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2008年05月13日

充実する米英新聞社サイトのアーカイブサービス,200年前の記事も検索対象に

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 米国や英国の新聞社サイトがデジタルアーカイブを充実させている。英Times(Times of London)も200年以上前の記事も対象にしたデジタルアーカイブを構築中だ。正式サービス前の約2ヶ月間,無料で利用できるようにするという(Journalism.co.ukより)。

 The Times ,The Sunday Times ,Times Onlineの記事が含まれる。なんと,1785年の記事から 対象となる。ということは,歴史書や教科書でしか知らなかった次のような産業革命時代の出来事も,ニュース記事として読めるようになるはず。

1785年:カートライトが力織機を発明
1811年:ラッダイト(機械打ち壊し)運動
1814年:ジョージ・スチーブンソン が蒸気機関車を実用化
1834年:チャーチスト運動
1848年:マルクスとエンゲルスの共産党宣言

 などの出来事を,当時のジャーナリストがどのような視点で報道しているかが興味深い。

 すでに英Guardian News and Media は,過去212年間の記事をデジタルアーカイブ化し,有料のオンラインサービスを開始している。ナポレオンに関する記事も見つかるようだ。また米New York Timesは1851年以降の全記事を収めたデジタルアーカイブサービスを始めている。過去20年間の記事を無料で閲覧でき,それ以前の記事も一部は無料で利用できる(詳しくは,以前のエントリーで紹介)。

 NYTimes.comでは,サイト内の検索窓からデジタルアーカイブを利用できる。以下に実例を示す。検索対象記事の期間を年月日で指定できる。ここでは,1912年1月6日から同年12月31日までを検索期間として指定し,“titanic”で検索している。

NYTArchive.jpg

 検索結果から,次のタイタニック号沈没を伝えるニュース(1912年4月15日付記事)が見つかった。無料で閲覧できる。

TitanicNYT08.jpg

 沈没しようとするタイタニック号からの打電の様子を報じた記事である。臨場感溢れる生々しい記事である。その当時は,インクの臭いがする新聞紙をむさぼるようにして読んでもらえたのだ。テレビもない。ましてやインターネットもない,良き時代?であったのか。


 英Timesのデジタルアーカイブもその良き時代のニュースを閲覧できるのだが、正式サービスは有料で提供するようだ。ただしNYTのように,かなり過去の記事が無料でアクセスできるようになるのではなかろうか。現在のTimesの検索サービスを使ってみると,約10年間の過去記事を無料で閲覧できた。以下は“sony”で検索した結果である。4437件の記事が検索された。2000年当時の記事も実際に読むことができた。


TimesOnlineSearch.jpg


 NYTの例からもわかるように,過去記事すべてにそれぞれ固有のURL(パーマリンク)を与え,オープン化の流れが始まっている。自社サイトの検索サービスだけでなくて,Googleのような検索エンジンからでも,大昔の記事が利用できるようになっていくのだろう。


*おまけニュース:Timesはマードック帝国の新聞であるが,先週WSJとTimesは広告事業で提携することになった。


◇参考
・ Over 200 years of newspaper content to be made available as TimesOnline launches digital archive(Journalism.co.uk)
・NYTのアーカイブ開放,新聞社サイトが新局面に(メディア・パブ)
・GuardianとObserverのアーカイブ,ナポレオンの記事も閲覧できる(メディア・パブ)


タグ:NYT 新聞

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posted by 田中善一郎 at 12:32 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年05月12日

有力新聞社サイト,新興ブログ出版の記事を掲載へ

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 米新聞社ワシントンポストのサイト(washingtonpost.com)が,外部ブログの記事全文を掲載し始めている。今後,米国の新聞社サイトでは,外部の有力ブログ記事を掲載することが増えていきそうだ。

 米新聞社サイトのソーシャルメディア化は一昨年あたりから始まってはいた。だがこれまで,RSSフィードとか社内ブログなどを採用して,外部ソーシャルメディアからの集客を増やすことに注力していた。つまり閲覧者が入ってくるインバウンドリンクは歓迎していたが,閲覧者が外に出て行くアウトバウンドリンクは避けていた。

 しかし昨年ころから,自社記事を引用したブログなどへのアウトバウンドリンクを採用することが増えてきた。新聞社サイトとソーシャルサイトとの往来を促したのだ。washingtonpost.comも多数の外部ブログとの間でブログネットワークを開設していた(このブログネットワークは一種のアドネットワークでもあったが,成果が上がらず最近閉鎖された)。

 このようにアウトバウンドリンクを一部認め,新聞社サイトも少しずつだが開放路線を歩み始めていた。だが,記事本文からのアウトバウンドリンクは事実上禁止されたままであった。それが今回,washingtonpost.comがpaidContent.orgに続いてTechCrunchともコンテンツパートナーとして契約し,外部ブログを記事本文に使うことになった。ということは,記事本文からのアウトバウンドリンクが発生することになる。

 実例を見ていこう。washingtonpost.comの技術(Technology)ニュースページ(washingtonpost.com > Technology)にアクセスすると,以下のように,パートナーブログの記事案内枠が現れる。

TechCrunchWashingtonPost.jpg

 先週に契約したばかりのTchCrunchの記事見出しに加えて,paidContent.orgとmocoNews.netの記事見出しが掲載されている。いずれも個人ブログの域を脱しており,ブログ出版社が発行するブログと見るべきだ。ちなみに mocoNews.netは,paidContent.orgと同じcontentNextに属するブログである。

 これらブログの記事とはアウトバウンドリンクで繋がっているのではなくて,クリックするとwashingtonpost.com記事にそのまま飛び閲覧できるのだ。以下は,Washingtonpost.comの記事として掲載されたTechCrunchのブログ記事である。この例では,VentureBeatやBusinessWeekへのアウトバウンドリンクが張られていた。その下に比較のために,TechCrunchサイト内のオリジナル記事を載せておく。


●washingtonpost.com掲載のTechCrunch記事
WashingtonpostTechcrunch.jpg


●TechCrunchのオリジナル記事
TechCrunchOriginal.jpg

 washingtonpost.com掲載記事とオリジナル記事とは,完全に同じではなかった。まずFacebookのロゴがwashingtonpost.com掲載記事では外されていた。宣伝のようになるのを嫌ったためであろう。また,washingtonpost.comでは上場企業名に対して会社案内ページへのリンクを張るようにしているので,オリジナル記事にはないMicrosoftのリンクを張っていた。逆に,オリジナル記事ではFacebookの会社案内を掲載していたが,washingtonpost.com掲載記事ではそれを外していた。TechCrunchではベンチャー企業が主役であるため,仕方がないところか。


◇参考
・ブロガーを喜ばせるブログ広告ネット,米新聞社WPが開始
タグ:新聞 ブログ

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posted by 田中善一郎 at 07:07 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年05月02日

NYTの新聞部数は下降続くが,WSJはマードック効果?で踏み止まる

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 米新聞の発行部数が下げ止まらない。というか,部数減が加速化している。

  ABC(Audit Bureau of Circulations)が明らかにしたところによると,2008年3月末までの過去半年の発行部数が,前年同期比で平日版が3.5%,日曜版が4.5%も減った。以下は,各新聞紙の発行部数と前年同期比である。

●平日版新聞,部数(前年同期比)
1. USA Today, 2,284,219(+ 0.3%)
2. Wall Street Journal, 2,069,463(+ 0.4%)
3. New York Times, 1,077,256(- 3.9 %)
4. Los Angeles Times, 773,884(- 5.1 %)
5. New York Daily News, 703,137(- 2.1 %)
6. New York Post, 702,488(- 3.1 %)
7. Washington Post, 673,180(- 3.6 %)
8. Chicago Tribune, 541,663(- 4.4 %)
9. Houston Chronicle, 494,131(- 1.8)
10. Arizona Republic, 413,332(- 4.7%)
11. Newsday, Long Island, 379,613(- 4.7 %)
12. San Francisco Chronicle, 370,345(- 4.2 %)
13. Dallas Morning News, 368,313(- 10.6 %)
14. Boston Globe, 350,605(- 8.3 %)
15. Newark Star-Ledger, 345,130(- 7.4 %)
16. Philadelphia Inquirer, 334,150(- 5.1 %)
17. Cleveland Plain Dealer, 330,280(- 4.2 %)
18. Atlanta Journal-Constitution, 326,907(- 8.5 %)
19. Minneapolis Star Tribune, 321,984(- 6.7 %)
20. St. Petersburg Times, Florida, 316,007(- 2.1 %)
21. Chicago Sun Times, 312,274, n.a.
22. Detroit Free Press, 308,944(- 6.5 %)
23. Portland Oregonian, 304,399(- 4.8%)
24. San Diego Union-Tribune, 288,669(- 2.6%)
25. Sacramento Bee, 268,755(- 3.7 %)

●日曜版新聞,部数(前年同期比)
・New York Times ,1,476,400(-9.2%)
・Los Angeles Times ,1,101,981(-6.0%)
・Chicago Tribune ,898,703(-4.4%)
・Washington Post,890,163(- 4.3% )
・Boston Globe, 525,959(- 6.4%)

 有力新聞が軒並み部数を落としているなかで,Wall Street Journalが前年並みで踏み止まっているのが目立つ。News Corp傘下に収まり,マードックの意向を汲み取った紙面刷新効果で頑張っているのか。Wall Street JournalのWebサイト(WSJ.com)も元気が良い。同サイトの有料読者数は103万5085人と,1年間で11%増となった。またThe Wall Street Journal Digital Network (WSJ.com, MarketWatch.com, Barrons.com and AllThingsD.com) のビジター数は70%増で,ページビューは32%増になったという。

 一方で対抗のNew York Times紙は暗い。平日版が3.9%減で,日曜版は9.2%減である。今年に入って,更に厳しさを増している。


◇参考
・New FAS-FAX: Steep Decline at 'NYT' While 'WSJ' Gains(Editor&Publisher)
・WSJ Talks Circulation As Murdoch Gains More (Official) Control Over Content(paidContet.org)
・Newspaper Weekday Circulation Falls 3.6%, ABC Reports (Update2) (Bloomberg.com)
タグ:NYT WSJ

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posted by 田中善一郎 at 08:32 | Comment(0) | TrackBack(2) | 新聞 ニュース
2008年04月23日

NYTを救う道,「Bloombergとの合併が必要」との声が

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  New York Timesの第1四半期決算が発表されたが,厳しい経営状況は変わらない。

 2008年第1四半期の売上高は前年同期比4.9%減の7億4800万ドルと下降線を辿っている。中核のNews Media Group(NYT紙やNYTimes.comなど)の売上高は5.7%減の7億2000万ドルであった。落ち込んだ要因は,言うまでもなく広告の低迷である。同Groupの広告売上高は4億3200万ドルで前年同期に比べ10.6%も減らした。ちなみに販売売上高は2億2700万ドルで前年同期比1.9%増。

 ともかく深刻なのは広告売上高が歯止めなく落ち込んでいることだ。新聞紙広告の不振が大きく響いているが,インターネット広告が10%少々の増加率で期待ほどに伸びていないのも心配だ。

 また,新装したWall Street Journal紙の動きも気になる。昨日のWSJの紙面刷新で,WSJ紙は予想通りNYT紙の領域に浸食してきた。第1面ページに,これまで以上に多くの政治記事や国内/海外事件記事を掲載している。op-ed記事も拡充し,ページ数を2から3に増やした。平日のスポーツ欄も加えた。また秋からのウィークエンド版の文化欄を開発中である。読者層の拡大を狙っているのだろう。オンラインのWSJ.comも秋に刷新する予定である。

 NYTが経営悪化で苦しんでいるときに,WSJが攻め込んできたのだ。何らかの手を打つ必要がある。そこで出てきたのが,「BlommbergとNYTの合併」の話である。“Murdoch, Ink.”というタイトルのNewsweek記事が,Michael Bloomberg(現NY市長)の友人が彼にBlommbergとNYTとの合併を検討するよう促したと伝えている。具体的な話ではなくて,様子を見るための観測気球を上げたようであるが。これまでもBlommbergがNYTを救い出すべきだとの提案があちこちで提案されてきた。今度は時期が時期だけに,ひょっとするとの声も。News Corp傘下のNew York Postが早速,“ Mayor Mike Bloomberg may emerge as a white knight for the New York Times.”とはやし立てる。

 ついにMichael Bloomberg本人が,「新聞事業に参入することはあり得ない。自分は新聞人ではない」と全面否定を。今のところ一件落着のようだが,将来どうなるやら。



◇参考
・Murdoch, Ink.(Newsweek)
・NYTC Reports First-Quarter Results(NYTプレスリリース)
・Craigslist Makes a Mint the Old Fashioned Way(ClickZ)
・Earnings: Gannett Q1 Revs Fall 8.4 Percent; Income Falls 8.9 Percent(paidContent.org)
・The Murdoch Effect: Bloomberg-New York Times Merger Thoughts?; Civic Duty To Save NYT(paidContent.org)
・Bloomberg says not interested in newspaper business(Reuters)
・TIMES MAY BE FIT FOR BLOOMBERG MERGER(New York Post)

タグ:NYT

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posted by 田中善一郎 at 07:25 | Comment(3) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年04月21日

マスよりもソーシャルメディア,ロンドン市長選でも市民による候補者インタビューが

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 マスメディアよりもソーシャルメディアを・・・。今年5月のロンドン市長選挙の候補者達は,ソーシャルメディアを介して有権者と積極的に対話していこうとしている。

 “Crowdsourcing debate website ”の英Yooskは,有名人を相手にした一種のQ&Aサイトである。今回の取り組みは,有権者からの質問を受け付ける選挙演説会場のオンライン版といったところか。Yooskユーザーは質問を投げかけることができ,その質問に対して誰もが投票できる。投票数により要求の高い質問かどうかがわかる。候補者は必要に応じて,その質問に回答することになる。

 今回の企画に対して,5人の候補者から質問に答えるとの同意を得ている。以下は,候補者の1人であるBoris Johnsonのページの一部である。

Yoosk.JPG

 英Yooskは2007年4月設立の満一年の会社である。一足先の昨年10月に,米大統領選挙向けのQ&Aサイト10questionsも立ち上げていた。New York TimesとMSNBCがバックアップしていた。すでにサービスは終了している。10個のビデオ質問に対して,予備選の候補者がビデオで回答していた。この企画に同意していた候補者はEdwards, Gravel, Huckabee, Kucinich, Obamaの5人であった。Obamaは,10個のうち8個のビデオ質問に対して,それぞれビデオ回答をアップしていた。ちなみにClintonは回答していない。

 若い有権者からの支持を受けるObamaが,ソーシャルメディアを重視するのも当然ではある。

10Questions.JPG


*同じ名称の10Questionsと称するサービスを,日本のOKWaveが今年2月から始めている。アーティストやスポーツ選手に対する10問のQ&Aインタビューである。


◇参考
・Yoosk Enables Public to Probe London Mayoral Candidates Directly(プレスリリース)
・London Mayor candidates bypass mainstream media to answer questions on crowdsourcing website(Journalism.co.uk)
・ヒラリー vs オバマ,ネット戦では決着しているのだが(メディア・パブ)

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posted by 田中善一郎 at 07:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年04月18日

ソーシャル・ニュース・サイトのDigg,技術ニュースの割合が激減

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DiggTechDecline0804.JPG

  Diggといえば,圧倒的な人気を誇るソーシャル・ニュース・サイトである。少し前までは技術ニュースサイトと見なされていたが,最近では非技術分野のニュースが増え,総合ニュースサイトへと変身してきているようだ。

  すでに1年半前から,次の8カテゴリー別にニュースページを提供していた。
・Technology
・World&Business
・Science
・Gaming
・Lifestyle
・Entertainment
・Sports
・Offbeat

 Diggに掲載されるニュースはユーザー投票をベースに決定されるが,どの分野のニュースがどれくらいの割合で掲載されているかをRichard Cunninghamが調べた。その割合の推移を,2006年1月から2008年1月まで,グラフでまとめている。冒頭がそのグラフである。そのグラフを引用して,ブログReadWriteWebも解説を加えている。

 それによると,Diggの掲載ニュースのうち技術ニュースが占める割合は,2006年3月が75.72%,2006年3月が37.89%,2008年3月が19.78%であった。技術ニュースの割合が,1年間でほぼ半減していることがわかる。
 
 もうDiggサイトは,技術好きなマニアック層だけを対象にしたニュースサイトではなくなっている。


◇参考
・The Decline and Fall of Tech on Digg(ReadWriteWeb)
・Tech stories percentage dropping on Digg (cat /dev/brain > /www/blog)
タグ:ニュース

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posted by 田中善一郎 at 00:58 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年04月17日

米新聞社,広告売上高の激減により記者数も大幅減

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USJournalistPeril0804.JPG

 米国の2007年の新聞ジャーナリスト数は,52,600人と前年に比べ5%も減った。これは,American Society of Newspaper Editorsの発表データであるが,ジャーナリスト数は過去25年間で最も少なく,5%の減少率も過去30年間で最も高い。

 先日紹介した米新聞の広告売上高も,米新聞協会がデータを取りはじめてからの57年間で,最大の減少率を記録していた。経費節減のためのレイオフにより,ジャーナリストが大幅に減ったのだ。

 New York Timesもまたレイオフを実施するようだ(New York Observer)。 暗くて長いトンネルに入ってしまった米新聞業界。不景気はこれからが本番といわれているだけに,米新聞社はトンネルからいつになったら抜け出せるやら・・。




◇参考
・USA sees drop in number of newspaper journalists(Press Gazette)
・米新聞協会,“新聞危機”の深刻さ示すデータを公表 (メディア・パブ)
・Times: 'We Expect' Layoffs(The New York Observer)
タグ:新聞 広告

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posted by 田中善一郎 at 09:30 | Comment(0) | TrackBack(3) | 新聞 ニュース
2008年04月03日

NYTの看板コラムニスト,新聞復活めざしブログやSNSを活用

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 「このままでは新聞がダメになる。新聞社の価値が低下しているの対し,FacebookやMyspace,Youtubeの価値が高まっている。新聞人は新しいソーシャルメディアから学ぶことが多い。そこで新聞サイトもソーシャルネットワークの構築を試している。私もブログを書き始めており,さらにこのたびFacebookに自分のページを開設することにした」。

 このようにブログで語っているジャーナリストは,あのニコラス・クリストフ(Nicholas D. Kristof)である。彼は現在,New York Times(NYT)のOp-Edコラムニストであるが,90年代後半にNYTの東京支局長を務めたこともある。ピュリッツアー賞を2回受賞し,そのうちの一つは北京特派員時代の天安門事件報道に対してである。

 著名なベテランの現役ジャーナリストも,ブログやSNSに挑んでいるのだ。新聞を復活させるには,記事をトップダウンで提供するだけではダメで,もっとソーシャルメディア化して読者に近寄り交流していくべきなのだろう。

 彼は現在,Op-Ed記事(例)に加えて,ブログ“On The Ground” (www.nytimes.com/ontheground)も,NYTサイト(nytimes.com)から発信している。彼のブログは一般の個人ブログとほとんど変わらないフォーマットで,多くの外部リンクを張っており,新聞社サイトとしての制約をあまり受けていないようだ。このため読者からのコメントも多い。

 それでも,新聞社サイト内では行動の自由に限界があるのだろう。そこでさらにNYTサイト外のFacebook(www.facebook.com/kristof)に,以下のように自分のページをこのたび開設した。

NicholasKristofNY.JPG

 一種のファンクラブである。プロフィールページにはブログ“On The Ground”の最新記事の要約や,彼のビデオや写真などが掲載されている。より自由に読者との交流を図りたいのだろう。

 彼のマスメディア記事であるNYTのOp-Edで,次のように自分のブログやFacebookページに読者を誘導していた。
Comment on this column on my blog at: www.nytimes.com/ontheground, and also join me on Facebook at www.facebook.com/kristof.



◇参考
・A New Facebook Page(New York Times Blog)

タグ:NYT Facebook SNS

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posted by 田中善一郎 at 09:38 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年03月31日

米新聞協会,“新聞危機”の深刻さ示すデータを公表

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 言い尽くされてきた米国の新聞危機。先週末に米新聞協会(NAA:Newspaper Association of America)が明らかにした統計データも,米新聞社の厳しい現況を物語っていた。

 全米新聞紙の2007年広告売上高は,前年比9.4%減の422億ドルと大幅に落ち込んだ。米新聞協会がデータを取りはじめてからの57年間で,最大の下落率となった。1年を通してはまずまずの景気であった2007年なのに,過去最大の下落に陥ったのだ。本格的な不況に突入しようとしている前にこうだと,これからどうなることやら。

 米国の新聞紙は,日本と比較にならないほど広告売上に大きく依存している。ちょっと古い2004年のデータであるが,広告売上は482億ドルで,販売売上(Circulation Expenditures)は110億ドルであった。広告売上が販売売上の4.38倍もあるのだ。

 傾向として今後,新聞紙(プリント)の広告売上が下降線を辿っていくのは避けがたい。そこでオンライン広告に頼ることになる。米新聞協会の統計データでは,2003年からプリント広告とは別にオンライン広告売上高も取るようになった(下表を参考)。2004年から2006年までのオンライン広告売上は,前年比で26.7%,31.5%,31.5%と快調に飛ばしてきた。ところが2007年は各社がオンラインシフトを加速化させたにもかかわらず,18.8%と減速してしまった。ある意味で,プリント広告の下落以上にオンライン広告の減速の方が,ショックだったかもしれない。オンライン広告は全体の広告売上(プリント+オンライン)のまだ7%に過ぎない。できるだけ早く牽引役を担ってもらいたいのに,今からオンライン広告の伸びが減速してもらっては困るのだ。

NewspaperPrintOnline.JPG

 参考までに,過去57年間の新聞紙広告売上の推移グラフを以下に掲げておく。2007年の新聞紙広告売上で目に付くのは,クラシファイド広告売上が前年比16.5%減と急落したことである。 

*米新聞紙広告売上高の推移(単位:100万ドル),ソース:NAA
U(SNewspaperAd2007.JPG


◇参考
・ONLINE NEWSPAPER ADVERTISING JUMPS 19 PERCENT IN 2007
・Advertising Expenditures
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 08:09 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年03月24日

有料のWSJ記事をタダで読む裏技,WSJがこっそりとソーシャルメディア対策を

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 WSJ(Wall Street Journal)サイトの有料ニュース記事をタダで読む裏技がある。Machinist(Salon.com)が,Google NewsやDigg経由でWSJ.comの有料記事全文を閲読できる手法を明らかにしている。

 早速,試してみた。米時間22日16時のWSJ.comのトップページを開いてみると,次の3本の記事が掲載されていた。

WSJ080322TopPege.JPG

 いずれのニュース記事も有料の壁に阻まれて全文を読むことはできなかった。見出しをクリックしても,本文初めの10行分しか表示されない。たとえば,2番目の記事見出しをクリックすると,次のようなページが現れた。

WSJ080322nofree.JPG

 2番目の記事の“Complete coverage”をクリックすると,以下のようにログインを要求された。

WSJSubscribe.JPG

 ところが裏技を使えば,全文を読める場合があるのだ。Google Newsサイトで"U.S. Death Toll in Iraq Nears 4,000 "を検索してみると,次のようにWSJ.comの記事が出てきた。

WSJ080322freeS.JPG

 検索結果に現れた記事に飛ぶと,以下のように全文がタダで閲覧できたのだ(ここでは記事の一部しか貼り付けていない)。

WSJ080322free.JPG

この記事のURLは,
http://online.wsj.com/article/SB120621934487257625.html?mod=googlenews_wsj
となっている。つまりGoogle News向けに,全文記事が用意されている。

 3番目の記事も,以下のように検索結果から,全文記事へのリンクが示されていた。 

WSJ080322Taiwanaa.JPG


 この他,Digg経由でも有料記事が無料で閲読できるようだ。これらの裏技がいつも有効かどうかは定かではない。おそらく,こうしたやり方で有料記事がタダで読まれることを,WSJとしては隠しておきたかったかもしれない。

 WSJは最近,無料で閲覧できる記事数を増やして,ソーシャルメディアからのトラフィック増に力を入れている。その一環として,Google NewsやDiggにおいてもWSJ記事の露出機会を増やす手が打たれたのであろう。その時,露出する記事は無料閲覧できることが前提である。そこで,WSJは有料記事も無料閲覧できる形で適当にソーシャルサイトにばらまいているようだ。

 有料サービスを継続しているWSJ.com(Wall Street Journal)とFT.com(Financial Times)は,ソーシャルメディア対策として無料で閲覧できる範囲を広げてきている。FT.comの有料記事が,外部の配給先のニュースサイトで無料で読めることは,以前から時々見られていた。最近は,FT.comにおいて1ヶ月間で30本までの有料記事を無料で閲覧させたり,またFacebookの学生会員に無料化サービスを提供したりしている。WSJもFTも,有料サービスの看板を立てながら,無料コンテンツにアクセスするユーザーも増やして広告売上を大きく伸ばしていきたいのだ。


◇参考
・The Wall Street Journal's Web site is already (secretly) free(Machinist,Salon.com)
・英ファイナンシャル・タイムズ,有料サービスをFacebookの学生会員に無料提供(メディア・パブ)
・WSJサイトが有料の砦を死守,でも実際は無料記事拡大へまい進(メディア。パブ)

タグ:WSJ

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posted by 田中善一郎 at 00:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年03月21日

世界新聞協会のグーグル対抗策,やっぱり新聞社側に足並みの乱れ

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 オンラインのコンテンツビジネスでは,オリジナルコンテンツを作り出すパブリッシャーよりも,これらのコンテンツを収集する検索エンジンやアグリゲーターが主導権を握るようになっている。

 この流れを変えるために,世界新聞協会(WAN:World Association of Newspapers)はACAP(the Automated Content Access Protocol)の普及を推し進めている。パブリッシャーサイトの情報を検索エンジン側が収集してよいかどうかを,ACAPできめ細かく指定できるためだ。

 ACAPの実施にはパブリッシャーと検索エンジンの両側が対応する必要があるが,今のところGoogleなどの検索エンジン側はACAPを積極的に採用しようとしていない。一方のパブリッシャー側の新聞社はこぞって採用に向かうのではと思っていたのだが,どうもこちらまでも腰が重そう。

 ACAPのメンバーには,News International, Newspaper Association of America, Reuters, Fairfax Business Media, European Newspaper Publishers Association そして Associated Press が名を連ねている。英国でのACAPの採用は,昨年11月にTimesonlineが一早く着手し,Independent.co.uk が続いたが,その後ほとんどの英新聞社は採用に動いていない。

 ACAPについては,多くの問題点(The bloody terrible points )が指摘されており,アグリゲーター(検索エンジンなど)が渋るのは理解できる。だが,パブリッシャー側の新聞社までがあまり動いていないとなると,ACAPの普及はかなり難しそう。新聞社が足並みを揃えてGoogleに対抗していこうとすることは,今さら無理なのかも。
 


◇参考
・世界新聞協会 vs グーグル,検索制御の主導権争いが再熱(メディア・パブ)
・Most UK online newspaper publishers not using ACAP(Journalism.co.uk)
・ Timesonline becomes first publisher to implement ACAP(Journalism.co.uk)
・Automated Content Access Protocol (ACAP)( the lazarus corporation)
タグ:新聞 google

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2008年03月17日

世界新聞協会 vs グーグル,検索制御の主導権争いが再熱

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  世界新聞協会(WAN:World Association of Newspapers)がGoogleを名指しで抗議文を出した。Googleに対して,コンテンツクリエーターの権利を尊重してACAP(the Automated Content Access Protocol) を採用するようにと再び要求したのだ。

 オンラインニュースを発信しているパブリッシャー(新聞社や出版社)は,かねてから検索エンジンに対して多かれ少なかれ不満を抱いていた。検索エンジンはクローラー(ロボット,スパイダー)を用いて検索対象のWebサイトのコンテンツを収集し,検索できるようにインデックス化している。ところがパブリッシャー側からすれば多くの場合,自分たちのコンテンツを許可なしにインデックス化され,ニュースの見出し,要約,写真などが勝手に検索サービスサイト側で利用されている。

 そこで,著作権で保護されているコンテンツのインデックス化の可否をきっちりと指示するACAP仕様を,WANを中心にしたパブリッシャー業界が策定し提案していた。Googleもこの提案を一応歓迎するとしながらも,評価する時間が必要としていた。ところが,Google European executiveの Rob Jonasが最近,ACAP対応に乗り気でないと思われる発言をしたようだ。既存のrobots.txt プロトコルでも,多くのパブリッシャーが要求するニーズを満たしていると言ったとか。一方WANの見方は違う。robots.txtはシンプルすぎてパブリッシャー側が十分なオプション指定を行えないと主張しているのだ。

 どうもWAN会長のGavin O’Reillyが強硬派で,検索エンジンのようなニュースアグリゲーターをかなり毛嫌いしているのでは。検索エンジン市場で寡占化してきたGoogleを標的にして攻勢に転じた。ACAPによって,検索エンジンアクセスの制御権をパブリッシャー側が握れるようにしたいのだろうか。現実には,Googleと大手パブリッシャー(NYTや通信社など)の間では,協力関係が構築されているように思えるのだが。



◇参考
・WAN Calls on Google To Respect The Rights of Content Creators and Embrace ACAP(WAN)
・World's Publishers v. Google: The Fight Continues(Poynter Online - E-Media Tidbits)
・World’s publishers face off against Google: It’s getting ugly (matthewbuckland.com)
タグ:新聞 google

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posted by 田中善一郎 at 07:56 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年03月12日

NY州知事スキャンダルがニューヨークタイムズを救う?

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 この2日間,NY州知事のスキャンダルニュースで,ニューヨークタイムズ(New York Times)紙と同サイトは埋め尽くされている。米大統領選関連ニュースが片隅に追いやられているくらいだ。


SpitzerScandal0803.JPG

 同サイトが10日午後2時頃にこのスキャンダルの第一報を発するやいなや,NYTimes.comにはトラフィックが殺到。午後2時〜4時には,前日同時間帯よりも60%も多いアクセスが集中した。一時,繋がらないほどレスポンスが遅くれる事態に。NYTモバイルも約2倍のトラフィックで込み合った。お陰で当日の同社株価は,8%アップしたようだ(MarketWatchより)

 このスキャンダルについては,以下をどうぞ。





◇参考
・Spitzer Is Linked to Prostitution Ring (NYTimes.com)
・Spitzer Interest Slows NY Times Web Site (NYTimes.com)
・N.Y. Times sees value rising as others cut news costs(MarketWatch)
・Spitzer Traffic Crashes NYT Website (Huffington Post)

タグ:NYT

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posted by 田中善一郎 at 10:35 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年03月08日

英ファイナンシャル・タイムズ,有料サービスをFacebookの学生会員に無料提供

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 踏ん張って有料サービスを継続している有力新聞紙サイトといえば,WSJ.com(Wall Street Journal)とFT.com(Financial Times)くらいだ。

 WSJ.comは有料サービスを止めないことにしたが,無料で閲覧できる記事を大幅に増やしている。FT.comも有料サービスを続けることにしたが,1ヶ月間で30本までの記事を無料で閲覧できるようした。

 さらにFT.comは,年間購読料£98.99 ($110 in the US)の有料サービスを,Facebookの学生ユーザーに無料提供することにした(最大4年間)。Facebook会員の学生は,すべてのFT.comの記事を無料で閲覧できることになるわけだ。



◇参考
・Facebook Students Get Free Financial Times Subscriptions(The Unofficial Facebook Blog)
・Facebook app will give students free access to FT.com(FT.com)
・英ファイナンシャルタイムズも「課金の壁」撤廃へ一歩(メディア・パブ)
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posted by 田中善一郎 at 12:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

Digg買収でGoogelとMicrosoftが競合,Digg CEOは売却を一応否定

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 ユーザー投票で掲載が決まるソーシャルニュースサイトDiggは,昨年当たりから売却の噂が何度か飛び交っていた。そして,2日前に再びTechCrunchが,Digg買収でGoogleとMicrosoftが競り合っていると伝えた。具体的な買収金額も予測しており,もっともらしい。

 これに対しDigg CEOのJay Adelsonが,同社の公式ブログで次のように,噂を否定した。
Normally our policy is to not comment about things like this, but this morning’s rumors about a bidding war involving Google and Microsoft have created such a stir we feel compelled to tell you all directly that they are completely inaccurate.

Sorry to burst any drama theories, but they aren’t true. We remain focused on improving Digg and rolling out great features.
 でも否定の仕方が弱すぎる。「売却がない」とは言い切っていない。今が売り時だし,売却が実現しそうかな。


◇参考
・GoogleとMicrosoft、Digg買収で競り合い中の模様(TechCrunch Japanese)
・


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posted by 田中善一郎 at 10:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年03月03日

米国人の67%,ニュース情報の入手で伝統メディアをパス

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  米国人の3人に2人(67%)は,ニュース情報を入手する際に新聞やTVなどの伝統メディアに接触していない。これは,Media/Zogby の調査結果(回答者1979人,実施時期2008年2月20日-21日)である。

 第一のニュースソースとしては,回答米国人の48%がインターネットを,29%がTVを,11%がラジオを,そして10%が新聞を挙げていた。18歳から29歳の若年者となると,新聞を挙げた人はわずか7%しかいなかった。新聞離れが止まらない。一方で,インターネットを第一のニュースソースとして答えた割合は,昨年の40%から48%とアップしており,インターネットシフトが進んでいる。

 伝統的なメディアよりもWebサイトのほうが,重要なニュースおよび情報ソースと見られている。回答者の86%がWebサイトを重要なニュースソースと見ており,さらに56%はWebサイトを非常に重要と答えた。また,伝統メディアも無視されているのではなくて,77%はTVを,74%はラジオを,70%は新聞を重要なニュースソースと見なしているようだ(重要なソースと認識しながら,実際にはプライマリーニュースとして接触していないということか)。ブログを重要なニュースソースと答えた割合は38%であった。



◇参考
・Zogby Poll: 67% View Traditional Journalism as "Out of Touch"(プレスリリース)
・More Americans turning to Web for news(Reuters)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 07:44 | Comment(3) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年03月01日

ニューヨーク・タイムズ,けん引役のオンライン事業にも黄信号が

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 NYT(ニューヨークタイムズ)が厳しい現実に直面している。

 オンラインシフトに賭けたNYTだが,救世主との期待がかかるオンライン事業がもたつき始めている。2008年1月のインターネット広告売上が前年同月比でわずか8.6%しか増えなかった(About.comを除く)。プリント(新聞紙)部門の減益分をオンライン(Webサイト)部門の増益分で補っていこうとすれば,インターネット広告売上を前年比で少なくとも20%台増としたい。

  インターネット広告は不況に対する免疫性が高いと期待されていたし,さらに広告のオンラインシフトが加速化している時期だけに,8.6%増は悪すぎる。またNYTimes.comは昨年秋に有料サービスTimeSelectsを中止して,アクセス増によろインターネット広告売上の増収を狙っていた。実際に,今年1月の月間ユニークユーザー数は2046万人と前年同月比で45.1%も増えている(Nielsen Onlineのデータより)。それなのに,1月のインターネット広告売上が同8.6%増とは大きく期待を裏切った。

 この結果,以下の表のように,新聞紙を含めたNew York Times Media Groupの1月の広告売上は,同10.1%減の9664万ドルとなった。同社全体の1月総売上高は同5.5%減の2億7233万ドルである。

NYT0801.JPG

 米新聞社のエースで最もオンラインサイトが充実しているNYTですら,インターネット広告売上が期待はずれに陥ってきた。前のエントリーで触れたGoogleの広告事業の動きも微妙だ。ここ数年,前年比30%増が当たり前であったインターネット広告も,今年は不況による下振れが起こりそう。



◇参考
・The New York Times Company Reports January Revenues(NYTimes.com,プレスリリース)
タグ:NYT

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posted by 田中善一郎 at 23:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2008年02月25日

ジャーナリスト風ブロガー“jounablogger”(その2):評価高まる

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 メインストリームメディアと個人ブログとの間に, ジャーナリストっぽいブロガー“jounablogger”が活躍する新興のブログパブリシャー(出版社)が出現している。米国の技術系分野のメディアマップをそのように描いてみた。

 そこで知りたいのは,新興ブログパブリシャーの記事がどのように評価されているかである。そのためには,ニュースアグリゲーターでの掲載回数を調べてみるとおもしろそうだ。幸い,技術分野には定番のニュースアグリゲーターが存在する。Techmemeである。選択するニュースの速さと質,話題性が優れているため,ネット業界のキーパーソンやインフルエンサーがよく閲覧しているサイトだ。日本にもファンが多い。

 Techmemeは,Google Newsなどと同様にアルゴリズムに従ってニュースを掲載していくニュースアグリゲーターである。同サイトの特徴はテクノロジー分野に特化していることと,メインストリームメディアに加えてブログも収集対象にしているこにある。

 同サイトでは,過去30日間の掲載回数によるランキングを公開している。以下は,2008年2月17日までの過去30日間における,ニュースサイトやブログの掲載回数ランキングである。

*Techmemeにおける登場回数ランキング(2008年2月17日までの過去30日間)
TechmemeAa.JPG

 ざぁ〜と見ても明らかだが,ブログが多い(赤の下線で示した)。メインストリームメディアをリードしている。そのブログもほとんどが,ブログパブリシャーが運用しているグループブログである。上位30位内に入った個人ブログは,mathewingram.com/work(ブロガーはプロのライター)とScobelizer(ブロガーは元MSのカリスマ)くらいである。

 上位にランキングされているブログパブリシャーのブロガーには,やはりマスメディア出身者が目立つ。制約の多いマスメディアのジャーナリストに見切りを付けて,自由に投稿できるブロガーに転身しているのかもしれない。

 たとえば,12位にランクされていたGiga Omniを発行しているGiga Omni Mediaは,ニューエコノミー誌Business2.0のシニアライターであったOm Malikが2006年に設立した。Giga OmniのブロガーにはOm Malikの他に,マスメディア出身の専任ブロガー2人と寄稿ブロガー数人が加わっている。早くもマスメディアからも以下のように高い評価を得ている。
CNET: 100 Most Influential Blogs
Business Week: Best of the Web for Tech News in 2006 and 2007
PC Magazine: 100 Favorite Blogs
Technorati: Top 50 Blogs
Hitwise: Top 100 IT News Sites
Forbes: The Web Celeb 25

 上のTechmemeランキングの上位に常に顔を出すようなブログは,Giga Omniと同じようにマスメディアからも幅広く評価され始めている。新興ブログ出版社のjounabloggerが台頭するにともない,ニュースの作り方も変わろうとしている。

(つづく)

◇参考
・ ジャーナリスト風ブロガー“jounablogger”(その1):米国の技術分野メディアで台頭(メディア・パブ)
・技術分野のニュース市場,「ベストエフォート」型ミドルメディアが台頭(メディア・パブ)
タグ:ブログ

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posted by 田中善一郎 at 08:31 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2008年02月21日

ジャーナリスト風ブロガー“jounablogger”(その1):米国の技術分野メディアで台頭

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 ジャーナリストのようなブロガーが,米国では増え続けている。特に,IT系技術分野やネットビジネス分野,政治分野において,その傾向が目立ってきた。

 数年前まで米国でも,ジャーナリストとブロガーとの棲み分けは明確であった。ジャーナリストは主にメインストリームメディアの記者をさし,個人的立場で好きなことを書くブロガーとは一線を画していた。

 ところがこの3〜4年の間に状況が大きく変わってきた。分野によっては,マスメディアの存在を脅かしかねないブログが次々と生まれてきているからだ。それに伴い,ジャーナリストとブロガーの境界線があいまいになってきている。たとえばIT技術分野に限ってみれば,ブログ(つまりブロガー)が発するコンテンツがメインストリームメディア(つまりジャーナリスト)のそれよりも優れていることは珍しくなくなっている。

 以前のエントリーでも書き留めておいたのだが,米国では商業のブログ出版が相次いで生まれている。Techcrunch,Engadget,Read/WriteWeb,GigaOM,Silicon Alley Insider,Techdirtなどは,個人ブログの域を越えた商用ブログである。複数のブロガーが投稿するグループブログが中心である。専任の職業ブロガーもいるし,コンサルタントなどを兼務しながらの兼業ブロガーもいる。それに,マスメディア(ジャーナリスト)から転身したブロガーも少なくない。彼らは個人的に好き勝手なことを書くブロガーではない。ジャーナリスティックな立場で書くブロガーが増えており,彼らを“jounablogger”と呼ぶ造語も生まれている。そこで,次のような絵を描いてみた。

journablogger.JPG

 ブログ出版に属するようなjounabloggerともなると、マスメディアを出し抜くスクープ記事も頻繁に生み出している。IT技術分野だと,ブロガーのほうがマスメディアの記者よりも企業内部に精通している場合が少なくない。またGoogleやYahoo,Microsoftなどの大手企業でも,マスメディアよりもソーシャルメディアを重視することも多い。新しい実験サービスの発表はよく,プレスリリースではなくて公式ブログで行っている。開発者などのブログがソーシャルメディアリリースとして使われているのである。Microsoftのビルゲーツも3年前に,老舗のパソコン雑誌を差し置いて,ガジェットブログのEngadgetやGizmodoからの単独インタビューに応えていた。

 オンラインサービスやネット技術などは,インターネット上で直ちに試したりチェックできるものである。日常的にネットに接しているブロガーが,生々しい記事を書けるのも当然である。ネット系技術/サービス分野は特殊かもしれないが,マスメディアの記者でなくても一次情報に接する機会が増えてきているのは確かだ。ということは,マスメディアの記者も今までの特権では優位性を保てなくなるのかもしれない。

(つづく)

◇参考
・技術分野のニュース市場,「ベストエフォート」型ミドルメディアが台頭(メディア・パブ)
・・ビルゲーツ,ブロガー5人のインタビューを受ける(メディア・パブ)
・Google/YouTube,ダボス会議でも存在感をアピール(メディア・パブ)
タグ:ブログ

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posted by 田中善一郎 at 22:51 | Comment(0) | TrackBack(2) | 新聞 ニュース
2008年02月15日

また始まった米新聞社の人員削減の嵐,NYTは100人の記者が犠牲に

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 またまた米新聞社にレイオフの嵐が吹き荒れている。

 Tribuneが売上減を受けて,400〜500人の社員を削減することになった。同社の2%の社員が犠牲になる。

 これを伝えたLos Angeles Times自身も,100〜150人が職を失うという。そのうち40〜50人はニュースルームのスタッフ(要するに記者)である。

 さらに,先ほど衝撃的なニュースが入ってきた。New York Timesのサイトで,同社の記者100人が整理される予定と報じていたのだ。同社のニュースルームは1332人のスタッフを抱えているが,そのうちの7,5%の100人が年内にカットされる。

 米新聞社の経営は年々厳しさを増している。収益の大半を占める広告事業の落ち込みが止まりそうもない。昨年は業界全体で広告売上が前年比7.5%も減った。NYTも4.5%減である。さらに今年も,昨年と同じように,新聞広告の状況は悪いとNYTの経営者が見ている。

 またNYTにとって気がかりなのは,マードックのWall Street Journal(WSJ)がNYTに挑戦状を突きつけていることだ。編集方針を変えてまでNYTの市場を一気に侵食しようとしている。

 WSJのニュースルームスタッフは750人。Los Angeles Timesのニュースルームスタッフは以前の1200人から900人にスリム化した。 Washington Postもピーク時の900人から今は800人に。となるとNYTの現在の1332人は多すぎるということか。

 このような内容の記事をNYTimesの記者自身が冷静に報道している。こんなことは当たり前かもしれないが,なぜか感心してしまう。


◇参考
・Tribune Co. to cut staff by about 2%(Los Angeles Times)
・New York Times Plans to Cut 100 Newsroom Jobs (NYTimes.com)
・New York Times Cutting 100 Newsroom Jobs; 7.5 Percent Of Total(paidContent.com)
タグ:新聞

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posted by 田中善一郎 at 11:12 | Comment(2) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
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