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2008年08月19日

公共メディアのBBCも開放路線を

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 英国の公共放送BBCも,Webサービスで開放路線を突っ走りそうである。

 BBCのサイトが外部リンクを張る実験を始めた。「いまさら何を?」と言いたいところだが,信用を看板にする伝統メディアにとっては大英断なのだ。

 欧米の伝統メディアのサイトでは,つい最近まで,外部リンクを張ることはご法度であった。例えば,Wikipediaサイトにリンクを張ることなんぞは決して許されなかった。特に信用を売り物にする新聞社サイトでは,記事の品質保証を死守するために,責任の持てない外部サイトへのリンク張りはありえなかったのだ。

 でも時代は急変している。ベストエフォート型のソーシャルメディアの台頭で,品質保証型の伝統マスメディアの閉塞感が高まってきた。そこで叫ばれているのが,マスメディアのソーシャルメディア化だ。

 まず,自サイトに閉じこまないで,外部リンクを張ることに乗り出した。New York TimesやBusiness Weekまでも鎖国政策に終止符を打つことになった。

 そして,お堅いはずの公共メディアのBBCも決断したのだ。一応,テスト段階と控えめに言っているが,すでに水面下で,あるプロジェクトが始まっている。

 とりあえず,BBCのサイトを覗いておこう。まず,以下のようなバナー表示をサイトのあちこちで目にする。

BBCcontentExternal.jpg


 次に記事のサンプルを二つ示す。最初の例は,各ニュース記事の外部リンクの例である。同じニュースを伝える外部ニュースサイトにリンクを張っている。

BBCExternalLink1.jpg

 次の例は,ニュースに関連している外部サイトへリンクを張っている例である。この場合は,リンク先のサイトの内容については責任を持たないと伝えている。

BBCExternalLink2.jpg


◇参考
・BBC trials embedded links in news articles(Journalism.co.uk)
・BBC finally experiments with in-text 'links' ( E-consultancy.com)


タグ:BBC

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posted by 田中善一郎 at 09:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年08月08日

ブログ新聞のHuffingtonPostもトピックス記事を売り物に

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 注目のブログ新聞The Huffington Postもトピックスページを始めた。

 Big News Pageと称するページには,現在75タイトルのトピック記事を用意している。今後,ユーザーの要望に応えて,タイトルを増やしていく予定である。

HuffingtonBigNews1.jpg
HiffingtonBigNews2.jpg

 トピック記事の例として,Barack Obama のページ一部を以下に示しておく。

HuffigtonpostBarackObama.jpg

 トピック記事のコンテンツとしては,Huffington Postだけではなく外部のニュースサイトやブログの記事も取り込んでいる。特定トピック向けのニュースアグリゲーターと思えばよい。

  Huffington Postはグループブログとして3年前に開設されたが,最近はブログ形式のニュースサイトの体裁を整えてきた。Nielsen Onlineのトラフィック調査でもニュースサイトとして分類されており,トップ30にランクインしてきた。月間ユニークユーザー数が400万人を突破し,1年間で3倍以上にもなった(こちらを参照)。Competeの調査でも,ユニークユーザー数が以下のように増えている。

HuufPosrCompete.jpg

  ブログスタイルのHuffington Postは,新聞社サイトの今後の進むべき方向の一つを示唆しているのかもしれない。今回のBig News Pageで,さらなる飛躍を狙っている。



◇参考
・NYTimesサイトの目玉になってきたトピックス記事(メディア・パブ)
・検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも(メディア・パブ)
・米ニュースサイトのトップ30にブログが入る(メディア・パブ)
・HuffingtonPost starts providing topic pages(Joho the Blog)
タグ:ブログ 新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年08月05日

NYTimesサイトの目玉になってきたトピックス記事

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TimesTopicsPage.jpg

 Times Topics が,NYT(New York Times)の強力な武器になってきたようだ。

  NYTimes.comの中で,Times Topicsを次のように紹介している。
Each topic page collects all the news, reference and archival information, photos, graphics, audio and video files published on topics ranging from Madonna to Myanmar. This treasure trove is available without charge on articles going back to 1981 
Times Topicsは,過去記事から最新のニュース記事までをベースにした一種の辞典でもある。NYTの過去記事を収めたデジタルアーカイブの豊富なコンテンツや,最新のホットニュース記事が中心になっているが,ニュースアグリゲーターBlogRunnerも活用しているのが見逃せない。外部の重要なコンテンツにリンクを遠慮なく張っている(新聞社サイトでここまで外部リンクを多用しているのは珍しい)。また多くのトピックス記事では,NYTの記者が簡単な解説記事を書き添えている。トピックスも“from Madonna to Myanmar”と広範で,旬の話題だけではなくて国や主要都市,有力企業,有名人もトピックとして取り上げている。

 Times Topicsのトピックス記事は,検索エンジン経由でかなりの客を呼び込んでいるようだ。SEOとしても大きな役割を果たしており,NYTimes.comの集客力をグンと高めているのは間違いない(「検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも」で紹介)。またターゲット化した広告枠を作り出しており,マネタイジングの点でも評価できる。現在AdWords広告などの枠を用意している。

 さらに,NYTimes.comのコンテンツを充実させるのにも,Times Topicsは貢献している。最近のNYTimes.comの記事では,主要キーワードに出くわすとTimes Topicsのトピックス記事へのリンクが張られており,記事に深さと広がりを注入している。

TimesTopcsPP.jpg

 たとえば,同サイトが力を入れているヘルス分野のページではTimes Topicsが売り物になっている(Health Information - Causes, Symptoms, Diagnosis, Treatment )。昨日のWorld分野のニュース記事でも以下のように,キーワードにはTimes Topicsへのリンクが張られていた。

NYTArtcle080804.jpg

 上の記事中の“Afghanistan”をクリックすると,以下のような記事に飛ぶ。

Afghanistan1.jpg
Afghanistan2.jpg

 実際にアクセスして閲覧すればわかるのだが,このようなトピックス記事を作り上げられるのは,やはりNYTである。パーマリンクの過去記事を惜しげもなく無料で提供し,買収したニュースアグリゲーターBlogRunnerを自由に活用できるNYTでないと,このような芸当ができないのかも。

 最後に,日本関係のトピック記事を二つ。JapanとToyota Motor Corporationをどうぞ。


◇参考
・検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも(メディア・パブ) 
・“Blogrunner”がNew York Timesサイトの裏玄関に(メディア・パブ)
・充実する米英新聞社サイトのアーカイブサービス,200年前の記事も検索対象に(メディア・パブ)
・オンラインに賭けるNew York Times, 次に仕掛ける大きな手は?(メディア・パブ)
タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 10:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月29日

検索結果上位の常連,Wikipediaに次いでTimes Topicsも 

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TimesTopics.jpg

 主要キーワードを検索してみると,必ずといっていいほど上位にWikipediaが登場する。そして最近,興味深い動きが出てきた。英語版検索エンジンを使っていて気がついたのだが,Times Topics(NYTimesのトピックス記事)がWikipediaに次いで上位にたびたび現れてきているからだ。

 最近の人気キーワードをGoogle検索エンジン(英語版)で検索した結果を以下に示す。

Iran(259,000,000件)
1位:Wikipedia
3位:Times Topics

Afganistan( 185,000,000件)
1位:Wikipedia
9位:Times Topics

Facebook(426,000,000件)
5位:Wikipedia
9位:Times Topics

Global Warming(52,600,000件)
1位:Wikipedia
6位:Times Topics

 1億件前後の検索結果件数が出るような激戦区だが,上の例ではいずれもTimes Topicsが10位以内に選ばれていた。つまり最初の検索結果ページに顔を出していたのだ。以下は,“Iran”で検索をかけたときの結果表示ページ(第1ページ)である。

 GoogleIran.jpg

 3位のNew York Timesの記事がTimes Topicsであるのだ。約3000種のトピックス対応に作られたコンテンツである。このTimes Topicsについては,次回で紹介する。

タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月28日

“Blogrunner”がNew York Timesサイトの裏玄関に

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 New York Times(NYT)は,ニュースサイトとして公式のwww.nytimes.comとは別に,“Blogrunner”と称するニュースアグリゲーターを運用している。www.nytimes.comがニュースサイトの表玄関とすれば,Blogrunnerは目立たない裏玄関のような存在かもしれない。

  Blogrunnerの歴史を振り返っておこう。2003年に生まれ,2年ほど前にNYTに買収されたニュースアグリゲーターである。TechmemeやGoogle Newsと似通ったタイプのニュースサイトで,外部のニュースサイトやブログを定期的に巡回し,集めたニュース記事をカテゴリー別に分類し表示している。

 NYTの傘下に入ったこともあって,2年前からはThe Annotated New York Timesと呼ばれるサービスも実験的に立ち上げている。NYTimes.comの記事がブログなどでどのように取り上げられているかを知ることができるサイトだ。


NYTAnnotated080727.jpg

 たとえば,NYTimes.comの記事“How Obama Became Acting President”をクリックすると,以下のようなページが現れる。その記事内容を引用したブログや,同じテーマを取り上げているブログが紹介されている(リンク付き)。また,同じテーマを扱っている関連記事(外部のニュースサイトの記事も含めて)も紹介されている。

NYTAnnotatedPolitics0807.jpg

 つまり,NYTの各ニュース記事についてブロガーがどう見ているか,また同じテーマをブログや外部ニュースサイトがどのように取り上げているかがわかるわけだ。これは,NYTimes.comのニュース記事と外部のブログ記事とのリミックスサイトとも言える。ただ現時点では,The Annotated New York TimesがNYTimes.comのニュース記事を使っているだけであって,NYTimes.comからはThe Annotated New York Timesのコンテンツをまだ流用していない。いずれ相互連係が進むのではなかろうか。


 このThe Annotated New York Times以上に注目したいのは,Blogrunnerのメインサイトであるニュースアグリゲーターだ。以下がそのサイトのトップページである。

BlogRunner080727.jpg

 現在,約1万2000のブログやメディアサイトを巡回して,記事を収集している。巡回するサイトは影響力を配慮したアルゴリズムで選ばれているが,NYTの記者も巡回対象のサイトをピックアップしている。重要と思われる記事を自動的に選んで次のカテゴリー別に表示しているが,いつでもNYTの編集者が介入できるようにしているという。

Politics
Technology
Media
Business
Economy
Law
Health
Movies
Books
Religion
Iraq
Entertainment

 カテゴリー別のニュースページ例として,Politics分野を以下に掲げておく。“Top Stories”,“The Latest”,“By Source”の3通り別に,タブで切り替えて記事を閲覧できる。

blogrunner080727Politics.jpg

 Top Storiesでは主に24時間以内で発生した重要記事を選んでいるようだ。The Latestでは主に1時間以内のホットな記事を掲載している。By Sourceでは主要ニュースサイトやブログの最新記事を取り上げていた。Politics分野で選ばれていた主要サイトは次の通り。

CBS News
Consumer Law & Policy
Dot Earth
First Read
Fox News Channel
Hot Air TV
Los Angeles Times
Marc Ambinder
news.yahoo.com
NY Daily News
Political Punch
Political Radar
POLITICO Ben Smith
Reason Magazine - Hit & Run
The Associated Press
The Campaign Spot
The Caucus(NYT Political Blog)
The New York Times
The New Yorker
The POLITICO
The Stump
The Washington Post
Wall Street Journal
YouTube

 Top Storiesで登場する記事のほとんどは,上の主要サイトから選ばれている。The Latestでは,次のブログやニュースサイトの記事もよく見かけた。

Daily Kos
Power Line
Weekly Standard Blog
TIME.com
The Swamp
The Guardian
Boston Globe
CNN Political Ticker

 もっと頻繁に使わないと評価が難しいが,以前に比べるとかなり良くなってきたように思える。NYTimes.comがほとんど自前の記事だけで成り立っているのに対し,Blogrunnerは選別された世界中のブログやメディアサイトの記事から編成される。NYTimes.comの補完としてBlogrunnerを利用するユーザーが増えるかもしれないし,中にはメインサイトとしてBlogrunnerに切り替えるユーザーが出てくるかもしれない。Blogrunnerの改良が進んでいくと,表玄関よりも裏玄関を好むユーザーが増えてくるかも。BlogrunnerにはNYTimes.comの重要な記事が収容されているので,裏玄関から入っても見逃すことはないからだ。

 先のThe Annotated New York Timesも含めてBlogrunnerのサービスはほとんど,NYTimes.comのドメイン外で展開されている。このためNYTと無縁のサイトとて見られ,実験的な試みが自由に行えているようだ。新聞社サイト内では,新聞社の信用やブランドを損なわないようにと,どうしてもいろんな制約が課せられる。新聞社サイトの外に置き,連係プレーも控えることで,これまでBlogrunnerは自由な新しい試みを実施してきた。

 でもそろそろBlogrunnerは,NYTimes.comにご奉公すべき時期を迎えているようだ。昨年の秋から少しだけその動きを見せている。NYTimes.comのTechnology分野に,BlogrunnerのTechnology分野のコンテンツがWidgetの形で配置されたからだ。いずれTechnology分野以外でも同じような動きを始めるのではなかろうか。

 もう一つBlogrunnerで見逃せない動きとしては,トピックス別コンテンツがある。Webサイトの最近の流れの中でトピックス別コンテンツの重要性が再認識されてきている。Blogrunnreを“topic discovery engine”と呼ぶ人もいるぐらいである。この動きについては次回で整理したい。


◇参考
・FAQ( Blogrunner)
・ オンラインに賭けるNew York Times, 次に仕掛ける大きな手は?(メディア・パブ)
・米新聞社サイトが打つ次の一手とは(メディア・パブ)
・NYTimesがWeb2.0風ベンチャーを買収していた(メディア・パブ)
・Interview With Blogrunner Product Manager Philippe Lourier; It's Worth Another Look(CenterNetworks)
タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 08:00 | Comment(1) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月24日

NYタイムズ,インターネット広告で頑張っても「焼け石に水」の状況に

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 New York Times(NYT)の6月/第2四半期の決算が出たが,景気減速の影響で広告売上げが落ち込み,経営状況が一段と厳しくなってきた。

 この厳しい状況を乗り切るためにCEOのJanet Robinsonは,2009年までに年間2億3000万ドルの経費節減を断行したいと述べた。また,8月18日からニューススタンド売りの平日紙を25セントアップの1ドル50セントに値上げすることも明らかにした。

 NYTの4-6月期決算では,売上高が前年同期比6%減の7億4190万ドル,Income from continuing operations(税引後継続事業による利益)は同5.5%減の2080万ドルに落ち込んだ。 

*NYT(The New York Times Company) の2008年4-6月期決算(単位:1000ドル)
NYT2008Q2.JPG

 大きく足をひっぱたのはやはり広告売上げの不振である。上の表のように,同10.6%減と厳しい結果となった。特に深刻なのは,毎月,厳しさが増していることだ。6月の月間決算を見ると,中核のthe News Media Group(the New York Times, Boston Globe and their Web sites)の6月広告売上は前年同月比17.8%減の1億2163億ドルと悲惨な結果を示した。この中にはインターネット広告も含んでいるので,新聞紙広告だけで計算すれば,恐ろしい数字になっているはず。Robinsonは,7月の広告売上げは6月よりさらに悪化するだろうと言明している。

*NYT(The New York Times Company) の2008年6月広告売上げ(単位:1000ドル)
NYT20081H.bmp

 こうした状況下で,インターネット事業はどうなっているのだろうか。第2四半期(4-6月期)のインターネット関連の総売上高は,前年同期比12.8%増の9130万ドルで,そのうちインターネット広告売上は同18.3%増の8050万ドルとなった。同社のインターネット事業は, NYTimes.com, About.com, Boston.com ,その他のWeb sitesを含む。この結果,第2四半期の同社のインターネット売上高は,全売上高に占める割合が12.3%となった。米国の新聞業界の中ではインターネット事業でも先頭を走っており,平均的な新聞社に比べかなりインターネット依存度が高くなっている。

 また6月だけのインターネット関連の総売上高は前年同月比で11.7%であったが,インターネット広告売上は同18.6%増であった。6月のインターネット売上は,全売り上げの13.4%となっている。またthe News Media Group だけの6月のインターネット広告売上は同21.5%増と頑張っている。NYTimes.comのユニークユーザー数がこの1年間で1254万人から1765万人と大きく伸びており(こちらを参照),この不況下でもインターネット広告は頑張っている。

 でもいかんせん,新聞紙広告がここまで急落すると,20%くらいのインターネット広告増では焼け石に水と言わざる得ない。

7.28:焼け石が焼き石になっていました 

◇参考
・The New York Times Company Reports June Revenues(プレスリリース)
・The New York Times Company Reports 2008 Second-Quarter Results(プレスリリース)
・New York Times Profit Falls 5.5% as Ad Sales Drop (Blommberg)
タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 17:55 | Comment(2) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月22日

オンラインに賭けるNew York Times, 次に仕掛ける大きな手は?

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 オンライン事業に賭けるNew York Timesが,次々と新しい手を打ち始めている。

 これまでのNYTのオンライン戦略を振り返って見よう。数年前までは,NYTimes.com(New York Timesのサイト)も新聞紙の焼き直しに過ぎなかった。サイトでも,パッケージ化した形でニュース記事を一方的に提供していたのだ。ユーザー(読者)はトップページにアクセスし,そこで関心のある記事を探し,それから本文ページで記事を閲読していた。大半のユーザーは,ブックマークあるいは検索エンジン経由でNYTimes.comのトップページに訪れていたのだ。

 ところが数年前からオンラインメディアの世界でも地殻変動が起こってきた。一つはRSSフィードの出現である。もう一つは検索エンジンの進歩で,記事一本一本が検索対象になってきたのだ。それもリアルタイムに近い形で各記事を検索できるようになったのだ。この流れに乗って出現してきたブログが爆発的に普及する。そしてソーシャルメディアが勢いを増してきた。

 保守的であった米新聞社サイトも,少しずつ動き始めた。ユーザーにトップページへ来させて,供給者側の価値観でパーケージ化したコンテンツを閲覧してもらうだけでは,時代の流れに取り残されかねないからだ。

 そこで,NYTimes.comも4年ほど前から,RSSフィードで更新記事を配信するようにした。最初からカテゴリー分けして配信し始めた。ユーザーはRSSリーダーを用いて,複数のニュースサイトの更新記事を横断的に閲覧できるようになったのだ。もう,新聞社サイトのトップページに必ずしも飛ぶ必要がなくなった。

 いち早くRSSフィード配信を提供していたので,それからのポッドキャスティングやパーソナライズド・ページ・サービス(“My Times”),Twitter対応,iPhone対応,ウィジェット(現在はMy Times対応だけだが,年内に拡大サービスを予定)の提供も難なくこなしていけたのだろう。

 また検索エンジンの進歩に合わせて,パーマリンク(永遠に変わらないurl)の採用も大きな決断だった。新聞社のトップを走った。パーマリンクは検索エンジン最適化にとっても不可欠である。古い過去記事までもパーマリンク化したのが素晴らしい。最近完成したデジタルアーカイブでも,1851年からの記事すべてに固有のurlを付与している。先ほどNYTの検索エンジンで,1851年-1855年の期間指定で“Japan”を検索して見ると,555本の記事が出てきた。その検査結果のトップ記事が“JAPAN OPENED.; Satisfactory Result of Commodore Perry's Visit.”(プレビュー:PDFの全文も無料閲覧できる)であった。ペリー提督が1854年に日米和親条約を調印したことに関する解説記事である。Googleの検索エンジンでもこの記事が検索できた。すばらしい!

 各記事をパーマリンク化しておけば,SEO対策に効果的であることは当然である。さらに,ブログをはじめ,ソーシャルブックマークやソーシャルニュースサイトでも,パーマリンクのお陰でNYTの記事が飛躍的に引用されるようになってきた。

 このようにRSSフィードやパーマリンクの採用が,検索エンジンやソーシャルメディア経由でのアクセスを増やすことになったのだ。つまり,以下の図のように,トップページのアクセスに加えて,各記事に向けてのアクセスが上乗せされいったのである。ニュースサイトへのインバウンド(外部からの)リンク数が,かつてのTechnoratiの調査でも,NYTimesがダントツに多かった。


NYTimesAccess.jpg

 1年前に有料サービスTimeSelectを止めるに至ったのも、やはりRSSフィードやパーマリンクを採用していたことが後押ししたのだろう。無料化により,新たにユニークユーザー数を呼び込める可能性が高いからだ。

 さらに,TimesPeople(ソーシャルネットワークの一種)を最近始めたり、また近く本格的なウィジェットサービスやマッシュアップサービス(外部にNYTコンテンツを開放)を手がけるのも,ニュース記事へのアクセス数アップを狙っているのだろう。

 そして,NYTが次に仕掛ける大きな手として注目されるのは,ニュースアグリゲーター“BlogRunner”である。Silicon Alley Insiderによると,
Marc Frons(CTO of the Times' digital operations) has "bigger plans" for BlogRunner, but wouldn't share details.
とのことだ。実際のBlogRunnerのサイトの動きからも,大きな仕掛けを狙っているようにも思えるのだが・・。でもNYTにすれば,諸刃の剣となるかもしれない。BlogRunnerについては,別の記事で追って見たい。

 現在,NYTの開発者は70人ほどいるが,さらに30人ほど雇っていく予定という。オンラインシフトは茨の道だが,進むほかないのかも・・・。



◇参考
・What's Next For The NYTimes Online? Widgets, iPhone Apps, APIs, And More(Silicon Alley Insider)
・New York Times to get update, includes widgets(Widgets Lab)
・ 'New York Times' goes social with TimesPeople(Webware,CNET)
・米新聞社サイトが打つ次の一手とは(メディア・パブ)
・NYTimesがWeb2.0風ベンチャーを買収していた(メディア・パブ)
・Interview With Blogrunner Product Manager Philippe Lourier; It's Worth Another Look(CenterNetworks)
タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 01:08 | Comment(2) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月17日

米ニュースサイトのトップ30にブログが入る

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 米ニュースサイトのトップ30に,ブログ新聞のThe Huffington Postがランクインした。

 Nielsen Onlineによる6月のニュースサイト・ランキング(トップ30)が,Editor&Publisherに掲載されていた。そのランキングの29位にHuffington Postが登場してきたのである。同ブログの月間ユニークユーザー数が400万人を突破し,1年間で3倍以上にもなったのだ。もともと政治ブログを目玉にしているので,米大統領選挙が追い風になったのだろう。

 トップ3はいつものようにMSNBC,Yahoo News,CNNの3強で占められているが,6月のトップにはMSNBCが躍り出た。また注目したいのは,NYTimes.comがユニークユーザー数を1254万人から1765万人と大きく伸ばしたことだ。1年前に有料化サービスTimeSelectを止めたのが効いたのだろうか。

 以下に,Nielsen Onlineによる6月のニュースサイト・トップ30を掲げておく。

NewssiteJune2008Nielsenn.JPG

 月間ユニークユーザー数が640万人の WSJ.com( Wall Street Journal )をランクインさせていないのは不思議である。金融ニュース分野にまわしたので,一般ニュース分野から外したようである。一方でSlateはオンライン雑誌なのに,なぜかランクインさせている。ちなみにSlateは今では,WashingtonPostの傘下に入っている。

 The Huffington Postについて一言。最近ほとんど見ることがなかったので,久しぶりに眺めて見た。政治ブログを中心にビジネスやメディア,エンターテイメントなどの分野もブログでカバーする,インタネット新聞となっていた。ブログ文化から出たニュースサイトなので,内容も野次馬的なものが多く,読者からの各記事へのコメントもかなり多い。他メディアサイトをネタにした記事も目立つ。

 このThe Huffington Postは,Arianna HuffingtonがKenneth Lererと組んで2005年5月に開設したサイトである。コラムニストであった彼女が一般の人にも注目されたのはカリフォルニア州知事選でアーノルド・シュワルツネッカーと戦い,敗北した時からかもしれない。その後に、彼女がブログを始め,有名人のブログを仲間にしたグループブログとして"The Huffington Post" を立ち上げたのだ。リベラルな民主党系の政治ブログとして成長し,大統領選の追い風に乗って大きく浮上してきたのだろう。

HuffintonPost080716.jpg


◇参考
・Exclusive: Top 30 News Sites for June (Editor&Publisher)

タグ:ニュース

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2008年07月04日

ソーシャルニュースのDigg,レコメンデーションサービスを今週から提供

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DiggRecommendationEngine.jpg

 ソーシャル・ニュース・サイトのDiggが,先ほどレコメンデーションサービスを始めた。

 Diggではユーザーの投票数をベースにして,各ニュース記事の掲載順序が決まる。大多数のユーザーの中には,自分と同じような記事をしばしば投票する人がいるであろう。そうした人が早い時期に投票した記事は,自分にとっても投票したい記事の可能性が高い。Diggのレコメンデーションエンジンでは,自分と同じような記事をよく選ぶユーザーが一早く投票した記事を推薦してくれる。

 レコメンデーションエンジンを担当した同社Lead ScientistのAnton Kastが解説している資料はこちら(whitepaper-recommendation:pdfファイル)で。また,Digg創業者のKebin Roseは以下のビデオで説明している。


Digg Recommendation Engine from Kevin Rose on Vimeo.

 魅力あるサービスである。使えそうだ。でもDiggでdigg(投票)している人でないと推薦してもらえないから,ROMユーザーは相手にしてもらえないのか。また,特定の人気ニュースに投票が集中しないのか,ということがちょっと気になるのだが。


◇参考
・Recommendation Engine rolling out this week!(Digg the Blog)
・Digg launches recommendation engine(Journalism.co.uk)
・Diggのレコメンデーション・エンジンのスクリーンショットを入手(多分本物)(TechCrunch Japanese)
タグ:ニュース

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posted by 田中善一郎 at 07:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年07月02日

米有力新聞のNYT,WSJ,WaPo,サイトの開放化がまた一歩前進

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 New York Times(NYT),Wall Street Journal(WSJ),それにWashington Post(WaPo)は米国を代表する新聞である。その米有力新聞の各サイトが,編集の開放化でまた少し前進した。

 新聞社のWebサイトは概して閉鎖的である。たとえば記事本文から外部サイトへリンクを張ることはほとんどありえない。リンク先のコンテンツを保証し得ないことと,ユーザーが他サイトへ飛んでいくのを嫌っているからだ。

 それでも米国の新聞社サイトは,一昨年あたりから少しずつ,開放路線に舵を切り替えはじめてはいた。ニュースアグリゲーターが用意するウィジェットを,ニュース記事本文の隣接に貼り付けるようになってきたのだ。新聞社サイトを鎖国とすれば,ウィジェットは出島のようなもので,ウィジェットからのみ外部へリンクを張れるようにしている。

 記事本文は新聞社の責任で編集するが,一般にウィジェットはニュースアグリゲーターに編集を任せてしまう。たとえば,カテゴリー別のニュースページを新聞社のニュースルームが編集しても,外部サイトのニュース記事(リンク)を収めたウィジェットはニュースアグリゲーターが編集する。同じようにニュース記事本体は新聞記者が編集するが,その記事内容と関連性の高い外部記事の選択やリンク張りはニュースアグリゲーターが担当する。

 ニュースアグリゲーターは新聞社サイトの開放化で大きな役割を果たそうとしているのだが,その中で2005年創立のOneSpotが注目を浴びている。同社のウィジェットが,WSJとWaPoに採用されたからだ。現在は,静かに始めているが,これからの開放化の流れを探る上で見逃せない。

 WSJ.comでは法律ニュース欄でOneSpotのウィジェットを取り込んでいる。下の例で示すようにウィジェット内で,NYTやLA Timesの競合他社のニュース記事や代表的な法律系ブログに直リンクを張っている

WSJonespotLawBlog.jpg

 さらにウィジェット(More Headlines)をクリックすると,以下のようなページに飛ぶ。WSJのロゴの下に,外部コンテンツ(見出しと要約)がズラリと並ぶ。“Powered by onespot”となっているが,wsj.comのドメイン内のコンテンツだけに,何か問題が起こればWSJの編集責任となるかも・・・。

WSJLawonespt.jpg


 またWashington Post(WaPo)も,同社の黒人向けオンラインマガジンThe Rootで,OneSpotからニュース記事の配信を受けている。小枠のウィジェットを使うのではなくて,The Rootのニュース欄すべてをOneSpotに任せた形をとっている。WaPoのニュース記事だけではなくて,競合のBBCやNYTなどのニュース記事も対等に扱っている。

theRooT080630.jpg



 New York Times(NYT)は,ニュースアグリゲーターとしてBlogrunnerを採用している。実はBlogrunnerは独自ドメインで運用されているが,NYTに買収されており,今やNYT傘下のニュースアグリゲーターとなっている(Blogrunnerについてはこちらで紹介した)。

 以前に調べたときには,NYTimes.comの技術ニュース欄でのみしか,Blogrunnerのウィジェットが組み込まれていなかった。技術ニュース欄をテストケースとして始め,うまくいけば他分野ニュース欄でも採用されいくのではと思われていた。それが,以下のように政治ニュース欄でもBlogrunnerのウィジェットの姿が見られた。

NYTPolitics080630.jpg

 Blogrunnerの担当者の話によると、Blogrunnerにもう少し人を投入してサービスを充実させていく予定のようだ。すでにトピック別のニュースアグリゲーションがかなり進行している。今後の展開に期待したい。


 それにしても,今や米新聞社サイトにおいて競合他社サイトの記事へのリンクは珍しくなくなってきた。紳士協定を結んでいるのだろうか。それとも,時代の流れで黙認しているのかもしれない。



◇参考
・米新聞社サイトが打つ次の一手とは(メディア・パブ)
・NYTimesがWeb2.0風ベンチャーを買収していた(メディア・パブ)
・Interview With Blogrunner Product Manager Philippe Lourier; It's Worth Another Look(CenterNetworks)
・OneSpot launches news crawler widget for media sites(VentureBeat)
タグ:NYT WSJ 新聞

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2008年06月21日

新聞社/雑誌社サイトのトラフィック,Google Trendsの新機能で比べてみる

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 Google TrendsでWebサイトのトラフィックを見ることができるようになった。

 Google Trends for Websitesが,どの程度,信憑性の高いデータか示すかかどうかは,正直なところ分からない。とりあえず,新聞社サイトと雑誌社サイトでどのような結果が出るかを調べて見た。

 最初は,国内の新聞社サイトを調べて見た。1日あたりのユニークビジター数を時間推移で比べることができる。

GoogleTrendJapNewspaper1.jpg


 次は米国の新聞社サイトを比べて見た。NYTimes.comがかなり差をつけてトップを走り,その後をwashintonpost.com,usatoday.com,wsj.comが続いている。その後をブログニュースサイトのhuffingtonpost.comが追い上げている。大きなトレンドは間違っていないようだが。

GoogleTrendUSNewspaper.jpg


 最後に日本の雑誌社サイトを調べて見た。地域別でも比較できる。どれくらいの収集データを基にはじき出しているかを知りたいところ。

GoogleTrendJapMag.jpg


 今後,Compete、Comscore、Alexaなどの既存Webトラフィック調査会社との比較検討が盛んに行われるだろう。その結果を待ってから,Google Trends for WebsitesがWebサイト評価に利用できるかどうかを判断したほうがよさそう。

◇参考
・A new layer to Google Trends (Official Google Webmaster Central Blog)
・Googleがトラフィック統計参入、Compete、Alexa、Comscore、Quantcast(間もなくFirefox)に対抗(TechCrunch Japanese)
タグ:広告 新聞 雑誌

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posted by 田中善一郎 at 23:30 | Comment(0) | TrackBack(3) | 新聞 ニュース
2008年06月17日

米新聞社McClatchy,5月売上15%減を受けて1400人の人員削減を断行へ

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 史上最悪ともいえる経営不振に陥っている米新聞業界。その中で今年第1四半期の広告売上が最も落ち込んでいた新聞社がMcClatchyであった(こちらを参照)。同社の5月決算はさらに厳しくなってきた。売上高が前年同期比で15.6%減,広告売上が同16.6%減と急降下した。オンライン広告売上は同12.9%増程度であったが,これくらいでは焼け石に水である。

 そこでpaidContentの記事によると,1400人の人員カットを断行するようだ。全社員10%に相当する。同社はすでに,過去2年間で13%の社員をカットしてきた。

 新聞紙別ではたとえば,Miami Herald紙は全社員の17 %となる250 人が,Charlotte Observer紙では同11.1%の123人が職を失う。大規模人員カットの連鎖反応が起こりそう。


◇参考
・Updated: McClatchy Cutting 10 Percent Of Workforce As May Revenue Falls 15 Percent(paidContent.org)
・米新聞社の広告売上,今年は過去最悪の下落率か(メディア・パブ)
・McClatchy Cutbacks Deeper at Some Papers
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:48 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年06月15日

米新聞社の広告売上,今年は過去最悪の下落率か

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 米新聞社の広告状況は悲惨だ。米新聞協会(NAA:Newspaper Association of America)によると,米新聞紙(プリント)の2008年第1四半期広告売上が84.3億ドルと,前年同期比14%減の記録的な落ち込みを示した。これまでの四半期下落率の最大は2001年第4四半期の11.9%であった。一方,新聞社サイトの第1四半期オンライン広告売上高は約8億ドルと伸び悩んだ。これは前年同期比7.2%増で,最近では最も低い伸び率に留まった。

 Wachovia Capital MarketsのアナリストJohn Janedisは,今年から来年にかけての米新聞紙(プリント)の広告売上高を予測している。2008年通年で前年比12%減,2009年通年で前年同期比6.5%と,厳しい見方をしている。以前の彼の予想を下方修正したようだ。ともかく,今年の新聞紙広告売上は,過去最大の下落率を示すことになりそう。

 暗いデータが続くが,以下は代表的な米新聞社の第1四半期広告売上の前年同期比である。

*米新聞社の1-3月期広告売上高の前年同期比(Bloomberg.comより)
McClatchy Co. -15.3%
Tribune Co. -11.0%
Washington Post -11.0%
New York Times Co. -10.6%
Gannett Co. -10.2%
Lee Enterprises Inc. -5.7%
GateHouse Media Inc. -4.2%

◇参考
Newspapers' Print Ads Declined 14% in Record Drop (Bloomberg.com)
・米新聞協会,“新聞危機”の深刻さ示すデータを公表(メディア・パブ)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 11:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年06月11日

フランスの名門紙Le Figaroも強力にオンラインシフトを推進 

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LeFigaro.jpg

 Le Figaro は1854年創刊のフランスを代表する老舗新聞。そのLe Figaroもオンラインj事業を強化している。  

 Journalism.co.ukによると,同サイトを訪れるユニークユーザー数はこの2年間で,200万人から800万人と4倍増になっている。昨年の同社のオンライン売上高は全体の13%であった。2010年までにオンライン売上比率を20%にアップさせる予定だ。オンラインシフトで先行しているはずの米新聞社の平均よりも,かなりオンライン売上比率が高い。米新聞協会(NAA)によると,昨年の米新聞社のオンライン広告売上は全体の広告売上(プリント+オンライン)のまだ7%に過ぎない。

 Le Figaroのオンライン事業が順調に進んでいるのは,オンライン編集とプリント編集との連携が上手くいっているからという。同じ編集ヘッドの下で同じフロアで働いており,誰もがWebサイトに記事を投稿できるようになっている。無理に統合させていない。

 オンライン広告営業のチームを結成し,また内容や行動に合わせた広告も試していく。Le Figaroの旗艦ポータルの周りに,specialist sport, finance それにlifestyleのWebサイトを立ち上げるとともに, いくつかのe-commerceサイトを買収した。また外部サイトとのコンテンツシンジケーションも実施している。アドネットワークに発展させるつもりかもしれない。
 
 ニュースはオンライン優先とし,ユーザーコメントが付け加えられるようにした。また自前のTVスタジオを設け,オンラインサイトやモバイル向けのビデオクリップを制作する


◇参考
・WAN 2008: Le Figaro: 20% of revenues from online by 2010(Journalism.co.uk)
・米新聞協会,“新聞危機”の深刻さ示すデータを公表(メディア・パブ)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年06月05日

世界57カ国の新聞574紙,毎日のトップページがPDF形式で無料閲覧できる

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 世界各国の新聞のトップページが,新聞紙と同じレイアウトで毎日閲覧できることをご存知だろうか。それも無料でだ。

 かなり前から提供しているサービスだが,久々にアクセスしてみた。現在は57カ国574紙のその日のフロントページを,無料で閲覧できるようになっていた。

 Newseumが提供している。NewseumはWashington, D.Cにあるニュース博物館( museum of news)である。サイトのToday's Front Pagesにアクセスして,地域別やリスト別で新聞を選んでいける。新聞を指定すると,その新聞の今日のトップページを新聞紙レイアウトの形で閲覧できる。

 以下のような有力な新聞も無料で閲覧できるから便利だ。
・The New York Times
・The Wall Street Journal
・Los Angeles Times
・San Francisco Chronicle
・The Boston Globe
・New York Post.
・The Herald Glasgow, UK
・The Daily Telegraph London, UK
・The Guardian

 日本の新聞では,朝日新聞の日本語版と英語版が利用できる。

 以下は,アジア地区の新聞のトップページをサムネール表示させた場合である。2008年6月5日の24紙が対象になっていた。

AsiaNewspaperFrontPage.jpg

 朝日新聞のサムネールをクリックすると,以下のように表示される。PDFで閲覧でき拡大表示もできる。さらに印刷もできるようになっている。

NewseumAsahi080605.jpg

 


◇参考
・About the Newseum

タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 23:43 | Comment(0) | TrackBack(4) | 新聞 ニュース
2008年06月04日

米都市新聞を評価,オンライン版のAランクはNYTとSFChronicle

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  24/7 Wall Stが米国の主要メトロポリタン新聞を評価している。

  2008年3月31日のABC発行部数で上位25の都市新聞について,オンライン版を評価した。最高のAランクに評価されたのは,New York Timesと San Francisco Chronicleのサイトである。

  以下の表では,ABC発行部数で上位12の新聞を取り上げ,オンラインサイトの月間ビジター数(2008年4月のCompeteデータ)とサイト評価を示している。ただし,全国紙のThe Wall Street Journal と USA Today は除いている。

USMetroNews.jpg

 米新聞紙(プリント版)の状況が一段と厳しくなってきただけに,もうオンライン版に賭けるほかなくなってきた。そこで次の6ポイントをベースにして,各新聞のオンライン版をAからFまでランク付けしている。

評価ポイント
1) strength of content,
2) ease of use and navigation,
3) use of new web technology including comments sections, message boards, and multimedia,
4) lay-out
5) presence of a strong set of current advertisers,
6) the size of their audiences based on measurements from the Compete website visitor database for April.

 NYTとSFChronicle以外に,The Atlanta Journal-Constitution とThe Detroit Free Pressが“A-”と高い評価点を得ている。24/7 Wall Stでは各サイトについて評価解説を加えているので,評価点の高いサイトを実際にアクセスして調べれば参考になるはず。


◇参考
・The Newspapers: Rating The Top 25 Newspaper Websites(24/7 Wall St)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 10:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年05月27日

New York Times,APIを公開しコンテンツをプログラマブルに

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 ニューヨークタイムズ(New York Times)は半年後にもAPIを公開することになりそうだ。NYTサイトのコンテンツが"programmable"になるのだろう。

 ReadWriteWebなどによると,NYTのCTOであるMarc FronsがAPIの公開を明らかにしたという。またコンテンツを再利用できるようにサイトデータの構造化を進めているとのことだ。

 NYTの優れたコンテンツ,たとえば映画,書籍,ミュージカルなどのレビュー,各種イベントリスト,レストラントガイド,レシピが利用できるようになりそう。週末のイベントなどをグーグルマップのニューヨーク地図にマッピングできるようになるのだろう。広告やオンラインショッピングとの連携も考えているのでは。

 NYTサイト(NYTimes.com)はこれまでも,ブログやソーシャルニュースアグリゲーターなどのソーシャル系サイトでもっとも引用されてきたマスメディアである。APIを公開することにより,また一段とソーシャル系サイト(検索エンジンも含む)経由のトラフィックが増えることになりそう。


◇参考
・New York Times API Coming (ReadWriteWeb)
・New York Times Joining the Social Networking Fray?(mediabistro.com)
・NYT Digital News Editor: Web Represents 'Golden Age of Storytelling'(mediabistro.com)


タグ:NYT

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posted by 田中善一郎 at 10:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年05月24日

全米で新聞社レイオフの嵐,グーグルマップが深刻さを浮き彫りに

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 米新聞社の経営悪化に伴い,レイオフの嵐が吹き荒れている。その様子をGoogle Maps上にプロットすると以下のようになる。

PapersCutMap.jpg

 Erica Smithが作成し,彼のブログで公開している。マップ上のバルーンをクリックすると,吹き出しで会社名やレイオフ者数などが表示される。全米至る所の新聞社で,相次ぎレイオフが実施されている。深刻だ。

 以下は,レイオフを実施した新聞社の一覧表である(4月上旬まで)

*レイオフ実施新聞の一覧表
APRIL: 192+
Miami Herald: Unknown
Seattle Times: 192

MARCH: 146+
Gwinnett Daily Post: Unknown
Albany Herald: Unknown
Rockdale Citizen: Unknown
Newton Citizen: Unknown
Clayton News-Daily: Unknown
Henry Daily Herald: Unknown
Jackson Progress-Argus: Unknown
St. Joseph News-Press: Unknown
Rockford Register Star: 20 to 25
Stonebridge Press Newspapers: 9
New Haven Register: 5
Sacramento Bee: 28
Star Telegram: 26
Portland Press Herald/Maine Sunday Telegram and Maine Today: 27
St. Louis Post-Dispatch: 31
Palm Beach Post: Unknown
Duluth News Tribune: Unknown
Lexington Herald-Leader: Unknown
The Star-Ledger: Unknown

FEBRUARY: 1,066+
Times Record: 10
Tracy Press: Unknown
Long Beach Press-Telegram: 31
The Daily Breeze: 9
Los Angeles Daily News: 22
Orlando Sentinel: 45
South Florida Sun-Sentinel: 47
Newsday: 120
Worcester Telegram & Gazette: 20
Boston Globe: 60
GateHouse Media: 60
Philadelphia Newspapers: 68
Albuquerque Tribune: Unknown
San Jose Mercury News: 50
Oakland Tribune: Unknown
Contra Costa Times: Unknown
Bay Area News Group papers: 107
Ventura County Star: 7
Chicago Sun-Times: Unknown
New York Times: 100
Morning Call: Unknown
Los Angeles Times: 100 to 150
Chicago Tribune: 100
Baltimore Sun: 45
Hartford Courant: “Fewer than 45″
The News-Gazette: 7
Star Tribune: 58
Capital Times: “Fewer than 20″
Washington Post: Unknown
Chicago Tribune: “About a dozen”

JANUARY: 361+
Charlotte Observer: 25
News & Observer: 16
SouthtownStar: 2
Naperville Sun: 4
San Diego Union-Tribune: 59
The Daily Press: 14
Beaver County Times: 21
Bakersfield Californian: 34
Post-Tribune: 20
Lake County Star: 2
Herald News: 6
Morning Call: 10
Orange County Register: 25
Seattle Times: 86
West Virginia Standard: Unknown
Lake County News-Sun: 21
Pioneer Press: 11
Yakima Herald-Republic: 5
The Star-Ledger: Unknown

◇参考
・PAPER CUTS :: THE BLOG
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 22:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

New York Times, “タイムマシン”で新聞販促を

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TimesMachineNYT.jpg

 New York Timesはこのほど,“TimesMachine”と称するオンライン・タイムマシン・サービスを始めた。現在は宅配新聞の定期購読者のみが利用できる。つまり新聞販促のためのサービスである。

 NYTは昨秋から,1851年以降の全記事を収めたデジタル・アーカイブ・サービスを始ている。今回のTimesMachineそのうちの1851年9月18日から1922年12月30日までの70年間の記事が対象となっている。以下のインターフェースで特定の年月日を指定すると,当日の新聞がPDFファイルとして閲覧できる。 

NYTTimesMaChineCalendar.jpg

 TimesMachineにアクセスすれば、サンプルとして,第一次大戦終了を報じる1918年11月11日の新聞やリンカーン大統領暗殺を報じる1865年4月15日の新聞など,異なる日にちの記事6種類を読むことができる。以下は,第一次大戦終了のニュース記事である。


NYT1918Nov11Sample.jpg

 ここで注目したいのは,PDF化された記事はイメージファイルだけではなくて,テキスト化もされていることだ。上の例のように,イメージ記事上をカーソルで指示すると(青く指定される),その部分のテキストがポップアップで表示される。古い記事だと小さな級数の文字などは読めないことがあるのだが,TimesMachineではテキスト文字でしっかりと読むことができる。これはすばらしい! だが,“TimesMachine is currently available only to home delivery subscribers of The New York Times”なので,残念ながらサンプル記事以外は利用できない。  

 ただしこれまでのデジタル・アーカイブ・サービスだと,特定トピックの記事が無料で読める場合がある。タイタニック号沈没の記事や,リンカーン暗殺の記事などは,NYtimesの検索エンジン経由で閲読できる。暗殺された1865年に限定して “president lincoln”で検索をかけると,499本の記事が結果として出てきた。いずれもイメージのPDFだが,無料で読めた。以下は,その中の記事の一部である。

LincolnAssassinNYT.jpg



◇参考
・The New York Times Archives + Amazon Web Services = TimesMachine(Open - Code - New York Times Blog)
・New York Times announces Times Machine(Scobleizer — Tech geek blogger)
・NYTのアーカイブ開放,新聞社サイトが新局面に(メディア・パブ)
・充実する米英新聞社サイトのアーカイブサービス,200年前の記事も検索対象に(メディア・パブ)

続きを読む(TimesMachineを紹介するビデオ)
タグ:NYT

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posted by 田中善一郎 at 14:55 | Comment(0) | TrackBack(2) | 新聞 ニュース
2008年05月16日

Twitterを用いたプレスリリース配信サービス

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 英Journalism.co.uk がプレスリリースをツイッター(Twitter)で配信するサービスを始めた。カテゴリー別にプレスリリースをRSS配信していたのに加えて,Twitterでも配信できるようにした。カテゴリーの種類"Press Releases By Category"は以下のとおり。青色のTwitterアイコンをクリックすれば,該当するカテゴリーのプレスリリースがTwitterで配信される。SMS経由でモバイル端末で閲覧することになりそう。

PressReleasesByCategory.jpg

 たとえば,business/economics のカテゴリーのTwitterアイコンをクリックすれば,以下のようにbusiness/economics 分野のプレスリリースがTwitterで配信される。


TwitterBusinessPR.jpg

 話が変わるが,人気ブロガーのRobert Scobleによると,中国の四川大地震に関するリアルタイム情報が,彼の周辺を中心にTwitterで一気に伝播したそうな。このような情報を素早く伝えるには,Twitterがベストのメディアだと主張。


◇参考
・Journalism.co.uk press release distribution service now on Twitter(Journalism.co.uk )
・ 'Twitters' beat media in reporting China earthquake (AFP)

タグ:twitter PR

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posted by 田中善一郎 at 07:43 | Comment(1) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
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