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2014年07月06日

日本だけがなぜモバイルインターネット人口で天井感が

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 インターネット・ビジネスの高成長はまだまだ続く。スマホなどのモバイル端末の台頭が、その勢いを加速化させている。市場がグローバル化していることも特徴で、先進国だけではなく新興国でもほぼ同じように展開している。モバイル先進国の日本は当然のように、これからも際立った成長を続けていくはず・・・。

 ところが、eMarketerの最新の予測によると、日本のモバイルインタネット人口の伸びに鈍化の兆しが見え始めるようだ。特に気になったのは意外と天井が低くなりそうなことである。

 最初の表1は、アジア太平洋地域の主要国における、モバイル・インターネットの普及率である。大雑把に言えば、スマホでインターネットを利用している人の割合である。2018年までを予測しているが、スマホ先進国の日本や韓国、オーストラリアでは来年あたりから普及率の伸びが鈍り始める。普及率の上限が韓国が70%台半ば、オーストラリアが70%台前半なのに対し、日本が約10%も低い60%台前半で天井感が出ている。

表1.モバイルインターネットの普及率。
Mobile Internet User Penetration APEC.png


 一方、新興国の中国やインド、インドネシアでは、GDPが比較的低いこともあって、普及率が先進国に比べて高くないが、まだ成長途上国である。中国は約14億人、インドは約12億人、インドネシアは約2億4000万人の人口を抱える、世界1位、2位、4位の巨大国である。すでに各国ともモバイルネット人口で日本を凌駕している。世界トップのモバイルネット人口を誇る中国が巨大市場を形成しているのは言うまでもないが、若年層が急増しているインドやインドネシアでは、以下の表2に示すように、今後ともモバイルネット人口が10%〜20%前後で増え続けると予想されており、同じく巨大市場に育っていこう。

表2.モバイルインターネット人口の成長率
Mobile Internet User Growth APEC.png


 躍進する巨大新興国とモバイルネット人口で比較しても意味がないかもしれないが、ただ日本のモバイル・インターネット・ユーザーの普及率が60%台で頭打ちになりそうなのは、やはり気になる点だ。PC(デスクトップ)からアクセスするユーザーも含めたインターネットの普及率で見ると、日本は韓国やオーストラリアとほぼ同じ80%近くとなっている。このあたりが上限で、もうこれ以上普及率は目立ってアップすることはないだろう。またモバイル端末(ガラケーも含む)の普及率でもほぼ同じ上限値に達しているはず。なのに、モバイルインターネットの普及率だけは韓国やオーストラリアに比べ10%以上低いままに推移しそうなのだ。


表3.インターネットの普及率
Internet User Penetration APEC.png

表4.インターネット人口の成長率
Internet User Growth APEC.png


 韓国やオーストラリアのモバイルユーザーのスマホシフトが、この3年近くの間で一気に進んでいるのが表1、表2で読み取れる。一方、日本のスマホシフトが両国に比べ緩やかで、スマホ普及率が意外と高くならないのは、やはり少子高齢化と保守化傾向が進んでいるためか。

 内閣府が今年4月に発表した消費者動向を報道するニュース記事では、スマホの世帯普及率が5割超え、スマホブーム真っ只中と素直に伝えていた。でもグローバルな動向から見ればやや勢いが足りないし、パーソナルデバイスであるスマホに対し世帯普及率で評価する意味が今一つ理解できなかった。「日本はスマホ超後進国」と揶揄する声も聞かれるが、スマホシフトが大きくなくても、PC(デスクトップ)からインターネットにアクセスする人が多ければ、特に問題がないという見方もある。

 だが、これからのインターネット産業の観点では、やはりスマホ(モバイルインターネット)普及率が高いほうが望ましい。数年前までモバイル後進国とみなされていた米国でも、インターネットサービスの中心が、モバイル向けに一気に変わろうとしている。eMarketerが表5で示す、米国市場におけるデジタル広告費(予測も含む)の推移を見ても明らかだ。デスクトップとモバイルのチャンネル別の広告費が示されている。

表5.米国のデジタル広告費の推移(デスクトップ向けとモバイル向け)
USAdSpendingbyChannel.png

 デジタル広告費はデスクトップ向けが主役で、つい最近まで単価の低いモバイルデバイス向けはほんの脇役に過ぎなかった。ところがこの3年近くの間に、スマホの急激な普及に合わせて、モバイル向けデジタル広告市場が急上昇し始めた。今ではデスクトップ広告費の半分近くまで迫っている。さらに2016年にはモバイル広告費がデスクトップ広告費を追い抜き、2018年には3倍近くまで差を拡大する。ECなどのサービスでは、それ以上にモバイル向けのシェアが大きくなりそう。そのころは、消費者向けインターネットサービスは事実上ほとんどがモバイル向けとなっているはず。ところがその時、日本ではモバイル・インターネットの普及率が60%台前半だと、かなりの割合の人が新しいインターネットサービスを享受できないことになりかねない。


◇参考
・Mobile Web Use in APAC: The Good and the Bad(eMarketer)
・A Tale of Two Asia-Pacifics(eMarketer)
・Total US Ad Spending to See Largest Increase Since 2004(eMarketer)
・平成26年3月実施調査結果:消費動向調査(内閣府)



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posted by 田中善一郎 at 16:58 | Comment(1) | TrackBack(0) | ケータイ モバイル
この記事へのコメント
ガラケーはモバイルインターネットから除外しているんですか?
Posted by なかぃ at 2014年07月06日 23:28
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