アイデアプロセッサとしてブログを使う 昨日と一昨日,回線増強のためseesaaのブログサービスムが止まった。このブログを情報整理のために使っていたので,整理ノートを失った状況に陥り,ちょっと困った。
そこで今日は,情報整理ツールとしてのブログについて。
ブログが人気があるのは一つに,簡単にホームページが作れ,誰もが簡単に日記や主張などを発信できるからであろう。ちょっとした,"個人出版社"の気分も味わえる。コメントやトラックバック機能で他者とも気楽に繋がり,さらにコミュニティへ発展する楽しみもある。
でも,この私のブログは,ブログ本来の使い方をとっていない。あくまで,個人的な情報整理やアイデア発想の手助けのために始めた。
これまでも職業柄,効率の良い情報整理法を求め続けてきた。KJ法,ハイパーカード,野口の超整理法などなど・・・。だが,どれも2〜3カ月間と持たず,あえなく挫折していた。しかたなく,新聞の切り張りやデジタル情報のハードディスクへの貯め込みを続けていたが,収集にエネルギーを費やした割には,あとで実際に有効に活用することはほとんどない。
もう情報整理する年齢でもないので,と諦めていた頃にブログに出会った。ひょとしたら情報整理の救世主になるのではという期待を抱いて,この「メディア・パブ」を手がけた。結論から言えば,半年も継続しているのだから,まずまずの収穫があった。このブログでは,欧米のニュースを中心に役立ちそうなソースにリンクを張り,それに簡単なメモを加えたエントリーを,日常的に投稿していった。ランダムに貯めていったエントリー群でも,カテゴリ毎とか時系列に,整理された形で閲覧できる。頭を整理でき,アイデアが浮かんでくることもある。ソースコンテンツもリンクを張っておくと,ソースが手元にあることになり,後で深く調べるときに便利である。seesaaのブログでは,複数のカテゴリーのand検索でも閲覧できる。単なる備忘録ではなくて,アイデアプロセッサとして使えそうだ。
ただ,個人用の情報整理のための私用ブログなので,すべてのエントリーを公開していない。著作権侵害になるエントリーや仕事に直接関わるエントリーは,非公開にせざるをえない。ネット上のコンテンツはいつ消滅するかわからない。このため,重要なソースコンテンツは,リンク張りで済ませるのではなくて,カット& ペーストでコピーするため,公開できない。WSJOnlineの記事は年間有料購読者でも1ヶ月以前のアーカイブ記事を読むと追加課金されるし,NY Timesなども1週間以前の記事は有料になるので,これらのソース記事も必要に応じて,個人利用としてエントリー内にコピーしておく。
このため,実際には非公開エントリーの方が多くなっている。編集モードでないと閲覧できないので不便だが,仕方がない。ブログシステムは情報整理を目的に開発されているわけでもないので,アイデアプロセッサとして使うには不備が多いのも確かである。ともかく無料で使わせてもらっているのだから・・・。
ブログ伝搬の流れが確認できた 私用ブログとしてスタートしたので,他人に読んでもらうことを念頭に入れていなかった。エントリーは自分だけにわかるメモで良かった。コメントやトラックバックとも無縁だし,pingを打つこともなかった。テーマも一般的ではないし,ここまで何もしなければ,誰も見に来ないだろう。
ところが,このブログ開設して4カ月くらい経った頃に初めてアクセスログ(seesaaブログでは無料)を覗いてびっくりした。アクセスゼロと信じていたのに,毎日5〜10人前後の人がアクセスし,30〜50ページが閲覧されていた。今までのホームページならゼロで済んだのが,やはりブログは違う。伝搬力のすごさを思い知る。
そこで,このブログを踏み台に,前から確認したかったブログによる情報伝搬のフローを調べてみることにした。まず,エントリーの書き方を変えた。他人が読んでも理解できるコンテンツにした。それと,seesaaが薦めるpingサーバーの登録も行った。それだけで,半月余りで,ページビューが約3倍近くになった。検索エンジン経由でのアクセスが現れたのが効いた。
次にブログらしく,個人の考え方を盛り込んだエントリーを投稿してみる。そうすると,世の中は広いもので共鳴する人が現れ,その人のブログで紹介してくれる。その時は,当該エントリーのアクセス数は瞬間的に増える。また,一般受けするニューステーマのエントリーを,意識して投稿してみる。アグリゲータやリンク集などで拾ってくれて,これまた瞬間だがページビューがアップする。この結果さらに半月間で,平均ページビューが約2倍,上乗せすることになった。
よく言われていることが,おもしろいほどその通りになる。ブログらしいエントリーを発信していけば,検索エンジンや他のブログ,アグリゲータなどから特定エントリーに飛んでくる"一元客"が増える。多くの一元客は到来したときに初めてそのブログの存在を知り,気に入ればRSSリーダーやブックマークに登録してくれる。ブログの常連客となる可能性が高まる。日々のアクセスログを追っていると,明らかに一元客から常連客への鞍替えが読め,ページビューを底上げしているのがわかる。例えば,bloglineからもある時以来飛んできている。この結果,2カ月間弱で平均ページビューが10倍以上に膨れあがった。ともかくブログのすごいのは,エントリーという小さい単位で一元客を呼び込む仕掛けが,数多く備わっていることだ。
でも今回は,集客の常套手段である,トラックバックやコメントには手を付けていない。他のブログにトラックバックなどを発することは全くしていないし,逆に受け取っても何も応えていない。それどころか,ブログページにトラックバックやコメントの表示を外している。エントリーのカテゴリーも,利用者の立場で分けていない。pingサーバーなどのアグリゲータ関連サイトへの登録も徹底していない。こうした手段を講じたときの集客の変化も確かめても見たかったが,このブログの当初の目的であるアイデアプロセッサに戻れなくなるので,今回の試みはここで打ち切ることにした。
posted by 田中善一郎 at 18:37
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