スマートフォン専用ページを表示

メディア・パブ

オンラインメディアをウオッチ
TOP / 新聞 ニュース
<< 1  2  3  4 5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36 >>
2013年06月02日

NYタイムズが「ネイティブ広告」をいきなり開始、NY市の自転車シェアサービスと提携

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  ニューヨーク市で5月27日から始まった自転車シェアリングサービス「Citi Bike」は盛り上がったようだ。サービス初日のイベントにはブルームバーグ市長も出席したように、同市の新しい交通手段として市当局も力を入れているのだろう。同サービスのロゴが何となく銀行のCiti Bankと似通っているが、それもそのはず資金提供した同銀行がサービス名を命名したという。

Citi BikePhoto.png

 このサービスの開始に合わせてNYタイムズ(NYT)が次のタイトルのプレスリリースを発表した。
”The New York Times Updates the Scoop App for Iphone With Content From NYC Bike Share and Citi Bike”
 NYTが提供しているアイフォン(iPhone)向けアプリ「The Scoop」で、Citi Bikeの利用状況をアップデートするということである。たいしたプレスリリースでないと思っていたら、リリースの途中で次の文が登場しており、驚いてしまった。

This marks the first time The New York Times will feature content from an advertiser in a mobile application outside of an advertising unit.

 NYTが初めて、広告枠の外で(つまり編集枠で)広告主からのコンテンツを提供していく。

 これは、米国広告業界で今話題の「ネイティブ広告」そのものでなかろうか。なぜ驚いたかといえば、NYTは編集と広告の境界線があいまいな「ネイティブ広告」に否定的な立場をとっていると見られていたからだ。最近のNYTの記事でも、ネイティブ広告のようなものは "corporate propaganda."(企業のプロパガンダ)であるとこき下ろした、著名ライター Andrew Sullivan氏の主張を好意的に紹介していた。そこで、メディア関連ニュースサイトiMediaEthicsがNYTに対し、ネイティブ広告のようなコンテンツにどう対応していくかを問いただした。するとNYTのCorporate Communications managerのStephanie Yera氏から、メールで次のような返事が届いた。

"It is a priority at The Times that our readers are able to clearly distinguish advertising messages from our news and editorial content. For this reason, we tend not to accept native advertising or branded content."

 NYTは読者に対して、広告コンテンツと編集コンテンツをはっきり区別して提供することを重視している。このため、ネイティブ広告のようなものを容認しないつもりだ。このようにNYTは4月末に答えていた。さすが高級紙らしい立派な主張である。ところが1か月後の5月末にその主張を覆し、ネイティブ広告に手を染めることになったのだ。

 そこで、NYTがモバイルアプリThe Scoopで採用したネイティブ広告を見ていこう。NYTimes The Scoop NYCは、NYTのスタッフが提供するNY市の案内アプリである。そのiPhone向けアプリは、App Storeからダウンロードして無料で利用できる。日本からも利用可能である。NY市案内の対象となる項目として、レストラン、バー、コーヒーショップ、アート、ショー、音楽、各種イベントなどが揃っており、それぞれNYTスタッフが選び、最新情報を提供している。ショップなどの場所は地図上で表示されており、自分の現在位置情報を与えればナビゲートしてくれる。NY市民だけではなくて、観光客にとってもありがたいサービスである。このThe Scoopの最新版(Version1.4)が5月28日に出荷され、案内項目に新たに自転車シェアサービスCitiBikeが加わった。以下の右側のスナップショット画面の右下にCitiBikeのアイコンが現れている。

Scoop01.png

 これまでの案内項目では、NYTのスタッフが編集していた。たとえばレストランの項目では、以下のスナップショットからもわかるように、掲載レストランの選択とそれぞれのレストランの案内やレビューは、NYT側のスタッフが行っている。案内項目ページ内に広告枠が置かれることもあるが、これまでのように編集枠と広告枠とはレイアウト上でもきっちりと分かれている。

scoop03.png

 新たに加わった案内項目のCiti Bikeも、これまでの案内項目と同じ(編集)フォーマットを採り入れた。ところがCiti Bikeのコンテンツについては、これまでの項目のようにNYTスタッフが関与することはない。広告主となる企業側が編集し制作する。あたかも編集コンテンツ枠の中に、広告主制作のコンテンツが入り込んでいるわけだ。

 実例を追ってみよう。案内項目の中からCiti Bikeをクリックすると、マンハッタンの地図が表れる。同サービスはまずマンハッタン(セントラルパークより南)地域を中心にスタートし、同地域内に300カ所を超えるバイクステーションが公道沿いに設けられ、約6000台の自転車を置く。どのステーションでも自転車を借り出せて、別のステーションでも返却できる。モバイル通信やGPS機能、貸出/返却自動管理機能などを活用した次世代自転車シェアリングシステムで、たとえばスマートフォンから各ステーションの使用可能な自転車台数などが、リアルタイムでチェックできるようになっている。
  
scoop05.png

 最初のマンハッタンの地図には、多くのバイクステーションが記されている。また、他の案内項目で取り上げているレストランや各種ショップなども、赤ピンで示されている。その地図を拡大して、NY大学沿いのバイクステーションを覗いてみた。そのステーションでは現在、4台の自転車が借り出せて、23台分の返却(空)スペースがあることが、スマートフォンからチェックできた。また、そのステーション近くのレストランなども紹介されている。最初のレストランをクリックすると、ある日本料理レストランが紹介され、NYTスタッフが編集したレストランガイドのコンテンツを閲覧できる。

scoop07.png

 先に述べたように、Citi Bikeに関するページのコンテンツはすべて、Citi側が用意している。各ページの上部にはCiti Bikeのロゴを置くことにより、コンテンツはCiti Bike側が作っていることを知らせているつもりかもしれない。ユーザーの多くは、Citi Bikeの提供するコンテンツもNYTの編集コンテンツと思って接しているのだろう。市民や観光客にとって、自転車シェアリングサービスが欠かせないNY市内案内項目になってきただけに、現在のサービス内容なら役に立ち問題がないとの判断であろう。NYTとしてはこれが成功すれば、Citi Bikeに続くネイティブ広告スポンサーを探していきたいという。

◇参考
・The New York Times Updates the Scoop App for Iphone With Content From NYC Bike Share and Citi Bike(NYTプレスリリース)
・The Scoop iPhone App(NYTimes.com)
・The New York Times experiments with native advertising…on two wheels (Nieman Journalism Lab)
・NYTimes: 'We Tend not to Accept Native Advertising or Branded Content'(iMediaEthics)
・The Dark Age Of Journalism(Dish)
・Questions and Answers on Citi Bike(NYTimes.com)
・ニューヨークの大きな変化!!! 最新ニュース★ (ニューヨーク情報)(楽天市場)



この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年05月12日

オンライン広告収入の伸び悩みが、新聞サイト有料化を加速

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  米国の伝統的な新聞が相次いで、サイトなどのデジタルコンテンツの有料化に突っ走っている。先行していたWSJやNY Timesに続いて、LA Times, Washington Post, Chicago Tribune, Houston Chronicle, Philadelphia Inquirer, Orange County Registerといった中堅の有力新聞も一斉に、デジタル有料化を実施したり、あるいは近く実施する予定だ。

 だが、勝算があるのだろうか。WSJのような経済専門新聞やNYTのような一流新聞にすれば展望が開けるかもしれないが、大半の新聞にとってはデジタル有料事業はかなり厳しくなりそう。でも、デジタル有料化しか残された道がなかったのではなかろうか。 

 米国の新聞経営は、広告収入に大きく頼ってきた。下図のように20世紀後半は新聞紙(プリント)広告が一本調子で伸び続け、2000年前後には新聞社のほとんどが、全売上のうちの80%以上を新聞紙広告収入で賄うまでになっていた。ところが21世紀に入る前あたりから、インターネットの台頭もあって、読者の新聞紙離れが目立ってきたのである。その読者減に伴い、新聞紙(プリント)広告売上が頭打ちになってきた。

AdCircNewspaperUSRevenue.png

 インフレ分を調整すると、以下のように、21世紀に入ってから既に、新聞のプリント広告売上が実質的に減り始めていたのだ。それに従い、新聞危機も叫ばれ出していた。でも一方で、プリントからオンラインへシフトしていけば何とか展望が開かれていくと、楽観視する声も少なくなかった。2001年のネットバブル崩壊後、低迷していたインターネット広告市場も回復し、2005年ころから平均で年率30%前後の爆発的な成長を見せた。新聞社もオンラインサイトを充実させ、オンライン(インターネット)広告事業に本格的に乗り出した。NYタイムズ(NYT)のようにオンラインサイトを強化していた先進の新聞サイトでは、オンライン広告売上の前年比率が、インターネット全体の平均成長率30%を凌ぐ勢いを一時誇示していた。新聞のオンライン広告売上はプリント(新聞紙)広告売上の5%にも届かず絶対額が小さかったものの、それでも以下のグラフの矢印で示すように、落ち始めていた新聞広告売上を、瞬間的にしろ回復させたのだ。

NewspaperAdUs19502012.png

 そこで、広告売上で経営基盤を支えてきていた米国の新聞社にとってみれば、オンライン広告に未来を託そうとしたのも当然であった。そして、2006年から2007年にかけて、NYTなどがオンラインシフトのアクセルを思い切り踏み込んだ。ところがブログに代表されるWeb2.0の浸透が逆風となり、さらに運悪く世界的な金融危機に遭遇し、そしてリーマンショックに襲われた。命綱であったプリント広告収入が急落していった。巻き添えをくらって、新聞サイトのオンライン広告までもマイナス成長に陥ったのだ。その結果、レイオフの嵐が吹き荒れ、新聞の休刊も相次いだ。

 それから景気は回復してきたにもかかわらず、新聞のプリント広告売上は相変わらず下り坂を転げ落ちていき、下げ止まらなかった。プリント広告が回復して再びけん引役を果たすことは期待できなくなった。となると、やはり頼るのはオンライン広告だ。ところが景気が良くなってきたのに、新聞のオンライン広告の回復ぶりが思わしくない。2010年以降、インターネット全体の広告売上高の平均成長率は年率15%から20%と高度成長に戻っているのに対し、新聞のオンライン広告売上高の成長率は数%前後に低迷している。明らかにインターネットの広告メディアとして新聞サイトが相対的に弱体化している。ソーシャルメディアの普及で広告のパーソナル化が進み、新聞ブランドが広告営業の強力な武器ではなくなってきたからであろう。

 以下のグラフのように、新聞のオンライン広告売上(TOTAL ONLINE)がまだ低い段階で成長が伸び悩んでいる。大幅なプリント広告売上の落ち込みを補えずに、新聞広告売上全体(TOTAL PRINT AND ONLINE)が下げ止まらなくなっているのである。

NewspaperUSadPrintOnline.png

 米新聞のエース的存在のNYTにおいても、2013年第1四半期決算発表で、広告売上高が前年同期比11.2%減と落ち込んでおり、もう広告に頼れなくなってきている。となると、生き延びるためには販売売上を増やしたい。でも若者を中心に新聞紙離れが進んでいるので、プリント販売を増やすのは厳しい。残る道として、オンライン販売売上に頼らざる得ない。つまり、オンラインサイトなどのデジタルコンテンツの有料化である。昨年から今年にかけて、追い詰められた米国の新聞社は雪崩を打ってデジタル有料化に走り出している。オンライン販売売上(デジタル購読料)は新しい収入源となるのだが、その売上高はまだまだ少なく、広告売上の落ち込み分を補えないでいる。

 有料化を検討していた米USA Todayや英Guardianは共に無料のままで踏みとどまっているし、月間ユニークユーザ数で世界トップに立ったと言われている英MailOnlineや、Huffinton Postなどの新興ニュースサイト、それにCNN、MSNBCなどのTV/ケーブル系ニュースサイトも、課金のためのペイウォールを設けない。 ソーシャル化が進むネットの世界でオープンな環境でニュースサイトを運用していこうとしているのだろう。これに対して、あえて有料化に走り壁を作ろうとする伝統新聞サイトである。さて、打開する次の一手は?

◇参考
・ 2012 Internet Advertising Revenue Full-Year Report :208kファイル(IAB)
・Free-fall: Adjusted for inflation, print newspaper advertising revenue in 2012 was lower than in 1950(Carpe Diem Blog)
・米新聞の総売上が今年か来年にも底打ちか、新聞業界が希望的観測を(メディア・パブ)
・The State of the News Media 2013、Newspapers: Stabilizing, but Still Threatened(Pew Reseach Center)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年05月10日

LINEに比べ倍のペースで成長する中国産WeChat、今月末にも登録者数が4億人に

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 WeChatの登録者数が今月中にも4億人を突破しそうだ。

 中国Tencent(騰訊:テンセント)のWeChatは、LINEと同じくスマホ向けソーシャル・メッセージング・アプリであるが、登録者数をLINEのほぼ倍のペースで増やし続け、今年1月に3億人に達したという。この5月中には4億人を超す予定だ。WeChatの登録者数の推移は、次のようになる(Techinasiaが作成したグラフ)。

WeChat20130409.png

 一方、LINEの登録者数推移グラフは次の通り。

Line2010510.png
(ソース:LINEのプレスリリース)

 WeChatのサービス開始が2011年1月。登録者数は約2年後の2013年1月に3億人。一方LINEは2011年6月にサービスを始め、2年弱の22か月後の2013年4月30日に登録者数が1億5000万人を突破した。また、WeChatの月間アクティブユーザー数は1億9000万人に達していると発表している。

 海外のソーシャル・ネット・サービス企業に対し防波堤を設けている中国の巨大市場において、中国産ソーシャルサービスのユーザー数が急増するのは当然かもしれない。課題はグローバル化である。 そこで今週開かれたBoao Forum For Asia(BFA) 2013で、Martin Lau社長は海外ユーザー数が4000万人を超えたことを明らかにした。でもグローバル展開では、LINEが先行している。LINE登録者数の1億5000万人のうちの約1億人が海外ユーザーである。東南アジアだけではなくて、スペイン語、フランス語、ポルトガル語も加え現在12ヶ国の言語に対応し、南欧や南米地域でもユーザー数を増やしている。例えば、スペインでは1000万人を突破した。

 WeChatも海外展開に本腰を入れ始めているが、まず東南アジアで勢力を拡大している。BFAでLau社長は、WeChatがマレーシア、フリッピン、インドネシアの各国のApp Storeでトップに立ち、マレーシアとインドネシアでは最も人気の高いスマホアプリになっていると自慢していた。

 ところで、Lau社長が講演したBFA(ボアオ・アジア・フォーラム)とは、ダボス会議のアジア版をめざして2001年2月に28カ国が参加して設立された国際会議である。毎年、年次総会が中国海南省のボアオで開かれる。今年は習近平副主席が基調スピーチを行い、理事長に福田康夫元首相が新たに当選された。そこで、福田元首相や新理事のマレーシアのバダウィ前首相、アメリカのポールソン前財務長官たちと、習近平副主席とが会談した。その時のツーショットの写真がこれ。

JPeople20130409.png

(ソース:人民日報)


◇参考
・WeChat Now Has 190 Million Active Users, Close to Passing Whatsapp(Techinasia)
・40m of WeChat’s 300m users live outside China(memeburn)
・Tencent Opens Joint-Venture Company in Indonesia, WeChat App Sees Explosive Growth(Techinasia)
・習副主席、ボアオフォーラムの新理事長らと会談(人民報・日本語版)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:32 | Comment(3) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年05月07日

お気に入りのジャーナリストに購読料を払うニュースサイト

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 課金の対象をサイト全体ではなくて、個別のジャーナリスト対応とするニュースサイトDNP(De Nieuwe Pers、The New Press)が登場してきた。

 DNPはオランダのニュースサイトで、特徴はフリーランス・ジャーナリストのプラットフォームであることだ。そして注目すべきは、登録ジャーナリスト別にペイウォール(課金の壁)を設けたことである。つまり利用者は、お好みのジャーナリストのために、購読料を払うことになる。

 DNPのトップページに飛んでみた(オランダ語のサイトだが、ここでは英語に翻訳したページを載せている)。最上部に“Follow your favorite journalist”とあり、お気に入りのジャーナリストの記事を月1.79ユーロ(約233円)で購読できることを案内している。 このページには、登録ジャーナリストから投稿された記事見出しなどが掲載されている。月4,49ユーロ(約584円)を払えば、登録ジャーナリスト全員の記事を購読できる。

DNPDutch20130507.png

 登録ジャーナリスト一覧のページには、ジャーナリスト全員が個別に紹介されている。各ジャーナリストの過去記事一覧(見出しと前文)も見ることができる。

DNPWriter.png

 登録ジャーナリス数は、3月の半ばにサイトをチェックした時には17人であったが、現在は23人に増えている。登録希望者が多いようで、審査待ちが続いているとのことである。現在の登録者のカバー分野も、政治、経済、技術から文学/旅行/アウトドア、スポーツ、音楽、ゲームと多彩である。戦争に絡む調査報道やアフリカやブラジルなどの世界各地の現地ニュースを伝えているジャーナリストもいる。

 その中のAndrea Dijkstra氏の例を見てみる。文化人類学を専攻したフリーランス・ジャーナリストである。彼女は2011年6月からカメラマンと一緒にアフリカ各地を車で回り、戦争の背景や腐敗の実態、慈善活動などを伝えるニュースをプリントメディア、ラジオ、ビデオメディアなどを通して発信している。現在ウガンダに滞在しているが、次はルワンダとコンゴ民主共和国に向かうという。以下は、DNPサイト内の彼女のページである。

DNPDutch20130507a.png

 2013年内までは、各ジャーナリストには彼らのチャンネルへの購読料すべてを与えることになっているが、2014年からは購読料の25%を手数料としてDNPが徴収する予定だ。1か月前(4月初め)の成績であるが、有料購読者数が2000人であった。そのうちの40%が特定ジャーナリストの購読で、残りの60%は登録ジャーナリスト全員に対する購読であった。今後の展開が興味深い。

◇参考
・Getting personal: A Dutch online news platform wants you to subscribe to individual journalists(The Nieman Journalism Lab)
・Author-specific paywalls let publications cash in on journalists’ personal brands(WAN IFRA)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:58 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年04月26日

NYタイムズのデジタル有料事業に暗雲が

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  NYタイムズのデジタル有料化事業に黄信号がともり始めている。

  今や新聞業界では、NYタイムズ社のデジタル有料化事業が大成功しているとの評価なのに、なぜ暗雲が? NYタイムズ社がWebサイトなどのデジタルコンテンツ有料化に突入してから約2年がたつが、有料のデジタル購読者数が以下のように順調に増え、完全に軌道に乗っており、新聞業界が成功と評価するのも当然かもしれない。販売収入に新しいデジタル販売が加わり、販売売上がプラス成長が続いているのだから、青信号で安泰とみなしていたのだ。さらに一定本数までの記事閲覧を無料で提供するメーター制を導入することにより、ユニークユーザー数もあまり減らないのでオンライン広告売上もマイナスにならないですんでいる。

 *有料のデジタル購読者数の推移
・2011年第2四半期:28万1000人
・2011年第3四半期:32万4000人
・2011年第4四半期:39万人
・2012年第1四半期:47万2000人
・2012年第2四半期:53万2000人
・2012年第3四半期:59万2000人
   =56万6000人( NYTimes.com + IHT)+2万6000人(Boston Globe)
・2012年第4四半期:66万8000人
  =64万0000人( NYTimes.com + IHT)+2万8000人(Boston Globe)
・2012年第1四半期:70万8000人
  =67万6000人( NYTimes.com + IHT)+3万2000人(Boston Globe)

 2013年第1四半期の決算説明で、デジタル購読者数( NYTimes.com + IHT)を67万6000人と 発表しており、前四半期に比べ5.6%増えている。四半期で3万6000人も上乗せしたのだから、大きな問題ではないと思いたい。ところが昨年は毎四半期ごとに約6万人増えていた。今年に入って増え方が鈍化しているのは確かである。Quartzが四半期ベースのデジタル購読者数の成長率の推移を以下のようにグラフ化しているが、やはり鈍化は明らかだ。

NYTDigitalSubGrowth.png

 デジタル購読者数が増えてくれば、成長率が鈍化するのは仕方がないのだが、今、急に鈍化されると困るのだ。新聞が生き延びるには、販売売上の伸びに頼らなければならないからだ。今まで売上の大半を占めていた広告収入が急減しているからなおさらだ。

 NYタイムズ社の2013年第1四半期決算でも、以下の表のように、広告売上が前年同期比で11.2%減と大きく落ち込んでいる。販売売上が6.5%増と頑張っているのだが、この程度の伸び率では広告の落ち込み分を補えず、全体の売り上げが2%減となってしまっている。そろそろデジタル購読者数の伸びが鈍る段階に入ったのだとすると、かなり厳しいことになりそう。

NYT2013Q1a.png

 また今回の発表で驚いたのは広告売上の減り方である。プリント(新聞紙)広告が13.3%減と大きく落ち込みでいくのを諦めたとしても、広告売上のけん引を期待していたオンライン広告までが4%減とマイナス成長になっているのは非常に痛い。有料化のために配したペイウォール(課金の壁)が原因かもしれない。

 NYタイムズ社としてはお荷物になっているBoston Globeなどを売却して、基幹媒体(NYTimes + IHT)を擁するThe New York Times Media Groupで延命を図りたい。そのThe New York Times Media Groupの決算は次の通り。残念ながら基幹媒体に絞り込んでも、NYタイムズ社と同じ問題を抱えている。

NYTMedia2013Q1.png



◇参考
・The New York Times Company Reports 2013 First-Quarter Results(プレスリリース)
・New York Times Misses Sales Estimates as Ad Revenue Dives(Bloomberg)
・The New York Times paywall has hit a growth wall(QUARTZ)
・NYタイムズが増収、広告売上ダウンを販売売上アップで補う(メディア・パブ)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 02:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年04月10日

調査報道NPOのプロジェクトを世界46カ国の記者86人が協力、租税回避地利用の有名人や企業名を公表へ

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 1週間ほど前から世界の主要新聞によって、租税回避地(タックスヘイブン)のペーパーカンパニーを活用している有名人や企業名などが次々と暴露され始めている。

 下の写真は、2013年4月7日のワシントン・ポスト紙の記事例である。A1(1面)とA12面、A14面を使って、大々的に報道していた(写真はA12面)。朝日新聞も4月5日に大きく紙面を割いて、「金持ち天国 タックスへイブン」の見出の記事を掲げていた。そのほか、英ガーディアン紙、英BBC、仏ルモンド紙などの有力メディアも一斉に伝えている。

WaPoICIJ.jpg

 これらは、各報道機関の単独スクープではない。米国の調査報道NPO(非営利)であるCIR(Center for Investigsative Reporting)の国際報道部門ICIJ(The International Consortium of Investigative Journalists)が仕掛けたプロジェクトの成果である。ICIJは、タックスヘイブン関連の膨大な秘密ファイルの分析を1年少し前から開始していた。その秘密ファイルはオーストラリアの調査報道ジャーナリストGerald Ryle氏(現在はICIJのディレクター)が取材過程で入手したもので、英領バージン諸島などの租税回避地に設立されたペーパーカンパニーにおける取引内容などが大量に収められている。

 ただ、ファイルデータ量が260Gバイトとあまりにも膨大すぎた。2010年に世界中を震撼させたWikileaksで流出した米国の軍や外交の秘密文書のファイルデータ量が2Gバイト弱であったのだが、それと比べてもいかに今回の秘密ファイルが巨大かがわかる。このファイルを分析すれば、12万社を超えるペーパーカンパニーや、租税回避地で脱税やマネーロンダリングを行っている実態が明らかになるのかもしれない。だが、ファイル数も250万件と膨大なうえに、ファイル形式もバラバラで非常に込み入っているだけに、ICIJだけではとても手に負えない。そこで、世界中の報道機関や記者と協力して、取材し分析することになった。46カ国の記者86人が参加している。またNUIXソフトウエアを無料で使わせてもらい、複雑で多様な秘密ファイルを英国人プログラマーによって検索可能なデータベースにしてもらった。その結果、分析作業がかなり効率よくできるようになったようだ。

 この国際協力プロジェクトの成果が4月3日から4月15日まで、ICIJのサイトや協力している報道機関などを中心に、一斉に報道されているのだ。ICIJのサイトに飛ぶと、秘密ファイルに記録されている政治家、独裁者、経営者、あるいはその親族の顔写真が目に入る。この国際プロジェクトの成果をアピールするかのように、とりあえず話題になりそうな29カ国の富裕者をまな板に乗せたのだろう。

ICIJ01.png

 でもこのプロジェクトの調査は、これから1年近く続けられる。今後次々と、租税回避地を利用した個人名や企業名が公表されるはずだ。例えば米国の個人の場合、約4000人が秘密ファイルからリストアップされているようだが、そのうちの少なくとも30人は不正取引などで訴えられると見ている。いくつかの金融スキャンダルが明らかになるのかもしれない。

 朝日新聞もICIJと提携して、この国際プロジェクトに参加している。4月5日の新聞記事では、秘密ファイルにオリンパス事件の関係者が出ていることを伝えていた。さらに9日には、丸紅や東北電力が租税回避地の取引に関係していることを紹介している。朝日新聞デジタルでもタイムラインで、これからの調査成果を伝えていくようだ。

◇参考
・Secret Files Expose Offshore’s Global Impact(ICIJ)
・HIGHLIGHTS OF OFFSHORE LEAKS SO FAR(ICIJ)
・Who Uses the Offshore World(ICIJ)
・The 'Offshore Leaks' data detectives(DW)
・Piercing the secrecy of offshore tax havens(Washington Post)
・ 租税回避地での有名人脱税告発が波紋(朝鮮日報日本語版)
・Marubeni, Tohoku Electric involved in offshore deals through tax havens(Asahi Shimbun)
・流出文書に東北電系など公益企業名も タックスヘイブン(朝日新聞デジタル)
・Intercontinental collaboration: How 86 journalists in 46 countries can work on a single investigation(The Nieman Journalism Lab)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年04月09日

米新聞の総売上が今年か来年にも底打ちか、新聞業界が希望的観測を

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 長らく底なしの状況に陥っていた米新聞も、今年か来年にも底打ちとなるかもしれない。米新聞協会(NAA:the Newspaper Association of America)が発表したデータによると、2012年の米新聞産業の総売上が前年比でマイナス2%で済んだようだ。
 
 今回のデータの多くは、大手新聞社を中心に17社を対象にした調査によるものであるが、トレンドとしては全体(全社)でもあまり変わらないと見ている。2012年の総売上高は386億ドルで、2011年の395億ドルに比べて2%減で収まった。減少率が小さくなったのは、販売収入が前年比で5%も増えたからだ。特にデジタルコンテンツの有料化に踏み切った新聞が増えてきたことが、大きく貢献している。デジタル販売収入が加わってきたことのほかに、プリント版(新聞紙)やバンドル版(プリント+デジタル)の購読料を高く設定してことも効いたようである。

 広告売上は前年比6%減と、減り続けている。デジタル広告売上が前年比4%増となっているが、プリント広告売上が相変わらず厳しく同9%減となっているのが痛い。プリント広告売上高は総売上の46%も占めるだけに、プリント広告売上の減少を補うのは大変なのだ。

 それでも、広告売上の減少分を、5%増の販売売上やその他売上で補うことにより、なんとか総売上を2%減に食い止めている。軌道に乗り始めたデジタル有料サービス収入が増えていけば、今年にも売上高の底打ちが実現するかもと米新聞業界では期待しているようだ。

 売上の内訳は次の円グラフのようになる。2011年と2012年の売上項目のシェアを示している。ここでPrint Newspaperとあるのは、プリント版(新聞紙)広告売上である。

USNewspaperRevenue2012a.png


USNewspaperRevenue2012b.png
(ソース:NAA)

 
 次のグラフは、各項目の売上の対前年比(YOY %)である。No. of Companiesは調査対象の新聞社数である。

NewspaperUS2012c.png
(ソース:NAA)

 デジタルコンテンツの有料化を活路にして、新聞産業が復活するとの希望的観測が出始めている。でもあくまで底が見えてきたということで、大きく再浮上するとは思えない。それどころか、底を打つのさえ難しいと警鐘を鳴らす声も少なくない。

 まず、今でも新聞産業の総売上げの半分近を占めるプリント広告売上が、2012年も前年比-9%と減り続けている。当てにしていたデジタル広告売上も同4%増と勢いがない。新聞産業を支えてきた広告売上が、長期低落するのは避けらそうもない。

 そこで広告売上の減った分を、はたして販売売上で補えていけるかが鍵になる。救世主として期待されているのがデジタル広告収入である。Pewが先ほど発行した State of the Mediaの年次報告でも、1380タイトルの日刊紙のうち約450タイトルの新聞サイトが有料化に向っている。藁をも掴む形で有料化ダッシュが続いているのだ。今回の調査では、新規にデジタル販売収入を獲得した新聞が多いこともあって、販売収入の底上げに大きく貢献した。中でもバンドル(プリント+デジタル)の販売売上が前年比499%増と爆発的な伸びたが、最初だけの現象で継続性があるかどうかは不透明である。また、プリント(新聞紙)だけの販売収入は、前年比-14%と大きく落ち始めている。底を打つには、販売収入の対前年比を、2012年の同5%増以上に高めなければならないだろう。


◇参考
・The American Newspaper Media Industry Revenue Profile 2012(NAA)
・Deeper data dive finds $5.5 billion in uncounted newspaper industry revenue(Poynter.)
・We can see the future of newspapers now. Get in the habit of paying again(NewMediaRules)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 10:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年03月29日

有料化しない新聞サイトが牽引役に、英DMGが2年後にもプリント売上しのぐデジタル売上を目指す

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 英新聞Daily Mailなどを擁したDMG Mediaは、2015年にもプリント売上を上回るデジタル売上高を達成させたいという。その達成の牽引役を、Daily Mailのオンラインサイトが担うことになりそう。ここで注目すべきは、サイトを有料化しないで、広告売上アップに注力していこうとしていることだ。

MailOnline20130329.jpg

 Daily MailのオンラインサイトであるMailOnlineの勢いが止まらない。MailOnlineは典型的な大衆向けの軟派系ニュースサイトであるが、今や世界で最も人気の高い新聞サイトとなっている。ComScoreの調査データでも、2012年10月に月間ユニークビジター数が5010万人に達し、ニューヨークタイムズ・サイトの4870万人を凌いでいる。

 このDaily Mail+MailOnlineを擁したDMG Mediaは、投資家向け説明で、DMGの2012年売上を以下の表のように紹介した。MailOnlineの急成長によりオンライン広告売上が伸びたこともあって、2012年にはデジタル売上高が前年比34%と急上昇した。一方プリント売上(広告売上+購読売上)が前年比1%減と大きく下落しなかったこともあって、総売上高は8億2000万ポンド(1170億円)と13%増の2桁成長を実現した。まだまだデジタル売上比率が低いが、現在の高成長から見て2015年には、デジタル売上がプリント売上を上回ると主張しているのだ。

MailOnlineRevenue.jpg

  DMG Mediaの投資家向け資料からも、MailOnlineの勢いが読み取れる。最初は、英国インターネットサイトのビジット数のシェア推移である。dailymail.co.uk(MailOnlineのサイト)は約0.6%と、英国の新聞サイトの中では断トツのビジット数を誇っている。他の有力新聞サイト(guardian.co.uk、telegraph.co.uk、thesun.co.uk)が0.2%未満なので約3倍のトラフィックを得ている。uk.msn.comとほぼ同じビジット数となっている。

MailOnline03.jpg


 ホームページの月間滞在時間が35分と長いのも際立っている。

MailOnline02.jpg


 またEngagement(minutes/visitors/manth)対Audience(Daily Visitors:単位100万)をプロットすると、次のようになる。ビジターあたり平均すると月当たり40分、利用していることになる。他の英国のニュースサイトと比べても、圧倒的な好位置に付いていることがわかる。

MailOnline.jpg


◇参考
・Behind the business model of MailOnline, the biggest newspaper site in the world(Media Briefing)
・DAILY MAIL & GENERAL TRUST PLC - Trading Update(DMGT)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 17:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年03月27日

ワシントン・ポストのiPadアプリ、有料化前の大盤振る舞い

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ワシントン・ポスト(WaPo)が今年夏にもデジタルコンテンツの有料化を実施することになった。有力クオリティー・ペーパーながら無料オンラインサービスを貫いていたWaPoもついに、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)やニューヨーク・タイムズ(NYT)に続いて、課金の壁を設けることになった。

 その有料化サービスに向けて早くも、WaPoのiPadアプリ(The Washington Post for iPad)のデザインが刷新されていたので、早速アプリをダウンロードして使ってみた。日本からも利用でき、ダウンロードするとWaPoがNewsstandに置かれる。NewsstandのWaPoをクリックすると、次のような電子版のTop Storiesページが現れた。右上の“Sections”をクリックして選択することにより、Top Stories以外の8分野(Politics、Opinions,localなど)の各ページに辿りつく。

Wapoipad00.jpg


 左上の“Print Edition”をクリックすると、毎日のプリント版WaPo(新聞紙)のレプリカが閲覧できる。過去2週間の指定日の新聞紙記事全てがそのまま閲覧できる。

wapoipad1.jpg

 中央下のアイコンをクリックすると、ブログ/コラムや漫画(コミック)、それにフォーラムへの案内アイコンが現れる。ブログ/コラムは、8つの分野別に複数ブログが存在する。下の例では、WaPoの看板ブログとなっているWonkblogをBusiness分野から選んでいる。コミック欄では、50種以上の漫画を閲覧できる。

Wapoiad4.jpg

 
 フォーラムは、政治分野とスポーツ分野が用意されていた。政治分野では、自前の政治記事やブログ記事だけではなくて、外部のABC、CNN、Fox、Politico、NYT、NBC、CBSなど最新記事がツイートの形で掲載されていた。

wapoipad5.jpg

 例えば競合新聞のNYTの政治記事やブログ記事にも直接アクセスできた。また、トピック別(経済、ヘルスケア、エネルギー/環境)の記事も探せるようになっている。

Wapoipad6.jpg

 政治分野では、政治記事や政治家発言などの内容について事実関係の調査のニースが高いが、ここでもWaPoのチェックだけではなくて、外部のPolitiFactやFactCheck.orgの実情調査記事が紹介されている。

Wapoipad7.jpg

 また、ブログやトピック別のコーナーでは、ユーザーによる記者やブロガーの絞り込み(フィルタリング)も行える。電子版の記事はこれまで通り、ツイッターやフェイスブック、メールで他人と共有できる。

 ともかく、iPadアプリを介して、過去2週間分の新聞紙の全てが、イメージの形で無料閲覧できる。現在、シングルスポンサーが付いており、夏までこの大盤振る舞いを続けてくれるのか。また電子版もかなり充実しており、インターフェイスもシンプルで使いやすい。

◇参考
・The Washington Post to charge frequent users of its Web site(The Washington Post)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年02月12日

6秒動画共有のVineに、メディア会社やPR会社が一斉に飛びつく

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 動画共有モバイルアプリのVineに、米英のメディアやPR関連会社が利用し始めている。

 今、ニューヨーク市はファッションウィーク(NYFW)の真っ只中である。年々、盛んになってきており、経済専門新聞のWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)のサイトまでも特設ページを用意して後押ししている。その特設ページに、6秒動画を配信できるVineが早くも採用されていた。

WSJFashonweek2013.jpg


 写真の提示にはInstagramを活用しているが、ショートビデオにVineを利用している。上のスナップショットの赤線で囲んだ画像が、Vineの動画を示しておりで、クリックするとループ状で繰り返す6秒動画(https://vine.co/v/bv5MWKJY1Wi)を見ることができる。これはWSJ のスタイル(服装)分野のレポーターであるElizabeth Holmes氏がiPhoneで撮った動画である。もちろん、彼女のツイッターアカウント(@EHolmesWSJ)経由でも同じ6秒動画に接することができる。

 スタイル専門のメディア、例えばMTV Styleでも、Vineを採用している。Vineは独立した動画共有サービスとなっているが、Twitterに買収されているため、Twitterとすぐに連携できるようになっている。@MTVStyle はVineにはまだ400人程度のフォロワーしか抱えていないが、MTV StyleのVineの動画は自動的に約8万人のTwitterのフォロワーにもツイートされる。MTV Styleが配信したVine動画の事例は、こちら(https://vine.co/v/bnIhd6Lrbrh)で参照を。

 メディアでのVineの活用では、トルコ人ジャーナリストのTulin Daloglu氏が、今月(2013年2月)1日にトルコの首都・アンカラのアメリカ大使館前で起こった自爆テロの報道で、現場からVineで動画を数点配信したのが光る(動画の事例はhttps://vine.co/v/b1MHUJz77gu。紹介記事はこちらで)。

 このように、メディア関係者も取材/配信や読者との共有などのために、Vineの活用に一斉に動き出した。もちろん市民からの投稿ツールとしてもはやりそう。6秒動画は、静止画の写真や長い動画と違った新しい利用事例が生まれてきそうである。ともかく、どのようなことができるかを試行錯誤している段階である。

 その試行錯誤の事例をランダムに紹介する。
*ベルギーの日刊紙De Morgan(@demorgen)。同紙のデジタル版最新号の案内。https://vine.co/v/b5LpQBPwFbF

*Huffington Postのフロントページ編集者のMelissa Jeltsen(@quasimado)氏も試行を。https://vine.co/v/bJYYqtT3PFZ

*@wsjのDirector of Social Media & EngagementであるLiz Heron @lheronは WSJドイツの社内風景をTwitter+Vineで紹介。動画はこちらvine.co/v/b1azwXpZYFZで。

*People誌は最新号の予告案内を。https://vine.co/v/bJYuBAjWv3Z

*ソーシャルメディア・ブログMashableの創立者Pete Cashmore(@mashable)も、Vineで楽しんでいる。https://vine.co/v/b5QFFdnqgH9

 ほかにもたくさん事例があるが、多くは新し物好きな編集者がとりあえず試してみたというレベルである。6秒動画の可能性を調べるには、Twitterの公式ブログで
事例(Vine: A new way to share video)を視聴したり、VineのアプリをiPhoneにダウンロードし、like数が1万以上の人気動画を見ればいい。 アマチュアが撮った動画のほうが参考になるかも。6秒動画は、五七五の川柳のように、人気コンテンツになるのかもしれない。

 PR会社も当然のように、Vineに食指を動かしている。たとえばオンラインメディアのPR会社Punch Communicationsも動き始めた。スマートフォンで撮った動画を手軽に加工し投稿でき、そして動画/音声メッセージとして皆で共有できる。ツイッターで多くのユーザーにリーチしやすいのも魅力である。

 「おもろそうやから、やってみなはれ」と言ったところか。

◇参考
・How Media Outlets Are Using Vine To Deliver The News − Some Better Than Others(BusinessInsider)
・Vine could offer brands a way to be more creative with social communications, says Punch Communications(journalism.co.uk)
・Newsrooms use Vine to show personality, process, previews in 6-second videos(Poynter)
・WSJ uses Vine to report on New York Fashion Week(journalism.co.uk)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 13:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2013年02月08日

NYタイムズが増収、広告売上ダウンを販売売上アップで補う

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  NYT社(The New York Times Company)は昨年度ようやく増収に漕ぎ着けた。デジタルコンテンツ有料化による販売売上が順調に伸び、昨年度(2012年度)の総売上高が何とかプラスに転じたのだ。

 同社の2012年第4四半期/通年決算によると、同年第4四半期および通年のどちらも、前年(2011年)に比べ総売上高をアップさせている。第4四半期は年末の季節要因でいつも広告売上が膨らむが、プリント(新聞紙)広告売上はやはりダメで前年同期比で5.2%減と沈んだ。デジタル広告売上は同5.1%増と踏ん張ったが、広告売上全体では第4四半期も3.1%減の前年割れになってしまった。一方で、販売は同16.1%増と目覚ましい伸びを示し、広告売上げの落ち込み分を十分に補う売上高を達成した。販売売上高が急増したのは、有料のデジタル購読者数が増え続けていることに加え、新聞紙購読料を値上げしたことが貢献しているようだ。

*NYT社の2012年第4四半期/通年決算:単位:1000ドル
NYT2012Q4Year.jpg


  有料のデジタル購読者数は次のように推移している。
・2011年第2四半期:28万1000人
・2011年第3四半期:32万4000人
・2011年第4四半期:39万人
・2012年第1四半期:47万2000人
・2012年第2四半期:53万2000人
・2012年第3四半期:59万2000人
   =56万6000人( NYTimes.com + IHT)+2万6000人(Boston Globe)
・2012年第4四半期:66万8000人
  =64万0000人( NYTimes.com + IHT)+2万8000人(Boston Globe)


 今年の決算で注目すべきことは、上の通年の売上高で示されているように、初めて販売売上高(circulation revenues)が広告売上高を上回ったことだ。NYタイムズを中心とした“News York Times Media Group”でも、やはり販売売上高(circulation revenues)が広告売上高を上回った。

*the New York Times Media Group の2012年第4四半期/通年売上高:単位:1000ドル
NYTMediaGroup2012Q4Year.jpg

 the New York Times Media Groupの売上高(ほとんど New York Timesの売上高)の内訳が、どのように変わってきたかを以下のように示す。かつては新聞紙広告に完全に頼ってきたが、これからは販売売上への依存が増していく。
 
NYT2012AdCircPerc.jpg

 今回の決算結果から、NYT社の展望が少しは見え始めているが、決して安泰とは言えない。広告売上げが下げ止まらないだけに、それを補うだけの販売売上を増やしていくには、しばらく今のペースでデジタル購読者数を増やし続けなけれならない。

 それと、今回の決算で見過ごせないことがある。2012年は2011年に比べ週数が一つ多い。つまり2012年は1週間分の売上が上乗せされたことになる。例えば第4四半期は、2011年は13週分しかないのに2012年は一つ多い14週分となっている。そこで、2012年も13週分の売上高で計算すると、2012年第4四半期は増収ではなくて減収(0.7%減)となる。広告売上高も前年同期比3.1%減ではなくて8.7%減に、販売売上高は16.1%増ではなくて8.6%増になる。

◇参考
・The New York Times Company Reports 2012 Fourth-Quarter and Full-Year Results(NYT社プレスリリース)
・New York Times posts ho-hum numbers, slow digital growth(paidContent)
・New York Times Digital Business And CEO The Focus Of Earnings(Forbes)
・NYタイムズ社,広告依存から販売依存へ(メディア・パブ)
・The New York Times’ shifting model(Monday Note)
・The New York Times: Running faster and faster to stay in the same place(GIGAOM)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 03:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年11月17日

世界各地で頻発している抗議運動のニュースを収集する「CrowdVoice」

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 中東/北アフリカの民主化運動,ウォール街占拠運動,日本の原発廃止運動,欧州の財政緊縮政策への反対運動,中国の信仰/言論の自由化運動,・・・などなど。フェイスブックやツイッターなどのソーシャルメディアの活用もあって、世界各地で社会運動が頻発し急拡大している。

 こうした世界各地で活発化する社会運動に応じて、それらの運動に関する写真や映像などの最新情報をキューレートしているサイト「Crowdvoice」も盛り上がっている。同サイトは、中東のNPOであるMideast Youth(About Mideast Youth、Wikipediaでの解説)が運営している。

Crowdvoice201211.jpg

 ”Tracking Voices Of Protest”と標榜しているように、中東だけではなくて世界各地で繰り広げられている各種抗議運動に関するWeb上の情報を集めている。ニュースサイトのニュース記事もあれば、YouTubeの動画もあるし、ブログやツイッターコンテンツもある。ユーザーの写真や動画もある。CrowdVoiceと称するようにユーザーからの投稿が中心となる。表示の仕方もクラウドソーシングのPinterest(ピンタレスト)と似ており、スクロールページで最新のコンテンツが上部に入り込んでいく。

 以下の例のように、代表的な抗議運動ごとにスクロールページが用意されている。
・Electoral Fraud in Mexico 2012
・Human rights crackdown in Bahrain
・Migrant Rights in the Middle East
・Protests in Spain 2012


 ケニアの選挙監視に関するページを以下に掲げておく。
Election Monitoring in Kenya

CrowdvoiceKenya.jpg


 日本の原発廃止運動のページ(Anti-Nuclear Protests in Japan)もあったので、以下に。

CrowdvoiceJapanAntiNuclear.jpg

 このCrowdVoiceは、ジャーナリストにとっても参考情報として利用できるかもしれない。ただし、このような政治が絡む情報サイトには、プロバガンダや偽のコンテンツも紛れ込んでいるはず。 ボタンクリックで簡単に通報できる"crowdsourced verification"機能を用意し、多くのユーザーによって監視できるようにはなっている。


◇参考
・Crowdvoice provides realtime curation of protest social media(wired.co.uk)
・Site Curates Social Media Protest In Real Time(psfk)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年11月03日

オバマ支持が36紙でロムニー支持が28紙、米新聞が支持する米大統領選候補

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米新聞が相次いで、大統領選でどちらの候補を支持するかを表明している。カリフォルニア大学サンタバーバラ校の調査によると、2012年11月2日現在、主要100紙のうち36紙がオバマ候補を支持し、28紙がロムニー候補を支持している。11紙はどちらも支持していない。

USElection2012EndoresementNewspaper.jpg

 前回(2008年)の大統領選でオバマ(民主党候補)を支持していたNYタイムズやLAタイムズ、ワシントンポストは、今回もオバマ支持を継続しているが、ヒューストンクロニックをなど9紙は共和党候補(ロムニー)に寝返った。さらに前回オバマを支持していたのに今回はどちらも支持しなくなった新聞が5紙も現れた。逆に前回共和党候補(マケイン)を支持していた新聞でオバマ(民主党候補)支持に移った新聞はわずか1紙である。

 前回では、民主党候補(オバマ)を支持した新聞も65紙あって、共和党候補(マケイン)支持新聞25紙を大きく上回っていた。それが今回では36紙に対して28紙と縮まっている。

USElectionEndorsementNewspaper2008.jpg

 今回の調査でも、部数の多い新聞でオバマ支持が目立っていた。オバマ支持新聞の購読者総数が930万人に対しロムニー支持新聞の購読者数が506万人となっている。以前から新聞も新聞購読者も民主党を支持する割合が高い。でも明らかに民主党候補を支持する割合が減っており、実際の投票では前回以上に接戦になるのは間違いない。

◇参考
2012 General Election Editorial Endorsements by Major Newspapers
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 14:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年11月01日

NYタイムズ、デジタル購読数がプリント購読数を上回る

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 NYタイムズのデジタル購読数がプリント(新聞紙)を追い抜いた。

  Audit Bureau of Circulations(ABC)のデータによると、NYタイムズ(NYT)のデジタル購読数がプリント購読数を上回った。ABCが公表した9月30日データで、NYT平日版のデジタル購読数が89万6352となり、プリント購読数の71万7513万を大きく追い抜いた。

NewspaperUS2012Sep.jpg

 NYTの総購読数(デジタル+プリント)は161万3865となり、デジタル購読数が倍増したお陰で1年前に比べ40.3%も増えた。デジタル購読数ではWSJ(WALL STREET JOURNAL)を上回り、また他新聞と比べても総購読数のうちデジタル購読の占める割合が56%と際立って高い。米新聞全体では、デジタル率は15.3%(昨年は9.8%)である。さすがにNYTで、デジタルシフトでは大きく先行しているのだ。

 ところが経営面から見ると、手放しでは喜べない。それどころか、厳しさを浮き彫りにしている。NYT社の第3四半期(6月-9月)決算の減収減益を受けて、10月25日には株価が約20%も急落した。

20121025NYTStock.jpg

 やはり、これまでNYTを支えてきた広告売上が底なしのように減り続けていることが大きく響いている。プリント広告売上高が前年同期比で10.9%減と下げ止まらない。今回のABCデータでも、プリント購読数が1年前に比べ6.9%減となっており、デジタルシフトがプリント広告売上の下落に拍車をかけている。

 さらに市場を悲しめたのは、デジタル広告売上高までも同2.2%減と落っこちたことだ。ABCデータでデジタル購読数が1年前に比べ倍以上も増えているのに、マイナス成長とは・・・。

 でも新聞広告売上の長期低落は覚悟しており、それに代わってデジタルコンテンツの有料化による販売収入増に賭けている。ところが甘くはない。NYTの総購読数が前年比40.3%増の161万3865と急増しているのに、第3四半期の販売収入は前年同期比で7.4%増に留まっている(新聞関係者にとっては驚異的な伸び率)。広告売上高減の穴埋めができなくて、大きな減益結果を招き、株価が急落したのだ。

 また、ABCの購読者数データについても、注意すべき点がある。プリント購読数は新聞紙の発行部数で問題がない。ところがデジタル購読は、スマートフォンやタブレット、それにデスクトップPCと異なったデジタルデバイスを介して閲覧する。一日で複数のデバイスで閲覧した場合、ダブルカウントされるようだ。つまりスマートフォンやタブレット、それにデスクトップPCの3デバイスでデジタル購読した場合、3回と計数される。

 NYTDigital.jpg

 典型的な不況業種と見なされている米国の伝統新聞が、デジタルシフトに活路を見出そうとしているが、もっと根の深い構造的な問題が横たわっており、前途は厳しいと言わざる得ない。


◇参考
・The Top U.S. Newspapers for September 2012(ABCinteractive)
・ABC: Digital Now 15% Of Papers' Total Circ(NetNewsCheck)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年10月26日

NYタイムズ社,広告依存から販売依存へ

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 NYT社(The New York Times Company)の業績が今一つ冴えない。2012年第3四半期決算によると、前年同期に比べ総売上高が増えなかったため、営業利益が60%も減った。NYタイムズのデジタルコンテンツの有料化が功を奏して販売売上高(circulation revenues)を7.4%も増やしたのに、広告売上高を8.9%も大きく減らしたため、減収減益となってしまった。

*NYT社の2012年第3四半期決算:単位:1000ドル
NYT2012Q3.jpg

 米国の新聞社の特徴は、広告売上高に大きく依存していることであった。だが、新聞紙広告(プリント広告)売上高は長期低落が続き、今期も同10.9%減と下げ止まらない。期待のデジタル広告売上高も同2.2%減とマイナス成長に陥っている。新しい牽引役になるはずのデジタル広告までが足を引っ張っているのだ。

 一方で明るい動きとしては、有料のデジタル購読者数が順調に増え続けていることがある。四半期ベースで見た有料購読者数の推移は次のように増え続けている。

・2011年第2四半期:28万1000人
・2011年第3四半期:32万4000人
・2011年第4四半期:39万人
・2012年第1四半期:47万2000人
・2012年第2四半期:53万2000人
・2012年第3四半期:59万2000人
   =56万6000人( NYTimes.com + IHT)+2万6000人(Boston Globe)

 この結果として販売売上高は順調に伸び、今では販売売上が広告売上を上回るようになった。NYT社では完全に広告依存から販売依存へと切り替わったようだ。

 でも販売売上高に頼るようになったといっても、広告が底なしのように減り続けていると、なかなか浮上できない。グループ別の売上は次のようになる。NYタイムズを中心とした“News York Times Media Group”でも、広告売上は9.7%も減らしている。 

*NYT社の2012年第3四半期の売上高:単位:1000ドル
NYT2012Q3Revenue.jpg

◇参考
・The New York Times Company Reports 2012 Third-Quarter Results(プレスリリース)
・NY Times Co. Explains Its 'Shockingly Weak' Ad Results(Forbes)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 04:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年10月17日

モバイルアプリが伝統ニュースメディアを活性化させるのか

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 スマートフォンやタブレットの台頭で、伝統メディアのニュースコンテンツに新たな活路が開かれようとしている。

 オンラインニュース時代に入って、米国ではHuffington Postに代表される新興のWeb専用ニュースサイトが勢いを増し、主流になってきていた。ところがスマートフォンやタブレットのようなモバイル端末が台頭するに伴い、伝統メディアのニュースコンテンツに復活の兆しが見え始めているのだ。

 Knowledge Networksが米国成人(18歳から65歳まで)3022人を対象に今春オンライン調査した結果によると、回答者の85%がデジタルニュース消費者であった。そのニュース消費者の半数以上(53%)は、ニュース情報をHuffington PostやYahoo News、Drudgeなどの新興オンラインメディア(Web-native sources)から取得していた。新興のWeb特化型ニュースサイトのコンテンツである。一方で、ニュースソースとして日常的にNYT、CNN、Fox Newsなどの伝統的なメディアサイトのコンテンツを利用している割合は、ニュース消費者の43%と半数を切っていた。ただし深堀のニュースコンテンツや信頼のおけるブレイキング・ニュースは、まだまだ伝統的なメディアサイトに主に頼る傾向はあるが・・・。

DigitalNewsConsumer.jpg

 ところがデジタルニュース接触端末として、これまでのパソコン(Computer)に加えて、スマートフォンやタブレットも急速に利用され始めたのに伴い、興味深い動きが浮上してきた。今回の調査で、端末によって主にアクセスするニュースソースに違いが見られたのだ。パソコンユーザーの半数以上(54%)はWeb-native sourcesに頼っていたが、スマートフォンユーザーやタブレットユーザーは違っていた。両モバイルユーザーはいずれも、Web-native sourcesを利用する割合が40%を割っているのに対し、驚くことに伝統メディアのニュースソース(Established news sources)の利用が50%を上回っていた。

EstablishedNewsonMobile.jpg

 伝統から新興への流れが進んでいたのに、それに反してモバイルユーザーが伝統メディアのニュースコンテンツになびく傾向を見せるのはなぜか。これからニュースアクセスにモバイル端末を利用するユーザーが急増しそうなだけに、伝統メディアにとっては期待を抱かせる調査結果である。この背景に、モバイルアプリの普及がありそうだ。

 振り返ってみると、伝統メディアにとってインターネットメディアの出現は必ずしも歓迎するものではなかった。web2.0とかソーシャルメディアとかの流れの中で、伝統的な新聞や雑誌、TVのニュースサイトは守勢に立たさがちであった。アグリゲーションやソーシャルなどの機能を充実させた新興ニュースサイトに押され気味になっていた。物理的にパッケージされたコンテンツ(ニュース記事群)を提供してきた伝統メディアは、インターネット時代に入ってもパッケージされた自前コンテンツを中心に提供し続けていた。伝統ブランドを看板にしたニュースサイトに来てもらい、メディア提供者が用意したニュース記事を閲覧させていたのだ。ところが、メディア側が一方的に提供するパッケージされたコンテンツではユーザーは満足しなくなってきた。そこで、コンテンツもパーケージ単位ではなくて記事単位(固有のURLを付与)で検索され、またアグリゲート、キューレートされるようになり、さらに誰もがコンテンツを発信できるようになっていった。コンテンツが分断化されるに伴い、オンラインニュース市場で伝統メディアの主導的地位が揺らいできていたのだ。

 ところが本格的なモバイル時代を迎えて、伝統メディアに勢いを取り戻す機会が与えられようとしている。今回の調査を見る限り、爆発的に増えるであろうモバイルユーザーが伝統メディアのコンテンツを受け入れている。それは、新聞や雑誌、TVなどの伝統メディアのコンテンツの多くが、モバイルアプリとして提供され始めているからであろう。伝統メディアがこぞって、スマートフォンやタブレット向けにパッケージされたニュースコンテンツをアプリの形で提供し始めたのだ。パッケージされたコンテンツだと定期購読の有料化の対象としやすいし、それを支えるアプリの課金システムも整っている。AppleのNewsstandも、伝統メディアの昔からのパッケージされたコンテンツ提供スタイルを再現している。またアプリ内のコンテンツは、第3者による検索、アグリゲーション、キュレーションなどの対象とならなかったりするので、伝統メディアは主導権を復活できると期待する。

AppleNewsstand.jpg

 ユーザーも、スマートフォンやタブレットのアプリを使ってコンテンツと接する新しい環境を歓迎し、今のところパッケージされたニュースコンテンツのアプリを多くの人が受け入れているようだ。また玉石混交のコンテンツが氾濫しているインターネットメディアに疲れ、プロ集団によってきっちりと編集されたコンテンツに頼りたいというニーズが高まっているのかもしれない。

 
 ともかく、モバイル端末からニュースコンテンツに接する人や、その接触時間が爆発的に増えていくのは間違いない。PEJ(the Pew Research Center's Project for Excellence in Journalism) が2012年6月29日から8月8日までに9513人の米国成人(18歳以上)を対象にした調査によると、成人の半分がすでにスマートフォンかタブレットを所有しており、そのモバイルユーザーの66%が自分のモバイル端末からニュースコンテンツに接している。

MobileNewsPew201210.jpg

 こうしたモバイル端末が、以下のグラフのように急増していくのも間違いないであろう。

GlobalInternetDeviceSales.jpg
(ソース:BisinessInsider)

 モバイル端末でニュースコンテンツにアクセスするユーザーが増え続けるであろう。でもやはり、そのモバイルユーザーが伝統メディアのパッケージ化されたニュースコンテンツに一斉になびくとは考えづらい。クローズなコンテンツ環境だとなおさらだ。オンラインニュース市場で提供者(伝統メディア)主導から消費者(ユーザー)主導の流れができてしまった現在、逆流する動きを本格化させることはむずかしいだろう。

 ただしモバイルアプリの出現で、パッケージ化されたニュースコンテンツを提供する新しい環境が整ってきたのも確かである。良く編集された優れたコンテンツなら、容易に有料化できるようになってきただけに、モバイルアプリは伝統メディアにとっても活路となるのかも。

◇参考
・Survey: Americans turn to established media for breaking news, mobile(Poynter.)
・THE
EXPLOSION IN MOBILE AUDIENCES AND A CLOSE LOOK AT WHAT IT MEANS FOR NEWS
(Journalism)
・THE STATE OF THE INTERNET [SLIDE DECK](BusinessInsider)



 
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年08月02日

156紙の米新聞がサイトの有料化を実施、87%がメーター制課金を採用

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米新聞156紙がオンライン有料購読サービスを実施している。このように米新聞協会(NAA:The Newspaper Association of America)が 最近明らかにした。

 またEbylineのSusan Johnston氏が、有料化に入った新聞サイト数の推移を、四半期単位でグラフ表示してくれている。

PaywallNewspaper201207.jpg
(ソース:by Susan Johnston)

 有料化に入った米新聞サイトのリストは(こちら) でチェックできる。

 この有料化の波はまだ続く。たとえば最近、 McClatchy傘下の新聞の30サイトが有料化を宣言している。年内には1400以上ある日刊新聞サイトのうち約20%が有料化に仲間入りしていると見られている。つまり、今年末までに300紙近くの米新聞サイトが、有料購読サービスを実施していることになりそうだ。

 現在、有料化している新聞サイトの特徴は、多くがメーター制課金を採用していることである。156サイトのうち84%が、メーター制の課金の壁(paywall)を置いている。月間で一定本数の記事までを無料で閲覧させるが、それ以上の記事は有料にする課金方式である。サイト有料化でビジター数が減って、オンライン広告の売上が大きく落ち込むことを避けるために、一定本数を無料で閲覧させているのだ。盟主NYタイムズがメーター制課金を採用し、業界内では成果を挙げたとしていることが大きい。メーター制課金で無料閲覧できる記事本数を何本にするかが気になる。現在メーター制課金を採用している新聞サイトでは、本数の平均が11.2本となっている。NYタイムズのサイトは、無料閲覧本数を年初に20本から10本に減らしている。

 広告売上げに大きく依存していた米新聞にとって、新聞紙広告売上が下げ止まらくなっている状況に置いて、展望があるなしに関係なく、オンラインサイトの有料化に走らざる得ないのだろう。また新聞サイトにpaywallを置くことは、台頭してきたソーシャルメディアへの壁となる懸念も出てくる。メーター制を採用するのも、ソーシャルメディアとの関係を遮断したくないとの配慮でもある。NYタイムズのサイトではさらに、ソーシャルメディア経由の多くのアクセスに対して、paywallをスルーパスさせている。さらに、NYタイムズやWSJなどの有料記事が、グーグルの検索エンジン経由でアクセスすると(記事見出しを検索窓に入力)、無料で閲覧できることは知られている。

 そこで今年3月からメーター制課金を開始したLAタイムズのサイト(http://www.latimes.com)で試してみた。月間15本の記事までを無料閲覧できるメーター制を採用していた。そこで、15本の記事ページを次々と開いてみた。そして16本目の記事見出しをクリックすると、次のようなメッセージのpaywallが現れて、これ以上は有料であることが告げられた。でも、16本目の記事見出しを検索キーとして、グーグル検索エンジン経由でアクセスすると、以下のpaywallが現れずに無料で閲覧できた。

LATimesLimitReach.jpg

 米新聞サイトの有料化は、バラ色の道から程遠く大半がいばらの道に見えてしかたがないのだが。

◇参考
・NAA list shows newspaper paywalls typically allow 11 free articles(Poynter.)
・Newspaper Paywalls Accelerating(Ebyline Blog)
・Papers with digital subscriber plans/paywalls(News&Tech)
・Gannett print advertising down 8% in 2nd quarter(Poynter.)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年07月27日

NYタイムズ社、デジタル有料購読者数は50万人を突破したがデジタル広告売上は減る

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 NYT社(The New York Times Company)が2012年第2四半期決算を発表した。同社は昨年からデジタルコンテンツの有料化で勝負に打って出ているのだが、その経過を見てみた。

 第2四半期のデジタル有料購読者数は53万2000人となり、50万人を突破した。四半期ベースで見た有料購読者数の推移は次のようになる。

・2011年第2四半期:28万1000人
・2011年第3四半期:32万4000人
・2011年第4四半期:39万人
・2012年第1四半期:47万2000人
・2012年第2四半期:53万2000人

 順調に増え続けており、それに合わせて第2四半期の販売(Circulation)売上高は前年同期比で8.3%増と伸びた。だが広告売上高は同6.8%減と下げ止まらない。プリント(新聞紙)広告売上高が同8.0%減と落ち込むのは仕方がないとしても、上昇が期待されるデジタル広告売上高までが同4.0%減とマイナス成長になっているのが痛い。デジタル広告には不振のAbout.comの広告売上も含んでいる。ただし旗艦媒体のNYタイムズを中心とした“News Media Group”だけで見ても、デジタル広告高は1.6%減と萎んでいる。

*NYT社の2012年第2四半期(4-6月期)および2012年上期の売上高:単位:1000ドル
NYT2012Q2c.jpg

 このように、販売売上高が増え広告売上高が減るという流れが続いており、その結果、販売売上高が広告売上高にほぼ並ぶようになってきた。広告売上に大きく依存していた米国の新聞社にとって、デジタル(オンライン)シフトは大きな出血を伴うことになる。NYT社の場合はその大出血の時期は終わったようだが、デジタル広告がプラスに転じないと低迷が続くことになりそう。

◇参考
・The New York Times Company Reports 、2012 Second-Quarter Results(Press Release)
・New York Times narrows losses in second quarter of 2012(Guardian)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 03:25 | Comment(1) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年07月12日

新聞やテレビのニュース、米国でも信頼が長期低下

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米ギャラップ(Gallup)が恒例のマスメディア信頼調査を実施した。テレビニュースも新聞ニュースも信頼が低下している。

 まず、テレビニュースを大いに信用している割合が今年は21%となり、昨年の27%からかなり信頼を失っている。1993年にはテレビは、46%の大人から信用のおけるニュースメディアと見られていた。

 GallupTVNewsConfidence.jpg

 新聞ニュースを信用している割合も25%と低い。1979には51%もの米成人が新聞をとても信用できると高く評価していた。

GallupNewspaperConfidence.jpg

 今年の調査は、6月7日から10日まで、ランダムに選んだ18歳以上の大人1004人を対象に電話インタビューで実施した。Gallupの解説によると、米国では最近、マスメディアにだけではなくて、公立学校、宗教、銀行など多くの組織に対し、ネガティブな見方をする人が増えてきているという。ソーシャルメディアなどのネットメディアが浸透し、市民が真実を知る機会が増していることも一因であろう。

◇参考
・Americans' Confidence in Television News Drops to New Low(Gallup)
・Confidence in U.S. Public Schools at New Low(Gallup)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2012年07月09日

爆発的なバイラルを実現する「BuzzFeed」、NYタイムズと組んで米大統領選報道も

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
BuzzfeedTopPage20120708.jpg

 「BuzzFeed」がおもしろい。BuzzFeedの記事には、これまでツイッターやフェイスブックを介してたまに接することがあっても、暇つぶしのエンターテイメント情報がほとんどなので、特に関心を抱くこともなかったのだが・・。

 ところが昨年末あたりから政治分野などもカバーして分野を拡充し、同社発表で月間ユニークビジター数が2500万人を超えるまで急成長した。また、政治分野の編集長に政治レポーターとして名高いBen Smith氏が就いたことも大きな話題になった。

 BuzzFeedの記事は最初から、ユーザーがソーシャルメディアなどで共有したくなる情報となるように編集されている。主に、Web上から選りすぐって集めた写真などのコンテンツをベースに、ユーザー同士が共有したくなる情報を提供している。極めてバイラル性が高いコンテンツの記事なのだ。このため、BuzzFeedへのユーザーアクセスは、Facebook, Twitter, Tumblr などソーシャルサイトからの参照トラフィックが中心となっている。

 実際の記事例を見てみよう。タイトルが「人を信じる気持ちを取り戻せる写真21点」(21 Pictures That Will Restore Your Faith in Humanity.)という記事である。この記事では、動物の救出や見知らぬ人への支援といった、感動的な人の行動をとらえた写真を集めており、いわゆるリミックスした形の情報を提供している。

BuzzfeedFaithInHumanity201206.jpg

 この記事だけで、2週間で830万回ものユーザーアクセスを得ている。以下のトラフィック累積の推移からも分かるように、最初の2日間で500万回に達している。

BuzzFeedDashboard21Pictures.jpg

ソーシャルメディア・サイトからの参照回数を以下に示す。いかにバイラルでユーザーを呼び込んだかが明らかだ。
facebook.com:5,184,788
stumbleupon.com:247,714
twitter.com:168,754
tumblr.com:116,959
reddit.com:116,715
pinterest.com:78,528

 この1記事だけで、Facebookで200万件近く「いいよ!」されており、Twitterでは5万件近くもツィートされている。この記事への参照トラフィックが殺到するのもうなずける。この記事の場合、ほとんどのトラフィックがバイラル(Viral Views)であったのだ。また、検索エンジン経由のトラフィックがあまり多くないことも、時代の流れを感じる。

 その他の記事例もあげておく。 
・「パソコンをベッドに眠りこむ20匹のネコちゃん」(20 Cats Sleeping On Computers)
・「ヒラリー・クリントンの馬鹿げた写真25点」(The 25 Most Absurd Hillary Clinton Photoshops)
・「ウィンブルドン優勝のセリーナ・ウィリアムズ、老いていないことを証明」(Serena Williams Proves Winning Wimbledon Never Gets Old)

 上の例の記事では、写真などのオリジナルコンテンツを作り出しているのはBuzzFeedの編集者ではない。彼らは、Reddit, Imgur, Pinterest, Tumblr, Google image searchなどを使って.ネット上からコンテンツをキュレートしていると言ったほうがよさそう。また、このサイトの影響力が大きくなるに従い、著作権の問題も起こるかもしれない。

 次に、政治欄などを設けて、どう変わろうとしているのかを探ってみた。政治欄Politicsのページは次の通り。
BuzzFeedPolitics201207a.jpg

 政治欄の編集者は、編集長のBen Smithを含めて6名から成る。いずれも個人のツイッターアカウントを持っており、フォロワー数を括弧内で示す。
Ben Smith, Editor In Chief(84,908)
Michael Hastings(11,130)
Rosie Gray(12,390)
McKay Coppins(11,751)
Zeke Miller(17,215)
Andrew Kaczynski(21,294)

 政治欄には、次のトピックスを用意している。
mitt romney
barack obama
republicans
obama 
hillary clinton
obamacare
ohio
romney
ron paul
penalty

 政治欄の記事例として、2日前に投稿された「オバマがFox Newsチャンネルを消す」(Obama: Turn Off Fox News)を取り上げる。

BuzzFeedDashboardObamaFoxNews.jpg
 
 この例でも、バイラル参照のトラフィックが圧倒的に多い。
drudgereport.com:174,950
facebook.com:8,571
twitter.com:3,286
idrudgereport.com:2,185
foxnews.com2,061
www-ig-opensocial.googleuse...:1,317
conservativebyte.com:918
tmz.com:721
redflagnews.com:667
memeorandum.com:475

 政治分野では、新興のソーシャルメディアが必ずしも支配しているわけではなさそう。政治記事見出しのアグリゲーターサイトのdrudgereport.comが、今でも政治分野では大きな影響力を発揮している。また、政治ニュースアグリゲーターのmemeorandum.comも顔を出している。

 政治欄を立ち上げて、大統領選などの政治分野のバズをソーシャルの世界で伝播させ始めたBuzzFeed。でも伝統的なマスメディアは、品位が疑われるのを嫌ったのか、BuzzFeedの記事を引用することはほとんどなかった。このため伝統的なマスメディアからの参照トラフィックはないに等しかった。ところが驚いたことに、NYタイムズからBuzzFeedに対して、大統領選向けての民主党全国大会や共和党全国大会のライブ動画報道で連携したいとの働きかけがあったのだ。実際に連携することになった。ソーシャルで受けるコンテンツ提供についてノウハウを蓄積しているBuzzFeedと手を組むことによって、NYタイムズのサイトにソーシャルメディアからの参照トラフィックをどれくらい呼び込めるのか、興味深い。 

◇参考
・Jonah Peretti, founder and CEO of BuzzFeed(Guardian)
・21 Pictures That Will Restore Your Faith in Humanity.(BuzzFeed)
・How To Make a Viral Hit in Four Easy Steps(Slate)
・BuzzFeed names D.C. chief: John Stanton(Politico)
・New York Times' + Buzzfeed = OMG(Atlantic)
・New York Times and BuzzFeed: Partners!(Washington Post)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11  12  13  14  15  16  17  18  19  20  21  22  23  24  25  26  27  28  29  30  31  32  33  34  35  36 >>
Powered by Seesaa
Seesaaブログ
新着記事
(10/17)激しく責め立てられる「…
(09/19)動画配信のソーシャル系…
(09/11)SNS上のニュースは不正…
(07/28)勢いが続く「LINE」「In…
(06/30)TVニュースだけではなく…
(06/15)ニュースユーザーのFB離…
(06/01)高年層のSNS利用が増え…
(05/21)金融新聞「FT」までがFB…
(05/06)米ニュースメディアが相…
(04/16)モバイル広告市場を牽引…
(04/10)FBのアルゴリズム変更後…
(03/14)紙の「雑誌ブランド」は…
(02/07)「メディア」も「プラッ…
(01/30)国民の信頼が最も低い米…
(01/21)メディアに好かれる「グ…
(12/21)若いミレニアル世代ほど…
(12/08)世界の全広告費の25%を…
(11/28)デジタル売上8億ドルの…
(09/28)「グーグル」と「FB」が…
(09/07)FBに頼る海外のニュース…
カテゴリ
RSS配信 ブログ(202)
マーケティング 広告(339)
新聞 ニュース(702)
出版 雑誌(319)
TV  ビデオ ラジオ(277)
ポータル サーチエンジン(179)
メディア(94)
ケータイ モバイル(115)
市場(144)
その他(47)
日記(1)
Web2.0 SNS CGM(312)
ネットワーク(30)
ビッグデータ AI(4)
過去ログ
記事検索
 
プロフィール
名前:田中善一郎
E-mail:ztanaka@excite.co.jp