定期的にNielsen Onlineから公表されている。以下の表は,今年9月の一人当たりの月間滞在時間を示している。

*米新聞社サイトの一人当たり月間滞在時間(09年9月-08年9月,Nielsen Online)
newspaperSiteTimeSpent0909.jpg
注:NYTなどの滞在時間が大きく減っているのは,Nielsenの測定方法が変わったためのようだ

 新聞社サイトでの読者滞在時間は月間でもかなり短い。一方の新聞購読者の平均閲読時間は,NAA Marketing Conferenceで公表されている。3年前とちょっと古いデータだが,以下に掲げておく。月間ではなくて,一日当たりの閲読時間である。

*米新聞紙(平日紙)の一人当たりの閲読時間(06年,NAA)
TimespentNewspaperWeekday.jpg


*米新聞紙(日曜紙)の一人当たりの閲読時間(06年,NAA)
TimespentNewspaperSunday.jpg


 大雑把に比較するとこうなる。新聞紙読者は,新聞社サイト読者のおおよそ30倍以上も時間をかけて新聞を読んでいることになる。Nieman Journalism Labでは,“Print is still king: Only 3 percent of newspaper reading happens online”と説明している。 

 新聞紙購読者は,特定の新聞紙をじっくり読むことが多いのだろう。一方の日常的にWebサイトでニュースを閲覧する人は,特定の新聞サイトだけではなくて複数サイトを飛び回ったり,CNNやMSNBC,Yahoo,GoogleなどのTV系やポータル系ニュースサイトとか,その他ソーシャルニュース系サイトなどもアクセスしているはず。また,検索エンジンやソーシャル系サイトから誘導されて特定記事だけを読むとすぐに,新聞社サイトから離れるユーザーも多いと思われる。このため実際は,一人当たりのニュース閲読時間は,複数サイトの滞在時間を合計したものとなる。

 それでも,新聞紙読者のほうがニュース記事にかなり長く接触しているのは間違いない。NYTimesの例で見てみよう。NYT紙(平日版)の読者は約100万人と少ないが,おそらく毎日30分近く新聞紙を閲読している。一方のNYTimes.comの読者は約2000万人(月間ユニークユーザー)と20倍近くもいるが,上のグラフから推定すれば,NYTimesに訪れるユーザー一人当たりの月間閲読時間は15分にも達しない。

 2000万人を誇るNYTimes.comの広告売上が,100万人のNYT紙の数分の1にしか届かないのは,こうした背景のせいか。
 


◇参考
・EXCLUSIVE: Time Spent at Major Newspaper Sites Low in September (Editor&Publisher)
・Newspaper Engagement(NAA Marketing Conference)
・Print is still king: Only 3 percent of newspaper reading happens online(Nieman Journalism Lab)

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posted by 田中善一郎 at 07:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月24日

キンドル版新聞の販売売上高は?,まだ社員1人の給与分か

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 電子書籍リーダーKindle(キンドル)も,キンドル向け書籍も,好調に推移しているようだ。そのお陰で,Amazon.comの第3四半期の決算は,予測を上回る増収増益を達成した。

 そこで気になるのが,キンドル版新聞が順調に立ち上がっているかである。不振にあえぐ米新聞社にとっては,キンドルブームにあやかって,電子書籍リーダー向けの新聞コンテンツの購読料収入に期待したい。

 だが,キンドル版新聞が売り出されてから1年半近く過ぎたのだが,利用している読者がどれくらいいるかが明らかになっていない。でもやっと,おそらく初めてかもしれないが,LATimes(Los Angeles Times)のキンドル版購読者数が漏れ出た。Russ Stanton(Editor, Los Angeles Times)が,“ Times has 2,700 Kindle subscribers”(Communication Leadership Blog)と明らかにしたのだ。


 この結果,キンドル版のLATimesの年間売上高を,NiemanLabでは次のようにはじいている。

NiemanLabLATIMESKindle.jpg

 97,200ドル(年間売上高)
 =120ドル(年間購読料)×0.3×2700(購読数)

 Amazon.comでの売上のうち,7割がAmazonの取り分になるので,3割(×0.3)が新聞社の売上高に計上される。

 でも年間9万7200ドル(約900万円)では,記者一人分しか養っていけないのでは。本番はこれからだから,もっと売上は増えていくだろうが,新聞社にとっての救世主になるかどうか。一方のアマゾンにとっては,Kindleが普及すればするほど,物流や在庫の不要なデジタルコンテンツをシステムで流すだけで,売上の7割がチャリンチャリンと懐に。


注:
キンドル版のLATimesの月間購読料は,以下のように19.99ドルとなっている。

LATimesKindle.jpg




◇参考
・Stanton's local strategy: data and citizen participation
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posted by 田中善一郎 at 10:27 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月22日

NYタイムズ,編集スタッフを100人削減する一方で,デジタル部門の14職種を募集

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 NYタイムズのWebサイトに,次のような求人案内が出ていた。


NYTJobs0910.jpg

 NYタイムズは今週月曜日に,編集スタッフ100人の削減を発表したばかりである。なのにWebサイトでは,ソフトウエア開発やデザインの14職種の専門家を募っている。オンラインシフトを加速化させていくには,デジタル部門の強化が欠かせないのだろう。


 
◇参考
・NYタイムズ,年内に編集スタッフ100人を削減(メディア・パブ)  
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posted by 田中善一郎 at 23:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

キンドルで新聞を読むのはいま一つ,NYタイムズ編集長のデジタル体験での感想

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 紙からネットへ。もう新聞のオンライン(デジタル)シフトは避けられない。紙(アナログ)時代を過ごしてきた編集トップも,デジタルコンテンツに親しまなければ・・・。

 そこでNYタイムズのBill Keller編集長(executive editor)は,3週間,新聞紙の接触を制限し,デジタルコンテンツにどっぷり浸ることにした。

 NYT(競合新聞も含む)のデジタルコンテンツを,次の4種類の装置で読んだ。

・デスクトップ (the website proper),
・TimesReader (on a notebook),
・iPhone,
・Kindle


 3週間のデジタル体験で,編集長は次のような感想を。

・デスクトップによるNYTimes.comの閲覧が,ポータブル性に難があるけれど一番満足度が高かった。
・TimeReaderは新聞紙に近くて快適であったが,問題はnotebookを利用したこと。地下鉄で使えないことがあったりして向いていない。
・Kindleは書籍を読むには素晴らしいが,新聞を読むのにはダメかも。
・iPhoneはリニアな読み方になるので,これも新聞閲読にはもう一つ。


 新聞紙を大きく開いて読むのが幸せと本音も。やっぱり編集長は新聞紙をこよなく愛しているようだ。


◇参考
・Bill Keller trying to read the Times “mostly in digital forms”(NiemanJounalismLab)
・NYT Editor: Reading The Times On The Kindle Is The Worst!(SiliconAlleyInsider)

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2009年10月21日

新興新聞の記事を後追いする伝統新聞

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  「大躍進した新興ニュースサイトのHuffPostとPolitico,大統領選後に失速か」と懸念されていたのだが,今年に入っても順調に伸びている。

 Huffington Post(2005年5月創刊)が9月のニュースサイト・ランキングで老舗新聞のWashington PostやLA Timesのサイトを追い抜いたことを,2日前に伝えた。また9月の新聞サイト・ランキングでは,Politico(2007年1月創刊)も多くの老舗新聞サイトを抜き去って,以下のようにトップ10に仲間入りした。

*米新聞サイトの2009月9月の月間ユニークユーザー数(Nielsen Online調査)
USNewspaperSite0909.jpg
注:HuffingtonPostのデータはNielsen Online調査の米ニュースサイト・ランキングより

 PoliticoはワシントンDC発の政治ニュースを売り物にしているが,今やPoliticoの記事を伝統マスメディアのサイトが後追いするのも珍しくなくなってきた。すでにテクノロジー/IT分野では,ブログスタイルの新興ニュースサイトの記事を伝統マスメディアが後追いするのは当たり前になっているが,政治分野でもそうなっていくのかも。

 今朝の9時に,英語版Google Newsの政治記事をチェックしたのだが,以下のように(クリックで拡大表示可能),多くの伝統マスメディアのサイトがPoliticoの記事を引用していた。

Politico091021a.jpg

Politico091021b.jpg


◇参考
・EXCLUSIVE: Top 30 Newspaper Sites for September!(Editor&Publisher)
・新興ブログ新聞HuffPost, 老舗新聞をオンライン上で次々と追い抜く(メディア・パブ)
・HuffPo CEO Eric Hippeau: ‘We Are Now In The Big Leagues’(paidContent.org)
・IT系ニュース、ソーシャルメディアが先行しマスメディアが後追い(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月20日

NYタイムズ,年内に編集スタッフ100人を削減

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NYT100cut091019.jpg


  NYタイムズのブログMedia Decorder(http://mediadecoder.blogs.nytimes.com/)に衝撃的な記事が出ている。年内に,ニュースルームのスタッフ100人を削減すると伝えているのだ。

  現在,NYTのニュース部門は1250人のスタッフを抱えているが,約8%が職を追われることになる。非組合員だけではなくて組合員も対象になる。

  1年ほど前にNYTimesの編集トップは,大幅に編集スタッフを減らしたLATimesが記事の質を劣化させているの対し、NYTimesは今の編集スタッフ数を死守して編集の質を落とさないと力説していたが・・・。もうそんな奇麗ごとをいっておれないのだろうか。この編集スタッフの削減に合わせて,オンライン記事の有料化を実施するのかもしれない。

 このブログ記事へのコメントが多く寄せられている。たとえば,
・Well, there is a solution to layoffs - start charging for on-line content, I’d pay….seriously. Why not?
・Bye bye, proof readers.



◇参考
・Times Says It Will Cut 100 Newsroom Jobs(NYtimes.com)
・また始まった米新聞社の人員削減の嵐,NYTは100人の記者が犠牲に(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 10:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月19日

新興ブログ新聞HuffPost, 老舗新聞をオンライン上で次々と追い抜く

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  新興ブログ新聞サイトが老舗新聞サイトを追い抜いている。

  2005年5月に開設した新興ニュースサイトのHuffington Post(HuffPost)が,有力新聞サイトのWashinton Postをオンライントラフィックで抜き去った。Nielsen Online の9月調査によると,huffingtonpost.comの月間ユニークユーザー数が947万人となり,924万人のwashingtonpost.comを抜き去った。単独の新聞サイトでは,NYTimes.comとUSATODAT.comに次いで3位にのし上がってきた。

*米ニュースサイトの2009月9月の月間ユニークユーザー数(Nielsen Online調査)
USNewsSite0909.jpg
注:WSJ.com( Wall Street Journal )などの金融ニュースサイトは含まれていない。
LATimes.comはTribuneに含まれると思われる

  
  同じ9月のCompeteの調査では,huffingtonpost.comがwashingtonpost.comだけではなくて,latimes.comも抜いている。

  Huffingtonpostcomprte0909.jpg

 Washington Postの創刊は1877年,Los Angeles Timesの創刊は1881年と,米国の由緒ある有力新聞である。それぞれのオンラインサイトも,それなりに充実しており人気が高い。そうした新聞サイトを,生まれて4年少々の新興新聞サイトhuffingtonpost.comが追い抜いたのだ。業界では,新聞"紙"を発行していないHuffington Postを新聞とは認めたくないようだが・・。

 HuffPostは政治分野を売り物にしているブログ新聞である。伝統新聞のニュースサイトがソーシャルメディア化を進めているが,HuffPostはソーシャルメディアそのもとと言ってもよいかもしれない。Technorati Top 100 では,HuffPostは世界トップのブログとなっている。

 huffingtonpost.comは,伝統的な新聞サイトと趣が異なる。売り物のブログでは,たとえば創立者のArianna Huffingtonもブログ記事を頻繁に投稿している。以下は3日前の彼女のブログ記事の案内であるが,5254件のコメントが寄せられている。

HuffPostBlog.jpg

 最近は,Facebookと密な連係で,HuffPost Social Newsを立ち上げている。

HuffPostSocialNews.jpg

 HuffPostは政治分野以外にも拡充しており,さらにローカル版も力を入れている。著作権問題を抱えているが,勢いはまだ衰えていないようだ。


◇参考
・EXCLUSIVE: Huffington Post Passes WashingtonPost.com in Unique Visitors, in September(Editor&Publisher)
・Huffington Post Traffic Blows Past LA Times, Washington Post(Silicon Alley Insider)

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posted by 田中善一郎 at 10:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月17日

人気ブログ「Business Insider」のソーシャルメディア対策,記事全文やグラフの転載を促す

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 ニュースサイトとかブログも,より多くの人に読んでもらうには,ソーシャルメディア界隈で記事が頻繁に取り上げられることが重要になる。

 そこで,米国のニュースサイトやブログでは読者が手軽に,各記事をFacebookでシェアしたり,Twitterでリツィートできるようになっている。こうしておけば,ソーシャルメディア経由のアクセスが増えるということだ。

 ところが,サイトにアクセスしなくても,ニュースサイトやブログの記事をソーシャルメディア内で読める仕掛けを備えたサイトが現れている。人気ブログBusiness Insider(Silicon Alley Insider)では今年の8月末から,各記事に以下のようなマーク(アイコン)を配している。


EmbedBusinessInsider.jpg

 Business Insiderの記事全文(写真は除く)や売り物のグラフ(CHART OF THE DAY)が,ユーザーのブログやSNSなどにウィジェットの形で貼り付けられるようにしたのだ。記事の転載を促しているのである。ソーシャルメディア内の転載記事に接したユーザーはわざわざソースのサイトにアクセスしなくても済む。

  例として,最近のグラフや記事の転載例を,下に貼り付けておく。グラフはCHART OF THE DAY: Google's Massive Cash Flow In Context II (GOOG)からエンベッドコードを貼りつけた。米グーグルが15日に発表した7-9月決済で,フリーキャッシュフローが増えているのを示したグラフである。




 次は,見出しがGoogle Consultant Busted For Insider Trading (GOOG)の記事を転載した例である。ヘッジファンドがインサイダー取引で2060万ドルの不正利益を得て起訴され,グーグルなどが被害を被ったというニュースである。





◇参考
・Go Ahead, Embed This Post!(Business Insider)
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posted by 田中善一郎 at 15:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2009年10月10日

USA Today,発行部数が17%減でトップの座譲る

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 発行部数でトップの座を君臨していたUSA Todayが,17%も部数を減らし,日刊紙トップの座をWall Street Journalに譲ることになりそうだ。

  Editor&Publisherによると,ABC(Audit Bureau of Circulations)が今月26日に発表するUSA Todayの発行部数がマイナス17%の188万部に激減するという。39万部も減る。Wikipediaの米新聞発行部数一覧表から推測すると,トップの座をWall Street Journalに譲ることになりそう。

  USA Todayは宅配の割合が16%と少ないが,その部数の変動はほとんどなかった。一方でニューススタンドなどの1部売りが約10万部も減った。さらに不況の影響で,ホテルへの配布が大きく減った。たとえばMarriottは ホテル宿泊者へのUSA Today紙の自動配布を止めた。
 

◇参考
・'USA Today' Will Show 17% Circulation Decline in Next Report, As Single Copy Sales Sink -- But Revenue Flat(Editor&Publisher)
・USA Today to post 17 percent drop in circulation(AP)
・USA Today Expects Largest Circ Decline In Its History; ‘Number One’ Daily Position In Jeopardy(paidContent.org)
・List of newspapers in the United States by circulation(Wikipedia)
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posted by 田中善一郎 at 14:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
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