今日はスーパーチューズデー。中でも民主党の候補指名争いが異常なほど盛り上がりを見せているが,オンライン上での戦いも興味深い。
クリントン(Hillary Clinton)もオバマ(Barack Obama)も,当然のように公式ホームページを立ち上げている。今回の米大統領選挙活動では,この4年間で有権者層にも浸透してきたソーシャル系サイトの役割が大きい。 クリントンのサイト(
hillaryclinton.com )でもオバマのサイト(
barackobama.com)でも,トップページから代表的なソーシャル系サイトへのダイレクトリンクを張っている。飛び先は候補者の公式特設ページ(プロフィール・ページなど)である。
●Hillary Clintonの公式ページのロゴとソーシャル系サイト案内
●Barack Obamaの公式ページのロゴとソーシャル系サイト案内
両候補者の公式ページのデザインについて,
NYTimes.comがClintonサイトをPC風,ObamaサイトをMac風と評していたのがおもしろい。Clintonサイトは中高年層に馴染みやすいデザインで,Obamaサイトは若者に受けるデザインといえるのか。
ここで,Clintonサイトで案内していたソーシャル系5サイトについて,両候補者の活動ぶりを比較してみた。SNSサイトでは友人数(サポーター数),動画/写真共有サイトでは投稿数を比べた。
結果は,あまりにも予想通りだったので,逆に驚いてしまう。当然だが,若者の支持を集めるObamaがオンライン上では圧勝している。特に20代のユーザーを多く抱えるFacebookでは,ObamaはClintonの約4倍となる36万人の友人(サポーター)を得ている。一方,MySpaceでは,比較的,Clintonのサポーター数も多い。中高年層ユーザーが多いMySpaceならではの結果である。シニア向けSNSであるeconsはClintonが唯一勝っているサイトだが,サポーターと名乗り出ている友人は少ない。動画投稿サイトYouTubeや写真投稿サイトflickrでは,やはりObamaが大きくリードしている。
オンライン(バーチャル)でリードしても,リアルの選挙で勝つとは限らない。逆の結果に終わる場合が少なくない。ただ,オンラインでの展開は,草の根的な資金集めやボランティア活動の点で大きな影響を及ぼしている。Obamaは08年1月だけで3200万ドルの寄付金を集めたが,Techcrunchによるとその内の2800万ドルはオンラインからだという。一方,Clinton側は1月の寄付金総計をまだ公表していないが,噂では2000万ドル前後のようだ。ボランティアによる選挙活動でもObamaの方が活発である。
ところで,共和党の有力候補Jone McCain(マケイン)が,SNSサイトでどれくらいの友達(サポーター)を持っているかを調べてみた。MySpaceでは44,673人,Facebookでは42,342人であった。ObamaだけではなくてClintonと比べても,友達が少ない。しかしもともと共和党は草の根(ロングテール)的な活動よりも,組織だった選挙活動を重視しているので,この差をあまり気にしていないかも。
◇参考
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Is Obama a Mac and Clinton a PC?(NYTimes.com)
・
Obama raises $32 million in January (AP)
・
Obama Sets Record With January Donations; Online Donations 88% Of Total(Techcrunch)
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Facebookの大統領選報道,SNSユーザーはヒラリーの涙に減点を(メディア・パブ)
posted by 田中善一郎 at 11:57
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