NASAとしては、これからの宇宙開発予算のためにも、内外の人たちからの熱い支持を獲得しておきたい。その対策として最近では、市民参加型の広報活動としてFacebook 、MySpace、Flickr、Twitter、YouTube、Ustreamなどのソーシャルメディアをフル活用している。
すでに100人をはるかに超えるNASA職員がツイッターでつぶやいている。70万人のフォロワーを抱える@AsteroidWatchのような公式アカウントだけではなくて個人レベルのものもある。ただし、ソーシャルメディアを使う場合は、 “release of government information guidelines” を遵守することになっている。
野口聡一宇宙飛行士のツイッター(@astro_Soichi)もその一つで、昨日(日本時間4月15日)、フォロワー数が20万人を超えた。日本語だけではなくて、世界中の人に向けて英語でつぶやくことも多い。
彼のツイッターの人気が急上昇したのは、ISS(国際宇宙ステーション)から撮った写真へのリンクを付けたつぶやきを連発しているからだ。最近話題になったのが、4月5日の1000回目のつぶやきで添付してきた宇宙のオーロラの写真である。Mashableなどの人気ブログでも紹介されたこともあって、17万5000人もの多くの人が見入った。
次は4月7日のつぶやきに添付した写真である。スペースシャトルが ISSに到着したところである。
また多くの人が楽しみにしているのは、ISSから撮った世界各地の写真である。たとえば、以下は紅海の写真。写真のアーカイブサイトとして「twitpic」を使っている。twitpicでは閲覧者からコメントが寄せられているが、ほとんどが感謝と驚きのメッセージである。
野口さんがこれまで宇宙から送ってきた写真は、twitpic(Astro_Soichi)でコメントと共に見ることができる。おもしろいのは、撮影された場所の住人からのコメントも多いのだが、一方で撮影場所の要望も寄せられている。野口さんがリクエストに応えて、たとえばリオデジャネイロの写真を送ってきたりしている。富士山(Mt. Fuji, JAPAN. On the morning of my 100th day on orbit :-))をはじめ、日本の写真も多い。
Tweetupも実施
ツイッターユーザー同士が集まるTweetupも、NASAは利用し始めている。まずNASAの主要イベントであるスペースシャトルの発射日(09年11月16日)に、100人のツイッターユーザーを招待した。NASAのツイッター@nasaにフォローしている人が応募し、ケネディー・スペース・センターのTweetupに招かれた。選ばれた100人はシャトルの技術者や宇宙飛行士と懇談したり,センターの最前列からシャトルの発射を間近で見学することができた。100人のつぶやきで、シャトルの発射の様子がリアルタイムで広く伝わった。その後も、NASAは地球デーなどの記念イベントに合わせてTweetupを催し、市民の目線を通してNASAの活動を知らせるようにしている。これまでのマスメディアを使った広報活動がマンネリ化しがちなので、ツイッターなどのソーシャルメディアの活用にも力を入れているのだろう。
また、今年の5月14日のスペースシャトル発射に合わせて13日-14日の2日間、ケネディー・スペース・センターで昨年と同様のTweetupを実施することになった。今度は150人を招待する。外人も参加できるはずだから、申し込んでみては。
◇参考
・Twitpics from Space Show Geomagnetic Aurora [PICS](Mashable)
・Connect With NASA on Social Networking Sites(NASA)
・A Look At NASA’s Social Media Program(search engine land)