スマートフォン専用ページを表示

メディア・パブ

オンラインメディアをウオッチ
TOP / RSS配信 ブログ
<< 1 2  3  4  5  6  7  8  9  10  11 >>
2011年10月27日

ブログサービスの主役交代か、新興「Tumblr」が老舗「WordPress」や「Blogger」を追い抜く勢い

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ブログサービスの新興「Tumblr」が、いまや老舗の「WordPress」や「Blogger」を追い抜きそうである。

 マイクロブログやミニブログとして台頭してきたTumblrは、米国を中心に人気急上昇である。手軽に誰もがブログを始められるのが特徴。シンプルなデザインで、書き手にとっても読み手にとっても分かりやすい作りになっている。写真や図、動画をベースに、ちょっとした気のきいた文字コメントを付け加えたTumblerが目に付く。

 そのTumblrの最近のトラフィック状況がCompeteから公表されたので、以下に紹介する。tumblr.com、wordpress.com、blogger.comのブログ3サイトを対象に、過去2年間(2009年9月から2011年9月まで)の月間のユニークビジター数、ビジット(訪問)数、ページビュー数の推移を比較している。米国が対象である。

TumblrCompete201110a.jpg

TumblrCompete201110b.jpg

TumblrCompete201110c.jpg

 明らかに、停滞気味のWordPressやBloggerに対して、Tumblrの勢いが目立つ。ユニークビジター(ユーザー)数では今でもWordPressが抜き出ているが、訪問数ではTumblrがWordPressに追いつき、ページビュー数では完全にTumblrが独走している。Tumblrは一般に手軽なミニ記事が多いため、このような傾向になるのだが、旬のTumblrが最も活気があるともいえそう。それに、旧来のブログに比べ、Tumblrがソーシャルネットワーク的であることも見逃せない。他のTumblrを定期購読/フォローできたりする。このこともページビューや訪問数が増えている要因のようだ。


 Quantcastが測定した、世界のTumblrの月間ユニークユーザー(ビジター)数の1年間の推移も載せておく。

TumblrQuantcast201110.jpg


 このTumblr人気にあやかってオバマ大統領陣営も、来年の大統領選に向けて活用するソーシャルメディアとして、新たにTumblrアカウントを公式に取得し、このほど立ち上げた。

TumblrObama201110.jpg


◇参考
・Tumblr vs. WordPress vs. Blogger: Fight!(compete pulse)
・急成長する「Tumblr」、ビジュアル・マイクロブログ旋風を巻き起こすか(メディア・パブ)



この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 10:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2011年10月10日

フェイスブックよりもツイッター、より多くのトラフィックをブログに誘導

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加

    フェイスブックよりもツイッターが、より多くのトラフィックを呼び込む。経験からも、そうだろうと実感していたが、先月末に発表されたHubspotの測定結果でも、その傾向が見られた。

  今や、ブログやニュースサイトを始め多くのWebサイトでは、各記事をフェイスブックやツイッターで共有してもらうために、それぞれの共有ボタンを配するのが当たり前になってきた。そして、サイトのビジター数やページビュー数が、フェイスブックやツイッターからのトラフィックにますます依存してきているのだ。

  Hubspotは5000ブログを対象に、ソーシャルメディアからのトラフィックによる効果を測定した。注目したいのは、ツイッター(TW)共有だけを施したブログが、フェイスブック(FB)共有だけを施したブログに比べ、63%も多くのページビュー数を獲得したことだ。TW共有のブログは、ソーシャルメディア共有をまったく施してないブログに比べ、117%も多いトラフィックを得ている。またTW共有とFB共有の両方を施したブログは、ソーシャルメディアを無視したブログに比べ、160%も多いページビューを得ている。ともかく、リツイートボタンを置くだけでも、目立った効果が得られるということである。

●ブログ記事当たりの平均ページビュー数
BlogTrafficTwitterFacebook1.jpg


  またTW共有やFB共有を施すことにより、ブログへのインバウンドリンク数も増える。つまりSEOにも対応することになり、検索エンジン経由のトラフィック増に貢献するはずだ。ここでも、TW共有がFB共有よりも、インバウンドリンク数増加に効果的であった。

●ブログ記事当たりの平均インバウンドリンク数
BlogTrafficTwitterFacebook2.jpg


 ソーシャルメディアに対応することにより、ブログへのコメント数も以下のように増えている。 この場合、逆に、FB共有の方がTW共有よりも効果的であった。

●ブログ記事当たりの平均コメント数
BlogTrafficTwitterFacebook3.jpg


◇参考
・Does Twitter or Facebook Drive More Traffic to Your Blog?(jeffbullas.com)

 
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 15:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2010年12月20日

SNS利用が全世代で浸透する一方で、ブログ離れが若年層で進む

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 Pew Internetから出されたレポート「Generations 2010」はおもしろい。世代別にインターネットユーザーが、どのようなネットアクセス環境で、どのようなネットアプリケーションを利用しているかを明らかにしている。米国の調査結果であるが、マーケッターにとって参考になるのでは。

 このレポートでは、次の6段階の世代別にわけて、結果をまとめている。
・Millennials世代 :18〜33歳(1977-1992年生まれ)
・Generation X世代:34〜45歳(1965-1976年生まれ)
・Boomers世代の若手:46〜55歳(1955-1964年生まれ)
・Boomers世代の年配:56〜64歳(1946-1954年生まれ)
・Silent世代   :65〜73歳(1937-1945年生まれ)
・G.I世代    :74歳以上 (〜1936年生まれ)

 最初の表は、いろんなネットサービスについて、各世代のインターネットユーザーの何%が利用しているかを示している。10%刻みで色分けしている。若い人ほど多くのネットサービスを利用しているのは当然だが、世代間のデジタルデバイドが減少する流れにある。表の上部に掲載されているサービスほど多く利用されている。見逃せないのは、どの世代でも、上部に掲載されているサービスの種類が似ていることだ。たとえば、Emailやsearch engines、health information、news and podcasts、product sites、travel sites、banking sitesなどは、若者だけではなくて高齢者にも人気のあるサービスとなってきている。つまり好みのサービスについては、意外なほど世代ギャップがないと言えそう。  

PewInternetService201012b.jpg
PewInternetService201012a.jpg

 比較的新しいサービスと言えるSNSでも、以下のグラフのように高齢者の利用が増えてきている。若年層(33歳以下)にはいきわたりつつあるので伸び率が鈍ってきているのに対し、高齢層では急速に普及している。世代を超えて、SNSが利用され出している。

PEWSNS2010.jpg


 一方でブログの利用で異なった現象が。以下のグラフのように、利用率は中高齢層を中心にまずまずの伸びを見せているが、どういうわけかMillennials世代で減り始めている。マイクロブログ(ツイッター)の台頭のせいかもしれない。

PEWBlog2010a.jpg

 Millennials世代も減っているが、その下の10代(12〜17歳)に限定すると激減している。2006年の28%から2010年には14%に落込んだ。

PewBlog2010b.jpg

 この結果を受けて、Fast Companyの記事見出しは"Why the Kids Don't Blog and Grandma's on Facebook"。子供はブログをやらないが、どうしておばあちゃんがFacebookをやるの。米国では家族同士のコミュニケーションも実名ベースのSNSで行うことが多いとか。年寄りが孫とSNSでやり取りしているのかな。一方でブログは、10代の若者にとってまどろかしくて、ダサいメディアとなってきているのか。

 またレポートの全文(PDFファイル)はこちらで。


◇参考
・Generations Online in 2010(Pew)
・Why the Kids Don't Blog and Grandma's on Facebook(Fast Company)

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:31 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2010年09月29日

世界最大級のオンライン出版実現を目指し、AOLがTechCrunchを買収

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 AOLって、まだ存在したの? それどころか若い人にすれば、AOLってな〜に。それくらいAOLは、日本で影の薄い存在になってしまっている。

 そのAOLがネット業界で最も影響力のあるブログTechCrunchを買収したというから、大騒ぎになるのも当然。今日のTechCrunchの記事の見出しが、Tim Armstrong: We Got TechCrunch!。AOL CEOのTim Armstrong氏の寄稿記事で、見出しに興奮ぶりが伝わる。

 「We Got TechCrunch」は映画「You've got mail」ももじったもの。AOLの電子メールを舞台にしたメグ・ライアンとトム・ハンクス主演の映画である。AOLはパソコン通信時代を制覇した勢いで、インターネット時代も主役の座を堅持すると見られており、この映画が封切られた90年代末もAOLの影響力が抜群で、この映画を見て、電子メールを利用し始めた人も多かった。そして勢いに乗ったAOLが2000年にタイムワーナーと史上最大の合併劇を演じた。ところがネットバブルが崩壊に伴って、新旧メディアの巨大合併が破局へ。そして、お荷物のAOLはタイムワーナーから切り離されてしまった。

 ところが、AOLは復活を企んでいた。会長兼CEOに,Google副社長(広告担当)であったTim Armstrong氏が就任したのだ。復活劇の目玉の一つが、世界最大級のオンライン出版を作り上げることである(こちらを参照)。でも、MediaGlowのブランド名を冠したサイト(ベーター版)を立ち上げていたのに、いつのまにか消滅したりしていたので、ほんまにうまくいくんかなと半信半疑で見守っていたのだが。TechCrunchを買収となると、AOLの動きもちょっと面白くなってきた。

 そこで、大まかにAOLの現状を。comScoreの2010年8月データによると、月間ユニークビジター数が1億717万人で、米国で5位につけている。今でも、1億人のユーザーがAOLサイトに訪れているとは。これは凄い資産で、新しいメディアサイトを育てる強力なパワーとなりえる。
comScoreTop201009.jpg


 AOLが現在抱えるメディアサイト(AOL Network)は次の通り。これに、TechCruchを筆頭にMobileCrunch, CrunchGear, TechCrunchIT, GreenTech, TechCrunchTV and CrunchBaseも仲間入りするこになる。

AOLNetwork20100929a.jpg
AOLNetwork201009b.jpg

 これらのサイト中には、すでにブランド力のあるブログが少なくない。Technoratiの世界のブログランキングでも、トップ10のAOLのブログが三つも入る。

Technorati Top 100

1. The Huffington Post
2. TechCrunch
3. Gizmodo
4. Mashable!
5. Engadget
6. Gawker
7. TMZ.com
8. The Daily Beast
8. Boing Boing
10. Hot Air

 また技術分野でも、影響力抜群の2大ブログがAOLのものとなる。
Techmeme Leaderboard
1・TechCrunch (11.53%)
2・Engadget (5.01%)
3・New York Times(2.81%)
4・Silicon Alley Insider(2.49% )
5・VentureBeat (2.42% )


◇参考
・Tim Armstrong: We Got TechCrunch!(TechCrunch)
・It’s Official: AOL Acquires TechCrunch (And Mike Arrington, For Now)(paidContet.org)
・AOLが世界最大級のオンライン雑誌社を目指す,タイムの紙雑誌リソースに頼らず
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 10:24 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2010年09月11日

RSSリーダー時代が終焉か、Bloglinesがサービス停止へ

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
Bloglines.jpg


 RSSリーダー時代がいよいよ終焉を迎えることになるのか。数年前のRSSリーダー全盛時代において、トップランナーであったBloglinesが2010年10月1日をもってサービスを終えることになった。久しぶりにサイトを訪れると、次のようなメッセージが。

“As you may have heard, we are sorry to share that Bloglines will officially shut down on October 1, 2010.”


 個人的にもBloglinesサービスのお世話になってきた。6年前にメディア・パブを始めたきっかけも、RSSフィードの普及によりメディア産業の地殻変動が起こるのではと思ったからである。その当時、米国のメディアサイトが次々とセグメント分けしたRSSフィードを発信し始めており、またテーマをターゲット化した良質のブログも相次ぎ登場していた。もちろんブログにはRSSフィード発信機能が組み込まれている。こうした流れの中で、ブログだけではなくて新聞などのメディアサイトも記事単位でのパーマリンク化が当たり前になっていった。

 このRSSフィードを利用することにより、これまでとはケタ違いに効率のよい情報収集が実現するようになった。その時、世話になるツールがRSSリーダーで、米国内の一番人気がBloglinesであったわけだ。ネットでの情報収集の出発点は、個人的にもBloglinesのRSSリーダーかGoogleの検索エンジンであった。それが、Bloglinesをいつの間にか使わなくなっていった。少なくともこの2年間近くはほとんど覗きに行かなくなっている。RSSリーダーで必死になって探さなくて、ツイッターなどのソーシャルメディアですぐに得られる場合が多いからだ。ニュースアグリゲーターやソーシャル・フィルタリング・サイトで十分といったところか。

 Hitwiseのデータによると、人気のGoogle Readerでも訪問者数がこの1年間で27%減り、さらにBloglinesでは71%も減らしている。ただRSSリーダーのユーザーは減っていくだろうが、RSSフィード発信の重要性はソーシャルメディアや検索エンジンに対応するためにも変わらない。


◇参考
・IAC To Shut Down Bloglines(paidContent.org)
・The Death Of The RSS Reader((paidContent.org)
・Bloglines Update(Ask.com)
・RSSリーダーのシェア争い,Bloglinesが独走(メディア・パブ)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:32 | Comment(3) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2010年06月14日

英フィナンシャルタイムズ、ブログも「課金の壁」で囲い込む

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米英の新聞サイトでは、ブログが質量とも充実している。ブロガーとして、第一線の著名な記者や外部のコラムニストも数多く参加している。

 こうした新聞サイトのブログは、外部ソーシャル(メディア)との架け橋となる重要な役割も果たしている。このため新聞サイトを有料化しても、一般にブログは誰もが無料でアクセスできるようにしている。代表的な有料サイトであるWSJやFTでも同じである。来年1月にサイトの有料サービスを開始するNYタイムズも、課金の壁によってソーシャルシェアリングに悪影響を及ぼさないようにしたいという。例えば、NYTimes.comのブログは有料化の対象から外す予定である。

 ところが、FT(フィナンシャルタイムズ)のサイトが、“Money Supply”と称する人気ブログを課金の壁で囲い込み、有料記事にしてしまったのだ。FT.comのブログ案内ページ(http://www.ft.com/comment/blogs)を見ればわかるように、FTのブログもなかなか充実している。FT.comは有料サイトであるが、これまでこうしたブログはタダで閲覧できていたのだ。


FTcomBlog201006.jpg

 先週末から、上のブログ案内ページに出ているブログ“Money Supply”のブログ見出しをクリックすると、以下のように課金の壁で遮られた。現時点で課金の壁で囲い込んだブログは、“Money Supply”だけのようである。

ftMoneySupply.jpg


 どうも、今回のブログの有料化は実験的な試みかもしれない。ここでも裏技があって、このURL(http://blogs.ft.com/money-supply/)からMoney Supplyにアクセスすれば、以下のように課金の壁に邪魔されないで、ブログ記事を無料で閲覧できる。

FTBlogsMoneySupply.jpg




◇参考
・The FT’s experiment with paywalled blogs(Reuters)
・Financial Times begins moving its blogs behind paywall(sfnblog.com)
・Social sharing will not be affected by paywall, Chairman of NYT says(editorsweblog.org)
・WSJとFTの両新聞サイト,いまだに有料記事がタダで読み放題(メディア・パブ)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 01:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2010年06月10日

米国の人気ブログ、ツイッター効果で大差がつく

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 BoingBoing、TechCrunch、Mashableといえば、米国を代表する人気ブログである。BoingBoingは、2〜3年ほど前まで米国のナンバーワン・ブログとして抜群の人気を誇っていた。後発のTechCrunchとMashableはWeb2.0ブームに乗って台頭してきた技術系のブログである。

 これら3ブログは月間ユニークビジター数で競っており、2009年5月当時ではそれぞれのビジター数が185万〜190万人と伯仲していた。ところがCompeteのグラフによると、以下のように月間ユニークビジター数で、大きく差が開いてきている。Technoratiのブログランキングでも、Competeと同じように、Mashableが3ブログの中でトップとなり、その後をTechCrunchが追い、それから少し離れてBoingBoingが続いている。

BlogTwitterEffect.jpg

Technorati20100608.jpg


 この1年間でユニークビジター数に差が生じてきたのは、ツイッターやフェースブックとの連携の深さの違いによるとの声があったので、調べてみた。

 Mashableのツイッターアカウント@mashableは、ブログとのセットで人気が高い。フォロワー数も200万人を超え、ブログの月間ビジター数に匹敵する。MashableのCEOであるPete Cashmore氏の個人ツイッターとなっているが、ツイート数が2万5000本を超える。内容もネット関連ニュースの紹介が中心で、ノイズ的なツイートがほとんどない。フェースブックのファン数は20万人強である。

 TechCrunchのツイッターアカウント@TechCrunchは、フォロワー数が139万人とMashableより少なく、またツイートの内容がブログTechCrunchの記事見出しの紹介が多く、あまり力が入っていない印象。そのため個人的には有難味が今ひとつ。フェースブックのファン数は約5万5000人。

 この二つに比べ、老舗ブログBoingBoingのツイッターアカウント@BoingBoingは影が薄い。ツイート数が2万本を超えているのに、フォロワー数が5万5000人に達していない。フェースブックのファンページを設けていないし、ブログ記事にもretweetボタンを置いていない。どうも、ソーシャルメディアを重要視していないようだ。ブログ界の先頭を走っていたBoingBoingも、新しい波にはついていけてないのか。



◇参考
・The Twitter Effect: Mashable vs TechCrunch vs BoingBoing(twittercism)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:12 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2009年11月16日

軌道に乗ってきた商業ブログ出版,米国では職業ブロガーが45万人も?

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 半年ほど前にWSJの記事が,米国の職業ブロガーが45万人を上回ったと伝えていた。その時はブロガーで生計を立てている人がそんなに多くいるとは,とても信じられなかったのだが・・・。これはTechnoratiやeMrketerの調査データをもとにはじきだした数字である。

 だが,米国のサイトを見てまわっていると,ブロガーが確かに専門職として定着してきているようだ。商業のブログパブリッシャーが根付いてきたこともあるし,ジャーナリストやフリーランサーからブロガーへの転向がかなり増えてきている。米国では特定のテーマに絞ったエッジの利いたサイトが多いが,そこでも職業ブロガーが活躍している。

 24/7 Wall St.がブログパブリッシャーのランキングを発表していたので,それを以下に載せておく。ブログパブリッシャーは幾つかのブログを発行している商業ブログ出版社と見ておけばよい。こうした商業ブログの多くは個人ブログではなくて,複数のブロガーを抱えたグループブログが多くなってきた。そのブロガーも,職業ブロガーが中心になっている。


*米国のブログパブリッシャーのトップ25(24/7 Wall St.が算定したバリュエーションのランキング)
1. Gawker Properties, $300 million.
2. The Huffington Post, $112 million.
3. Perez Hilton, $44 million.
4. Drudge Report. $42 million.
5. TechCrunch. $32 million.
6. PopSugar Properties. $26 million.
7. Politico. $23 million.
8. MacRumors. $20 million.
9. Boing Boing. $18 million.
10. Mashable. $17.5 million.
11. Seeking Alpha. $16 million.
12. GigaOm. $15 million.
13. Breitbart Sites. $11 million.
14. SB Nation Network. $8 million.
15. ReadWriteWeb. $7 million.
16. The Business Insider. $7 million.
17. Destructoid. $5 million.
18. Apple Insider. $4.5 million.
19. //film. (SlashFilm). $4 million.
20. SearchEnginLand. $4 million.
21. Smashing Magazine. $3.5 million.
22. Talking Points Memo Sites. $3.5 million.
23. VentureBeat. $3 million.
24. The Superficial. $3 million.
25. 24/7 Wall St. Network. $???.

 ブログパブリッシャーはいずれも規模が小さいが,ようやく軌道に乗り出したようだ。広告のCPMも今年の年初から目立って回復してきたという。また,1年前に比べてビジター数も増えてきている。

 トップGawker Mediaの収支やブログ・トラフィックが出ていたので下に掲げておく。世の中は不景気だが,頑張っている。

*Gawker Mediaの設立以降のページビュー推移。2009年10月のページビュー数は3億9400万に。
GawkerMedia0909.jpg



*Gawker Mediaの売上高と経費の推移
GawkerRevenue0910.jpg



*Gawker Mediaの9ブログのページビューの推移)
GawkerNov2009.jpg
(Nick DentonのTwitterのリンク先)


◇参考
・The Twenty-Five Most Valuable Blogs In America(24/7 Wall St.)
・Then and Now, Seven Years of Blogging as Business(Gawker)
・Gawker Media revenues up 45% in first half(Nick Denton)
・Gawker Media: 394 Million Pageviews, 1 Steampunk Office(Silicon Alley Insider) 
・America's Newest Profession: Bloggers for Hire(WSJ.com)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 00:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2009年10月20日

ブログは中高年男性のメディアなのか

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 ブログは今や,中高年の男性向けのメディアになってしまったようだ。

 Technoratiが毎年出す“State of the Blogosphere”の2009年版によると,ブロガーの68%が35歳以上で,ブロガーの男性比率が68%となっている。一方,Sysomosの発表によると,Twitterユーザーの35歳以上の割合はわずか12%で,男性比率は47%となっている。

*ブロガーの年齢と性別(ソース:Technorati)
BloggingTechnorati09a.jpg


*Twitterユーザーの年齢(ソース:Sysomos)
TwitterUser.jpg
・There are more women on Twitter (53%) than men (47%)

 
 最近はツイッターの台頭により,ブログの影が薄くなっている。「ツイッターで忙しくて,ブログなんかやってられない」と,ブログ離れのツイッター中毒者が幅を利かせている。


◇参考
・Day 1: Who Are The Bloggers? SOTB 2009(Technorati)
・State of the Blogosphere 2009 Introduction(Technorati)
・An In-Depth Look Inside the Twitter World(Sysomos)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 23:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2009年04月29日

豚インフルエンザの情報案内のWidget,米政府が発行

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
GogSwineFlu.jpg



 豚インフルエンザに関する情報が氾濫している。デマが飛び交う心配もある。そこで正確な情報を得るには、政府の公式サイトも欠かせない。

 米政府はPandemicFlu.gov(SwineFlu,AvianFlu)を,日本政府は首相官邸の新型インフルエンザへの対応を立ち上げている。政府からの豚インフルエンザに関する情報をワンストップで得られるようにしている。

 課題は、こうしたサイトの存在を広く知ってもらうことである。そこで PandemicFlu.govでは、次のようなWidgetを発行していた。


 どうって事は無いWidgetであるが、シンプルで効果的である。実際に米国のWebページでは、このWidgetをよく見かける。サイズ(height×width)は160×198と160×152の2種類を用意し、英語版のほかにスペイン語版も揃えた。アメリカ保健社会福祉省(HHS, United States Department of Health and Human Services)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC:Centers for Disease Control and Prevention)、世界保健機関(WHO:World Health Organization)からの速報にアクセスできるようになっている。

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 12:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2009年04月03日

英ファイナンシャル・タイムズ、Twitterフィード配信を公式に開始

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 英FT(Financial Times)のサイト(www.ft.com)がTwitterフィードの配信を始めた。

 Twitterがクリティカルマスに達したとみたのか、最近、メディアサイトやブログでコンテンツの更新をTwitterで知らせるのが盛んになっている。RSSフィードやメールアラートに加えて、Twitterフィードの採用が始まっている。

 FTもこれまで、非常にきめ細かくセグメントしたRSSフィードを配信していた。例えば、中国やインドに関するRSSフィードだけでも次のようにそれぞれ7種類も用意している。

*FT RSS feeds
FTRSSChinaIndia.jpg

 このFT RSS feedsの案内ページに、新たにFT Twitter Feedsが加わり、次の12種類のTwitterフィードの配信が始まった。

FTTwitterFeeds.jpg

 その中のMediaのフィードページは次の通り。FT.comに投稿したメディア関連ニュースについて、見出し(+短い要約)とニュース本文へのリンクを知らせている。

FTTwitter0904.jpg




◇参考
・Is Twitter Killing RSS?(Venture Chronicles)
タグ:twitter

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 08:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2009年01月21日

WhiteHouse.govも“Change”,ブログやウィジェットでソーシャル化

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 米国の第44代大統領にオバマが就任するや否や,スローガンの“Change”がまずWhiteHouse.govで実施された。下のスクリーンショットは,その時のトップページである。主人公がブッシュからオバマに代わった。

WhitehouseSiteChange.jpg

 まず目が付いたのはブログ。Macon Phillips( the Director of New Media for the White House)が最初に投稿していた。ブログ記事の見出しは,ずばり“Change has come to WhiteHouse.gov”である。その中で,次の3点を強調している。

Communication -- Americans are eager for information about the state of the economy, ational security and a host of other issues.
Transparency -- President Obama has committed to making his administration the most open and transparent in history, and WhiteHouse.gov will play a major role in delivering on that promise.
Participation -- President Obama started his career as a community organizer on the South Side of Chicago, where he saw firsthand what people can do when they come together for a common cause. Citizen participation will be a priority for the Administration, and the internet will play an important role in that.

 国民とのCommunicationや政策のTransparencyを高めるために,WhiteHouse.govの更新情報を,RSSフィード(ブログ)やe-mail,Twitterなどで配信する。以下は,Twitterの例である。

WhiteHoseTwitter.jpg

 動画の提供も始めている。オバマが列車でワシントンに乗り入れた時の動画も,以下のようにウィジェットの形でも提供されていた。もちろんのことだが,YouTubeのThe White House(http://www.youtube.com/whitehouse)経由でも提供されている。




この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 10:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年12月21日

ヒマなときに楽しめるウィジェット

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 巷で人気のウィジェットを。疲れた時には,ハムスターを相手に遊んでみては。車輪をくるくる回すだけではなくて,マウスでクリックして餌を与えると,すぐに食いつき,喉が渇くと水を飲んだりと。

 このウィジェットはここ(http://abowman.com/google-modules/hamster/#gadgetSWF)からゲットした。


タグ:Widget

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 22:09 | Comment(2) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年12月18日

ネットインフルエンサー,今も雑誌やTVなどの伝統メディアに頼っている

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 デジタルインフルエンサーは,今も新聞,雑誌,TV,ラジオの伝統メディアに頼っている。

 米大手PR会社MS&Lの調査で,そのような結果が確認された。オンラインで大きな影響力を発揮するデジタルインフルエンサー約1000人を対象に実施した調査によると,インフルエンサーの84%は雑誌や新聞の記事を読むか,あるいはTVやラジオを視聴してから,オンラインで行動することが多いという。要するに,オンラインで発信するインフルエンサーの意見形成に,伝統メディアの情報が欠かせないということである。

 今回の調査では,ビューティー(美容),グリーン(環境),ヘルス(健康)の各分野のインフルエンサーが,どのようなリソースから情報収集しているかをまとめている。企業のマーケターからすれば,デジタルインフルエンサー対策が欠かせない。

 ビューティー分野のインフルエンサーは,企業サイトや製品サイトが最も有効な情報源と見ている。また,オンラインコミュニティーサイトを重視している。検索エンジンンは当てにしていない。消費者の意見は欠かせないので,ブログや掲示板,チャットなどをチェックしている。

 グリーン分野のインフルエンサーは,非営利,協会,学会などのサイトを重視している。これらのサイトを、インフルエンサーの42%が週に1回訪れている。歴史のある信用できる専門サイトに頼る傾向が強い。逆にオンラインコミュニティーは当てにしていない。

 パーソナルヘルス分野のインフルエンサーは,nutrition(栄養)関係の情報収集に熱心である。政府や地方自治体のサイトを重視している。やはり健康関係では公的情報に頼ることになる。またインフルエンサーは,ポータルや検索エンジンでヘルス関連情報を集めはするが,あまり当てにしていないようだ。

 重要なのは,分野によってインフルエンサーの行動パターンが違うことである。つまり企業のマーケターのオンライン対策も,分野によって攻め方が異なる。


◇参考
・Traditional Media Sparks Word of Mouth(MS&L,プレスリリース)
・'Digital Influencers' Get Info from Magazines, TV First(AdAge)
この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年11月17日

思わず貼りたくなるクールなウイジェット

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 お堅いWSJ(Wall Street Journal).comが,“Sprint’s Surprise-Hit Widget”との見出しの記事で,携帯電話事業者Sprintのウィジェットをたたえている。

 早速,そのウィジェットを集めたページ “Plug into Now”に飛んでみた。クールなウィジェットが多い。思わずiGoogleなどに貼り付けたくなる。静止しているウィジェットもカーソルを移動させると動き始める。だが貼るにはサイズが大きすぎる。そこで小サイズのウィジェットを得るには,下のスナップショットで示した矢印(Get the Now Widget)の位置をクリックすればよい。

SprintWidget.jpg  

 その小サイズのウィジェットを下に貼り付けておいた。左下のShuffleをクリックすれば,別のウィジェットが代わって現れる。


See All CardsSprint.com/now
タグ:Widget

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 00:35 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年11月04日

“抜粋 vs 記事全文”のRSSフィード論争,今更どうして

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 英Guardian.co.ukが記事全文のRSSフィード配信を開始した。

 同サイトの公式ブログが伝えていたニュースだが,大した話でもないので無視していた。ところがその後,Google Reader Blog(Googleの公式ブログ)が次のように絶賛しているではないか。
The Guardian just moved all of their RSS feeds from partial to full-text. They are the first major newspaper in the world to do so, and this is, well, great news.
 記事全文のRSSフィード配信を実施したのは,世界中の新聞社サイトでGuardianが事実上初めてだという。確かに注目すべきニュースかもしれない。でも有力新聞社のサイトが,いまだに記事全文のRSSフィード配信を実施していなかった事実の方こそニュースではなかろうか。

 3年以上前に,「RSSフィード論争,“抜粋 vs 記事全文”」 のタイトルの記事を書いたことがある。こんな論争はもう終わっていると思っていた。ブログなどでは,RSSフィードで全文配信することは普通である。でも、なぜ新聞社サイトが全文配信を実施しなかったのか。Publishing2.0のScott Karpも解説しているように理由は明らかである。

 RSSフィードで記事全文を配信すると,RSSリーダー側で記事全文を読まれるため,多くのRSSリーダーユーザーが新聞社サイトにアクセスしなくなるからだ。新聞社サイトは,売上の大半を新聞社サイトの広告売上に依存している。このため,全文配信するとページビューが減り,それに応じて広告売上も減る心配が生じる。

 だが,RSSリーダーで情報収集しているユーザーからすれば,抜粋(記事の一部)ではなくて全文をRSSフィードで配信してほしい。RSSリーダーを利用するメリットは,ワンストップで複数のサイトの記事を閲覧できることである。つまり,いちいち複数のサイトに飛ばなくても済むからだ。でもRSSフィードで抜粋記事が配信されていると,別のWebサイトにわざわざ飛ぶことが増え,作業効率が落ちてしまう。

 Guardianは抜粋配信から全文配信に切り替えたのだが,Webサイト(Guardian.co.uk)へのアクセスが減って,広告売上が落ちないのだろうか。開発者のMatt McAlisterは,RSSフィード内広告を採用することで対応していくという。後で述べるように,Guardianが配信するRSSフィードは種類が豊富で,そのうえ全文配信する。ユーザーのニーズに応えたRSS配信サービスなので,RSSリーダーで閲覧するユーザーがぐんと増えるかも。RSSフィード内広告の売上をかなり当てにしているようだ。

 GuardianRSSフィードはきめ細かく用意されており,利用したくなる。まずニュースカテゴリー別(大分類別,中分類別,小分類別)にRSSフィードが揃っている。またジャーナリスト別(記者別,ブロガー別,寄稿者別)のRSSフィードも用意されている。トピック別(a-z of subjects)からも,所望のRSSフィードを探せるようになっている。例えば,Japan関連ニュースの新着記事をチェックしたければ,こちら(http://www.guardian.co.uk/world/japan/rss)のように閲覧できる。


 新聞社のオンライン事業で,以前から先駆的な役割を演じてきたのがGuardianであった。デジタルアーカイブも充実しており,1791年からの全記事を用意している。サイトのデザインも優れている。その結果,英国ではトップランナーの新聞社サイトとなった。Audit Bureau of Circulations Electronic (ABCe) によると,Guardian.co.uk の9月のユニークユーザー数は2419万人である。



◇参考
・Upgrading our RSS feeds(Guardian)
・Reading The Guardian, full-text style(Google Reader Blog)
・RSSフィード論争,“抜粋 vs 記事全文” (メディア・パブ)
・RSS Adoption at 11% and it May Be Peaking, Forrester Says(Micro Persuation)
・Most B2B Tech Companies Don't Use RSS Feeds(MarketingVOX)
・ABCes September 08: Independent sees 21 per cent rise while traffic drops at Mirror and Sun Online(journalism.co.uk)
・Guardian Launches Full RSS Feeds, First Media Company Not To Suppress RSS Adoption(Publishing2.0)
・RSSフィードの普及率は約1割止まり,リーダー利用はニッチだが情報流通には必須(メディア・パブ)
タグ:RSS

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:39 | Comment(1) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年10月23日

RSSフィードの普及率は約1割止まり,リーダー利用はニッチだが情報流通には必須

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 RSSフィードの利用は,米国のインターネットユーザー(大人)の11%しか利用していない。

 これはForrester Researchが実施したRSSフィードのユーザー調査の結果である。Steve Rubelが彼のブログMicro Persuationで報告していくれている。

 Forrester Researchが2,231人の大人のオンラインユーザーを対象にした調査によると,「現在RSSフィードを利用しているか?」の問いに,
11%:Yes
78%:No
12%:I'm not sure

との結果になった。

 RSSリーダーを利用している割合が,ネットユーザーの11%と見てよさそうだ。RSSフィード配信はニッチな市場で終わり,期待したほど普及しなかったのか。

 RSSリーダーで所望のRSSフィードを受けて,日常的にRSSリーダーで情報収集するユーザーは限られているだろう。今回の調査結果の11%はピークで,これ以上普及しないかもしれない。だからといって,RSSフィード配信を無視していると,大きなビジネス機会を失うことになるだろう。

 RSSフィードを配信する目的は,何もRSSリーダーユーザーだけのためではない。大半のユーザーはRSSが何かを知らなくても,RSSフィードの恩恵を受けているのだ。

 ブログやポッドキャスティングはRSSフィード配信が前提だし,SNSでもRSS機能が利用されている。パーソナライズドページやウィジェットもRSSフィードがなければ実現しない。さらに,ソーシャルニュースサイト(ニュースアグリゲーター)とかブログ検索エンジンでも,RSS配信フィードの存在が前提だ。現在のソーシャルメディアのコンテンツ流通は,RSSフィード配信なしでは成り立たない。

 また,日常的にRSSリーダーを使っているユーザーが10%前後と少なくても,その10%のユーザーは情報収集に熱心な人たちで,影響力のあるブロガーなどが多いことに注視すべきである。つまり口コミの発信源となる人たちである。

 だから,ソーシャルメディアで情報(コンテンツ)を広く伝播(流通)させたければ,RSSフィード配信は必須といえる。米国では,新聞社や雑誌社のメディアサイトをはじめ,オンラインサービスサイト,先進企業,政府機関,大学などが,4〜5年前から積極的にRSSフィード配信を始めてきたのは,そのためである。




◇参考
・RSS Adoption at 11% and it May Be Peaking, Forrester Says(Micro Persuation)


この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 11:20 | Comment(1) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年10月03日

ブログニュースアグリゲーター分野にもGoogleが参入

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  話題になりそうなニュースとかニッチな興味深いニュースを,他の人よりも一足も二足も早く知りたい。メディア関係者やニュース系ブロガー,それにビジネスパーソンでも,そのように早耳ニュースを追い続けている人は少なくない。

 そうしたニーズに応えたニュースアグリゲーターとして,技術系ニュースサイトTechmemeや政治系ニュースサイトmemeorandumの人気が高まっている。巡回収集したブログやニュースサイトの記事をアルゴリズムに従って選別し,その記事の見出しなどを表示するサイトである。

 そのブログ記事を対象としたニュースアグリゲーター分野に,ついにGoogleも参入してきたのだ。Google Blog Searchで,11分野ごとのニュースページを用意している。今この時に,ブログの世界で話題になっているニュースが掲載されている。

 まず,Google Blog Searchのスナップショットを。左サイドに11種のカテゴリーが示されている。Politics(政治)を選んだときの画面である。その時点での話題度の大きいニュースから順番に掲載されている。

GoogleBlogSearch1.jpg

 上のトップのニュースは3時間前にアップされたブログ記事であるが,そのニュースと同じ内容を議論しているブログが過去17時間に213本あったことを示している(おそらくある程度実績のあるブログが対象のはず)。213blogsをクリックすると,以下の画面が現れた。213本のブログがどの時間帯で発生したかをグラフ表示していた。

GoogleBlogSearch2.jpg

 ちなみにこの記事は,共和党副大統領候補のペイリンをハリウッドスター並みのエンターテインメント価値があると伝えた,ブログらしい記事である。どれくらいエンターテインメント性があるかを確かめたいなら,以下のニュース記事に飛んで写真を見ればよい。

Entertainment value ‘huge’ for Sarah Palin / Joe Biden Debate(Hollywood Newsroom)
Sarah Palin and Joe Biden Beat the Crap Out of Each Other(Indecision2008 | Comedy Central)


 このGoogleのブログニュースアグリゲーターの競合サイトとしては,Techmeme(Technology)/memeorandum(Politics)が立ちはだかる。ただしTechmemeとmemeorandumは,ブログだけではなくて新聞社や雑誌社などのメインストリーム系ニュースサイトの記事も対象にしているだけに,Googleがどこまで対抗できるかどうか。

 また,New York Times傘下のBlogrunnerとも,同じようにカバー分野が広いので,一部競合するかもしれない。だがBlogrunnerはブログ記事も対象にしているが,メインストリーム系ニュースサイト記事に重きを置いているだけに,あまり競合しないのでは。

 ただ,Google Blog SearchがメインストリームニュースアグリゲーターのGoogle Newsと合体していけば,TechmemeやBlogrunnerと正面衝突することになろう。




◇参考
・Browse what the world is saying on Blog Search(Official Google Blog)
・Google News for Blogs(Google Operating System Blog)
タグ:ブログ ニュース

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 07:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年09月24日

100以上のブログからリンクを張られているブログ,全体の1%以下

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
  Technorati(テクノクラティ)の“State of the Blogosphere”は,ブログの世界を俯瞰するのに格好のレポートであった。1年半ほど前の同レポートで日本語ブログが世界で最も多いと報告された時は,ブロガー人口が世界最多と真に受けたのか,日本ではそのレポート結果がやたらにもてはやされていた。

  このレポートも,同社の創立者のDavid Sifryが退社してからは途絶えていたので,休止してしまったと思っていたのだが・・。それがこのたび復活して,State of the Blogosphere / 2008が公開された。

  ブログ検索サービス事業者のTechnoratiは,世界中の多くのブログをトラッキングし,検索のためにインデックス化している。そうした収集データと,それに世界66ヵ国のブロガー(米国ブロガー550人+欧州ブロガー350人+アジアブロガー173人+α)へのアンケート結果をもとに,今回のレポートをまとめている。アンケートは英語で実施したので,偏りがあるかもしれない。

 まず,世界全体のブロガーの年齢分布および性別は以下のグラフのようになっている。米国人ブロガーでは中高年層が多く,42%が18-34才で,58%が35才以上であった。一方アジア人のブロガーは若年層中心で,73%が18-34才で,わずか27%が35才以上となっていた。

Technorati2008AgeGender.jpg

 次は,ブログのTechnorati Authorityの分布である。被リンクを張っている外部ブログの数を Technorati Authorityと呼んでいる。たとえば,Technorati Authorityが50点のブログは,外部の50個のブログからリンクが張られていることになる。Technoratiでは今年の6月にトラッキンギした約500万ブログのTechnorati Authorityを測定した。その結果をグラフ化したのが以下の図である。Technorati Authorityが100点以上の権威あるブログは約3万3400個で,全体の約1%以下となる。

Technorati2008Authority.jpg

 このAuthorityは,Technoratiのブログ検索エンジンを利用する場合,フィルタリングに有効である。英語版Technorati(テクノラティ)のブログ検索サービスでは,検索対象ブログとして,オーソリティー別に次の4レベルから選べることができるようになっている。
・a lot of authority
・some authority
・a little authority
・any authority

“a lot of authority” のブログを対象にして“Android”を検索してみると,次のようになる。「玉」情報と「石」情報を振り分けるには,便利である(価値あるブログ情報を,authorityが低いがために見逃すこともあるが)。

TechnoratiAndroid080924.jpg


 今回の調査では,ブロガーを次の3タイプに分けている。
・Personal(個人ブロガー): blog about topics of personal interest not associated with your work
・Professional(プロブロガー): blog about your industry and profession but not in an official capacity for your company
・Corporate(企業ブロガー): blog for your company in an official capacity

 個人ブロガーや企業ブロガーはわかりやすい。ここでいうプロブロガーは,属している企業のためではなくて,個人の専門分野をテーマにしたブログを書いているブロガーである。ただし,きれいに区分できるわけではない。全体の46%がプロブロガーと名乗っているのは驚きであるが,そのプロブロガーのうち79%は個人ブロガーの立場で書いているようである。 

Technorati2008BloggerType.jpg


 次は,ブロガーが取り上げているトピックのランキングである。

TechnoratiTopics.jpg

 このレポートは,明日以降
Day 3: The How of Blogging
Day 4: Blogging For Profit
Day 5: Brands Enter The Blogosphere
と続く。


◇参考
・State of the Blogosphere / 2008
Introduction
Day 1: Who Are the Bloggers?
Day 2: The What and Why of Blogging
タグ:ブログ

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 09:50 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
2008年08月04日

企業の重要情報をブログで開示,米SECが認める方針へ

Tweet このエントリーをはてなブックマークに追加
 企業の情報開示のあり方が,ソーシャルメディアの台頭で変わろうとしている。

 米証券取引委員会(SEC:Securities and Exchange Commission)の特別顧問(Special Counsel)のKim McManusが話したところによると,企業が投資に絡む重要情報をWebサイトやブログで開示することを,SECは認める方針という。

 SECは2000年10月にRegulation FD(Fair Disclosure) を施行し,企業が選択的に情報を開示することを禁止していた。限られたアナリストや機関投資家などだけに,前もって電話会議などで重要情報を伝えることを禁ずる規則である。そこで,SECは企業が情報公表する具体的なモデルを提示した。SECファイリングやプレスリリースを通じて広く配布することや,インターネットのコンファレンスコールのような誰もがアクセスできる形で情報を開示することを義務付けたのである。

 一般投資家がデジタルデバイドにより不利にならないように,従来からのプレスリリースも必要としていたのだ。企業はBusinessWireやPRNewswireのような通信社(wired service)を介してプレスリリースを配布しなければならなかった。だが,企業ブログや企業ホームページでの情報開示がFD(Fair Disclosure)を満たしていると認めらていくと,いずれプレスリリースが不要になっていくのかもしれない(当分は並立することになると思われるが)。

 この流れは,企業にとっては経費節減にもなる。わざわざ有料の通信社を利用しなくても済むからだ。Yahoo FinanceやGoogle Financeのような無料の配信サービスを利用すれば,ブログなどによる開示情報を幅広く一般投資家にも伝えることができる。

 プレスリリースからソーシャルメディアリリースへの流れを,これまでも何度か伝えてきた。SECがソーシャルメディアによる企業の情報開示を認めていくことになれば,この流れを加速化するかもしれない。ともかく,PRやIRのソーシャルメディア化は確実に進みそうだ。またCEOブログやCFOブログが増えてくるのかな。

 あれ?,SEC自身もソーシャルメディアを使って,広報活動に乗り出しているのでは。

twitterSEC.jpg


◇参考
・Speech by SEC Staff:Commission Guidance on the Use of Company Web Sites Opening Remarks at the SEC Open Meeting (SEC)
・SEC To Recognize Corporate Blogs as Public Disclosure, What This Means for Wires and Press Releases (PR2.0)
・SEC Likely to Change Fair Disclosure Rules - No Need for Press Releases Through Wire Services?( Silicon Valley Watcher)
・欧米企業サイトが開設する「ソーシャル・メディア・ニュースルーム」とは(メディア・パブ)
タグ:ブログ PR

この記事をブックマーク: このエントリーを含むはてなブックマーク この記事を検索: Google 検索
posted by 田中善一郎 at 06:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | RSS配信 ブログ
<< 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11 >>
Powered by Seesaa
Seesaaブログ
新着記事
(10/17)激しく責め立てられる「…
(09/19)動画配信のソーシャル系…
(09/11)SNS上のニュースは不正…
(07/28)勢いが続く「LINE」「In…
(06/30)TVニュースだけではなく…
(06/15)ニュースユーザーのFB離…
(06/01)高年層のSNS利用が増え…
(05/21)金融新聞「FT」までがFB…
(05/06)米ニュースメディアが相…
(04/16)モバイル広告市場を牽引…
(04/10)FBのアルゴリズム変更後…
(03/14)紙の「雑誌ブランド」は…
(02/07)「メディア」も「プラッ…
(01/30)国民の信頼が最も低い米…
(01/21)メディアに好かれる「グ…
(12/21)若いミレニアル世代ほど…
(12/08)世界の全広告費の25%を…
(11/28)デジタル売上8億ドルの…
(09/28)「グーグル」と「FB」が…
(09/07)FBに頼る海外のニュース…
カテゴリ
RSS配信 ブログ(202)
マーケティング 広告(339)
新聞 ニュース(702)
出版 雑誌(319)
TV  ビデオ ラジオ(277)
ポータル サーチエンジン(179)
メディア(94)
ケータイ モバイル(115)
市場(144)
その他(47)
日記(1)
Web2.0 SNS CGM(312)
ネットワーク(30)
ビッグデータ AI(4)
過去ログ
記事検索
 
プロフィール
名前:田中善一郎
E-mail:ztanaka@excite.co.jp