2006年11月28日

紙媒体至上の新聞編集室が“Web-first”方針を実施できるのか

 新聞社の編集室(newsroom)が“Web-first”(Webサイト優先)方針を打ち出しても,新聞記者が進んでwebサイト向けのニュース記事を書いたりするのだろうか。

 米英の新聞社は,生き残りを賭けて,オンライン事業に頼らざる得ない状況に追い込まれてきている。新聞紙至上の編集方針を貫くことが難しくなりつつある。オンライン事業で勝負するには,ニュース記事の出稿を“Paper-first”から“Web-first”へ切り替えていかなければならない。

 英Guardianは,6月のエントリーで紹介したように,ニュースの第一報をWebで発信していくことを明らかにしていた。その後,どうなっているのだろうか。最近,the Editors Weblogからの質問に,Harriet Sherwood(Foreign Editor for the Guardian)が答えていたので,その一部をまとめておく。

 まず,国際ニュースとビジネスニュース分野からWeb-firstを着手した。Webでのニュースは,英国だけではなくて世界に向けて24時間体制で提供している。英国時間の朝刊に合わせてニュースを発信していると,ジャカルタや北京の読者には30時間近く遅れることもありうる。AP通信社やロンドンに居るWeb記者による速報を,ブレーキングニュースとしていつでもWebで発信できる体制を敷いている。もう,Web-first方針を放棄することはあり得ない。

 速報性をあまりにも重視すると,“publish first, edit later”? となり記事品質が劣化させるのではとの心配が生まれる。だが,速度と品質のバランスを配慮しながら進めており,Webの記事も編集者のチェックが入れてからアップする。Web記事とすべきか新聞紙記事とすべきかの判断を,もっと現場記者に任せるべきかについては検討中である。実際には,ニュースをどのような形で料理していくかは,編集者(デスク)が現場記者と話しあって決めていくことになっている。また通信社などと速報で競うよりも,他では得られない記事を提供することに注力している。

 online-first publishing の編集方針に対する現場の反応は,おおむね前向きであるという。“速度 vs 品質”問題を懸念する声があったことも確か。新聞メディアの置かれた状況が厳しくなってきており,新しい変化を受け止めなければならないことを,記者自身が認識している。最近では,多くの記者がデジタルジャーナリズムの可能性と挑戦に興奮しているという。いつものことだが,若い記者ほどこうした変化を容易に受け入れているようだ。

 そして,最後のQ&Aは次の通り。
EW: Overall, do you think that online-first publishing will improve or harm journalism?

HS: There are both great possibilities and dangers for journalism. But I'm an optimist, so I think improvement will outweigh harm.

 要するに,危険も伴うが,デジタルジャーナリズムの道を優先せざる得ないと言うことか。

◇文献
“Web-first” publishing at the Guardian: balancing between speed and quality(Editors Weblog)
英Guardianの決意,ニュースの第一報は新聞紙ではなくてWebで(メディア・パブ)
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2006年11月24日

米新聞社の広告売上高,ネット広告を加えてもマイナス成長に

 米新聞社の第3四半期の総広告売上高が,118億ドルと前年同期比1.5%減になった。自動車広告と求人案内広告の落ち込みが響いた。

 NAA(the Newspaper Association of America)は,2004年からオンライン広告も含む形の広告売上高を発表してきたが,初めてマイナス成長に転じた。好景気に支えられて,最近は何とかプラス成長を維持してきたのだが,これから再びプラス成長に復帰できるかどうか,かなり厳しくなりそうだ。

 新聞紙広告が111億ドルと前年同期に比べ2.6%も減ってしまった。その落ち込み分を好調のオンライン広告では補えなかったことになる。オンライン広告は10期連続の2桁成長を続け,今期も23%増の6億3800万ドルと好調にもかかわらずだ。つまり,オンライン広告売上が総広告売上のわずか6%しか占めていないため,オンライン広告が少々頑張っても,プラス成長に持っていけないのである。

 このままでは,新聞社の広告売上高がズルズル減り続けてしまう。そこで,先週のエントリーでも紹介したように,米新聞社各社は,広告事業でGoogleやYahooと組むことになった。

◇参考
U.S. newspaper third-quarter ad revenue falls(Reuters.com)
米新聞社,こぞってYahooやGoogleと広告事業で提携へ(メディア・パブ)
タグ:新聞 広告

posted by Kilimanjaro at 08:08 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2006年11月18日

津波警報の緊急ニュース,気になるWebニュースの遅さ

 地震や津波などの緊急ニュースを,オンラインメディアが本当に素早く伝えてくれているのだろうか。2006年11月15日の夜,ネットに接続しながらTV番組を視聴していた時に,千島列島地震の津波警報が飛び込んできた。これこそ一刻も早く知らせるべき緊急ニュースなので,Webのニュースサイトがどのように伝えていくかを追跡してみた。

 15日の夜はたまたま,サッカー試合「日本対サウジアラビア」戦のテレビ放送を観戦していた時だった。ところが20時30分ころに突然,試合中継が遮断され,津波警報の画面に切り替わってしまった。その後しばらく,津波到達海岸線の地図を背景に津波警報が繰り返し流され続けたのである。非常に緊急性の高いニュースであったからだ。

 このような緊急度の高いニュースなら,速報性を誇るWebのニュースサイトは,早々と伝えているはずと思ったのだが。20時38分前後に幾つかのニュースサイトをチェックしてみた。見回った範囲では,どこも津波に関するニュースは掲載されていなかったのだ(見落としがあるかもしれない)。最初に津波警報ニュースと出会ったサイトは,Yahooニュースであった。テレビが警報を流してから,はぼ10分後である。

 新聞社サイトは,Yahooニュースよりもさらに遅かったのではなかろうか。朝日,読売,日経の大手ニュースサイトでは20時40分過ぎである。さらに,システムでニュースを集めているニュースアグリゲーターはさらに遅くなる。Google Newsは21時過ぎであった。新聞社系ニュースサイトの記事を収集しているのだから,遅くなるのは当然である。

 実は,気象庁のサイトでは,20時29分の津波予報と20時30分の津波到達予想時刻情報などを,ホープページ上で発表と同時に掲載していた。おそらく,気象庁とTV局とは緊急連絡システムが整備されていて,津波警報などは発表と同時TV放送されるようになっているのだろう。Yahooニュースは,20時40分少し前に気象庁の発表を伝えていた。特に,津波到達予想時刻・予想される津波の高さに関する情報の一覧表(気象庁作成の表)が役に立った。TV放送では,知りたい特定地域の津波情報がすぐには得られなかったりするからだ。

 昔と違って,人々のメディア接触の在り方が変わってきている。TV放送離れが進みインターネット接触時間が増えているのだから,主要ニュースサイトでも,地震や津波などの緊急ニュースをいち早く伝える態勢が必要では。

 以下に,当日の主な経緯とWebニュースサイトの津波ニュース例を示す。

2006年11月15日の地震発生から津波ニュース報道の経緯
20時15分:千島列島で地震

20時29分:気象庁が津波予報を発表(ホームページに掲載)

20時30分:気象庁が津波情報(津波到達予想時刻・予想される津波の高さに関する情報)を発表

20時30分〜:TV各局が一斉に津波警報を放送

20時39分?:Yahooニュース(トップ)が速報。天気情報ページで津波情報一覧表(津波到達予想時刻・予想される津波の高さ)を掲載

20時41分〜:新聞社サイトで津波警報ニュースの第一報を掲載

21時? :Googleニュースで新聞社サイトの津波ニュースの見出し(リンク付き)を掲載



Webニュースサイトでの津波ニュースの掲載例Yahooニュース(スナップショット時刻:20時39分前後)
YAHOO news061115.JPG

Yahooニュース/天気情報(スナップショット時刻:20時39分前後)
Yahoo????????061115.JPG

asahi.com(スナップショット時刻:20時42分前後)
asahi061115.JPG

NIKKEI.NET(スナップショット時刻:20時50分前後)
????061115.JPG


Google News(スナップショット時刻:21時15分前後)
Google News061115.JPG
posted by Kilimanjaro at 14:09 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2006年11月10日

ニュースアグリゲーターの速報性,ソーシャル系DiggがGoogle Newsに圧勝

 ニュース・アグリゲーター・サイトが,大ニュースをどれくらいの早さで掲載しているのだろうか。ラムズフェルド国防長官の辞任発表ニュースは,格好のテストケースであった。

 米国防長官の辞任ニュース記事がWebにアップされてから何分後に,主要ニュースアグリゲーターに掲載されたかを,ブログThe Mu Life が報告している。それによると,Diggは2〜3分後に,Redditが5分後に掲載していたのに,Google Newsは20分後であった。これは興味深い結果だ。DiggやRedditのようなソーシャル系のニュースサイトでは,ユーザーから通知があったニュース記事を掲載する。一方,Google Newsのようなシステム(機械)依存型のニュースサイトでは,巡回収集したニュース記事を掲載している。定期的に機械で収集よりも,多くの人が競って通知するほうが,早いと言うことか。

 今回の辞任ニュースを掲載したニュースアグリゲーターの画面は,The Mu Life で。


◇参考
Why Socially Driven News is Better(The Mu Life ):Steve Rubel のMicro Persuasion経由)
posted by Kilimanjaro at 08:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2006年11月04日

韓国OhmyNews,今年は赤字転落か

  韓国OhmyNewsが今年にも赤字に転落しそうだとBusinessWeekが伝えている。 OhmyNewsは市民参加型新聞のパイオニア的存在である。この数年,わずかながら利益を出してきていたが,今年は赤字が避けられないようだ。

  OhmyNewsは2000年に生まれ,現在は90人の専任スタッフ(そのうち65人がジャーナリスト)と4万4000人の市民記者を擁している。今年の売上高は600万ドルの予定。

  どうも市民参加型新聞が曲がり角を迎えているようだ。市民ジャーナリズムの伝道師Dan Gillmorも,市民参加型新聞が商業的に成立しにくいことを認めている。日本語版オーマイニュースも今年8月末にスタートしたが,BusinessWeekの記事によると,
Its Japanese-language version, the first joint venture overseas together with Softbank, hasn't really made any impact so far since its launch just two months ago.
と,現在は苦戦気味で,成功するかは不透明である。

  OhmyNewsが誕生した2000年頃と違って,今ではブログやSNSの普及でユーザー(市民)自身が手軽に発信できるようになっており,さらにブログネットワークや参加型ニュースアグリゲーターが商業的にも成り立ってきている。ジャーナリストが編集権を握った形の市民参加型新聞が,勢いを失ってきたのも仕方がないのかも。そこで,OhmyNewsも編集プロセスの見直しを迫られており,市民記者への編集権の一部委譲を検討しているという。

◇参考
OhmyNews' Oh My Biz Problem(BusinessWeek.com)
低迷気味のOhmyNew,復活するのか(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 01:39 | Comment(0) | TrackBack(2) | 新聞 ニュース
2006年10月30日

2008年にも実現する電子新聞の姿とは


PlasticLogic's paper solution

















 上のような,電子新聞が2008年にも登場しそうだ。英Plastic Logicが解像度が150ppi(pixel per inch)の 10インチ・電子新聞用ディスプレーを,先週ドイツ・フランクフルトで開かれた2nd Plastic Electronics Conferenceで公開した。これまでの同社のプラスティック・アクティブ・マトリックス・ディスプレーの解像度が100ppiであったのを,今回は150ppiに高めた(サンプルはこちら)。

 デモのビデオの中で主張しているように,柔軟に曲げられ,軽く,頑丈で,低消費電力を実現できることを売り物にしている。画像を変更する間しか電力を消費しないので消費電力が少なくすむ。2008年までに量産できると売り込んでいる。

  電子ペーパー(新聞)や電子ブックを待望する声は以前から絶えない。電子ペーパーや電子ブックを開発する人の多くは,紙媒体の良さを継承するというか,紙媒体に近づけることに力を入れている。ペラペラめくりができるとか,紙媒体に近いレイアウトで読めるようにすることである。確かに,これまでの新聞や書籍に馴染んでいる中高年読者たちにとっても,そうしたニーズがあるかもしれない。また,紙媒体の配達に時間を要する海外や僻地の読者も有り難く思うかもしれない。

 だが,今の新聞紙コンテンツを一方的に電子新聞で提供しても,新聞離れが進む若年層を取り込むことは難しい。それどころか,中高年層も購読料を払ってまで,新聞紙コンテンツをベースにした電子新聞を読まないかもしれない。

 それよりも,一部の米新聞社サイトが始めているWeb2.0的編集の記事を,こうしたディスプレー付き携帯装置で読みたいのだが。無線LAN(or3.5G移動通信)付きで重量が500グラム以下であれば,嬉しいのだが。


◇参考
British boffins demo 150dpi bendy display(Reg Hardware)
Talking ‘Bout a Digital Paper Revolution (Sounds Un-like a Printer)(Web 2.0 Newspapers)
Plastic Logic to show high resolution flexible active-matrix display at Plastic Electronics 2006(プレスリリース)
世界初!電子ペーパー新聞、仏経済紙が08年発行計画(YOMIURI ONLINE)
Why do we need flexible displays? Because they are thin, light and robust.(ビデオ, Plastic Logic Limited )
・プラスティック製大型アクティブマトリックスディスプレーをPlastic Logic 社が製作(プレスリリース)
posted by Kilimanjaro at 08:22 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2006年10月28日

ダウ・ジョーンズ,ネット事業強化のため地方新聞6紙を売却

 米Dow Jones & Company は, 地方新聞6紙をCommunity Newspaper Holdings, Incに2億8250万ドルで売却することになった。売却で得たキャッシュは,オンラインデータベース会社FactivaのReuters持ち分株の購入に充てる。Dow Jones も,紙からネットへのシフトを加速化させる。

 売却するコミュニティー新聞は次の通り。
・the News-Times of Danbury, Conn.;
・The Daily Star of Oneonta, N.Y.;
・the Press-Republican of Plattsburgh, N.Y.;
・the Santa Cruz Sentinel (Santa Cruz, Calif.);
・The Daily Item of Sunbury, Pa.;
・the Traverse City Record-Eagle (Traverse City, Mich.).

◇参考
Dow Jones Agrees to Sell Six Local Newspapers for $282.5 million(プレスリリース)
FactivaがDow Jonesの完全子会社に,DJがReuters株を買い取る(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 10:40 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2006年10月26日

GE元会長ジャック・ウェルチ,危機に瀕するボストングローブ紙に救いの手を

  New York Times Co.傘下のthe Boston Globeが業績悪化で危機に瀕している。売却の声も高まっている。

  そのBoston Globeの買い取りに,GE元会長兼CEOであるジャック・ウェルチ(Jack Welch)が乗り出した。広告マンのJack Connorsと共に,買収に動き出していることを,何とBoston Globeのサイトが報じている。NYT社は売却話がないと言っているのに,Boston Globeの記者が同紙サイトでこのような記事を書いて,大丈夫なのかな・・・。

  ともかく米新聞社の経営は追いつめられている。かなり前になるのだが,著名なITコンサルティングであり評論家でもあるエスター・ダイソン(Esther Dyson)が,新聞ジャーナリズムを維持するにはパトロンが付かないと,やっていけないと語っていた。Jack Welchはボストン生まれなそうだが,さて,故郷の地元紙を救うパトロンになるのだろうか。


◇参考
Local group may bid for Globe(The Boston Globe)
Jack Welch may bid for Boston Globe(Lost Remote)
ニューヨークタイムズ,新聞広告の落ち込みをネット広告では補えず(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2006年10月23日

ニューヨークタイムズ,新聞広告の落ち込みをネット広告では補えず

 好転の兆しが見えない米新聞業界。米新聞の代表選手でもあるNew York Times Co.も苦戦を強いられている。相変わらず,新聞紙広告が下降線を辿っているからだ。

 第3四半期(7月-9月)決算によると,NYT社の売上高は7億3960万ドルと前年同期比2.4%減となった。アナリストの予測に比べても大幅に下回る結果である。特に広告売上高が同4.2%減と足を引っ張った。純利益は,人員削減のリストラ費用を計上したことも重なり,前年同期比39.2%減の1400万ドルに落ち込んだ。


表1. New York Times Co.の2006年3Q決算
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表2. About.comの2006年3Q決算
NYT 063Q??Κ@b.JPG

 プリント(新聞)事業は広告の伸び悩みで不振が続いているが,オンライン事業は売上,利益とも急成長しており,これからの牽引役の役割を果たす。こうした会社側のコメントは,このところの決まり文句になっている。

 確かに,オンライン事業は元気がよい。買収したAbout.comも貢献度を高めている。About.comの第3四半期売上高は同29.3%増の1830万ドルに,営業利益も昨年の380万ドルから670万ドルに跳ね上がった。またインターネット関連の総売上高を見ると,昨年同期の5050万ドルから今年は6280万ドルに増えている。

 ただし,インターネット関連売上高の規模がまだ小さい。新聞の広告/販売売上の落ち込みを補えていないのが現状である。そこでお荷物になってきたthe Boston Globeを売却するのではとの噂さが広がっている。同社は,売却話を否定しているが・・・。



◇参考
The New York Times Company Reports 2006 Third-Quarter Results(プレスリリース)
The New York Times Company Reports September Revenues(プレスリリース)
Boston Globe Doesn't Deliver For the Times(WSJ.com)
posted by Kilimanjaro at 07:52 | Comment(0) | TrackBack(1) | 新聞 ニュース
2006年10月21日

FactivaがDow Jonesの完全子会社に,DJがReuters株を買い取る

 大手ビジネスDBのFactivaが,Dow Jonesの100%子会社になる。同社は,Dow JonesとReuters Company両社が半額出資して設立されたデータベース・サービス会社であったが, このほどReuters分の株全てを,Dow Jonesが買い取ることになった。

 Dow Jonesは今年2月の組織改編で,次のように顧客別の3部門に変えていた。
・Consumer Media ,
・Enterprise Media,
・Community Media
旗艦媒体であるWSJ(Wall Street Journal)紙部隊とWeb部隊(WSJ.com)は同じConsumer Media部門 に属している。Dow Jones Newswiresなどの法人向けオンラインサービスがEnterprise Media部門に属していたが,そのEnterprise Media部門にFactivaが編入することになる。

 やはりDow Jonesも,オンラインビジネスに軸足を移していこうとしているのだろう。


◇参考
Dow Jones to Purchase Reuters' Interest in Factiva(dowjones.com :プレスリリース)
ビジネスDB最大手のFactiva,2005年は順調に推移(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 21:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース
2006年10月16日

米ワシントンポスト,競合ニュースサイト記事へのリンク張りを実施

 米国の新聞社サイトは最近,開放路線に舵を切り替えはじめている。自社サイトで読者を閉じ込めるのでなくて,読者ニーズに応えて外部コンテンツも並行して閲読できる仕組みを用意しようとしているのだ。たとえば,自社サイトの各ニュース記事に,その記事内容と関連性の高い外部記事へリンクを張ったりすることである。リンク先の外部記事には,ブログもあるし,競合サイトのニュースなども含まれる。

 こうした新聞社サイトの開放化を支援するニュースアグリゲーターInformが登場している。この話は,以前のエントリーで紹介した。既に米地方紙サイトの幾つかが,Informのサービスを利用して,外部の関連情報へのリンク張りを実施している。実は,今秋から,Washington Post(ワシントンポスト)のサイト(washingtonpost.com )も,Informのサービスを採用することになっていた。有力新聞社が,本格的な開放路線にどのように踏み出すかを注目していた。そこで昨日,washingtonpost.com に飛んでみた。すると同サイトでも,もうInformのサービスが始まっていた。

 具体例で見ていこう。“N. Korean Nuclear Conflict Has Deep Roots” という見出しの,北朝鮮の核実験関連ニュースが掲載されていた。以下は,そのニュースページの一部である。記事の見出し部分と記事本文後の囲み枠部分を切り出して表示した。

WashingtonPost061015a.JPG

 本文後の枠内にあるテキストRelated Topics & Web Contentをクリックすると,同ニュースと関連のある情報についての案内ページRelated: N. Korean Nuclear Conflict Has Deep Roots に辿り着く。以下は,そのページの一部である(クリックで拡大表示)。

WashingtopPost061015b.JPG

 右側には,“N. Korean Nuclear Conflict Has Deep Roots”と関連のあるコンテンツ(Web記事やブログ,動画,音声)へのリンクが,

Related Articles On The Web
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の項目に分けて,張られている。これらの情報はいずれも,Informが提供している。Related Articles On The Webには,競合している新聞社サイトのニュース記事へのリンクも掲載されている。

 ただし,外部コンテンツへのリンクを,ニュース本文のページから直接,張ることは行っていない。1クッション置いて関連案内ページ経由で張るようにしてしている。だが,他社サイト記事の見出しとリンクを満載している関連案内ページに,広告を掲載している点は見逃せない。

◇参考
新聞社系ニュースサイトをWeb2.0風に変身させる試み(メディア・パブ)
Newspapers to Use Links to Rivals on Web Sites (NYTimes.com)
posted by Kilimanjaro at 08:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | 新聞 ニュース

参加型ニュースサイトも一極集中へ

 SNSのMySpace,動画共有サイトのYouTube,ソーシャルブックマーキングサービスのdel.icio.us と,CGMとかソーシャルメディアとか呼ばれる分野では,一極集中になびく傾向が強い。同じように参加型ニュースサイトも,Diggが独走しそうだ。

 ブログRead/WriteWebが,ソーシャルニュースサイトである参加型ニュースサイトについて,Digg, Netscape, Newsvine, Redditの4サイトを取り上げて,比較検討を行った。同ブログでは,Alexaのデータを参考にしながら,4サイトのユーザー数を次のように推測している。

Digg:32万5000人
Netscape:5万5000人(推測)
Newsvine:6万人
Reddit3万2500人(推測)
 
 Diggの圧倒的強さが目立つ。Alexaデータによるリーチ数でもDiggは圧勝しており,次のようになる(クリックで拡大表示)。
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 Netscapeは今年6月に参加型ニュースサイトに衣替えして再出発したが,上のグラフを見る限りにおいては,惨敗である。Diggはニュースの推薦者(投稿者)となる常連を多く抱え,また投票者(diggする者)数でも大きくリードしている。投稿者数と投票者数の多さが,参加型ニュースサイトの質に反映するだけに,米国では,Diggの独走がしばらく続きそうだ。


メモ:
Jakob Nielsen's Alertboxの12006年10月9日付け記事“Participation Inequality: Encouraging More Users to Contribute”がおもしろい。

ユーザー参加サービスには,90-9-1に近いルールが存在する。
・90% of users are lurkers (i.e., read or observe, but don't contribute).
・9% of users contribute from time to time, but other priorities dominate their time.
・1% of users participate a lot and account for most contributions: it can seem as if they don't have lives because they often post just minutes after whatever event they're commenting on occurs.

Diggが90-9-1ルールに従うとすると,
90%のユーザーは,閲覧するだけで,直接的に貢献しない。
9%のユーザーは投票(digg)する。
1%のユーザーは投稿する。

となるのかも。

◇参考
The Social News Faceoff (Read/WriteWeb)
Diggがスポーツ分野にも進出,参加型ニュースサイトも1強多弱か(メディア・パブ)
打倒Diggのポータル・ニュースサイト,AOLがNetscape ブランドで開設(メディア・パブ)
参加型ニュースサイト“Digg”が大手新聞社サイトを抜き去る日(メディア・パブ)
posted by Kilimanjaro at 07:37 | Comment(1) | TrackBack(4) | 新聞 ニュース
2006年10月07日

GoogleのYoutube買収を巡る報道,ブログとマスメディアが協調を

 GoogleのYoutube買収がツメの段階に入ったとするニュースを巡って,ブログだけではなくてマスメディアも加わって,大騒ぎになっている。

 YouTube買収話は以前から燻っていた。このニュースの口火を切ったのが,今や旬のブログTechCrunchであった。昨日のエントリーで紹介したように,TechCrunchはうわさ話として買収過程を伝えたのだ。

 これを受けて,ブログやCnetなどの専門サイトを始め,マスメディアも報道を開始した。中でも, Wall Street Journal(WSJ.com)が報じたことが,報道合戦に火を付けた。

 ここで興味深いのが,ブログとマスメディアの関係である。 特に注目したいのは,WSJ.comが記事の中でTechCrunchのうわさ話の件も参照していたことだ。次いでそのWSJ.com報道の後追い記事が,CNNMoney.com(Business2.0,Fortune)やAPやAFPの通信社のニュース,それにpaidContent.orgなどのブログに,一斉に登場してきた。それらの記事で見逃せないのが,参考ソースとしてWSJ.comだけではなくてTechCrunchの名もあげていることである。

 さらに言い出しっぺのTechCrunch自身までが,そのWSJ.comの記事を受けて,WSJが新たに取材し報道していることを伝えた。このように,米国では,ブログとマスメディアとが補完し協調し合う関係が生まれつつあるようだ。

 少し前まで,大手新聞系サイトにはブログを見下す習性が残っていた。例としては,1年ほど前のWSJの行動を思い出す。WSJ.comがあるブログのスクープを参考にした記事を,ブログに対するクレジットなしで報道したことがあった。そこでブロガーがWSJに抗議したのだが,WSJが無視し続けた。このような場合,ほとんどの読者はそのスクープをWSJ発と捉え,ブログのコンテンツはWSJの記事を参考にしたものと見なすものだ。そのブロガーは,WSJが過去にも同じように,クレジットなしに自分のブログの記事を引用していたと,厳しく非難を続けた。そして,最終的には,WSJはブロガーに謝り,そのスクープ記事を書き直し,そのブログのクレジットを入れるに至った(これらの経緯は,このエントリーを参照)。

 その教訓を踏まえてだろう,今回のWSJ.comの記事では,TechCrunchが第一報を伝えていたことを紹介しているのである。もし,TechCrunchの件が載っていないと,WSJの単独スクープと見なされたかもしれない。WSJ.comの記事を参照したマスメディアも多くが,TechCrunchの件を触れていた。どうも,マスメディアとブログの間で,暗黙のルールが生まれつつあるようだ。新聞社系サイトのパーソナライズドページなどでブログを推薦していることからも明らかなように,米国のマスメディアは,ブログを立派なメディアとして扱い始めていると言える。それだけ,米国には質の高いブログが多いと言うことだが。


 TechCrunchから始まって,今回のGoogle/YouTubeニュースが,どのようにマスメディアやブログに伝播していったかを,ほぼ時系列で示すと,次のようになる。

TechCrunch:
Completely Unsubstantiated Google/YouTube Rumor

CNET:
Google to buy YouTube? 
Google is currently in talks to snatch up YouTube for $1.6 billion, TechCrunch is reporting. The blog's source says discussions are taking place and there is still a possibility the deal may not go through.

WSJ.com:
Google in Talks To Buy YouTube For $1.6 Billion 
A YouTube spokeswoman and a Google spokesman said they don't comment on "rumors and speculation." Rumors of such talks were reported on the TechCrunch blog.

CNNMoney.com(Business2.0,Fortune):
Is Google buying YouTube? 
Is Google about to gobble up YouTube for a whopping $1.6 billion? What started as a completely unsubstantiated rumor courtesy of TechCrunch today took on a whole lot more credence when the WSJ.com, citing an anonymous source, came out with report stating that the courtship is on.

AP:
Google said in talks to buy YouTube   
The Wall Street Journal and The New York Times reported on their Web sites Friday, citing unnamed people familiar with the negotiations.
 The blog TechCrunch had reported on rumors of the acquisition talks. Google and YouTube officials declined comment

AFP:
Google in talks to buy YouTube for 1.6 billion dollars  
The young website was in the spotlight as the result of a Wall Street Journal report citing an inside source as saying Google was courting YouTube to the tune of 1.6 billion dollars.
 The report reinforced rumour that circulated in financial markets and the weblogs of high-tech industry watchers.
 On the TechCrunch weblog, Michael Arrington claimed to have received an e-mail from "a very good source" indicating that Google's acquisition of YouTube was in its final stages.

paidContent.org:
Speculative Report: Google In Talks With YouTube; Google Beds New Projects
So says a WSJ report, building on an earlier rumor on TechCrunch:

TechCrunch:
WSJ reports Google and YouTube are in acquisition talks




◇参考
Completely Unsubstantiated Google/YouTube Rumor(Techcrunch)
Google in Talks To Buy YouTube For $1.6 Billion(WSJ.com)
GoogleがYouTubeを買収,TechCrunchが確証のないうわさ話として報じる(メディア・パブ)
新聞社がブロガーに謝るとき(メディア・パブ)
タグ:google YouTube

posted by Kilimanjaro at 18:13 | Comment(1) | TrackBack(5) | 新聞 ニュース
2006年09月22日

新聞社系ニュースアグリゲーターTopix.net,なぜ訪問者が急増しているのか

  新聞社系ニュースアグリゲーターのTopix.netが勢いづいている。最近の1ヶ月間を見ても,ニュースサイト訪問数のシェアが前月比24%も増えたと,Hitwiseが発表した。

 以下のグラフは,ニュースサイト市場における同サイトの訪問数シェアの推移である(Hitwiseデータ)期間は2006年2月11日から2006年9月9日までである。

topxnetno.JPG
(ソース:Hitwise)

 なぜ,こんなにシェアを拡大させているのか。今風の流行語で言えば,News2.0(Web2.0)的なサービスを次々と仕掛けてきたからであろう。

例えば,
・選別ブログの収集
・トピック対応のフォーラムの設置
・無料クラシファイド広告の実施
・全米各地のフォーラム活動マップの掲載
・過去1年分の記事検索
・"interactive click-o-gram," の実施

などのサービスである。

 新聞社系サイトとは思えない挑戦である。まるで,若いWeb2.0世代の人たちが考えそうなサービスである。

 それもそのはず,Topix.netは最初は新聞社系のサイトではなかった。一方で新聞社はGoogle Newsのようなニュースアグリゲーターを煙たい存在と敵対視していた。それが突然,2005年3月に,Tribune, Gannett, Knight Ridderの3大手新聞社グループがTopix.netの株75%を取得し,新聞社グループ傘下のサイトにしてしまったのだ。

 だが,新聞社グループの傘下に入って以降も,Topix.netはWeb2.0的な機能を次々と仕掛けてきたのである。おそらく,新聞社サイトがやりづらいことを,Topix.netで挑戦させていたのかもしれない。

 最近1ヶ月のシェア急拡大も,"interactive click-o-gram," (過去1年間の検索結果数を時系列で示した柱状グラフ)効果と,Hitwiseは分析している。8月14日のエントリーでも紹介したように,おもしろいサービスである。

◇参考
Topix.net Vists up 24% in Past Month(Hitwise US)
Topix.netの検索エンジン,過去1年分のアーカイブが検索対象に(メディア・パブ)
ニュースアグリゲーターのTopix.net,この1年間で利用者が2.3倍に(メディア・パブ)
新聞社系ニュースアグリゲーターTopix.net,無料のクラシファイド広告を開始(メディア・パブ)
新聞社傘下のニュースアグリゲーターTopix.net,CGMコンテンツを拡充(メディア・パブ)
ニュースアグリゲーターTopix.net,全米各地のフォーラム活動マップを掲載(メディア・パブ)
ニュースアグリゲーターのTopix,参加型アーキテクチャを採用(メディア・パブ)
ニュースアグリゲーターの米Topix,1万5000ブログを収集ソースに追加(メディア・パブ)
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2006年09月02日

LA Timesのサイト,自社ブランドRSSリーダーの本サービスを開始

 LA Timesのサイト(latimes.com)が,自社ブランドのRSSリーダー“Los Angeles Times NewsPoint ”の提供を正式に始めた。同サイトでは,昨年の初め頃から,RSSリーダーサービスのテストを進めていた。NYTimesやWSJの主要新聞社サイトが次々とパーソナライズド・ページ・サービスを始めたこともあって,LA Timesは自社ブランドのRSSリーダーで対抗することになった。

 英Guardianと同様,RSSリーダーにはConsenda社(http://www.consenda.com/)のnewspointをカスタマイズした形で利用する。このため,英GuardianブランドのRSSリーダー“Guardian NewsPoint”と“Los Angeles Times NewsPoint ”とは,ユーザーインタフェースや機能はほぼ同じである(“Guardian NewsPoint”については,こちらを参照)。

 LA Timesは,新聞紙の発行部数や広告売上が減る一方なので,オンライン事業に活路を求めざるえない。latimes.comを訪問するユニークユーザー数が月間520万人に達しているものの,経営状況は相変わらず厳しい。


◇参考
Latimes.com Introduces New RSS Service(プレスリリース)
新聞社サイトが変身の兆し,RSSニュースリーダー提供に踏み込む(メディア・パブ)
英新聞社Guardian,自社ブランドRSSリーダーの配布を開始(メディア・パブ)
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2006年08月22日

ジョーク満載のOnionサイト,近くビデオサービスを開始へ

ジョーク満載の新聞として人気の高いthe Onion。そのthe OnionのWebサイトTheOnion.com が,ビデオコーナーを準備中という。

 このニュースはMediaPostなどが伝えている。Onionが提供するビデオだから,風刺の効いた面白いビデオサービスに違いないと,期待が高まっているようだ。

 Onionはジョークが売り物。だが,ジョークをジョークとして流せないホワイトハウスや中国の新聞などと衝突することもある。また,この注目のOnionの買収に,Viacomが関心を示しているとの噂が先月あたりから飛び交っている。

*the Onionのデータ
・新聞の発行部数:55万部
・Webサイトの月間ユニーク訪問者数:320万人,月間ページビュー2700万ページ

◇参考
TheOnion.com Planning Online Video Effort(MarketingVOX)
TheOnion.com Readies Web Video(MediaPost Publications )
Onion Media Kit 2006(print)
Onion Media Kit 2006(online)
MEDIA TALK; Protecting the Presidential Seal. No Joke.(NYTimes)
情報判断力(On Off and Beyond)
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2006年08月14日

Topix.netの検索エンジン,過去1年分のアーカイブが検索対象に

ニュースアグリゲーターのTopix.netは,過去1年分のニュースアーカイブを対象とした検索サービスを始めた。つまり,過去1年間のニュース記事とかブログを,ニュースアグリゲーター・サイトでまとめて検索できることになる。

 同じニュースアグリゲーターのGoogle NewsやYahoo Newsでは,過去数週間のニュース記事しか検索できないという。 このため,これまでちょっと古いニュース記事を閲覧する時には,Lexis-Nexis や Factiva のような有料の商用データベースを利用するか,メディアのニュースサイトのアーカイブを個別に検索しなければならなかった。また最近では,Googleのような汎用Web検索でも,特定のニュースサイトだけのようだが,古い記事を検索できるようになってきている。

 今回の検索サービスでは,新たに"interactive click-o-gram," が加わった点も興味深い。これは,過去1年間の検索結果数を時系列で示した柱状グラフである。特定の日を指定すると,その日を含む以前のニュース記事やブログを対象に検索してくれる。検索対象をニュース記事だけとか,ブログだけに絞ることも可能である。


 下の例は,実際に,"tokyo"を入力して検索した結果である。

topix news search.JPG

  次に,グラフで8ヶ月ほど前の1月24日を指定してみた。すると,その日を含む以前のニュース記事やブログエントリーが検索結果として得られた。検索結果の記事やブログは,見出しと本文の一部(キーワードを含む文)が表示される。

  試したのは短い時間で正確ではないかもしれないが,使ってみた印象は次の通り。ニュースサイトの記事や選別ブログのエントリーを1年前まで遡って検索できるのは魅力である。だが,検索されたブログは全文読めても,メディアサイトのニュース記事は全文を必ずしも読めるわけではなかった。全文が読めるニュース記事は,Yahoo(一部の通信社のニュース)やKorea Times,新華社などと限られるようだ。また,NYTimesやwashingtonpost.comなどの記事は余り検索されていなかったのも残念だった。

 それから,Google NewsやGoogle Searchとの比較も,ちょっとばかり試してみた。NYTimes.comに掲載されていた小泉首相関連の記事2本を取り上げた。その2本は次の記事である。

・7月1日付けのOP-ED COLUM:“Velvet Elvis Diplomacy”
・6月21日付けニュース記事:“Japan to Pull Ground Troops Out of Iraq, Koizumi Says”

 上の2本の記事は,NYTimes.comの検索エンジンで検索されたが,残念ながら,Topx.netやGoogle Newsでは検索されなかった。だが驚くことに,Google Searchでは,インデックス化されていて検索結果に現れたのだ(“Velvet Elvis Diplomacy”“Japan to Pull Ground Troops Out of Iraq, Koizumi Says”)。1本目の記事は有料コンテンツであるが,2本目はNYTimes.comで全文が閲読できた。Google Searchで検索できたのは,NYTimes.comがSEO対策として,ニュースアーカイブの過去記事も検索対象になるように手を加えたためかもしれない。
 
 今回,ニュースアグリゲーターとして,Topix.netが先頭を切って,1年前までの過去記事の検索を始めた。まだ不十分であるが,他のニュースアグリゲーターも追従することになろう。思惑通り,集客力が増し,検索連動型広告の売上が伸びるかどうか。



◇参考
Biggest Index, Most Sources, Best News Search Our Dial Goes to 11(Topix.net Weblog)
Topix.net expands news archive(Reuters.com)
WashingtonPost.com ,記事の無料閲覧期間を60日間に延長へ(メディア・パブ)
NYTimesのサイト, ブランド依存から脱却し検索エンジン対策も(メディア・パブ)
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2006年08月08日

WSJやUSA Todayも,パーソナライズドページを立ち上げ

  NYTimes.comに続いて,WSJ(Wall Street Jounal)とUSA Todayもパーソナライズド・ページ・サービスを開始した。米国の有力新聞社サイトが揃って,パーソナライズド・ページを始めたことになる。

  先日のエントリーでも紹介したように,米国の新聞社サイトはWeb2.0風に開放路線に乗り換え始めている。自社サイト内に読者を閉じ込めるのではなくて,読者のニーズに応じて競合サイトにも誘導するようになってきた。パーソナライズド・ページ・サービスもその開放路線に沿ったものである。ユーザーは競合サイトのコンテンツ(見出しと要約)もパーソナライズド・ページに取り込むことができるのだ。また任意のRSSフィードも取り込むことも可能だ。つまり,RSSリーダー機能も備えている。  

  WSJのパーソナライズド・ページは有料読者しか利用できないので,残念ながら閲覧できなかった。Flickrに掲載されているページ写真で概要をつかんで欲しい。

  USA Todayは,次の7種類のパーソナライズド・ページを用意した。
My News
My Travel
My Money
My Sports
My Life
My Tech
My Weather

 以下はMy Newsのページである。NYTimesやWashington Postなどの競合サイトのコンテンツ(見出しと要約)をワンクリックで登録できる。ここではNYTimesを登録してみた。驚くことに,NYTimesの記事が並んでいるページに,広告を掲載されているのである。敵のコンテンツを掲載しているページで,広告ビジネスをやるなんて,ちょっと前まで許せなかったはずだが。
 
(クリックで拡大表示)
My usa today0608.JPG

次は,My TravelのページでUSA Todayが推薦しているサイト一覧である。競合するNYTimes TravelやLATimes Travelも出ている。

usa today My Travel0608.JPG

最後に,任意のRSSフィードも取り込める。日常的に閲覧しているニュースサイトやブログのコンテンツも,パーソナライズド・ページに掲載させることができる。

USA Today0608.bmp




◇参考
MyWSJ Launches; Personalized News For Subs Only (paidContent.org)
NYTimes.comのパーソナライズドサービス,競合サイトのコンテンツを取り込める(メディア・パブ)
新聞社系ニュースサイトの救世主?,Yahoo NewsやDiggに対抗する武器を提供(メディア・パブ)
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2006年08月07日

Washington Postの粋な試み,読者参加型ビデオマッシュアップを実施

 Steve Rubelのブログで知ったのだが,WashingtonPost.comがユーザー参加型のビデオ・マッシュアップ・サービスを始めた。

 政治記者Dana Milbankが質問しているビデオが用意されている。複数の質問から構成されている。Milbankの質問に,読者がビデオで応えていく。つまりMilbankの質問ビデオと,読者の応答ビデオをマッシュアップするサービスである。著名な政治記者と読者との間のやりとりが,まとまったビデオになるようなものだ。読者の政治的な主張を伝えるビデオができあがる。

 質問ビデオはこちら
WP mashups0608.JPG

 このやり方はおもしろい。企業の消費者参加型キャンペーンやプロモーションでも応用できそうだ。この手法はWashingtonPostのオリジナルではない。既にRocketboomなどで,同じようなユーザー参加型ビデオマッシュアップは行われていた。


◇参考
Washington Post Plays with Video Mash-ups(Micro Persuasion)
Art and Marketing All Mashed Up(washingtonpost.com)
Video Mash-Up(washingtonpost.com)
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新聞社系ニュースサイトをWeb2.0風に変身させる試み

 先週末のエントリーで,米Informが「新聞社サイトを一気に開放的なサイトに変身させる」サービスを提供していることを伝えた。ここでは,そのInformサービスをいち早く採用したThe OklahomanのNewsOK.com の例を眺めてみる。

 新聞社サイトの適応例の話に入る前に,Informサービスそのものを見ておこう。Informは,Google NewsやTopix.netと同種のニュースアグリゲーターである。ただ,前にも述べたように,Informは主要顧客をメディアサイトに変えてきている。そこでメディアサイトの厳しいニーズに応えるために,従来のニュースアグリゲーターを超えたサービスを開発してきたという。

 クローラで収集するコンテンツは,ニュースサイトのテキストベース記事だけではない。ブログエントリーとか,さらにビデオコンテンツやオーディオコンテンツも収集対象とした。検索エンジンの出来がどうかが決め手になる。同社は,独自のアルゴリズムにより,収集した各コンテンツを解読し,共通のセマンティク要素を抽出している。つまり,検索対象となる各ニュース記事や各ブログについて,topic,industry,organization,person,placeなどが何かを抽出しているのだ。技術的には,meta-taggingというようだ。要するに,タグ付けをコンピューターが自動的にやってくれているのだろう。この結果,同社の検索エンジンを使えば,質の高い関連コンテンツを選び出せると言いたいようだ。

 ここで,そのInformのアグリゲーション(検索)機能を使ったNewsOK.com のサイトを覗いてみよう。“Israeli commandos clash with Hezbollah in northeastern Lebanon, seize five prisoners”というタイトルの8月2日付けニュース記事を取り上げてみた。以下は,このニュース記事の上段部分である。(クリックで拡大表示し,それから通常サイズに拡大)

NEWSOK Aug2.JPG

 まず左欄にある“RELATED CONTENT”では,Oklahomanのアーカイブ内にある関連ニュースの見出し(リンク付き)を掲載している。それに加えて,WWW ARTICLESの表示が出ている。そこをクリックすると,以下のように外部Webサイト上の関連コンテンツを紹介したページが現れる。

NEWSOK Aug2 video audio.JPG

NEWSOK Aug2 www blog.JPG

 このページには,本ニュースと関連の高い,以下のコンテンツが掲載されている。
1)ニュースサイトの関連ニュース記事
2)ブログの関連エントリー
3)関連ビデオコンテンツ
4)関連オーディオコンテンツ

 もちろんInformが提供する情報をもとに編成されている。このページで注目すべき点は,まず競合他社のニュース記事(見出しと要約)も提供されていることだ。この例で取り上げた記事は「イスラエル-レバノン紛争」のニュースであるが,関連ニュース記事としては,西側のメディアのソースだけではなくて,Jakarta Postなどのイスラム圏の記事も紹介していた。もう一つ見逃せない点は,このページに広告も掲載していることである。

 次は,ニュース記事本文の左欄下部のスナップショットである。meta-taggingにより抽出されたタグ(キーワード)が掲載されている。つまり,このニュース記事と関連深いタグである。

NEWSOK Aug2 Tagging.JPG

 特定のタグ(キーワード)をクリックすると,そのタグに関する以下の6種のコンテンツが紹介される。これらは,Informの検索エンジンの結果である。
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 さらに,圧巻というか,やりすぎというか,記事本文からキーワードを抽出し,そのキーワード毎に,上と同じ6種のコンテンツも紹介している。下のスナップショットでは,例えば"Hezbollah"をクリックすると,Hezbollahに関するニュース記事やブログ,ビデオなどが紹介される。キーワードを自動的に抽出して,そのキーワードに関する案内ページに飛ばす手法は,はてなのサイトでお馴染みである。

NEWSOK Aug2 Keyword.JPG


 以上が,OklahomanのNewsOK.comでの適用例である。確かに,これまでの閉鎖的な新聞社サイトとはうってかわって,外部リンク満載の開放的なサイトに変身している。ただし,記事本文にまで多くのリンク情報が存在して,外部リンクだらけで煩わしく感じるユーザーも出てくるかもしれない。また,TechCrunchが批判するように,関連の薄いコンテンツにリンクが張られることもあるようだ。必ずしもリンクが多ければ良いとは限らない。

 これまで新聞社サイトは,リンク先を自社サイト内に限る場合が多かった。記事は,リンク先情報も含めて,責任をもって編集すべきと言う考えである。関連記事へのリンクも,多くは人手でチェックしていた。新聞社サイト側のコントロールがきかない外部サイトに対して,リンクを張ることはご法度であったのだ。リンク先のコンテンツを保証できないし,リンク先コンテンツが消えるかもしれないからである。

 それが,今回のOklahomanのNewsOK.comでは,外部サイトへのリンクが売り物になっているくらいである。それも,外部リンクの選択を,自動的に行うInformのシステムに任せているのだ。Oklahomanの場合は,極端な例かもしれない。だが,新聞社サイトが開放路線を歩み出したことも事実である。こうなると,秋に実施する予定のWashington Postの開放路線がどうなるかが,やはり注目である。


◇参考
新聞社系ニュースサイトの救世主?,Yahoo NewsやDiggに対抗する武器を提供(メディア・パブ)
NewsOK.com: virtually everything from virtually everywhere(NewsOK.com)
Inform Announces New Publisher Services and Initial Customers (Information Today)
Scoop: Inform Reboots to Help Online Newspapers Like Washingtonpost.com Fight Back Against Digg and Google(Business 2.0 Blog)
Newspapers to Use Links to Rivals on Web Sites(NYTimes.com)
Inform.comの最新サービス(TechCrunch Japanese)
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